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元スレ京太郎「部キャプは王道」

みんなの評価 : ☆
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ゆみ(やはり私腹を肥やすことを考えていたようだな)
ゆみ(しかも仲間を利用して……どこまでも下衆な男だ)
ゆみ「久に……この話が知れたらどうするつもりだ?」
ゆみ「たったさっき自分で言ったばかりじゃないか」
ゆみ「久は曲がったことが嫌い、そう自分で言っただろう。短い付き合いだが、それは私もよく知っている」
京太郎「確かに多少面倒なことになりますが、問題ありませんよ」
京太郎「そもそも、この話は加治木さんに伏せたまま進めても、何の問題も無かったんですよ?」
京太郎「大切なのは“桃子”さんの意思ですから」
ゆみ(桃子……だと!?)
ゆみ「キサマが彼女をその名で呼ぶな!!」
京太郎「落ち着いてくださいよ、加治木さん」
京太郎「俺があなたにこの話をしたのは、桃子さんができるだけ憂いを残さずに清澄に来れるようにしたかったから」
京太郎「俺は心の底から彼女のことを案じているんですよ?」
ゆみ「減らず口をっ……!」
京太郎「よく考えてみてください」
ゆみ(しかも仲間を利用して……どこまでも下衆な男だ)
ゆみ「久に……この話が知れたらどうするつもりだ?」
ゆみ「たったさっき自分で言ったばかりじゃないか」
ゆみ「久は曲がったことが嫌い、そう自分で言っただろう。短い付き合いだが、それは私もよく知っている」
京太郎「確かに多少面倒なことになりますが、問題ありませんよ」
京太郎「そもそも、この話は加治木さんに伏せたまま進めても、何の問題も無かったんですよ?」
京太郎「大切なのは“桃子”さんの意思ですから」
ゆみ(桃子……だと!?)
ゆみ「キサマが彼女をその名で呼ぶな!!」
京太郎「落ち着いてくださいよ、加治木さん」
京太郎「俺があなたにこの話をしたのは、桃子さんができるだけ憂いを残さずに清澄に来れるようにしたかったから」
京太郎「俺は心の底から彼女のことを案じているんですよ?」
ゆみ「減らず口をっ……!」
京太郎「よく考えてみてください」
京太郎「一度求められることを、暖かさを知ってしまった彼女は、もはや以前のような孤独には耐えられなくなっているでしょう」
京太郎「いつ瓦解するかもわからない、風前の灯のような部活で、孤独に耐えながら暮らすのと」
京太郎「全国制覇の錦を飾る場所で、みんなから必要とされながら送る高校生活」
京太郎「どちらが桃子さんにとって幸せだと思いますか?」
ゆみ(…………)
京太郎「ねぇ、加治木さん」
京太郎「いい夢、見れたでしょう?」
ゆみ「な……っ!?」
京太郎「皆で全国を目指して走り続け」
京太郎「途中で敗退はしたけれど」
京太郎「それでも夢のように楽しかったんじゃないですか?」
京太郎「高校生活最後の、素敵な思い出は“もう出来ている”んですよ」
京太郎「ですが、桃子さんにはまだまだ未来があります」
京太郎「あなたが自分の思い出のため“だけ”に作った部活に、無理に残す必要はないでしょう?」
京太郎「いつ瓦解するかもわからない、風前の灯のような部活で、孤独に耐えながら暮らすのと」
京太郎「全国制覇の錦を飾る場所で、みんなから必要とされながら送る高校生活」
京太郎「どちらが桃子さんにとって幸せだと思いますか?」
ゆみ(…………)
京太郎「ねぇ、加治木さん」
京太郎「いい夢、見れたでしょう?」
ゆみ「な……っ!?」
京太郎「皆で全国を目指して走り続け」
京太郎「途中で敗退はしたけれど」
京太郎「それでも夢のように楽しかったんじゃないですか?」
京太郎「高校生活最後の、素敵な思い出は“もう出来ている”んですよ」
京太郎「ですが、桃子さんにはまだまだ未来があります」
京太郎「あなたが自分の思い出のため“だけ”に作った部活に、無理に残す必要はないでしょう?」
男としての評価を最低以下に下げてまで百合を求める
そこに痺れる憧れるぅ!
そこに痺れる憧れるぅ!
京太郎「彼女を夢の抜け殻に縛り付けておくなんて残酷な真似が」
京太郎「あなたにできるんですか?」
ゆみ「そ、んな……しばる、なんて……そんな…つもりは」
京太郎「加治木さん、あなたと桃子さんの関係、どうして俺が知っていたと思います?」
ゆみ「…………あ、え……?」
京太郎「直接聞いたんですよ。“モモ”から」
ゆみ「何を……」
ゆみ(何を……言っているんだ……この男は)
京太郎「話の流れで気づきませんでしたか」
京太郎「モモは、もうこの話を了解済みなんですよ」
京太郎「だから、あなたとのことも全て知っているんです」
京太郎「“モモから皆聞かせてもらいましたから”」
京太郎「あなたにできるんですか?」
ゆみ「そ、んな……しばる、なんて……そんな…つもりは」
京太郎「加治木さん、あなたと桃子さんの関係、どうして俺が知っていたと思います?」
ゆみ「…………あ、え……?」
京太郎「直接聞いたんですよ。“モモ”から」
ゆみ「何を……」
ゆみ(何を……言っているんだ……この男は)
京太郎「話の流れで気づきませんでしたか」
京太郎「モモは、もうこの話を了解済みなんですよ」
京太郎「だから、あなたとのことも全て知っているんです」
京太郎「“モモから皆聞かせてもらいましたから”」
ゆみ(…………なんだ、なんなんだこれは)
ゆみ(このおとこはいったいなにをしゃべっているんだ)
京太郎「ですから…………ぁ……」ボソッ
ゆみ(え?)
京太郎「いいえ、なんでもありません。話を続けましょう」
ゆみ(なんだ、この男、一瞬むこうを見)
ゆみ(!)
ゆみ(モモ、と、清澄の……原村と、宮永……?)
京太郎「……こでは……ろと……あれだけ……」ブツブツ
ゆみ「な、んの、ことだ」
京太郎「…………いえ、モモにはその、清澄に入ってからもスムーズに行くように」
京太郎「人間関係もある程度構築しておくように言っていたんですが……」
京太郎「できるだけ内密にしろと言ったはずなんですが……」ハァ
ゆみ(このおとこはいったいなにをしゃべっているんだ)
京太郎「ですから…………ぁ……」ボソッ
ゆみ(え?)
京太郎「いいえ、なんでもありません。話を続けましょう」
ゆみ(なんだ、この男、一瞬むこうを見)
ゆみ(!)
ゆみ(モモ、と、清澄の……原村と、宮永……?)
京太郎「……こでは……ろと……あれだけ……」ブツブツ
ゆみ「な、んの、ことだ」
京太郎「…………いえ、モモにはその、清澄に入ってからもスムーズに行くように」
京太郎「人間関係もある程度構築しておくように言っていたんですが……」
京太郎「できるだけ内密にしろと言ったはずなんですが……」ハァ
ゆみ( )
ゆみ( )
ゆみ( )
京太郎「ああ…………加治木さん」
京太郎「彼女はこっちに来ることを決めてからも、あなたのことでずいぶん悩んでいました」
京太郎「最後までモモの心を縛っていたのは、部活でも麻雀でもなく」
京太郎「貴女だったんですよ、加治木ゆみさん」
京太郎「だから、俺は最後の憂いを立つために、あなたにこのお話をしたんです」
京太郎「分かって頂けますよね」
ゆみ「」ガクッ
ゆみ「」ドサッ
ゆみ「モモ……私は…………お前……モモ」
京太郎「色よい返事を……いえ、返事は結構ですので、行動で示してください」
京太郎「失礼します」スゥ…
ゆみ( )
ゆみ( )
京太郎「ああ…………加治木さん」
京太郎「彼女はこっちに来ることを決めてからも、あなたのことでずいぶん悩んでいました」
京太郎「最後までモモの心を縛っていたのは、部活でも麻雀でもなく」
京太郎「貴女だったんですよ、加治木ゆみさん」
京太郎「だから、俺は最後の憂いを立つために、あなたにこのお話をしたんです」
京太郎「分かって頂けますよね」
ゆみ「」ガクッ
ゆみ「」ドサッ
ゆみ「モモ……私は…………お前……モモ」
京太郎「色よい返事を……いえ、返事は結構ですので、行動で示してください」
京太郎「失礼します」スゥ…
~翌朝~
――車の前――
久「それにしても、なんだかつやつやしてない?」
ゆみ「まさか、今にも倒れて眠りたい気分だよ」
久「確かに、あなたの後輩の……東横さんはそんな感じだけど……」
ゆみ「ああ、二人でちょっと遅くまで話をしていてな」
ゆみ「うちの麻雀部は来年も人集めが大変だし、そのことについて、な」
久「ふぅん……」
ワハハ「おーい、そろそろ出発するぞ。名残惜しいのはわかるけど、早く車に乗ってくれ!」ワハハ
ゆみ「だそうだ。悪いがもう行かせてもらうよ」
久「ええ…………ねぇ、ゆみ」
ゆみ「ん?」
久「あんまり無理させちゃダメよ?」
――車の前――
久「それにしても、なんだかつやつやしてない?」
ゆみ「まさか、今にも倒れて眠りたい気分だよ」
久「確かに、あなたの後輩の……東横さんはそんな感じだけど……」
ゆみ「ああ、二人でちょっと遅くまで話をしていてな」
ゆみ「うちの麻雀部は来年も人集めが大変だし、そのことについて、な」
久「ふぅん……」
ワハハ「おーい、そろそろ出発するぞ。名残惜しいのはわかるけど、早く車に乗ってくれ!」ワハハ
ゆみ「だそうだ。悪いがもう行かせてもらうよ」
久「ええ…………ねぇ、ゆみ」
ゆみ「ん?」
久「あんまり無理させちゃダメよ?」
ゆみ「………………善処しよう」
久(微塵も反省してないみたいね)
久(東横さんも大変ねぇ……)
桃子(痛いっす……あらゆる箇所が痛いっす……)
桃子(須賀京太郎……まさかこんな搦手を使ってくるとは……)
桃子(でも)
桃子(やっぱり、誰かに求められるっていうのは、あったかいっすね)フフ
佳織「桃子さん……? どうかしました?」
桃子「いや、楽しかったなぁって」
桃子「新しい知り合いも出来たし」
桃子「今までの私の人生じゃ、考えられないくらい楽しかったっす」
佳織「人生って……」
桃子(ん? あれは)
京太郎「」サムズアップ
久(微塵も反省してないみたいね)
久(東横さんも大変ねぇ……)
桃子(痛いっす……あらゆる箇所が痛いっす……)
桃子(須賀京太郎……まさかこんな搦手を使ってくるとは……)
桃子(でも)
桃子(やっぱり、誰かに求められるっていうのは、あったかいっすね)フフ
佳織「桃子さん……? どうかしました?」
桃子「いや、楽しかったなぁって」
桃子「新しい知り合いも出来たし」
桃子「今までの私の人生じゃ、考えられないくらい楽しかったっす」
佳織「人生って……」
桃子(ん? あれは)
京太郎「」サムズアップ
桃子(……今回は感謝してやるっす)
桃子「須賀京太郎」ボソッ
ゆみ「」ピクッ
桃子(あ、やば)
ゆみ「モモ」
桃子「は、はいっす……」
ゆみ「今日はそういえば、午後から私の家で勉強を見てやる予定だったよな」ニコニコ
桃子「いやぁ、その、今日は疲れたから家でゆっくり休みたいかなぁって……」
ゆみ「なら、私の家に来て、我慢できなくなったらそのまま寝ればいい」
ゆみ「泊まっていってもいいしな」
桃子「き、今日は帰って撮っておいたドラマを」
ゆみ「 モ モ 」ニ゙ゴッ
ワハハ「……!?」ゾク
睦月(なに!?)ゾクゥ
佳織(ひぃ)ゾクゾク
桃子「須賀京太郎」ボソッ
ゆみ「」ピクッ
桃子(あ、やば)
ゆみ「モモ」
桃子「は、はいっす……」
ゆみ「今日はそういえば、午後から私の家で勉強を見てやる予定だったよな」ニコニコ
桃子「いやぁ、その、今日は疲れたから家でゆっくり休みたいかなぁって……」
ゆみ「なら、私の家に来て、我慢できなくなったらそのまま寝ればいい」
ゆみ「泊まっていってもいいしな」
桃子「き、今日は帰って撮っておいたドラマを」
ゆみ「 モ モ 」ニ゙ゴッ
ワハハ「……!?」ゾク
睦月(なに!?)ゾクゥ
佳織(ひぃ)ゾクゾク
>>121
わかめ「」サムズアップ
わかめ「」サムズアップ
桃子「……はいっす」
桃子(前言撤回)
桃子(ちょっと……いや、かなりやりすぎっすよ…)
――清澄部屋――
ブオォォォン ブロロロロロロ
和「んんぅ……」
和(車……そうか、もう朝なんですね)
和(鶴賀の人たちが帰るんでしょうか)
和「ふあぁ」ムクリ
和(それにしても……)
和(結局昨日の須賀くんのメールはなんだったんでしょう)
和(指定した時間に指定した場所で、東横さんと親しげに話して欲しいって……)
和(何を考えていたんでしょうか)
桃子(前言撤回)
桃子(ちょっと……いや、かなりやりすぎっすよ…)
――清澄部屋――
ブオォォォン ブロロロロロロ
和「んんぅ……」
和(車……そうか、もう朝なんですね)
和(鶴賀の人たちが帰るんでしょうか)
和「ふあぁ」ムクリ
和(それにしても……)
和(結局昨日の須賀くんのメールはなんだったんでしょう)
和(指定した時間に指定した場所で、東横さんと親しげに話して欲しいって……)
和(何を考えていたんでしょうか)
和「?」
和(この香りは……)スンスン
和(同類――百合の香り!?)バッ
和(あっち……鶴賀の車の方から……)
和(これは……)スンスン
和(加治木さんと、東横さん……でしょうか…)
和(おかしいですね……)
和(昨日の時点では何も……)
和(あのあと、何かあったということでしょうか?)
和「…………」
和(この香りは……)スンスン
和(同類――百合の香り!?)バッ
和(あっち……鶴賀の車の方から……)
和(これは……)スンスン
和(加治木さんと、東横さん……でしょうか…)
和(おかしいですね……)
和(昨日の時点では何も……)
和(あのあと、何かあったということでしょうか?)
和「…………」
――何処かの木の上――
ハギヨシ「京太郎君……」
ハギヨシ(まさか、あそこまでのことをやってのけるとは)
ハギヨシ(彼のやったことは、話術で相手を乱すだけではない)
ハギヨシ(衣様が月の力を得て、卓上を支配するように)
ハギヨシ(彼はこの周囲一帯の空間を、自らの気……いや、自らそのもので染め上げた……)
ハギヨシ(まさか、使えるものが今の世に生まれようとは……)
ハギヨシ(一体貴方はどこへ行こうというのです……)
ハギヨシ(もしかしたら私は、とんでもない怪物を目覚めさせてしまったのでは……)
ハギヨシ(………………)
ハギヨシ(師としては失格かもしれません)
ハギヨシ(しかし、私は……)
ハギヨシ「京太郎君……」
ハギヨシ(まさか、あそこまでのことをやってのけるとは)
ハギヨシ(彼のやったことは、話術で相手を乱すだけではない)
ハギヨシ(衣様が月の力を得て、卓上を支配するように)
ハギヨシ(彼はこの周囲一帯の空間を、自らの気……いや、自らそのもので染め上げた……)
ハギヨシ(まさか、使えるものが今の世に生まれようとは……)
ハギヨシ(一体貴方はどこへ行こうというのです……)
ハギヨシ(もしかしたら私は、とんでもない怪物を目覚めさせてしまったのでは……)
ハギヨシ(………………)
ハギヨシ(師としては失格かもしれません)
ハギヨシ(しかし、私は……)
ハギヨシ「見たい」
ハギヨシ「京太郎君、あなたがどんな覇道を征くのか」
ハギヨシ(あんなものを再び“魅せ”られては、どうしようもないですね)
ハギヨシ(そういえば、あの方は今一体何をしているのでしょうか……)
~帰宅後~
――木間書店――
京太郎(今回はさすがに疲れた……)
京太郎(まさにカミソリの上を滑るような、危険な賭けだった)
京太郎(アトモスフィアでの情報収集の成果がなければ、あそこまでうまくいかなかっただろう)
京太郎(まさに日頃からの地道な作業が実を結んだと言える)
京太郎(なぜか失敗のビジョンは少しも浮かばなかったが)
京太郎(もしかしたら、咲とか衣ちゃんの感覚って、あんな感じなのかもなー)
ハギヨシ「京太郎君、あなたがどんな覇道を征くのか」
ハギヨシ(あんなものを再び“魅せ”られては、どうしようもないですね)
ハギヨシ(そういえば、あの方は今一体何をしているのでしょうか……)
~帰宅後~
――木間書店――
京太郎(今回はさすがに疲れた……)
京太郎(まさにカミソリの上を滑るような、危険な賭けだった)
京太郎(アトモスフィアでの情報収集の成果がなければ、あそこまでうまくいかなかっただろう)
京太郎(まさに日頃からの地道な作業が実を結んだと言える)
京太郎(なぜか失敗のビジョンは少しも浮かばなかったが)
京太郎(もしかしたら、咲とか衣ちゃんの感覚って、あんな感じなのかもなー)
京太郎(しかし、丸く収めるためとは言え加治木さんには随分ひどいこと言っちまったな……)
京太郎(今度会うことがあったら、ジャンピング土下座で謝る必要があるか)
京太郎(得られるものも多かったけど、やっぱりこんなことは二度とやりたくないな……)
京太郎(まぁ二人の様子はしっかりと記録させてもらいましたがね!)
京太郎(それにしても、ボロボロになったことに変わりはないか……)
京太郎「さっさと帰って」
『ひらり』
京太郎「これを読んで、癒されたい……」
京太郎(昨今、百合雑誌が増えてきている)
京太郎(まだまだマイナーなジャンルであることは否めないが、それでもこの流れは喜ばしい限り)
京太郎(中でも百合姫の他に出版されている百合雑誌『つぼみ』と『ひらり』の存在は大きい!)
京太郎(今回買う『ひらり』は、平尾先生の短編や、最近画力が向上してきた袴田先生の作品など目を離せない要素がたくさんあるが)
京太郎(なかでも俺が注目しているのはTONO先生の「ピンクラッシュ」!)
京太郎(ガチ百合娘のアタックを受けているうち、徐々に彼女のことを受け入れていくマールの姿が堪らない!)
京太郎(ただ、初期に掲載されていた小説がなくなってしまったのは残念ではあるが……)
京太郎(今度会うことがあったら、ジャンピング土下座で謝る必要があるか)
京太郎(得られるものも多かったけど、やっぱりこんなことは二度とやりたくないな……)
京太郎(まぁ二人の様子はしっかりと記録させてもらいましたがね!)
京太郎(それにしても、ボロボロになったことに変わりはないか……)
京太郎「さっさと帰って」
『ひらり』
京太郎「これを読んで、癒されたい……」
京太郎(昨今、百合雑誌が増えてきている)
京太郎(まだまだマイナーなジャンルであることは否めないが、それでもこの流れは喜ばしい限り)
京太郎(中でも百合姫の他に出版されている百合雑誌『つぼみ』と『ひらり』の存在は大きい!)
京太郎(今回買う『ひらり』は、平尾先生の短編や、最近画力が向上してきた袴田先生の作品など目を離せない要素がたくさんあるが)
京太郎(なかでも俺が注目しているのはTONO先生の「ピンクラッシュ」!)
京太郎(ガチ百合娘のアタックを受けているうち、徐々に彼女のことを受け入れていくマールの姿が堪らない!)
京太郎(ただ、初期に掲載されていた小説がなくなってしまったのは残念ではあるが……)
京太郎(まぁそれより今は、さっさと家に帰ってこいつを堪能する方が重要だ!)
?「あれは……」ジー
カン!
?「あれは……」ジー
カン!
初夏の風が感じられる土曜日の夕方、池田は一人繁華街を歩いていた。
部活の後輩である文堂と、同期の深堀、吉留を連れて買い物に出た帰りだった。
普通の部活なら、レギュラーメンバーである一軍の人間が買い出しに出るなど有り得ない。
それも名門の誉れ高い風越の麻雀部なら尚更のことであるし、事実これまではそうであった。
しかし、部内随一の実力を持ちながらも、積極的に雑用をこなす福路がキャプテンについてから、空気ががらりと変わった。
手の空いたも のは自ら進んで雑用をするようになり、特に福路が個人戦で全国へ出場することが決まってからは、
彼女が雑用をしないように、雑用の奪い合いともいえる状態 になった。
この日の買い出しは、そういった雑用の処理という面もあったが、大将を勤めた池田を励ますという目的も兼ねていた。
県予選の決勝において、二年連続で天江衣に大敗する結果となってしまった池田。
全力で戦い抜いた結果だということは、周囲も本人も痛いほどわかっていた。
しかし、ふとした瞬間に、池田らしくない、悔恨の表情が浮かぶことがあった。
この日は、そんな池田をどうにか元気づけようと、他のレギュラーメンバーが買い出しの名目で街へと連れ出したのだった。
部活の後輩である文堂と、同期の深堀、吉留を連れて買い物に出た帰りだった。
普通の部活なら、レギュラーメンバーである一軍の人間が買い出しに出るなど有り得ない。
それも名門の誉れ高い風越の麻雀部なら尚更のことであるし、事実これまではそうであった。
しかし、部内随一の実力を持ちながらも、積極的に雑用をこなす福路がキャプテンについてから、空気ががらりと変わった。
手の空いたも のは自ら進んで雑用をするようになり、特に福路が個人戦で全国へ出場することが決まってからは、
彼女が雑用をしないように、雑用の奪い合いともいえる状態 になった。
この日の買い出しは、そういった雑用の処理という面もあったが、大将を勤めた池田を励ますという目的も兼ねていた。
県予選の決勝において、二年連続で天江衣に大敗する結果となってしまった池田。
全力で戦い抜いた結果だということは、周囲も本人も痛いほどわかっていた。
しかし、ふとした瞬間に、池田らしくない、悔恨の表情が浮かぶことがあった。
この日は、そんな池田をどうにか元気づけようと、他のレギュラーメンバーが買い出しの名目で街へと連れ出したのだった。
途中で彼女たちの意図に気がついた池田は、感謝の気持ちで涙がこぼれそうになった。
どうにか泣くのをこらえてきたが、夕日が街を染め上げる頃になると、ついに我慢ができなくなり、涙を見られる前に「妹たちが待っているから」と言ってその場から走り去った。
長い距離をとり、これ以上行ったら皆が見えなくなるといったところで、池田は急に振り向き、大声で叫んだ。
「来年は絶対に皆で全国に行くからな! 覚悟しておけよー!」
そう捨て台詞を残してから、池田は再び走り出した。
そうして、池田は一人夕暮れの繁華街を歩くことになった。
今日は両親が家にいるから、実際のところは別に帰る必要がない。
そもそもが放任的な親なので、外泊に対しても寛容な判断をしてくれる。そ
れに、今のこの心地よい気分を、もう少しじっくりと味わっていたかった。
そうしてしばらく歩いていると、辺りはだんだん暗がりに沈んでゆき、夜の雰囲気が漂ってきた。ネオンの光が目立つようになってきて、そろそろ帰ったほうがいいかな、と思う。
とにかく泣きそうな気持ちを解消しようと、無我夢中で歩いてきたため、足は棒になりかけ、心なしか体全体がだるい。
どうにか泣くのをこらえてきたが、夕日が街を染め上げる頃になると、ついに我慢ができなくなり、涙を見られる前に「妹たちが待っているから」と言ってその場から走り去った。
長い距離をとり、これ以上行ったら皆が見えなくなるといったところで、池田は急に振り向き、大声で叫んだ。
「来年は絶対に皆で全国に行くからな! 覚悟しておけよー!」
そう捨て台詞を残してから、池田は再び走り出した。
そうして、池田は一人夕暮れの繁華街を歩くことになった。
今日は両親が家にいるから、実際のところは別に帰る必要がない。
そもそもが放任的な親なので、外泊に対しても寛容な判断をしてくれる。そ
れに、今のこの心地よい気分を、もう少しじっくりと味わっていたかった。
そうしてしばらく歩いていると、辺りはだんだん暗がりに沈んでゆき、夜の雰囲気が漂ってきた。ネオンの光が目立つようになってきて、そろそろ帰ったほうがいいかな、と思う。
とにかく泣きそうな気持ちを解消しようと、無我夢中で歩いてきたため、足は棒になりかけ、心なしか体全体がだるい。
そんな時、100mほど離れた店から、一緒にいる人に肩を支えられながら出てきた人が目に入った。
こんな時間から酔っ払ってるとか、大人失格だし、と思いながら歩いていると、その人が発する声にどうも聞き覚えがあるような気がした。
「もう私はダメです~」
「2年連続予選敗退とか~コーチ解任ですよ~」
「OG連に顔向けができません~」
「だから! 衣はそもそも化物だし、清澄のリンシャンもやばかったんだから仕方ないんだって!」
「お前のとこのネコはむしろ良くやったよ!」
この声は…。最後に聴いたのは、風越の校舎前で解散をした時だったか。微塵も躊躇せず鉄拳制裁を行う、風越女子麻雀部コーチ……
「ううぅ……池田ァァ……」
「うわぁ……」
普段ではまず見られない久保の情けない姿に、思わず声が出る。自分の名前が呼ばれたというのもポイントが高い。マイナス方向に、だが。
「ん? お前……」
しまった、見つかった。ここは他人のふりをしてやり過ごすしかない!
こんな時間から酔っ払ってるとか、大人失格だし、と思いながら歩いていると、その人が発する声にどうも聞き覚えがあるような気がした。
「もう私はダメです~」
「2年連続予選敗退とか~コーチ解任ですよ~」
「OG連に顔向けができません~」
「だから! 衣はそもそも化物だし、清澄のリンシャンもやばかったんだから仕方ないんだって!」
「お前のとこのネコはむしろ良くやったよ!」
この声は…。最後に聴いたのは、風越の校舎前で解散をした時だったか。微塵も躊躇せず鉄拳制裁を行う、風越女子麻雀部コーチ……
「ううぅ……池田ァァ……」
「うわぁ……」
普段ではまず見られない久保の情けない姿に、思わず声が出る。自分の名前が呼ばれたというのもポイントが高い。マイナス方向に、だが。
「ん? お前……」
しまった、見つかった。ここは他人のふりをしてやり過ごすしかない!
「ひ、人違いだし! かなち……私はただの通りすがりだし!」
「まだ何も言ってないんだが……」
墓穴を掘った。しかし、墓穴を掘り続けて裏側まで抜ければ勝ちというし……
「池田……? 池田ァァァ!!」
「にゃああぁぁぁぁ!?」
無理だった。明らかに積んだ。3手積みというところか。
急に抱きついてきた久保をなんとか支えながら、池田は自らの結末を悟った。
「やっぱりあの猫娘か」
この人は確か……そう、藤田プロだ。文堂が山ほどこの人のカードを持っていた気がする。
「な! 猫娘とは失敬な!」
「ちゃんと華菜ちゃんっていう立派な名前があるし!」
もう勝てる見込みはない。せめて名乗りを上げて散り際の花を咲かせよう。咲くという言葉になぜか背筋が凍った。
「まだ何も言ってないんだが……」
墓穴を掘った。しかし、墓穴を掘り続けて裏側まで抜ければ勝ちというし……
「池田……? 池田ァァァ!!」
「にゃああぁぁぁぁ!?」
無理だった。明らかに積んだ。3手積みというところか。
急に抱きついてきた久保をなんとか支えながら、池田は自らの結末を悟った。
「やっぱりあの猫娘か」
この人は確か……そう、藤田プロだ。文堂が山ほどこの人のカードを持っていた気がする。
「な! 猫娘とは失敬な!」
「ちゃんと華菜ちゃんっていう立派な名前があるし!」
もう勝てる見込みはない。せめて名乗りを上げて散り際の花を咲かせよう。咲くという言葉になぜか背筋が凍った。
「いや、ちょうど良かった。今からちょっと東京の方へ行かないといけないんだが、それがな……」
ちらりとこちらを見る。奈良漬の塊を抱いてるような錯覚に陥るほど、この人からは酒の匂いがする。
これはだいぶ飲んでるな、知らんけど。
「住所も教えるし、タクシー代もお前の家まで行ける分払うから、こいつを家まで送っていってくれないか?」
勘弁して欲しい。部活の時でさえ会いたくないのに、こんなところでまでこの人と一緒とか。
どこからどう見ても罰ゲームだ。
しかし、こんな性格が獄卒の鬼婆でも、女性の一種には違いない。
スタイルも出るところは出ているし、世間一般では普通に若いと見なされる年齢だろう。
こんなネオン街に放置してしまったら、寝覚めが悪い自体に陥ること請け合いだ。
ちらりとこちらを見る。奈良漬の塊を抱いてるような錯覚に陥るほど、この人からは酒の匂いがする。
これはだいぶ飲んでるな、知らんけど。
「住所も教えるし、タクシー代もお前の家まで行ける分払うから、こいつを家まで送っていってくれないか?」
勘弁して欲しい。部活の時でさえ会いたくないのに、こんなところでまでこの人と一緒とか。
どこからどう見ても罰ゲームだ。
しかし、こんな性格が獄卒の鬼婆でも、女性の一種には違いない。
スタイルも出るところは出ているし、世間一般では普通に若いと見なされる年齢だろう。
こんなネオン街に放置してしまったら、寝覚めが悪い自体に陥ること請け合いだ。
「うーん……」
「お、まずい」
「マジで時間がないから、頼むわ」
そう言って藤田プロは池田のポケットに諭吉を5人ほど詰め込んで、ダッシュでタクシーへと向かった。
タクシーが走り去る直前、窓から顔を出した藤田が叫ぶ。
「そいつの財布漁れば、免許が出てくるからな~!」
そう言い残して彼女は去っていった。
「うう、池田ァァ……」
(どんすんだし、これ)
しばし放心したあと、とりあえずタクシーまでこの呑んだくれを連れて行くことにした。
「お、まずい」
「マジで時間がないから、頼むわ」
そう言って藤田プロは池田のポケットに諭吉を5人ほど詰め込んで、ダッシュでタクシーへと向かった。
タクシーが走り去る直前、窓から顔を出した藤田が叫ぶ。
「そいつの財布漁れば、免許が出てくるからな~!」
そう言い残して彼女は去っていった。
「うう、池田ァァ……」
(どんすんだし、これ)
しばし放心したあと、とりあえずタクシーまでこの呑んだくれを連れて行くことにした。
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- 京太郎「残機が増えた!」 (845) - [52%] - 2014/12/1 3:30 ☆
- 京太郎「姉が欲しい」 (440) - [51%] - 2013/6/15 14:00 ★
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