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    元スレ勇者「俺は勇者様の影武者ですから」

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    みんなの評価 : ★★
    タグ : - 勇者 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    <魔王軍要塞>

    勇者「僧侶は回復を、魔法使いは俺たちのサポートを頼む!」

    僧侶「任せて下さい!」

    魔法使い「了解!」

    勇者「行くぞ、戦士!」ダッ

    戦士「おうっ!」ダッ

    大幹部「コシャクなァッ!」

    魔法でパワーアップした二人の剣が、魔王軍大幹部を切り裂く。

    ズババァッ!

    大幹部「ぐ……はっ……!」

    大幹部「魔王様……お許しを……!」ドチャッ…

    2 = 1 :

    勇者「よしっ、大幹部を倒した!」

    勇者「これでもうこの要塞は、機能を失ったも同然だ!」

    僧侶「この要塞は、魔王軍の人間界侵略の要でしたからね……」

    僧侶「今回の勝利は本当に大きいですわ」

    魔法使い「いよいよボクたちも、魔王に近づいてきたね」

    戦士「今度はこっちが攻める番だ!」

    勇者「さてと、テントに戻ろうか」

    僧侶「……そうですね」ハァ…

    魔法使い「戻りたくないなぁ……」

    戦士「ちっ、またアイツのお守りの始まりかよ……」

    4 :

    はぁ…最近のSSはほんと良いな
    捻りの利いた面白いSSばかり
    元SS読み手として喜ばしい…

    5 = 1 :

    <テント>

    勇者「お~遅かったな、お前ら。なにチンタラやってたんだよ」ゴロン…

    勇者「すみません、要塞の指揮官である大幹部に手こずりまして」

    勇者「ったく、大幹部くらいもっとサクサク倒せよなぁ~?」

    勇者「勇者様はあんな敵に手こずるのか、ってこの俺がいわれちゃうじゃんかよ」

    勇者「本当にすみません」

    僧侶(なにもこんな言い方しなくても……)

    魔法使い(安全なテントで寝そべってただけのくせして偉そうに……!)

    戦士(相変わらずムカつくヤロウだぜ!)

    6 = 1 :

    勇者「おい、戦士」

    勇者「なにかいいたそうなツラしてたが、いいたいことがあるならハッキリいえよ」

    戦士「いえ、別に……」

    勇者「だよなぁ? いえるわけないよなぁ?」

    勇者「お前の実家、オンボロ武器屋を立て直せたのは誰のおかげだ?」

    勇者「お前を魔王討伐パーティに選び、前金として大金を支払ってやった」

    勇者「俺と俺の一族のおかげだもんなぁ?」

    勇者「なにかをいう権利なんて、あるわけねぇよなぁ!?」

    戦士「感謝……してます」

    勇者「ふん」

    勇者「……そういや、他の二人もコイツと似たようなもんだったよな?」

    7 = 1 :

    勇者「数人しか生徒がいなかった魔法塾に、ろくに礼拝客が来ない教会」

    勇者「しかし、今やどちらも盛り上がり始めてる」

    勇者「どうしてだ? オイ、いってみろよ」

    魔法使い「……勇者様の一族に頂いたお金と、勇者様のネームバリューのおかげです」

    僧侶「……本当にありがとうございます」

    勇者「そうだそうだ、大いに感謝しろよ」

    勇者「貧乏人っつうのは、金やチャンスを恵んでやっても」

    勇者「少し時間が経つと、すぐ感謝の気持ちを忘れるから困る」

    勇者「──さて、お前は俺にちゃんと感謝してるか?」

    勇者「もちろんです」

    8 :

    ほう

    9 :

    見てるよ

    10 = 1 :

    勇者「俺は勇者様の影武者ですから」

    勇者「勇者様がいたからこそ、俺はこうして活躍できているのです」

    勇者「さすがにお前は分かってるな」ニヤッ

    勇者「俺のご先祖は、大昔に魔王を倒したっていうありがた~いお方だ」

    勇者「さて、俺が生まれるのとほぼ同時期、魔王が復活してしまった」

    勇者「俺はすくすく育ち、魔王も着々と人間界を侵攻する」

    勇者「こうなると当然、勇者の血を引く俺に周囲の期待がかかる」

    勇者「しかし、今や俺の一族は国王ですら従わせることのできない大貴族……」

    勇者「そして俺はその一族の次期当主だ」

    勇者「自分で剣を持って戦うなどありえない」

    勇者「かといって、一族の名誉にかけて尻尾を巻いて逃げ出すわけにもいかない」

    勇者「だから一族は、俺に似た人間を探し、影武者として育てることにした」

    勇者「俺の代わりに魔王と戦わせるためにな」

    11 :

    この状況じゃ暗殺されて口裏合わせられたら終わりやん

    12 = 1 :

    勇者「どこぞの田舎で親に捨てられてたクソガキに過ぎなかったお前が」

    勇者「子供の頃からあれほどのエリート訓練を受けられたのも」

    勇者「全て俺がいたからだ」

    勇者「お前が俺に瓜二つだったおかげだ」

    勇者「俺がいなかったら、お前なんかただの凡人に過ぎなかったんだ」

    勇者「いや、あの境遇じゃ今の年齢まで生きられたかすら怪しいよな」

    勇者「おっしゃる通りです」

    13 = 1 :

    勇者「さぁて、じゃあ今日の戦いについて詳しく聞かせてもらおうか」

    勇者「はい」

    僧侶「待って下さい! 今日は激戦だったので、すぐに休んだ方が──」

    勇者「黙ってろ、ビッチ」ギロッ

    勇者「こういうのはな、鮮度が命なんだよ」

    勇者「戦い終わってすぐ話を聞かないと意味がない」

    勇者「そうしないと魔王を倒した後、俺が各地で講演する時に困るだろうが」

    勇者「それに“魔王討伐記”なんて本も出す予定だしな」

    勇者「民衆に俺の口や筆から、リアリティ溢れる体験を伝えるためには」

    勇者「コイツが何と戦い、どこに攻撃をもらい、どう苦しみ、どう勝ったか……」

    勇者「全て俺が体験したことにしなきゃいけないんだからな」ニヤッ

    14 = 1 :

    勇者「では要塞突入からお話しします」

    勇者「まず、門番の魔族と戦い──」

    勇者「ふんふん」

    僧侶(ひどい……勇者さんも疲れてるのに……)

    僧侶(この人は本当に自分のことしか考えていない……)

    魔法使い(ボクたちが魔王を倒した後、何もしてないこの人が)

    魔法使い(得意げに魔王討伐の話をする姿が目に浮かぶよ……)

    戦士(だが、俺たちはコイツに逆らえねぇ……)

    戦士(コイツのおかげで家が潤ったってのは事実なんだからな……)

    16 = 1 :

    勇者「……ふん、なるほど。こうやって大幹部を倒したってわけか」

    勇者「はい」

    勇者「ったく、相変わらず泥臭い戦い方だな」

    勇者「もっとかっこよく倒せよな?」

    勇者「こんな戦いを講演会で話したら、子供のロマン壊しちまうぜ」

    勇者「すみません、俺が力不足なもので……」

    勇者「力不足ってか、努力不足だな。俺の影武者のくせに、だらしねえ」

    勇者「つまんねえ話を聞き続けたら、眠くなっちまった」ファアア…

    勇者「んじゃ、俺は勇者専用のテントに移らせてもらうぜ」ガサゴソ…

    勇者「…………」

    17 :

    凄惨な鬱話になりそうだな

    18 = 1 :

    僧侶「やっと終わりましたね」

    戦士「ちっ、高貴な血筋の勇者様は俺らと寝るのはイヤだってか!」

    戦士「一人だけ専用の広いテントで寝やがって!」

    魔法使い「別にいいけどね。ボクもあの人と一緒に過ごすのイヤだし」

    魔法使い「あの人のテントが魔物に襲われたら、面白いんだけどなぁ」

    魔法使い「多分なにもできずにやられちゃうでしょ、あの人」

    僧侶「無理ですよ」

    僧侶「このテントでさえ、魔族に対して高度なカモフラージュ機能を持ってますからね」

    僧侶「あの人のテントを見破るなんて、おそらく魔王でも不可能です」

    戦士「それにもしアイツを死なせちまったら」

    戦士「たとえ魔王を倒しても、報酬はパアだからな」

    戦士「下手すりゃ、アイツが死んだのは俺たちのせいってなってブタ箱行きだ」

    戦士「ったく、イヤになるぜ!」

    19 = 17 :

    ぶっ殺してテントの中に放置したら見つからないような

    20 = 1 :

    勇者パーティの旅は続いた。

    <都市>

    市長「魔物たちを追い出していただき、ありがとうございます!」

    市長「おかげでこの都市は救われました!」

    市長「さすがは勇者様とその御一行ですな!」

    勇者「いえ、礼をいわれるほどのことではありません」

    勇者「俺たちは魔族の長、魔王を倒すための旅をしているのですから」

    市長「さすがは勇者様。しかし、このままあなたがたを見送っては我が都市の名折れ」

    市長「もしよろしければ、今夜食事会などいかがでしょう?」

    市長「我が都市の名物料理で、たっぷりともてなしますよ」

    勇者「ありがとうございます」

    勇者「ですが、この格好のままというわけにも参りませんので」

    勇者「一度俺たちのテントに戻らせていただきます」

    市長「分かりました。では今晩、市庁舎でお待ちしておりますので」

    21 = 1 :

    <テント>

    勇者「ほう、食事会?」

    勇者「よし分かった、俺が出る」

    勇者「そういう仕事は、勇者の血を引く俺がやらなきゃならん」

    勇者「それに、最近はお前らの食糧調達がなってないせいで」

    勇者「ろくなもんを食ってなかったからな」

    勇者「ふふふ、楽しみだ」ジュルリ…

    勇者「では、俺はテントで待っておりますので、仲間と市庁舎に向かって下さい」

    勇者「おう」

    僧侶(これではあまりにも勇者さんが気の毒ですわ……)

    魔法使い(何もしてないくせに、手柄は総取りか……ホントいいご身分だよ)

    戦士(くそったれが……!)

    22 = 11 :

    すげえ突っ込み所満載だな

    23 :

    スレタイでシンケンジャー思い出した

    24 = 1 :

    <市庁舎>

    市長「さあ、どんどん食べて下さい、勇者様!」

    市長「酒も料理もたっぷり用意しておりますので!」

    勇者「いやぁ~美味しいねぇ」モグモグ

    勇者「このところろくなもん食ってなかったから、ホント最高だよ!」グビグビ

    市長「喜んでいただいてなによりです」

    市長「それにしても、勇者様の旅というのはやはり過酷なのでしょうなぁ」

    勇者「まあな」

    勇者「魔王軍やモンスターとの戦いはもちろん、食糧調達も大変なんだ」

    勇者「雑草や虫、毒か分からないキノコを、食べることもしょっちゅうさ」

    市長「ふむう、なるほど」

    僧侶(自分じゃ食糧を調達したことなんかないくせに……)

    魔法使い(いつもボクたちに毒味させてから、食べるしさ)

    戦士(よくもまあ、ここまで堂々とほざけるもんだ……)

    25 = 1 :

    勇者「ま、俺にかかれば魔王なんて軽いもんだ」

    勇者「この剣でズバズバッとね」

    勇者「残りの三人なんて、ほとんど俺のオマケみたいなもんさ」

    市長「そ、そうなんですか……ハハハ」

    市長(勇者様の性格が、先ほどとはずいぶん変わってしまったが──)

    市長(酒に酔ったからなのかな……?)

    僧侶(一度だって自分で戦ったことなんかないくせに……)

    魔法使い(そのオマケや影武者の勇者さんがいなかったら、何もできないくせにさ)

    戦士(あ~……一度ブン殴ってやりてえ)

    26 = 1 :

    <テント>

    勇者「う~……食った食った」

    勇者「お疲れ様です」

    勇者「オイお前、なんで俺が食事会に出られないんだ、とか思ってないか?」

    勇者「思っていません」

    勇者「俺は勇者様の影武者ですから」

    勇者「ハハハ、だよなぁ?」

    勇者「ここの市長がこんな豪勢な食事会を開いたのはなんでだと思う?」

    勇者「お前らが魔物を追い出したから? ……ちがうな」

    勇者「俺の……勇者の名前があるからだ!」

    勇者「勇者の名を掲げてない、ただの戦士団が魔物を追い出したところで」

    勇者「せいぜい、はした金と土産でも渡されて終わりってところだ」

    勇者「メシの途中、俺を睨んでた貧民トリオにもいっておく」

    勇者「お前らは、俺がいなきゃなんの価値もない人間なんだよ!」

    27 :

    胸くそ悪りいなおい





    影勇者が幸せな方向でオナシャス

    28 :

    影武者が魔王である可能性が微レ存

    29 = 17 :

    胸糞からのカタルシスに期待する

    30 = 1 :

    戦士(ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう!)

    戦士(俺たちゃ、コイツのいうとおりなんの価値もない人間なのかよ!)

    僧侶(ですが、この人がいなければ私たちが)

    僧侶(だれからも注目されないしがない一般人だったというのは本当の話……)

    魔法使い(それに、この人を立てて魔王を討伐し、最後まで仕事をこなせば)

    魔法使い(ボクたちは一生遊んで暮らせるほどの報酬を得られる……)

    戦士(結局俺たちは)

    僧侶(最後の最後まで)

    魔法使い(この人のいいなりになるしかないってことか……)

    31 = 1 :

    勇者パーティと魔王軍の、果てしない戦いは続いた。



    勇者「今日はこの城をなんとしても取り戻す!」

    戦士「おうよっ!」



    僧侶「全体回復呪文をかけましたわ!」

    勇者「ありがとうっ!」



    魔法使い「あの植物、ボクの炎呪文でだいぶ弱ったみたいだ! トドメを頼むっ!」

    勇者「任せろ!」

    ズバァッ!

    32 :

    その刹那、真勇者が







    ―爆発した

    33 :

    >>32
    最近妹=爆発が定着してきた

    34 = 1 :

    戦士「このオバケども、俺らに化けやがるぜ!」

    勇者「俺たちだけに分かる質問をして、ニセモノを見抜くんだっ!」



    勇者「君がやられたら……パーティはオシマイだからな」プスプス…

    僧侶「勇者さん、私を守るために攻撃を受けて──!」



    勇者「俺の剣に魔法を乗せてくれっ!」

    魔法使い「了解っ!」

    勇者「受けてみろ、魔法剣ッ!」

    ドシュウッ!

    36 :

    支援
    影武者ハッピーエンドでたのむ

    37 = 1 :

    <テント>

    勇者「……さてと、今日の戦いについて話してもらおうか」

    勇者「はい」

    勇者「まず、草原にてトロルの一団と遭遇し──」

    勇者「トロルのこん棒で頭部に手痛い一撃を受けてしまいました」

    勇者「おいお~い」

    勇者「そんな話したら、俺の女性ファンが悲鳴上げちゃうだろ」

    勇者「キャ~、勇者様の美しいお顔が~! ってさ」

    勇者「他はいいけど、なるべくカオには攻撃喰らうなよな」

    勇者「すみません」

    勇者「──ったく、ホントお前はどんくさいな……」

    38 :

    これはあれだろ
    溜めて溜めて最後に「真勇者ざまぁwww」っていう話なんだろ?

    支援

    39 = 1 :

    勇者「あ~……しゃべったらノド渇いちまった」

    勇者「オイ魔法使い、そこの水筒取ってくれよ」

    魔法使い「あなたの方が近いじゃないですか、それぐらい自分で──」

    勇者「ん、俺に意見するのか?」

    勇者「いっとくが仮に魔王を倒せたとしても、俺の一族への報告次第じゃ」

    勇者「お前らを英雄どころか罪人にだってできるんだぜ?」

    魔法使い「わ、分かりましたよ」ス…

    勇者「俺がいったらちゃっちゃと動け! グズが!」パシッ

    勇者「ただの水じゃものたりねぇな、酒が飲みてえなぁ……」ゴクゴク

    僧侶(飲み水だって手に入れるのは大変なのに……)

    戦士(人をアゴで使いやがって……)

    戦士(コイツ、このところますます調子に乗ってきたな……)

    40 = 1 :

    勇者「まぁ~た不満そうなツラしてるのがいるな」

    勇者「お前らみたいなのは無駄に体力があるからいいんだろうが」

    勇者「俺みたいな高貴な血筋の身で、こんな旅を続けるのはけっこう大変なんだぜ?」

    勇者「あちこち肩が凝ったりしてよぉ~」コキッ コキッ

    僧侶「…………」

    僧侶「なんだったら、肩でもお揉みしましょうか?」ス…

    勇者「さわるんじゃねえ、クソビッチが!」

    バシッ!

    僧侶「あっ!」

    勇者「お前みたいな庶民が、俺に触れられると思ってんのか!?」

    勇者「いっとくが玉の輿なんか期待すんなよ、俺は女の好みにはうるさいからな」

    僧侶「うぅ……」

    42 = 1 :

    勇者「ん、もうこんな時間か……そろそろ自分のテントに戻るとするか」

    勇者「じゃあな」ガサゴソ…

    戦士「……行ったか」

    戦士「ケッ、あのクソヤロウにムカつかねえ日がねえよ!」

    戦士「戦いもしねえくせに、口は偉そうだし、鎧だけは豪勢だしよ」

    戦士「ま、アイツのおかげで影武者の勇者のために頑張ろうって気にはなるがな」

    魔法使い「あのぉ~……勇者さん」

    魔法使い「あなたはあの人に口答えはおろか」

    魔法使い「ボクたちだけになっても、愚痴一つこぼさないけど……」

    魔法使い「あんな人に手柄を全て取られて、悔しくはないのかい?」

    勇者「全然」

    勇者「俺は勇者様の影武者だから」

    43 = 1 :

    勇者「俺は勇者様の影として戦い、世界を平和にすることができればそれでいいんだ」

    魔法使い「そ、そうかい……」

    魔法使い「君がそれでいいなら、いいんだけど、さ」

    魔法使い(これだけ理不尽な目にあっても、こんなこといえるなんて……)

    魔法使い(ものすごい忠誠心だ)

    魔法使い(まさしく彼こそが真の勇者様だよ)

    魔法使い(勇者の血を引く本物の勇者は、勇者どころか人間としてもどこかおかしいし)

    戦士(だが、今の世は家柄や血筋をとことん大事にすっからな……)

    戦士(どうあがこうが、この勇者は影武者以上の存在にはなれねえんだ)

    僧侶(この人がどんなに頑張ろうと、明るい未来は待ち受けていない)

    僧侶(本当にかわいそうな人ですわ……)

    44 = 1 :

    勇者「……ん、みんな、考え込んでしまってどうしたんだ?」

    勇者「いよいよ魔族の領地に近づいてきたし、明日も激戦が予想される」

    勇者「余計なことは考えずにゆっくり休もう」

    僧侶「え、ええ、そうですね……」

    魔法使い「う、うん分かってるよ。休息も戦いっていうしね」

    戦士「明日も……頑張ろうな!」

    勇者「うん、おやすみ!」

    45 = 1 :

    <闇の大地>

    戦士「ここが魔王軍の領地、か」

    戦士「こんな見晴らしのいい場所でも、あちこちからヤバイ気配がするぜ」

    僧侶「えぇ、魔の瘴気もこれまで以上に濃くなっています」

    僧侶「気温は普通なのに、細かい震えが止まりませんわ」

    魔法使い「魔族もこれまで以上に強くなるんだろうなぁ」

    魔法使い「魔力切れを起こさないよう、魔法をうまく使っていかないと」

    勇者「だけど、それだけ勝利も近いってことだ」

    勇者「あそこにそびえ立つ魔王城……」

    勇者「俺たちが、あの中にいる魔王を倒せば人類の勝利だ!」

    46 = 1 :

    <テント>

    勇者「う、うぅ……」ガタガタ

    勇者「こんな土地に留まるのはまっぴらごめんだ」

    勇者「さっさと魔王をブッ倒してこい!」

    魔法使い「ムチャをいわないで下さい」

    魔法使い「闇の大地では、魔の瘴気のせいで魔族が数段パワーアップしてるんです」

    魔法使い「いや、むしろ本来の力を発揮できるというのが正しいでしょう」

    勇者「うるさい、俺に口答えするなっ!」

    魔法使い「……すみません」

    勇者「もういい、テントに戻る」スクッ

    勇者「さっさと魔王を倒す手はずを整えろ、グズども!」ガサゴソ…

    勇者「はい!」

    48 :

    これは勇者報われないENDでオナシャス

    49 = 27 :

    本物めっちゃ弱いんじゃね?

    50 :

    ロト紋のアリアハン編思い出した
    不遇さくらいしか共通点ないけど


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