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    元スレ剣士「勇者を決めるトーナメントだと……?」

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    1 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 18:43:41.74 ID:dtGV+w900 (+125,+30,-208)
    <町>

    友人「なあ」

    剣士「なんだ?」

    友人「ついこの間、大昔に勇者が倒したっていう魔王が復活しただろ」

    剣士「ああ、今はまだ目立った活動をしていないが」

    剣士「いつ本格的な侵攻に出るか分からない」

    剣士「もちろん、俺も勇者を見習って魔王討伐に挑むつもりだ」

    友人「さすがだな」

    友人「──で、さっき向こうでお触れが出てたんだけどさ」

    剣士「お触れ?」

    友人「なんでも一週間後に、国中の剣の使い手を集めて」

    友人「城下町で勇者を決めるトーナメント大会を開くらしい」

    剣士「勇者を決めるトーナメントだと……?」
    2 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 18:45:07.21 ID:8XpGUVyK0 (+24,+29,-8)
    勇士を募って討伐させればいいのにね
    3 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 18:48:34.64 ID:dtGV+w900 (+95,+30,-156)
    友人「勇者になれるのは、もちろん優勝者ただ一人だ」

    友人「もし勇者になれれば、莫大な報奨金が手に入るし、色んな特権もつく」

    友人「んでもって、魔王討伐を国を挙げてバックアップしてもらえる」

    友人「どうだ、お前もこの町じゃ敵無しだし、出場してみないか?」

    剣士「そうだな……」

    剣士(このまま一剣士として討伐の旅に出ても、予算も装備も厳しい……)

    剣士(それに今の自分のレベルを知るいい機会だ)

    剣士「──出てみるか!」

    友人「おお、そうこなくっちゃ!」

    友人「お前の腕なら、かなりいいとこまで……いや優勝だって狙えるぜ!」
    4 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 18:52:07.14 ID:dtGV+w900 (+95,+30,-168)
    <魔王城>

    側近「魔王様、斥候から捨て置けない情報が届きました」

    魔王「どうしたというのだ」

    側近「どうやら人間たちの国々のうち、もっとも剣術の栄えた王国で──」

    側近「近々勇者を決める大会が開かれるとのことです」

    魔王「勇者を決める大会?」

    魔王「ほほう……人間にしてはなかなか面白いことを考えるではないか」

    側近「本来であれば妨害したいところですが、まだ我らも復活したばかり」

    側近「力が戻り切っておりません」

    側近「大会が終わったら、優勝者の情報だけでも掴むことにしましょう」

    魔王「ふむ……」
    5 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 18:55:33.85 ID:dtGV+w900 (+95,+30,-93)
    一週間後──

    <城下町>

    友人「どれどれ……」

    友人「まずは兵士の訓練場で予選会を行い、8名の出場者を決定するんだってよ」

    友人「で、その8名が大会会場で雌雄を決するってワケだ」

    剣士「8名か……」

    友人「じゃあ、俺は先に大会会場に向かってるから」

    友人「お前と一緒に大会を観戦することがないよう、祈ってるぜ」

    友人「──頑張れよ!」

    剣士「ああ、ありがとう」
    6 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 18:59:28.88 ID:dtGV+w900 (+95,+30,-292)
    <訓練場>

    兵士長「参加者諸君!」

    兵士長「このたびは大勢の剣士に集まっていただき、まことに頼もしく思う」

    兵士長「本来ならば全員に勇者の称号を授けたいところだが、そうもいかん」

    兵士長「勇者になれるのは、この中でたった一人のみ!」

    兵士長「これまでに培った剣技を、存分に振るってもらいたい!」

    剣士(参加者はざっと100人ってところか)

    剣士(中には記念で参加したような人間も見受けられるが)

    剣士(尋常ならない気配をまとう者もちらほらいる)

    剣士(ハイレベルな大会になりそうだな……)
    7 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:03:53.77 ID:dtGV+w900 (+95,+30,-253)
    兵士長「では予選のルールを説明しよう」

    兵士長「予選は参加者を8つのグループに分け、バトルロイヤルを行う」

    兵士長「その中で勝ち残った一名のみが、本戦に出場することができる」

    兵士長「なお、予選は公平を期すため」

    兵士長「全員の装備を統一する」

    兵士長「鎧は我が軍の鎧、剣は訓練用の木剣を使用してもらう」

    剣士(この大会、本戦は持参した装備を使っていいとのことだったが)

    剣士(ここで装備品頼りの輩はふるい落とされるというワケか)

    剣士(それに装備が同じなら、手の内がバレることもない)

    剣士(──といっても、俺にはあんまり関係ないか)
    8 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:04:31.91 ID:mZfAhQE/O (+24,+29,-7)
    スレタイから漂う中世編のかほり
    9 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:09:47.03 ID:dtGV+w900 (+95,+30,-88)
    くじ引きで、参加者は8つのグループに振り分けられた。

    剣士(ここが俺のグループか……)チラッ

    剣士(どうやら強いのはいないな)

    ガッ!

    バシィッ!

    ドスッ!

    ズガガッ!

    ドゴッ!

    審判「そこまで!」

    審判「このグループの本戦出場者は、剣士!」

    剣士(よし!)
    10 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:13:57.67 ID:dtGV+w900 (+80,+30,-70)
    <大会会場>

    ザワザワ…… ガヤガヤ……

    友人(いよいよか……)

    友人(どうやらアイツも本戦出場できたみたいだし、応援してやんなきゃな)

    実況『大変長らくお待たせいたしました!』

    実況『ただいまより、王国主催による勇者決定トーナメントを開始いたします!』

    実況『ではまず、主催者である国王陛下からのお言葉です!』
    11 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:14:57.27 ID:BLKqtk1T0 (+40,+29,-5)
    実は魔王も参加していて優勝してしまうとかではないよな
    12 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:17:44.29 ID:dtGV+w900 (+85,+30,+0)
    国王「おっほん」

    国王「この大会には単に剣技を競うものではない」

    国王「国を代表する勇者を決定するものである」

    国王「皆も知ってのとおり、魔王が復活して久しい」

    国王「まだ本格的な活動は行っておらんが」

    国王「いずれこの国を始め、世界中に害悪をもたらすであろう」

    国王「ゆえに我が国は、今日誕生する勇者を盟主とした魔王討伐軍を編成する」

    国王「勇者を中心に、国民が一丸となれば魔王といえども必ずや打倒できる!」

    国王「ぜひとも皆には、勇者誕生の瞬間を目に焼きつけてもらいたい!」

    パチパチパチパチ……

    実況『ありがとうございました』

    実況『では勇者決定トーナメントに参加する、8名の選手の入場です!』
    13 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:19:53.96 ID:dtGV+w900 (+95,+30,-85)
    その頃──

    <魔王城>

    側近「魔王様っ!」

    側近「魔王様ーっ!」

    側近(城中探したが、どこにも見当たらない……)

    側近(いったいどこに行ってしまわれたのか……困ったお方だ)

    側近(そういえば、今日は人間どもの勇者を決める大会があったな)

    側近「!」ハッ

    側近(──ま、まさか!)

    側近(人間に化けて、大会会場に……!?)
    14 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:22:54.63 ID:mZfAhQE/O (+17,+23,+1)
    >>11
    あー
    15 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:25:11.63 ID:BLKqtk1T0 (+32,+29,-3)
    まぁなんだ…>>11は見なかったことで
    16 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:25:30.67 ID:dtGV+w900 (+55,+30,-81)
    <大会会場>

    実況『数字は嘘をつかない!』

    実況『一刀に二刀が勝るのは当たり前!』

    実況『左右の腕から繰り出される剣の疾風は、まさに死角なし!』

    実況『二刀剣士だぁっ!』



    実況『祈れば祈るほど強くなる!』

    実況『聖なる剣技が、今日も神の敵を打ち砕く!』

    実況『神の御加護がある限り、私は負けない!』

    実況『神聖剣士!』
    17 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:28:27.70 ID:dtGV+w900 (+55,+30,-80)
    実況『だれがどう見ても、剣を持たずとも十分強い!』

    実況『ならば剣を持ったらいったいどうなる!?』

    実況『王国きってのパワーファイター!』

    実況『怪力剣士だ!』



    実況『もしも剣士が魔法を唱えたら!?』

    実況『もしも魔法使いが剣を振るったら!?』

    実況『そんなロマンを叶えた男がここにいる!』

    実況『魔法剣士だっ!』
    18 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:31:28.51 ID:dtGV+w900 (+55,+30,-91)
    実況『いつだって剣とともに生きてきた!』

    実況『いつだって剣で己を証明してきた!』

    実況『こんな男が強くないワケがないだろう!』

    実況『剣士だぁっ!』



    実況『剣に年齢は関係ない!』

    実況『技と経験さえあれば、どんな強敵も出し抜ける!』

    実況『出場者中、ダントツの最年長!』

    実況『老剣士!』
    19 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:34:36.32 ID:dtGV+w900 (+55,+30,-95)
    実況『美貌に加えて、強さも抜群! 神は二物を与えたのか!?』

    実況『これぞ魅力の相乗効果!』

    実況『8名の中で唯一の女性!』

    実況『女剣士だ!』



    実況『無敵の剣! 無敵の盾!』

    実況『どっちも持ってりゃ矛盾は起きぬ!』

    実況『攻守ともにハイレベルという反則!』

    実況『盾剣士っ!』
    20 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:35:35.19 ID:9zZWoNqW0 (-28,-23,-1)
    ④ これは良SS
    21 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:37:02.62 ID:YEWeebXV0 (+24,+29,-18)
    女剣士が魔王ってパターンだけはやめてくれよ
    22 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:38:24.08 ID:S1NdiK010 (+19,+29,-12)
    いい口上だな支援
    23 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:43:10.16 ID:dtGV+w900 (+95,+30,+6)
              ┌─  剣士
          ┌─┤
          │  └─  怪力剣士
      ┌─┤
      │  │  ┌─  女剣士
      │  └─┤
      │      └─  神聖剣士
    ─┤
      │      ┌─  二刀剣士
      │  ┌─┤
      │  │  └─  魔法剣士
      └─┤
          │  ┌─  老剣士
          └─┤
              └─  盾剣士
    24 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:47:33.57 ID:dtGV+w900 (+95,+30,-76)
    友人(ふえぇ~……)

    友人(予選を勝ち抜いてきただけあって、どいつもこいつもやたら強そうだ)

    友人(しかも本戦からは、持参した装備で戦うんだったよな)

    友人(つまり、ホンモノの剣だ)

    友人(一応審判はいるが、最悪死ぬ可能性もある……)

    友人(しかも一回戦の相手は、あのマッスル野郎か……)

    友人(剣士のヤツ……大丈夫かな)
    25 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:50:54.75 ID:dtGV+w900 (+95,+30,-156)
    <控え室>

    怪力剣士「よう」

    剣士「ん?」

    怪力剣士「ぐははっ、いきなりテメェみたいな弱そうなのと当たれて嬉しいぜ」

    剣士「…………」

    怪力剣士「テメェは一撃でカタをつけるとして……」

    怪力剣士「俺様の二回戦の相手は……女か、神頼みの軟弱ヤロウか」

    怪力剣士「こりゃあ決勝までシードになったようなもんだな、ぐはははっ!」

    剣士「さっきからうるさいわね。もしかして、しゃべってないと落ち着かないの?」

    剣士「デカイ体のわりに、ずいぶん小心者みたいね」

    怪力剣士「ンだとォ!?」

    神聖剣士「神の御加護がある私に、筋肉など通用しませんよ」

    怪力剣士「いうじゃねえか、なんならテメェらから先に片付けてやろうか……!?」
    26 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:52:29.61 ID:RYYq+3p50 (-7,+0,+0)
    友人はハーティ使い
    27 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:53:28.43 ID:dtGV+w900 (+95,+30,-106)
    魔法剣士「黙れ」

    怪力剣士「テメェ、今なんつった? もういっぺんいってみやがれ!」

    魔法剣士「黙れ」

    怪力剣士「ヤロウ……!」

    二刀剣士「やめとけって」

    二刀剣士「こんなとこでやり合ったら、優勝しても勇者にしてもらえないかもよ?」

    怪力剣士「ふん……命拾いしたな」

    魔法剣士「ほざくな」

    二刀剣士「……やれやれ、血の気が多いヤツばっかだな」
    28 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:55:20.20 ID:9zZWoNqW0 (+29,+29,-7)
    個人的に盾剣士と魔法剣士のバトルが見たいと思った
    29 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:56:35.56 ID:dtGV+w900 (+95,+30,-210)
    老剣士「ほっほっほ、みぃ~んな元気じゃのう」

    老剣士「こりゃあ、ワシみたいな年寄りではとても優勝は無理じゃな」

    盾剣士「それはどうかな」

    盾剣士「吾輩の耳には、優勝する気満々に聞こえるが」

    すると──

    係員「剣士選手、怪力剣士選手、まもなく試合です!」

    係員「試合場へお越し下さい!」

    怪力剣士「いよいよだな、秒殺で終わらせてやるぜ」ニヤッ

    剣士(基本の型を徹底的に鍛えた俺の剣……)

    剣士(町ならば敵無しだったが、この大会でいったいどこまで通用するか……)

    剣士「ちょっとあなた」

    剣士「ん?」

    剣士「あんなヤツに絶対負けないでよ、ますます調子に乗らせちゃうから」

    剣士「……全力を尽くすよ」
    30 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:57:19.08 ID:3qVQ+lz90 (+19,+29,-4)
    剣は剣でもじゃんけん!
    31 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 19:59:29.86 ID:dtGV+w900 (+85,+30,-94)
    <試合会場>

    ワアァァァァァ……!

    実況『まもなく一回戦第一試合、剣士対怪力剣士を始めます!』

    友人「がんばれ剣士~っ!」

    審判「両者、構えて!」

    剣士「…………」チャキッ

    怪力剣士「ぐへへ……」ズンッ

    審判「──始めっ!」

    怪力剣士「ぬおおおおっ!」

    ブオンッ!

    実況『怪力剣士、いきなり上段から力任せに剣を振り下ろすっ!』
    32 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:03:53.78 ID:8XpGUVyK0 (+29,+29,-4)
    なんでマッチョキャラすぐ死んでしまうん………
    33 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:04:30.07 ID:kAorP4OJ0 (+14,+29,-12)
    デスピサロ
    34 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:04:33.34 ID:dtGV+w900 (+85,+30,-122)
    友人「あんな大振りが、剣士に通用するかよ!」

    剣士(いや、これは──!)

    ピタッ

    怪力剣士は剣を途中で止めると──

    シュッ!

    ──突きで剣士の腹部を狙ってきた。

    剣士「くぅっ!」サッ

    実況『おおっ、怪力剣士の突きを、剣士もかろうじてかわしたっ!』

    実況『それにしても今の突き、恐ろしく鋭い一撃でした!』

    ワアァァァァァ……!

    怪力剣士「フン、さすがだな」

    剣士(危なかった……!)ハァハァ

    剣士(なるほど……控え室での粗野な態度はブラフだったってことか)
    35 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:05:04.06 ID:mZfAhQE/O (-6,+3,-1)
    しえ
    36 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:06:06.60 ID:9zZWoNqW0 (+24,+29,-2)
    すこし賢い筋肉キャラか
    37 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:08:33.54 ID:dtGV+w900 (+85,+30,-159)
    怪力剣士「あの8人の中に一人としてザコはいねぇ……」

    怪力剣士「しかもこれはトーナメント、一回戦くらいはラクに勝ちたかったんだがな」

    剣士「正直な話、ラクに勝たせてしまうところだったよ」

    怪力剣士「さてと、仕切り直しといくかい」チャキッ

    怪力剣士「安心しな、もうダマシは無しだ」

    怪力剣士「こっからは真っ向勝負だ!」

    剣士「来いっ!」

    ギィンッ! ガギィンッ! キィンッ!

    実況『これはスゴイ!』

    実況『一撃打ち合うごとに、火花が散るようなすさまじい攻防です!』

    ワアァァァァァ……!
    38 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:12:26.04 ID:dtGV+w900 (+90,+30,-127)
    間合いを外す二人。

    剣士(っつうっ……手がシビれている……!)ビリビリ

    怪力剣士(パワーはまちがいなく俺が上だ)

    怪力剣士(だが、技量や速さはやっぱヤツの方がやや上だな)

    怪力剣士(基本をみっちり押さえたってタイプだ)

    怪力剣士(つまり総合力は互角……)

    怪力剣士(こういう時は長所を出しきった方が勝つってもんだぜ!)

    ガゴォンッ! ギゴォンッ! ズガァンッ!

    実況『おおっと、怪力剣士の猛攻! これは勝負に出たか!?』

    ギャウンッ! ガゥンッ! ドギャンッ!

    友人(ヤツの一撃を受けるたび、剣士の剣がすげぇ弾かれっちまう!)

    友人(あれじゃ防戦一方だ!)
    39 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:15:57.12 ID:O0MYejam0 (-25,-10,+0)
    支援
    40 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:16:27.20 ID:dtGV+w900 (+90,+30,-112)
    怪力剣士「ぬうんっ!」

    ブオンッ!

    ガギィンッ!

    怪力剣士の一撃でまたも剣士の剣が弾かれ──

    怪力剣士(よし、もらっ──)

    ギュルンッ!

    弾かれた反動で、剣士は一回転すると──

    怪力「な!?」

    ザシュッ!

    怪力剣士の腹へ一気に斬りつけた。

    怪力剣士「ぐがっ……!」ガクッ

    実況『な、なんとぉ! 剣士、怪力剣士のパワーを利用して会心の反撃ィ!』

    ワアァァァァァ……!
    41 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:19:25.66 ID:dtGV+w900 (+90,+30,-104)
    怪力剣士「ぐ、はは……さすが俺だ……!」

    怪力剣士「テメェの細腕に……こんな一撃を出させるんだからな……」

    怪力剣士「うぐぅ……」ドサッ

    審判「それまでっ!」

    審判「勝者、剣士!」

    実況『勇者決定トーナメント、栄えある最初の勝者は剣士に決まったぁっ!』

    ワアァァァァァ……!

    友人「よっしゃあ!」

    剣士(とっさの一撃だったが……うまくいったな)

    剣士(──にしても、まだシビれてるよ、両手が……)ビリビリ

    剣士は退場し、怪力剣士は治療班に運ばれ、一回戦第一試合が終了した。
    42 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:22:53.57 ID:dtGV+w900 (+95,+30,-173)
    <控え室>

    老剣士「い~い試合じゃったのう」

    老剣士「二人とも、勇者となるに相応しい器をもっておった」

    二刀剣士「どちらもいい使い手だったけど、発想の勝利というやつかな」

    魔法剣士「ふん」

    魔法剣士「どちらも雑魚だ。俺の敵ではない」

    盾剣士(8名の中で吾輩の天敵は、盾を破壊できる可能性のある怪力剣士だった)

    盾剣士(ここで消してくれた剣士に、感謝せねばな)

    係員「女剣士選手と神聖剣士選手、まもなく試合です!」

    剣士(ふうん、あの剣士……なかなかやるじゃない)

    剣士「こりゃあ、負けられないわね」ザッ

    神聖剣士「神よ、どうか我に勝利をお与え下さい……」スッ
    43 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:24:13.09 ID:6q77HMIK0 (+24,+29,-1)
    主人公だけ一次職みたいやん
    44 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:26:28.65 ID:eejkGIDS0 (+24,+29,-5)
    つまりまだまだ成長過程の途中
    45 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:28:28.30 ID:dtGV+w900 (+80,+30,-84)
    <試合会場>

    ワアァァァァァ……!

    実況『一回戦第二試合を開始いたします!』

    実況『女剣士と神聖剣士、第一試合とはうってかわって異色の対決!』

    実況『勝つのはどっちだ!』

    審判「始めっ!」

    剣士「行くわよ!」

    神聖剣士「神よ、我に力を……」

    剣士「でやぁっ!」

    キィンッ!

    女剣士と神聖剣士の剣がぶつかり合う。

    剣士(こ、こいつ……っ!)
    46 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:31:58.23 ID:dtGV+w900 (+75,+30,-81)
    実況『おおっと、両者動かなくなってしまった!』

    実況『いったいどうしたんだ!?』

    剣士「くっ……!」

    神聖剣士「恐れることはありません」

    神聖剣士「神の御加護を受ける私に、勝つ術などありはしないのです」

    剣士「あら、それはどうかしら?」

    神聖剣士「ほう?」

    剣士「よいしょっと」ガチャ…

    実況『おおお~っ!?』

    実況『女剣士、なんと鎧を外し始めた!?』

    神聖剣士「…………?」
    47 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:36:29.71 ID:dtGV+w900 (+85,+30,-122)
    神聖剣士「なにをしているのです?」

    剣士「緊張したり、剣を振ったりで、暑くなってきちゃって……」

    剣士「ねぇ、脱ぐの手伝ってくれない?」

    実況『こ、これは……!』

    ワアァァァァァ……!

    実況『観客も心なしか、さっきの試合よりも盛り上がっている!』

    友人「オイオイ、色仕掛けかよ……」

    友人「俺だったら余裕で引っかかってるだろうが」

    友人「相手は禁欲を旨としてるようなヤツだ、通用するワケが──」

    神聖剣士「い、いいだろう……!」ゴクリ

    友人(通用しやがった!)
    48 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:38:13.32 ID:RYYq+3p50 (+22,+29,-1)
    神に仕えている奴はむっつり
    49 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:39:07.08 ID:9zZWoNqW0 (+29,+29,-7)
    禁欲を破ったら神のご加護があらんことができぬぞ
    50 : 以下、名無しにか - 2012/09/15(土) 20:39:41.48 ID:uT/1xUba0 BE:1026108634-2BP(77) (+12,+19,+0)

    ランファンきました
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