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元スレP「うちのアイドルが、ヴァンパイアガールだった……」
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【765プロ事務所】
ガチャ
貴音「……はぁ、はぁ……おはようございます、プロデューサー」
P「ああ、おはよう貴音。……ってどうした!? 顔色が悪いぞ」
貴音「……いえ、なんでもありません。私は、至って健康で――」
P「なんでもないってことはないだろう、熱でもあるんじゃ……」
ピト
貴音「っ! ふ、触れないでくださいっ!」
パシッ!
P「っ……!」
貴音「ぁっ……も、申し訳ありません! ああ、私はなんということを……」
P「い、いや……俺の方こそすまない。気安くさわるような真似をしてしまったな」
貴音「……いえ、あなた様は、何もお気になさらずに……手をあげるつもりでは、なかったのです……」
P「具合が悪いなら、今日のスケジュールは無しにするか? 幸い、レッスンだけだし……」
貴音「いいえ! 四条の家の人間として、これしきのことで休むなど許され――」
ふらっ
貴音「っ……!」
P「お、おいおい、大丈夫か!?」ガシッ
貴音「だ、大丈夫、大丈夫ですから……お願いです、これ以上……」
P「これ以上?」
貴音「……なんでも、ありません……」
P「やっぱり病院に行こう。とても普通の様子には見えないぞ」
貴音「……たしかに私は、ある種の病を患っている、と言えるかもしれませんが……」
貴音「一般の病院では、きっと……これを治すことはできないでしょう……」
P「そうは言ってもな……」
貴音「……わ、わたくしはっ……!」
ぐ~ギュルギュルギュル……
P「……」
貴音「あの、その、私は……えっと……」カァァ
P「えー……あの、貴音? もしかして、今こうなってるのって」
貴音「いっ、言わないでくださいませ! 決してそんな、空腹だから、などということだけが理由では……!」
貴音「……う、うう……」
P(両手で真っ赤になった顔を抑えてる。かわいい)
P「……ごほん! つまり、そうなんだな? まったく、無理なダイエットでもしてるのか? 貴音らしくもない」
貴音「だいえっとなど、そのようなつもりはないのですが……」
P「何か食べに行こう。とは言っても、空腹にいきなりラーメンとかは重いか……」
貴音「らーめん……じゅるるんっ」
だらー
P「……ラーメンでいいか」
【ラーメン屋さん】
コト……
貴音「……ごちそうさまでした」
P「お、おい、まだ半分も減ってないぞ?」
貴音「申し訳ございません……やはり、食欲が……」
貴音「……調理をしていただいたお店の方にも、なんとお詫びしたらよいか……うぅ」
P(泣いている……そんなにも、ラーメンを完食できなかったことが悔しいんだな)
P「ほ、ほら、店員さんも困ってるから……とにかく、出よう」
貴音「う、うう……はい……」
―――
――
―
P「……落ち着いたか?」
貴音「はい……見苦しいところを、お見せしてしまいましたね……ぐすっ」
P「そんなこと、気にしなくていいさ。……なあ、何があったんだ?」
貴音「……そ、それは……」
P「無理にとは言わないが……俺でよかったら、話して欲しい。少しでも、貴音の力になりたいんだよ」
貴音「プロデューサー……」
P「……まぁ、俺なんかじゃ頼りないかもしれないけど」
貴音「いえ、決してそのようなことは……でしたら、語らせていただきます」
P「……」
貴音「あなた様は……、吸血鬼なる者の存在を、信じますか?」
P「……吸血鬼?」
貴音「お化けや妖怪と呼ばれる……人外、異形の者達のうち、そのひとつ。……その存在を信じますか?」
P「……」
P(……響、美希……あの子たちのことを人外だとは、決して言いたくはないが……)
P「信じるよ。それは、間違いなくいる。俺たちのすぐ近くに……」
貴音「……」
P「……ど、どうした、そんな驚いた顔して」
貴音「いえ……、実に自信ありげに宣言するものですから、私、少々驚いてしまって……ふふっ、ふふふ」
P「わ、笑われるようなことか? そんなにおかしな言い方をしてしまったかな」
貴音「可笑しくなどありません……。私はただ……、あなた様の、真にあなた様らしい、そのお姿に……」
貴音「心から……、安堵してしまったのですよ」
P「……この話をし始めたのも、その体調不良に関係してるんだろ?」
貴音「はい……あなた様は、全てお見通しのようですね」
P「そんな大それたもんじゃないよ。ただ、貴音はお化けが苦手な怖がり屋さんだったからさ」
貴音「あ、ああ、あなた様っ!? なぜいきなり、そのような……!」
P「はは、そう恥ずかしがるなよ」
貴音「は、恥ずかしがるなど……もうっ」
P「そんな貴音が……、なんでもない雑談で、こんな話をするわけがない、と思っただけさ」
貴音「……そのとおりです。あの……あなた様?」
P「どうした?」
貴音「今から見るもの……その全てから、目を逸らさないでいただけますか?」
P「……あ、ああ」
P(な、なんだ? 急に、貴音の雰囲気が変わった)
サァァ……
P(……これは、やっぱり……)
>>124
泣きながら「美味しいよお、止まんないよお」ってなるのがぐっとくる
泣きながら「美味しいよお、止まんないよお」ってなるのがぐっとくる
>>124
すっげえわかる
すっげえわかる
ザァ……
ザザァ……
貴音「……」
P(……空気が冷たい。貴音を中心に、地面に落ちた木の葉が、渦を巻いている……)
バサッ バサバサッ……
キー キーキー!
P(……こうもり? なんでこんなに、たくさん――
ゴォォオオ! ブワッ!
P「!! か、風が……! げほ、ごほ……」
P「お、おい、貴音! そっちは、だいじょう……ぶ……」
P「!?」
貴音「……」
P(……透き通るような蒼い肌、水滴が零れ落ちるほどに、濡れたまつ毛……)
貴音「あなた様……」
ギロリ
P「……っ」
P(ルビーのように、そして炎のように燃える瞳が……怖いくらいに、俺の心を掴んで離さない……)
P(息が出来ない、目が離せない。油断したら、食われてしまう……!)
貴音「……驚きましたか?」
P(そして……、黒と赤を基調にした、ロリータ・ドレス……マイディアヴァンパイア……)
P「……貴音、やっぱり……、お前は……」
貴音「……そう、私は……」
貴音「ヴァンパイアガール、だったのです」
>>124
お前はわかってる
お前はわかってる
貴音「あの……、あなた様……?」ジッ
P(だが、呑まれてはいけない! 響や美希とは違う、吸血鬼の恐ろしさを感じたって……、そんなもの関係ない!)
P(俺は……この子の、プロデューサーなのだから!)
P「……ああ、信じるよ。貴音は、吸血鬼なんだな」
P「それで……、血が吸いたくて、たまらなくなっていたんだ」
貴音「……ふ、ふふ、ふふふふ……♪」
P「……お、おい……?」
貴音「そのとおりです♪」
ヒュンッ…… ガッ!
P「ゴフッ!」
P(んなっ、なんて力だ……!? 少しガッとやっただけで、地面に叩きつけられ――
貴音「私は、もう辛抱できないのです。あなた様の匂いは……、これでもかと、私の心をかきたてます……じゅるるん」
P「ひぃぃ」
>>137
ぬるぽ
ぬるぽ
>>138
ぬるぽとしたガッ
ぬるぽとしたガッ
規模が他二人とダンチ
漫画の主人公的な天才型だなまちがいない
漫画の主人公的な天才型だなまちがいない
メリメリ……
P「いっ、痛っ……」
貴音「よ、よろしいでしょうか? よろしいですね? も、もう私、はっきょ、発狂寸前なのでしゅ」
P「わ、わかったわかった……わかったから、ちょっと手の力を緩めてくれ」
貴音「こ、これは失礼を……真に申し訳御座いませ――
ぐ~ぎゅるぎゅるぎゅるグゴゴゴゴ……!
P「……」
貴音「……」ぽっ
P「は、はは……また腹の虫が鳴いてるな……」
P(……なぜ、俺はさっきまで、貴音のことを恐れていたんだろう。どんな姿になろうと、正体がなんであろうと……)
P(目の前にいる少女が、あの、心優しい貴音であることに……、違いはないのに)
P「ほら、俺は抵抗しないから……いくらでも吸ってくれ」
貴音「いくらでも?」ピク
P「ああ。とは言っても、もちろん死なない程度に――
ガブリっ!
P「!?」
貴音「」ズゾゾゾゾゾ
P「お、おおっ、おおお……」シワシワ
貴音「」ジュルルルルル
P「……は、はぁあ~ん……」
シュワシュワ……
P「あ、あ……」ピクピク
貴音「~♪ ちうちう……」
P(俺の見える世界が、闇に包まれる)
P(暗転していく、俺の意識が……、かろうじて最後にとらえたものは……)
P(嬉しそうに血を吸う、貴音の最高の笑顔だった)
P(ははは……アイドルの笑顔が、最期に見られるだなんて……、プロデューサー冥利に……尽き……)
―――
――
―
P「ほあっ!」ガバッ
貴音「あ、あなた様! ……ああ、良かった……目が……!」
P「え? こ、ここは……あの世?」
貴音「い、いいえ、ここは間違いなく現世ですよ」
P「現世……ということは、生きてるんだな!? よ、よかった……!」
貴音「あなた様……本当に、申し訳ありませんでした……」
ズサッ……
P「お、おい、いきなり土下座なんて……ちょ、ちょっと説明してくれ。俺はあのあと、どうなったんだ?」
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