元スレ魔王「いい魔王」
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201 = 29 :
スライム「他の魔王ですか?」
魔王「…この世界を自分のものにしようとしているのだろう」
少女「じゃあ、どうするの?」
魔王「取り敢えず、様子を見てくる。お前たちはここで待っていろ」
スライム「一人では危険です。一緒に…」
魔王「すぐに戻ってくる。お前たちが居ると無駄に魔力だけ消耗するまでだ
魔王「普通の人間や魔物ならまだしも、魔王が相手だと二人では歯がたたない」
魔王(それは我も一緒だが…)
スライム「…分かりました」
少女「気をつけてね」
魔王「ああ」スッ
203 = 29 :
魔王 スッ
魔王「立派なお城だな…我も出来ればこんな所に住みたかった」
魔物「!曲者!」
魔王「あぁん?」ギロッ
魔物「ひっ!」
魔王「何お前、その爪我に向けて立ててるのか?」
魔物「はっ、い、いえ、これは…申し訳ありません」
魔王「ったく…一体どの魔王だ。こんなことをしたのは…」
大魔王「余だ」
魔王「…え?」
魔王(だ、だだだ大魔王…さま?)
204 = 29 :
魔王「な、な何故」
大魔王「貴様の様子を見に来たのだが、やはり貴様は出来損ないだったようだ」
大魔王「この世界に来て何年も経つのに、この世界にはろくな魔物もない」
大魔王「人々が苦しみ、恐怖を知れば、魔物は自然と増えていくもの。なのに、貴様は魔王としての業務を怠った」
大魔王「貴様は【良い魔王】ではない」
魔王「……!」
205 = 29 :
魔王(やはり…そうだったのか。薄々感じていた)
魔王(【良い魔王】とは、つまり【悪い魔王】が良い魔王だったのだ)
魔王(そして、魔王たちの目からすれば、我は【悪い魔王】だ)
大魔王「この世界は我が支配する。貴様は約束どおり消えてもらおう」
魔王(だが逆に考えてみると…大魔王はこの世界が平和だったと言っていたのだ)
魔王(それはつまり、我は我が目指していた【良い魔王】の任務をちゃんと行なっていたというわけではないか)
魔王(それを壊させたくない。大魔王がなんだ。我の世界だ)
206 = 29 :
『魔王たるもの、自分が選んだ道を貫くための力を持ってなければ駄目ってこと』
魔王(女魔王の言った通りだ。我は強くなければならない。我の世界をこの大魔王に渡しはしない!)
魔王「こ、ここは我の世界だ。ベタに手を出すことは控えてもらおう」
大魔王「…ほう?」
魔王「わ、我には我の計画があるのだ。この世界に魔王は二つも要らない。最初に我とした約束を果たしてもらおう」
大魔王「随分と良い度胸しているではないか」
大魔王「ここに来て数年、貴様がこの世界に来て魔王として何をやった」
魔王「色んなこと…しかし、それが結果を出すにはもう少し時間がかかる」
魔王「そして、その結果を出すために大魔王、汝にはこの世界を去ってもらおう」
大魔王「我は既に汝を殺すと心を決めた。何故汝に更にチャンスを与えねばならない」
魔王「一週間だ」
大魔王「…!」
魔王「一週間で、この世界を我の支配下に入れて見せよう」
208 :
ほ
209 = 29 :
大魔王「……面白い」
魔王「何も持たぬ雛魔王が、たった一週間で人間の大国を制覇し支配できると?」
魔王「いかにも」
大魔王「…良いだろう。汝の言う通りに一週間だけ時間をやる。連れてきた魔物も消そう」
大魔王「しかし、一週間が過ぎても何にも変わらないのなら」
魔王「その時はこの世界も我の命も好きにすれば良い」
210 = 29 :
魔王「」スッ
スライム「魔王さま!大丈夫ですか」
少女「魔王」
魔王「…大魔王だった」
スラ・女「…え?」
魔王「この世界に降りてきた魔王は大魔王だった」
スライム「大魔王ということは…魔王さまよりも偉い魔王なんですか」
魔王「多分、魔王の中でも最強だ」
少女「そんな奴に目をつけられたの?この世界」
魔王「我のせいだ…我がアイツと【良い魔王】なると賭けをしたせいで、こんなことになってしまった」
スライム「勇者さま…」
211 = 29 :
国王「戦線から報告が上がった。突然魔物たちが全て消え去ったらしい」
魔王「時間を稼いだだけだ。一週間後には戻ってくる」
スライム「…その間、どうするのですか?」
魔王「…我に時間をくれ」
少女「方法があるの?」
魔王「……」
212 = 29 :
6日後
スライム「それから魔王さまは何も言わないまま城の部屋に閉じこもってます」
少女「外は戦争が終わったってお祝い雰囲気なのに…」
スライム「…まさか、圧迫されすぎて自殺とか…」
少女「!」
少女「勇者!勇者!生きてるんだったら返事して」ドンドンドンドンドンドン
魔王「お前が扉ドンドンするのうるさいんだよ!!」がちゃ
少女「きゃーっ!」
魔王「幽霊みたような顔すんな!」
213 = 29 :
スライム「魔王さま、心配してました」
魔王「悪い、悪い。ちょっと大魔王に勝つ方法を考えてたらね…」
少女「勝てるの?大魔王に」
魔王「ああ、方法はある」
スライム「どうすればいいんですか?」
魔王「まあ、案外簡単だったよ。取り敢えず、二人ともちょっと寄って、テレポートするから」
スライム「あ、はい」
少女「こう?」
魔王「行くぞ」ス
214 = 29 :
荒野
少女「ここって…?」
魔王「魔王城が居た場所だ」
スライム「今は荒野ではないですか。どうしてこんな所に……」
魔王「後…30分で約束した時間だな」
少女「30分後には大魔王が戻ってくるの?」
スライム「戦う準備をしなければ……」
魔王「……」
二十分後
スライム「後十分……」
少女「……」
魔王「じゃあ、そろそろ始めるか」
少女「え?何、その大量の瓶、ポーションなの?」
魔王「この前我の家をぶっ飛ばした爆発物だ」
スラ・女「…!」
215 = 29 :
魔王「この前は抑えてたけど、そのまま使ったらこの荒野が地図から消えるだろう」
スライム「ま、まさかそれを……」
少女「自爆するつもり?!」
魔王「違う、違う」
魔王「なんで魔王たちが全部この荒野で現れるか知ってる?それはこの荒野でしか魔王が自らを召喚できないからだよ」
魔王「つまりこの荒野を完膚なきまで破壊すれば、魔王はこの世界に入ることも、出ることもできない」
少女「でも、そんなことしたら魔王も戻れなくなるでしょ?」
魔王「どうせ戻っても死んだ命だし別にいいんだよ。それより、他の魔王たちからこの世界を守ることが大事だ」
スライム「時間まだ後5分です」
魔王「じゃあ、これの封を開けて」
スライム「なっ」ボヨン
少女「きゃっ、ちょっと、どこ触って」
魔王「にっげろーー!!」スッ
ボーーーーーーーーーン!!!
216 = 29 :
魔王「よっしゃー!大魔王ざまぁーm9(^Д^)プギャー」
スライム「……」
少女「…魔王」
魔王「ん?何だ?お前らなんでそんな顔してるんだ?もうちょっと喜べよ。これで平和に…」
少女「どさくさに紛れて人の胸を…」
スライム「魔王さま…なら…良いです」カァ
魔王「え、いや、あの…というかスライムお前は胸も何もないだろ(全部スライムだし)」
少女「ちょっとだけはあるんだよー!!!」
魔王「お前のこと言ってねーよ!」
少女「それはあたしの胸が語ることもないほどないってことか!」
魔王「お前落ち着け!」
218 = 29 :
その後、平和になった人間の国は、魔物のない世界になった。
いるとすれば、スライムが一匹、勇者であるべきだった少女が一人、そして両手に華を持った魔王が一人居るだけだった。
三人はそれからも自分たちの村で暮らしながら、困っている人々を助けることを生き甲斐に過ごしている。
人々を助けることが好きなこの優しい魔王を人々は【良い魔王】と称え、彼のことは世界の歴史に長らく残ることになった。
おわり
219 = 185 :
乙
神父と教皇は天罰だな
220 = 29 :
よし、終わった、やっと寝れる。
最後に投げやりだと思う人が居るかもしれないけどそんなことはありません。
ちゃんと元ネタ通りにやりました。
ではおやすみ
222 = 163 :
乙
面白かったよ
223 = 181 :
投げやりだと思ったけどそんなことないのか
乙
225 :
乙、面白かった
226 :
誰か産業
みんなの評価 : ★
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