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元スレ勇者「魔王も倒したし、ようやく帰宅できるな」
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僧侶「ひょっとして……ゆ
勇者「あ――!! 初めての街に来て、道に迷っちゃったなぁ!」
僧侶「えっ? でもこの街に家がある
勇者「よし! あっちに行ってみよう!」
僧侶「え、ちょっと! ちょっと待ってください!」
ガシッ
勇者「……」
僧侶「ゆ、勇者様ですよね? 何故逃げるような真似を?」
子ども9「えー!? 僧侶さま、何言ってるの? 髭ボーボーのおじちゃんが勇者様なわけないじゃん?」
勇者「そ……その子の言っているとおり、人違い……じゃ、ないですか……ね?」
僧侶「……」ジー
僧侶「はぁ……わかりました……その代わりと言ってはなんですが、お昼ご飯をご一緒していただけませんか?」
勇者「え……あ、……いや、それはちょっと……家で……」
子ども4「さっき、いえにかえれないっていってたよ?」
勇者「あ、いや……この後、予定が……」
僧侶「……」ニコッ
勇者「あ――!! 初めての街に来て、道に迷っちゃったなぁ!」
僧侶「えっ? でもこの街に家がある
勇者「よし! あっちに行ってみよう!」
僧侶「え、ちょっと! ちょっと待ってください!」
ガシッ
勇者「……」
僧侶「ゆ、勇者様ですよね? 何故逃げるような真似を?」
子ども9「えー!? 僧侶さま、何言ってるの? 髭ボーボーのおじちゃんが勇者様なわけないじゃん?」
勇者「そ……その子の言っているとおり、人違い……じゃ、ないですか……ね?」
僧侶「……」ジー
僧侶「はぁ……わかりました……その代わりと言ってはなんですが、お昼ご飯をご一緒していただけませんか?」
勇者「え……あ、……いや、それはちょっと……家で……」
子ども4「さっき、いえにかえれないっていってたよ?」
勇者「あ、いや……この後、予定が……」
僧侶「……」ニコッ
勇者(ああ、面倒くさいことになったなぁ……)
勇者(なんだかうまくいかない……)
勇者(ああ早く帰りたい……)
勇者「……」グゥ……
子ども1「そんなに催促するなよwwww」
子ども2「慌てんなwwww食えるぜwwwww」
勇者(クッ……まあ昼飯だけ食っていけばいいだけだし……それにたしかに旨そうだし)
僧侶「ではみんなで神様にお祈りしましょう」
みんな「「「はーい!!」」」
「「「…………」」」
僧侶「では、いただきます」
みんな「「「いただきます!!」」」
勇者「……」モグモグ
勇者(久しぶりに歩いたからかな……。たくさん食べられそうだ)
僧侶(……)ジー
勇者(なんだかうまくいかない……)
勇者(ああ早く帰りたい……)
勇者「……」グゥ……
子ども1「そんなに催促するなよwwww」
子ども2「慌てんなwwww食えるぜwwwww」
勇者(クッ……まあ昼飯だけ食っていけばいいだけだし……それにたしかに旨そうだし)
僧侶「ではみんなで神様にお祈りしましょう」
みんな「「「はーい!!」」」
「「「…………」」」
僧侶「では、いただきます」
みんな「「「いただきます!!」」」
勇者「……」モグモグ
勇者(久しぶりに歩いたからかな……。たくさん食べられそうだ)
僧侶(……)ジー
僧侶「どうでしょうか旅の方。お口に合いますか?」
勇者「うん……まあ……」ボソボソ……
僧侶「それは良かったです」
僧侶(勇者様、一体どうしちゃったんでしょうか? 旅の間はあんなにはつらつとしていらっしゃったのに……)
子ども10「シチューに豆入ってるー」
僧侶「こら、残さず食べなさい」
子ども10「えーー」
勇者「……」チラッ
勇者(僧侶は教会の、孤児院か教会学校かは知らないが、子どもの世話か……)
勇者(向いてるっちゃ向いてるが……なんだかもう別世界のようだな……)
ガチャ
勇者「ごちそうさまでした。では私はこれで
僧侶「待ってください! ただで食事を出したわけではないのですが?」
勇者「……え?」
僧侶「昼食分、働いてもらわないと困ります」
勇者(……え~~)
勇者「うん……まあ……」ボソボソ……
僧侶「それは良かったです」
僧侶(勇者様、一体どうしちゃったんでしょうか? 旅の間はあんなにはつらつとしていらっしゃったのに……)
子ども10「シチューに豆入ってるー」
僧侶「こら、残さず食べなさい」
子ども10「えーー」
勇者「……」チラッ
勇者(僧侶は教会の、孤児院か教会学校かは知らないが、子どもの世話か……)
勇者(向いてるっちゃ向いてるが……なんだかもう別世界のようだな……)
ガチャ
勇者「ごちそうさまでした。では私はこれで
僧侶「待ってください! ただで食事を出したわけではないのですが?」
勇者「……え?」
僧侶「昼食分、働いてもらわないと困ります」
勇者(……え~~)
子ども8「おせーぞおっちゃん! みんなもう向こうにいっちゃったぞ!」
勇者「食べたばっかりだぞ! もう少し休ませろ!」
子ども4「まっててあげる」
勇者(働くって、こういうことね……。簡単で助かったというか面倒ごとを押し付けられたというか……)
勇者(さて、久しぶりに本気で走ってみようかな)
ヒョイ
子ども4「? おんぶしてくれるの?」
勇者「舌をかまないように注意しておくんだぞ」
子ども4「? うん」
勇者「さ、て、と、……」
子ども1「おーい、こっちだぞ ……!!」
子ども2「なんだこのおじさん! すげーはえー!!!」
勇者「とうちゃく、と」
子ども4「……」ポカーン
勇者(夕飯まで適当に時間つぶすか……。一応、迷子や怪我はださないようにしとかないとな)
勇者「食べたばっかりだぞ! もう少し休ませろ!」
子ども4「まっててあげる」
勇者(働くって、こういうことね……。簡単で助かったというか面倒ごとを押し付けられたというか……)
勇者(さて、久しぶりに本気で走ってみようかな)
ヒョイ
子ども4「? おんぶしてくれるの?」
勇者「舌をかまないように注意しておくんだぞ」
子ども4「? うん」
勇者「さ、て、と、……」
子ども1「おーい、こっちだぞ ……!!」
子ども2「なんだこのおじさん! すげーはえー!!!」
勇者「とうちゃく、と」
子ども4「……」ポカーン
勇者(夕飯まで適当に時間つぶすか……。一応、迷子や怪我はださないようにしとかないとな)
こども3「先生さようなら――――!」
僧侶「気をつけて帰るのよ―――!」
子ども9「は――い!!」
勇者「……」
バタン
僧侶「旅の方、今日一日お疲れ様でした。夕餉は自宅で食されるのでしたっけ?」
勇者「ええ……まぁ……」
僧侶「そうですか……」
僧侶「今日一日子ども達の世話をしてみてどうでしたか?」
勇者「ん……まあ、久しぶりに運動して、疲れました」
僧侶「あの子達、少し前まではろくに外に出れなくて……。外に自由に出ても良いようになって、ここ数日おおはしゃぎなんですよ」
勇者「……」
僧侶「本当に、本当に勇者様には感謝してもしきれません」
僧侶「……」チラッ
勇者「……」
僧侶「気をつけて帰るのよ―――!」
子ども9「は――い!!」
勇者「……」
バタン
僧侶「旅の方、今日一日お疲れ様でした。夕餉は自宅で食されるのでしたっけ?」
勇者「ええ……まぁ……」
僧侶「そうですか……」
僧侶「今日一日子ども達の世話をしてみてどうでしたか?」
勇者「ん……まあ、久しぶりに運動して、疲れました」
僧侶「あの子達、少し前まではろくに外に出れなくて……。外に自由に出ても良いようになって、ここ数日おおはしゃぎなんですよ」
勇者「……」
僧侶「本当に、本当に勇者様には感謝してもしきれません」
僧侶「……」チラッ
勇者「……」
>>71
がいいこといった
がいいこといった
僧侶(うーん……)
僧侶「ですので、例えばこの先勇者様が一生何もしなくても、許しちゃうでしょう」
僧侶「王様でも、大司教様でも、大富豪でも、世界中のありとあらゆる人が許しちゃうでしょう」
勇者「……」
僧侶「でも、逆に勇者様が借りのある相手、例えば勇者様のお仲間なら……」
勇者「……?」
僧侶「怒っちゃうでしょう」
勇者「え? な、なんで!? 世界を救ったのに!?」
僧侶「その驚きようはなんですか? あなたは勇者様とは無関係なのでしょう?」
勇者「クッ……、そうでしたね……」
僧侶「例えば、お仲間に剣が得意な方が居れば、『おい勇者! お前がいないせいでつまんねーぞ!! どう落とし前つけてくれるんだ!!』」
僧侶「なんてお怒りになって、遊びに修行に連れ出されるでしょうね」
勇者「……なんでそんなのに付き合わないといけない」
僧侶「それはその方に、勇者様との楽しい思い出を作らせてしまわれたからでしょう。そしてその方から、さらに多くの楽しみを受けてしまったからでしょう」
僧侶「ほら? 勇者様には付き合う義務がありますよね?」
僧侶「ですので、例えばこの先勇者様が一生何もしなくても、許しちゃうでしょう」
僧侶「王様でも、大司教様でも、大富豪でも、世界中のありとあらゆる人が許しちゃうでしょう」
勇者「……」
僧侶「でも、逆に勇者様が借りのある相手、例えば勇者様のお仲間なら……」
勇者「……?」
僧侶「怒っちゃうでしょう」
勇者「え? な、なんで!? 世界を救ったのに!?」
僧侶「その驚きようはなんですか? あなたは勇者様とは無関係なのでしょう?」
勇者「クッ……、そうでしたね……」
僧侶「例えば、お仲間に剣が得意な方が居れば、『おい勇者! お前がいないせいでつまんねーぞ!! どう落とし前つけてくれるんだ!!』」
僧侶「なんてお怒りになって、遊びに修行に連れ出されるでしょうね」
勇者「……なんでそんなのに付き合わないといけない」
僧侶「それはその方に、勇者様との楽しい思い出を作らせてしまわれたからでしょう。そしてその方から、さらに多くの楽しみを受けてしまったからでしょう」
僧侶「ほら? 勇者様には付き合う義務がありますよね?」
>>87
やめてくれ涙腺を刺激するな
やめてくれ涙腺を刺激するな
勇者にバフかけてる間に戦士がとどめさして拗ねた勇者がグレて次の魔王になる展開かとオモタ
勇者「……憶測だ」
僧侶「例えばお仲間に魔法の得意な頭の良い方がいらっしゃったなら、『勇者、伝説の魔道書の所在を突き止めた。ちょっと手伝って』」
僧侶「なんて依頼を押し付けられるかもしれませんね」
勇者「それもそいつのわがままだろ?」
僧侶「それはその方に、本の中だけで完結しない、世界とのつながりとその広さ、その面白さを教えてしまったからでしょう。そしてその方から、さらに多くの本の楽しみを受けてしまったからでしょう」
勇者「……」
僧侶「ほら? 勇者様には付き合う義務がありますよね?」
勇者「……最後のは?」
僧侶「最後?」
勇者「例えば、神の加護で仲間を守っている奴がいたら、どんなイチャモンをつけてくるんだ?」
僧侶「……うーん、きっとその方は奥ゆかしくて、面と向かっては何も言えないのではないでしょうか?」
勇者(よく言うわ……)
僧侶「ですが、どんなことを思っているかは想像がつきます」
勇者「ふーん……?」
僧侶「働けって思いっきり引っ叩きます」
僧侶「例えばお仲間に魔法の得意な頭の良い方がいらっしゃったなら、『勇者、伝説の魔道書の所在を突き止めた。ちょっと手伝って』」
僧侶「なんて依頼を押し付けられるかもしれませんね」
勇者「それもそいつのわがままだろ?」
僧侶「それはその方に、本の中だけで完結しない、世界とのつながりとその広さ、その面白さを教えてしまったからでしょう。そしてその方から、さらに多くの本の楽しみを受けてしまったからでしょう」
勇者「……」
僧侶「ほら? 勇者様には付き合う義務がありますよね?」
勇者「……最後のは?」
僧侶「最後?」
勇者「例えば、神の加護で仲間を守っている奴がいたら、どんなイチャモンをつけてくるんだ?」
僧侶「……うーん、きっとその方は奥ゆかしくて、面と向かっては何も言えないのではないでしょうか?」
勇者(よく言うわ……)
僧侶「ですが、どんなことを思っているかは想像がつきます」
勇者「ふーん……?」
僧侶「働けって思いっきり引っ叩きます」
勇者「……言動どころか行動で示してね?」
僧侶「いくら慈悲深い方でも、想いが行動に現れることもあるでしょう」
勇者「……………ふぅ」
勇者(とは言ってもなぁ…………)
僧侶「あの、お聞きしてもよろしいでしょうか?」
勇者「……なに?」
僧侶「私は勇者様のことを冒険中……冒険譚の中でしか知りません。それ以前はどのような方であったのか、ご存知でありませんか?」
勇者「………………」
勇者(………………)
勇者「………………きっと、特に興味もわかせないような面白みの無い人間だったんじゃないかな?」
僧侶「そのような方が世界を?」
勇者「誰にでもある気の迷いだったんだろ? そして引き返せないところまできてしまった。例えば無理して仲間を作ってしまった、とかさ?」
僧侶「無理して、ですか?」
勇者「きっとな。だから素に戻れば会うのも怖くなるのさ」
僧侶「……」
僧侶「いくら慈悲深い方でも、想いが行動に現れることもあるでしょう」
勇者「……………ふぅ」
勇者(とは言ってもなぁ…………)
僧侶「あの、お聞きしてもよろしいでしょうか?」
勇者「……なに?」
僧侶「私は勇者様のことを冒険中……冒険譚の中でしか知りません。それ以前はどのような方であったのか、ご存知でありませんか?」
勇者「………………」
勇者(………………)
勇者「………………きっと、特に興味もわかせないような面白みの無い人間だったんじゃないかな?」
僧侶「そのような方が世界を?」
勇者「誰にでもある気の迷いだったんだろ? そして引き返せないところまできてしまった。例えば無理して仲間を作ってしまった、とかさ?」
僧侶「無理して、ですか?」
勇者「きっとな。だから素に戻れば会うのも怖くなるのさ」
僧侶「……」
仕事仲間とプライベートでは会いたくないタイプなんですね
分ります
分ります
勇者「もう……いいかい?」
僧侶「はい、長々とお引止めしてすみませんでした」
勇者「昼飯、ご馳走様。なんだか懐かしい味がしたよ」
勇者「また会えるかどうかわからないけど、お元気で」
僧侶「はい、あっ、あの!」
勇者「……まだ何か?」
僧侶「私っ! 神託を受けたことがあるんです! 一度だけですけど!」
勇者「……」
僧侶「勇者様をお助けしなさいと! 勇者様のイメージが流れてきました!」
勇者「……ああ、確か……英雄譚だと、僧侶が勇者を見出したんだったな」
勇者「でも、もう僧侶も自由だろ」
僧侶「それでですね、私、それが終わったというのを、まだ聞いてないのを思い出しました!」
勇者「……なに?」
僧侶「私はまだ、勇者様をお助けしないといけないということです!!」
僧侶「はい、長々とお引止めしてすみませんでした」
勇者「昼飯、ご馳走様。なんだか懐かしい味がしたよ」
勇者「また会えるかどうかわからないけど、お元気で」
僧侶「はい、あっ、あの!」
勇者「……まだ何か?」
僧侶「私っ! 神託を受けたことがあるんです! 一度だけですけど!」
勇者「……」
僧侶「勇者様をお助けしなさいと! 勇者様のイメージが流れてきました!」
勇者「……ああ、確か……英雄譚だと、僧侶が勇者を見出したんだったな」
勇者「でも、もう僧侶も自由だろ」
僧侶「それでですね、私、それが終わったというのを、まだ聞いてないのを思い出しました!」
勇者「……なに?」
僧侶「私はまだ、勇者様をお助けしないといけないということです!!」
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