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元スレ亜美「今日は兄ちゃんとの結婚式」
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「新婦亜美、その健やかなる時も、病める時も、喜びの時も」
「悲しみの時も、富める時も、貧しい時も――」
亜美、すっごくドキがムネムネ・・・・・・じゃなかった、胸がどきどきしてる。
今までのどんなライブよりも緊張しちゃってるっぽい?
亜美のムネの音、兄ちゃんに聞こえてたりするのかな?
「これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか」
隣にいる兄ちゃんの手をギュッと握る。
ちょっぴり緊張がなくなったかも?
「ハイ、誓いますっ」
うあうあ~、ちょっと声が裏返っちゃたよー!
みんなクスクス笑ってるし、チョー恥ずかしいじゃんかー!
「それでは、指輪の交換を・・・・・・」
神父さん(牧師さんだったかな? 後で律っちゃんに聞こ)がそう言うと兄ちゃんに指輪を渡した。
兄ちゃんは亜美が差し出した指にそっと指輪をはめてくれた。
亜美もその後に兄ちゃんの指に指輪をはめたよ。
一瞬兄ちゃんの小指に指輪をはめるってイタズラを考えたけど、やめた。
さすがの亜美もこの場面ではイタズラできませんな~。
あらためて結婚指輪を見る。
亜美の誕生石、エメラルドでできた指輪。チョーきれいだよ~!
兄ちゃん、選ぶのにすごい時間掛かってたよね。
「では新郎新婦、誓いのキスを」
そんなことを考えてるうちにメインイベントが来ちゃった。
結婚式といえばこれだよね?
兄ちゃんが亜美に一歩近づく。
メッチャ緊張してきたけど、同じくらい嬉しいな。
兄ちゃんが亜美の白いベールを上げた。
短い時間のはずなのに、すごく長く感じる。
ちらっと横を見る。
みんなが息をのんで見守ってくれている。
パパやママ、765プロのみんなも
――もちろん、真美も。
兄ちゃんが顔を右に傾けた。
亜美、特別なキスされちゃうんだ――
兄ちゃんとのキスをした数秒後、場にいたみんなが拍手をしてくれた。
亜美はみんなの――ううん、真美の方を向いて笑った。
真美、ゴメンね・・・・・・?
でも――
兄ちゃん争奪戦に勝ったのは亜美だもん、ね?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
短い時間のはずなのに、すごく長く感じる。
ちらっと横を見る。
みんなが息をのんで見守ってくれている。
パパやママ、765プロのみんなも
――もちろん、真美も。
兄ちゃんが顔を右に傾けた。
亜美、特別なキスされちゃうんだ――
兄ちゃんとのキスをした数秒後、場にいたみんなが拍手をしてくれた。
亜美はみんなの――ううん、真美の方を向いて笑った。
真美、ゴメンね・・・・・・?
でも――
兄ちゃん争奪戦に勝ったのは亜美だもん、ね?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「どうしよう・・・・・・」
神様仏様、ああもう誰でも良いから私を助けなさいよ!
私は亜美とプロデューサーに拍手しながらそう願う。
この状況すっっごく胃がキリキリするわ・・・・・・
あ、私は水瀬伊織。今をときめくスーパーアイドル♪
今日はみんなで結婚式のお祝いに来てるの。
なん、だけど・・・・・・
「亜美、いいなぁ・・・・・・」
私の隣にいる真美がそうつぶやく。
ハッキリ愚痴を言わせてもらうと隣の空気が最悪だわ・・・・・・
神様仏様、ああもう誰でも良いから私を助けなさいよ!
私は亜美とプロデューサーに拍手しながらそう願う。
この状況すっっごく胃がキリキリするわ・・・・・・
あ、私は水瀬伊織。今をときめくスーパーアイドル♪
今日はみんなで結婚式のお祝いに来てるの。
なん、だけど・・・・・・
「亜美、いいなぁ・・・・・・」
私の隣にいる真美がそうつぶやく。
ハッキリ愚痴を言わせてもらうと隣の空気が最悪だわ・・・・・・
――数年前、私たち竜宮小町は解散した。
・・・もちろん竜宮小町が人気なかったわけじゃ無いけど、社長の方針で解散が決まった。
いろいろな可能性が見てみたいとか言ってたかしら?
まあ、あの解散コンサートの盛り上がりは今でも忘れられないわね♪
それから私とあずさはソロでアイドルを続けていった。
そうそう、律子もプロデューサー兼アイドルとして注目されてたわね。
亜美は真美と念願のデュオを組めてすごく嬉しそうだった。
昔は2人1役を演じてて同じステージに立てなかったからかしら?
その後2人はすごい勢いでアイドルランクを上げていったわ。
正直、私もかなわないって思ったもの。
やっぱり亜美と真美は2人でいるときが一番輝いているわね!
それからだったかしら? プロデューサーと亜美・・・…それに真美が一段と仲良くなったのは。
亜美と真美が急激にアイドルランクを上げれたのはアイツが2人に付きっきりだったのもあるのかもね。
昔は頼りなかったクセに・・・・・・
そして半年前、亜美と真美はSランクアイドルになった。
全国で数人しかなれなかったSランクアイドル、それに中学生がなれたんだから驚きよね。
・・・・・・噂では日本の納税ランキング1位になったとか。
さ、さすがにウソ・・・よね?
否定できない所が恐ろしいわね・・・・・・
・・・もちろん竜宮小町が人気なかったわけじゃ無いけど、社長の方針で解散が決まった。
いろいろな可能性が見てみたいとか言ってたかしら?
まあ、あの解散コンサートの盛り上がりは今でも忘れられないわね♪
それから私とあずさはソロでアイドルを続けていった。
そうそう、律子もプロデューサー兼アイドルとして注目されてたわね。
亜美は真美と念願のデュオを組めてすごく嬉しそうだった。
昔は2人1役を演じてて同じステージに立てなかったからかしら?
その後2人はすごい勢いでアイドルランクを上げていったわ。
正直、私もかなわないって思ったもの。
やっぱり亜美と真美は2人でいるときが一番輝いているわね!
それからだったかしら? プロデューサーと亜美・・・…それに真美が一段と仲良くなったのは。
亜美と真美が急激にアイドルランクを上げれたのはアイツが2人に付きっきりだったのもあるのかもね。
昔は頼りなかったクセに・・・・・・
そして半年前、亜美と真美はSランクアイドルになった。
全国で数人しかなれなかったSランクアイドル、それに中学生がなれたんだから驚きよね。
・・・・・・噂では日本の納税ランキング1位になったとか。
さ、さすがにウソ・・・よね?
否定できない所が恐ろしいわね・・・・・・
亜美が16才になってしばらくたってから、プロデューサーと亜美は婚約を発表した。
当然、世間は大騒ぎ・・・…かと思ったんだけど、そうじゃなかった。
なぜなら『日高舞』っていう前例があったから。
Sランクアイドルは何をやっても許される、という認識が世間にあった。
「亜美はSランクだからちかたないね」といろんな雑誌にまで書かれていたわ・・・…
Sランクってスゴイ。改めてそう思った。
「これより新郎、新婦、ご退場でございます。皆様、盛大な拍手でお送りいたしましょう」
亜美とプロデューサーが腕を組んでバージンロードを歩き始める。
こうしてみると、亜美のウェディングドレス姿は意外と様になってるわね。
身長がプロデューサーより少し低いぐらいまでに成長したからかしら?
すごくオトナっぽい。
・・・・・・その成長っぷり、私にも分けてくれたらよかったのに。
当然、世間は大騒ぎ・・・…かと思ったんだけど、そうじゃなかった。
なぜなら『日高舞』っていう前例があったから。
Sランクアイドルは何をやっても許される、という認識が世間にあった。
「亜美はSランクだからちかたないね」といろんな雑誌にまで書かれていたわ・・・…
Sランクってスゴイ。改めてそう思った。
「これより新郎、新婦、ご退場でございます。皆様、盛大な拍手でお送りいたしましょう」
亜美とプロデューサーが腕を組んでバージンロードを歩き始める。
こうしてみると、亜美のウェディングドレス姿は意外と様になってるわね。
身長がプロデューサーより少し低いぐらいまでに成長したからかしら?
すごくオトナっぽい。
・・・・・・その成長っぷり、私にも分けてくれたらよかったのに。
そんなことを考えている内に亜美とプロデューサーが私と真美の横を歩いてきた。
そして私たちの横を通り過ぎ去るとき、亜美はこちらを向き――
ニコッ、と笑った。
「――っ!?」
ぞくりとした。
その笑い方は『イタズラをするとき』の笑い方だったから。
その笑顔は私に向けられたもの? いえ、きっと違うわ……
真美、あなたは今どんなことを考えているの・・・・・・?
私は……怖くて真美の顔を見れなかった。
真美はずっと同じ調子で拍手を続けていた――
そして私たちの横を通り過ぎ去るとき、亜美はこちらを向き――
ニコッ、と笑った。
「――っ!?」
ぞくりとした。
その笑い方は『イタズラをするとき』の笑い方だったから。
その笑顔は私に向けられたもの? いえ、きっと違うわ……
真美、あなたは今どんなことを考えているの・・・・・・?
私は……怖くて真美の顔を見れなかった。
真美はずっと同じ調子で拍手を続けていた――
チャペルから出てすぐ横にあるホテルの披露宴会場で私は座っていた。
もちろん、同じテーブルには真美もいた。
隣にいる律子は誰かと電話をしている。
「あずささん! 今どこですか!? 披露宴始まっちゃいますよ!」
・・・・・・どうやらあずさと電話しているようね。
こんなときにも迷子になるなんて……もう一種の病気なんじゃないのかしら?
右隣をみると真美が料理が置かれているテーブルをずっと見ていた。
えっと、なにか話しかけて気を紛らわせた方がいいのかしら…?
「そ、それにしてもブーケトス凄かったわね! 小鳥が必死の顔でジャンプしてたもの!」
「……」
「ブーケ取って素に戻った後の顔、今思い出すだけでも笑えるわ。にひひっ♪」
「……うん」
「そ、そうそうあずさはまだ来ないのかしら? もしかしたらこの間のロケみたいに四国まで行ってるのかも?」
「……かもね~」
き、気まずい……
律子はビデオカメラを回すのに夢中だし……
早くアイツら来ないかしら…
もちろん、同じテーブルには真美もいた。
隣にいる律子は誰かと電話をしている。
「あずささん! 今どこですか!? 披露宴始まっちゃいますよ!」
・・・・・・どうやらあずさと電話しているようね。
こんなときにも迷子になるなんて……もう一種の病気なんじゃないのかしら?
右隣をみると真美が料理が置かれているテーブルをずっと見ていた。
えっと、なにか話しかけて気を紛らわせた方がいいのかしら…?
「そ、それにしてもブーケトス凄かったわね! 小鳥が必死の顔でジャンプしてたもの!」
「……」
「ブーケ取って素に戻った後の顔、今思い出すだけでも笑えるわ。にひひっ♪」
「……うん」
「そ、そうそうあずさはまだ来ないのかしら? もしかしたらこの間のロケみたいに四国まで行ってるのかも?」
「……かもね~」
き、気まずい……
律子はビデオカメラを回すのに夢中だし……
早くアイツら来ないかしら…
「――くん、亜美、結婚おめでとう。娘の晴れ姿を見ることができて父さんは――」
亜美の父親が祝辞を言っている。
あの双子の父親の割にはすごく真面目そうな雰囲気ね。医者だからかしら?
やっぱり亜美と真美は母親似…
「父さんが患者だった母さんに一目惚れして、退院してから即結婚の申し込みをしたように、彼も――」
「亜美と真美と父さんの3人でグラビア水着雑誌のランクをつけていたことが、つい最近の事のように思い出されて――」
……前言撤回、父親似だったわ。
というかあの2人が12才の時から妙にオッサン臭い、というか耳年増だったのはアンタのせいなの!?
「――幸せな家庭を築いていって下さい。本日はおめでとう!」
拍手とともに亜美の父親がマイクから離れていく。
途中はアレだったけど、最後は少し涙目になっていたわね。
やっぱり父親ってそういうものなのかしら?
…私のパパは絶対に涙なんて流さないでしょうけどね。
今まで泣いたとこなんて見たこと無いし。
亜美の父親が祝辞を言っている。
あの双子の父親の割にはすごく真面目そうな雰囲気ね。医者だからかしら?
やっぱり亜美と真美は母親似…
「父さんが患者だった母さんに一目惚れして、退院してから即結婚の申し込みをしたように、彼も――」
「亜美と真美と父さんの3人でグラビア水着雑誌のランクをつけていたことが、つい最近の事のように思い出されて――」
……前言撤回、父親似だったわ。
というかあの2人が12才の時から妙にオッサン臭い、というか耳年増だったのはアンタのせいなの!?
「――幸せな家庭を築いていって下さい。本日はおめでとう!」
拍手とともに亜美の父親がマイクから離れていく。
途中はアレだったけど、最後は少し涙目になっていたわね。
やっぱり父親ってそういうものなのかしら?
…私のパパは絶対に涙なんて流さないでしょうけどね。
今まで泣いたとこなんて見たこと無いし。
「あー、オホン。乾杯の発声をとらせて頂きます、高木と申します」
マイクをもった社長が自己紹介をしている。
社長が乾杯の音頭をとるのね。
長くならなきゃいいけど……
「彼は765プロの大黒柱で――」
「亜美君はいつも事務所を明るくしてくれて――」
ま、まだかしら…?
ちょっと……こういう場では長くしゃべらずに一言二言で済ますのがマナーなのに!
いっつも話が長いんだから……はぁ。
「――それでは皆の衆、乾杯!」
長い挨拶のあと、やっと乾杯の発声が終わった。
会場がガヤガヤと盛り上がり始める。
えっと次は……確かケーキ入刀ね。
「それではケーキ入刀です!新郎新婦はケーキの前にどうぞ!」
プロデューサーと亜美がウェディングケーキの前にたち、ナイフを二人で持つ。
ナイフには花や亜美のトレードマークである星型のアクセサリーが装飾されている。
「いよいよ新郎新婦の初の共同作業です。では、ご入刀です!」
司会者の声の後、ウェディングケーキにゆっくりとナイフが刺さっていく。
隣にいる真美は食い入るようにその光景を見ていた。
ナイフがウェディングケーキの底に到達したとき、拍手がおきた。
「おめでとーーー!」
「亜美ちゃんおめでとう!」
みんなが亜美とプロデューサーを祝福している。
ホント、幸せ者よね。
プロデューサーと亜美がウェディングケーキの前にたち、ナイフを二人で持つ。
ナイフには花や亜美のトレードマークである星型のアクセサリーが装飾されている。
「いよいよ新郎新婦の初の共同作業です。では、ご入刀です!」
司会者の声の後、ウェディングケーキにゆっくりとナイフが刺さっていく。
隣にいる真美は食い入るようにその光景を見ていた。
ナイフがウェディングケーキの底に到達したとき、拍手がおきた。
「おめでとーーー!」
「亜美ちゃんおめでとう!」
みんなが亜美とプロデューサーを祝福している。
ホント、幸せ者よね。
2人の晴れ姿を撮っているのか、周りでカメラのシャッター音が聞こえる
律子もビデオカメラを撮るのに夢中みたい。
亜美は亜美できちんとケーキ入刀の終わりからナイフを離さず同じ姿勢で笑顔をふりまいている。
こういう時でもやっぱりアイドルなのよね。カメラを意識している所は。
カメラが一段落ついて、みんなが食事に手をつけ始めた。
私も食べようかしら?
そう思ったとき、ナイフから手を離した亜美を見ると――
泣いていた、亜美が。
「亜美、どうした? ゴミでも入ったのか?」
そばにいるプロデューサーが亜美の頭を撫でながら話しかけている。
「グスッ…ううん、嬉しくって……うぅ」
「ホ、ホントに結婚できたんだって思ったら……涙が…あぅ」
まったく、化粧が落ちちゃうわよ?
でも…亜美、本当に嬉しそうね……
それに――
普段涙を見せない亜美が泣いた姿は、すごくキレイだった。
律子もビデオカメラを撮るのに夢中みたい。
亜美は亜美できちんとケーキ入刀の終わりからナイフを離さず同じ姿勢で笑顔をふりまいている。
こういう時でもやっぱりアイドルなのよね。カメラを意識している所は。
カメラが一段落ついて、みんなが食事に手をつけ始めた。
私も食べようかしら?
そう思ったとき、ナイフから手を離した亜美を見ると――
泣いていた、亜美が。
「亜美、どうした? ゴミでも入ったのか?」
そばにいるプロデューサーが亜美の頭を撫でながら話しかけている。
「グスッ…ううん、嬉しくって……うぅ」
「ホ、ホントに結婚できたんだって思ったら……涙が…あぅ」
まったく、化粧が落ちちゃうわよ?
でも…亜美、本当に嬉しそうね……
それに――
普段涙を見せない亜美が泣いた姿は、すごくキレイだった。
それにしても――ここまで聞こえるくらい泣き声が大きいわね?
まるで近くで泣いているみたい……
近くで……
――あっ!?
私はバッと隣を振り向いた。
真美も、泣いていた――
「あっ……」
真美がこっちを見ていることに気づいたのか、笑顔を作って私の方を向いた。
「……んっふっふ~、いおりん、真美メッチャ感動して泣いちゃった!」
嘘よ。無理やり笑ってるのがバレバレなのに……
「……真美、ちょっとトイレで顔洗ってくるね!」
そう言って真美は椅子から立ちあがった。
「ちょ、ちょっと! 待ちなさい!」
私が止めるヒマもなく、真美は会場の外に早歩きで出て行った。
まるで近くで泣いているみたい……
近くで……
――あっ!?
私はバッと隣を振り向いた。
真美も、泣いていた――
「あっ……」
真美がこっちを見ていることに気づいたのか、笑顔を作って私の方を向いた。
「……んっふっふ~、いおりん、真美メッチャ感動して泣いちゃった!」
嘘よ。無理やり笑ってるのがバレバレなのに……
「……真美、ちょっとトイレで顔洗ってくるね!」
そう言って真美は椅子から立ちあがった。
「ちょ、ちょっと! 待ちなさい!」
私が止めるヒマもなく、真美は会場の外に早歩きで出て行った。
ど、どうしよう……
そうだ、律子に相談しましょう!
……とおもったけど、ビデオを撮るのに夢中だったわね。
もう! 肝心なときに役に立たないんだから!
「やっほーいおり~ん! ねえねえ、亜美のドレスメチャイケっしょ?」
あれこれ考えている内に亜美が私の所に挨拶回りに来た。
よりにもよってこのタイミングで……
でも主役を放っておくのもダメよね…?
「え、ええ。凄く似合っているわ!」
プロデューサーはビデオを回している律子と話している。
亜美の相手を律子に受け持ってもらいたいんだけど…
「んっふっふ~、やっぱり~? ……あれ、真美は?」
「と…トイレじゃないかしら?」
出て行った適当に理由をでっち上げる。
泣いていたなんて言えるわけ無いじゃない…
そうだ、律子に相談しましょう!
……とおもったけど、ビデオを撮るのに夢中だったわね。
もう! 肝心なときに役に立たないんだから!
「やっほーいおり~ん! ねえねえ、亜美のドレスメチャイケっしょ?」
あれこれ考えている内に亜美が私の所に挨拶回りに来た。
よりにもよってこのタイミングで……
でも主役を放っておくのもダメよね…?
「え、ええ。凄く似合っているわ!」
プロデューサーはビデオを回している律子と話している。
亜美の相手を律子に受け持ってもらいたいんだけど…
「んっふっふ~、やっぱり~? ……あれ、真美は?」
「と…トイレじゃないかしら?」
出て行った適当に理由をでっち上げる。
泣いていたなんて言えるわけ無いじゃない…
……って呑気に話してる場合じゃないわ!
プロデューサーと亜美には悪いけど今は真美優先よ!
あの元気な真美があんな風になるなんて心配しないわけ無いじゃない……
「いおりん、聞いて聞いて! 亜美ね――」
「亜美、私ちょっと気分が悪いから外に出てくるわ! 話はまた後でね!」
亜美の話を途中でさえぎって、私は席を立った。
ゴメンね、なるべく早く戻ってくるから。
真美、すぐ見つかればいいけど……
私は会場出入り口の大きな扉をゆっくりと開けた。
……
…
「あ、いおりん行っちゃった…」
「真美……」
「……んっふっふ~」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
プロデューサーと亜美には悪いけど今は真美優先よ!
あの元気な真美があんな風になるなんて心配しないわけ無いじゃない……
「いおりん、聞いて聞いて! 亜美ね――」
「亜美、私ちょっと気分が悪いから外に出てくるわ! 話はまた後でね!」
亜美の話を途中でさえぎって、私は席を立った。
ゴメンね、なるべく早く戻ってくるから。
真美、すぐ見つかればいいけど……
私は会場出入り口の大きな扉をゆっくりと開けた。
……
…
「あ、いおりん行っちゃった…」
「真美……」
「……んっふっふ~」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「真美! いるなら返事しなさい! ……ここにもいないのね」
さっきまで挙式が行われていた教会にも真美は居なかった。
ホント、どこに行ったのかしら?
今日はヒールを履いているからあんまり走れないし、困ったわね……
一応新堂にも探してもらうように言ってるけど……相手が真美じゃ苦労しそうね。
携帯も電源を切ってるのか繋がらないし…
「真美……大丈夫かしら?」
結婚式の時の真美の表情が頭から離れない。
やっぱり真美はプロデューサーのこと……
好き、だったんでしょうね。
自分の好きな人が、自分の大切な人と結婚する。
しかも、自分と瓜二つの声と顔をしている人と――
私だったら耐えきれない、かも。
さっきまで挙式が行われていた教会にも真美は居なかった。
ホント、どこに行ったのかしら?
今日はヒールを履いているからあんまり走れないし、困ったわね……
一応新堂にも探してもらうように言ってるけど……相手が真美じゃ苦労しそうね。
携帯も電源を切ってるのか繋がらないし…
「真美……大丈夫かしら?」
結婚式の時の真美の表情が頭から離れない。
やっぱり真美はプロデューサーのこと……
好き、だったんでしょうね。
自分の好きな人が、自分の大切な人と結婚する。
しかも、自分と瓜二つの声と顔をしている人と――
私だったら耐えきれない、かも。
「どうして――」
どうしてプロデューサーは亜美を選んだのかしら?
春香でも、美希でも、私でも、……真美でもなく、亜美を。
……いえ、そんなことを考えてもムダよね。
あの嬉しそうな2人の顔、それが答えなんでしょう。
とにかく! 今は真美を見つけること、それだけを考えないと!
「次は…ここのトイレね」
私はまだ見ていないトイレに足を踏み込む。
キレイに掃除が行き届いているが一目でわかる。
中をみると一番奥の個室が閉まっていた。
どうしてプロデューサーは亜美を選んだのかしら?
春香でも、美希でも、私でも、……真美でもなく、亜美を。
……いえ、そんなことを考えてもムダよね。
あの嬉しそうな2人の顔、それが答えなんでしょう。
とにかく! 今は真美を見つけること、それだけを考えないと!
「次は…ここのトイレね」
私はまだ見ていないトイレに足を踏み込む。
キレイに掃除が行き届いているが一目でわかる。
中をみると一番奥の個室が閉まっていた。
もしかして……!
「真美? いるの!?」
個室をノックしながら私は叫ぶ。
お願い、当たって……!
「……あの~、もしかして、伊織ちゃん?」
そ、その声は!!
「あ……あずさぁ!?」
――ある意味、大当たりだった。
「あずさ!? アンタ今までどこにいたのよ!」
「えっと、最初はタクシーに乗っていたんだけど、渋滞がひどくて途中で降りたのよ~」
なんで降りるのよ!?
いつもそれで迷子になってるじゃない!
「真美? いるの!?」
個室をノックしながら私は叫ぶ。
お願い、当たって……!
「……あの~、もしかして、伊織ちゃん?」
そ、その声は!!
「あ……あずさぁ!?」
――ある意味、大当たりだった。
「あずさ!? アンタ今までどこにいたのよ!」
「えっと、最初はタクシーに乗っていたんだけど、渋滞がひどくて途中で降りたのよ~」
なんで降りるのよ!?
いつもそれで迷子になってるじゃない!
「それから教会の近くまで来たんだけど、まだ時間があったから散歩でもしようと思って……気づいたら中華街にいたの」
これ、突っ込んだら負けかしら…?
「それで、歩いてる途中でちょっとトイレに行きたくなっちゃって、探してたらここに……」
……今度からは私のSPに会場まで送らせたほうがいいわね…
まさか披露宴にまで遅れるなんて……
「伊織ちゃん、ごめんなさいね?」
「私は別にいいわ。……私に謝るより亜美に謝ってきなさい」
むしろこうなる事を予測してなかった私と律子のせい…かもしれないし。
あ、そうだ。一応あずさにも聞いておこうかしら?
「ねえ、あずさ? 真美見なかった?」
個室にいるあずさに真美の居場所を尋ねる。
もしかしたらさっき来たあずさが見つけてるかもしれないわよね?
これ、突っ込んだら負けかしら…?
「それで、歩いてる途中でちょっとトイレに行きたくなっちゃって、探してたらここに……」
……今度からは私のSPに会場まで送らせたほうがいいわね…
まさか披露宴にまで遅れるなんて……
「伊織ちゃん、ごめんなさいね?」
「私は別にいいわ。……私に謝るより亜美に謝ってきなさい」
むしろこうなる事を予測してなかった私と律子のせい…かもしれないし。
あ、そうだ。一応あずさにも聞いておこうかしら?
「ねえ、あずさ? 真美見なかった?」
個室にいるあずさに真美の居場所を尋ねる。
もしかしたらさっき来たあずさが見つけてるかもしれないわよね?
「真美ちゃん? え~っと……あ! そういえばそこの中庭に誰かいたような気がしたけど……真美ちゃんかしら?」
中庭…そういえばまだそこには行ってなかったわ!
他に行くとこも思いつかないし、すぐに行くしか無いわね。
「あずさ、ありがとう! それじゃあ私はもう行くからお色直しまでには披露宴に行きなさいよ!」
「伊織ちゃん? どうしてそんなに急いで――」
まだしゃべっているあずさを置いて私は中庭に急ぐ。
本当は会場まであずさの道案内をしたかったけど……
さすがに大丈夫でしょ。
……大丈夫、よね?
一時間ほど前、ブーケトスをしていた中庭にたどり着く。
中央にある噴水のそばのベンチ、そこに真美は座っていた。
中庭…そういえばまだそこには行ってなかったわ!
他に行くとこも思いつかないし、すぐに行くしか無いわね。
「あずさ、ありがとう! それじゃあ私はもう行くからお色直しまでには披露宴に行きなさいよ!」
「伊織ちゃん? どうしてそんなに急いで――」
まだしゃべっているあずさを置いて私は中庭に急ぐ。
本当は会場まであずさの道案内をしたかったけど……
さすがに大丈夫でしょ。
……大丈夫、よね?
一時間ほど前、ブーケトスをしていた中庭にたどり着く。
中央にある噴水のそばのベンチ、そこに真美は座っていた。
「兄ちゃん争奪戦に負けたのは真美だもんね……」
…今、すごく聞いちゃいけない独り言を聞いたような気がしたわ……
私の足音が聞こえたのか、うつむいていた真美が顔を上げる。
「あ、いおりん……どったの?」
こっちに気づいた真美が笑顔で話しかけてくる。
今まで泣いていたのかしら……? 目元が赤くなっているわ。
「真美……アンタ大丈夫なの?」
今まで口にできなかったセリフをついに言ってしまった。
きっとみんなは『一人にしておきなさい』とでも言うんでしょうね。
でも、放っておくなんて私にはできない。
話し相手がいないのが一番ツライ事なんだ、って思っているから。
それに……大事な友達を放っておけるわけないじゃない!
「……いおりん、心配してくれたの? んっとね、真美はもう大丈夫だよ~」
真美が笑いながらベンチから立ち上がる。
よくみると服が少し着崩れている。
きっと走っていたからでしょうね。
「ホントだよ? ちょっとだけ泣いたら吹っ切れちゃった」
…今、すごく聞いちゃいけない独り言を聞いたような気がしたわ……
私の足音が聞こえたのか、うつむいていた真美が顔を上げる。
「あ、いおりん……どったの?」
こっちに気づいた真美が笑顔で話しかけてくる。
今まで泣いていたのかしら……? 目元が赤くなっているわ。
「真美……アンタ大丈夫なの?」
今まで口にできなかったセリフをついに言ってしまった。
きっとみんなは『一人にしておきなさい』とでも言うんでしょうね。
でも、放っておくなんて私にはできない。
話し相手がいないのが一番ツライ事なんだ、って思っているから。
それに……大事な友達を放っておけるわけないじゃない!
「……いおりん、心配してくれたの? んっとね、真美はもう大丈夫だよ~」
真美が笑いながらベンチから立ち上がる。
よくみると服が少し着崩れている。
きっと走っていたからでしょうね。
「ホントだよ? ちょっとだけ泣いたら吹っ切れちゃった」
「よし! 会場に戻ってもう一回ちゃんとお祝いするよ! いおりん、行こ行こ!」
真美が私の手をグイグイ引っ張って歩き出す。
本当に吹っ切れたのかしら?
でも……
今の笑った顔、すごく自然だったわ。
きっと、亜美に心からお祝いできるでしょうね。
「ええ、行きましょう。亜美が待ってるわ」
真美と一緒に会場に向かいはじめる。
そろそろプロデューサーと亜美のお色直しが終わる頃かしら?
楽しみね♪
……
…
「本当に、吹っ切れたから――」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
真美が私の手をグイグイ引っ張って歩き出す。
本当に吹っ切れたのかしら?
でも……
今の笑った顔、すごく自然だったわ。
きっと、亜美に心からお祝いできるでしょうね。
「ええ、行きましょう。亜美が待ってるわ」
真美と一緒に会場に向かいはじめる。
そろそろプロデューサーと亜美のお色直しが終わる頃かしら?
楽しみね♪
……
…
「本当に、吹っ切れたから――」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
会場に戻るとすぐ、真美はテーブルに置いてある料理に手をつけていた。
私もお腹が減ってきたわね。今のうちに食べておこうかしら。
「いおりん、このホテルの料理チョーおいしいね! さすがいおりんオススメなだけあるね!」
ステーキを切りながら真美が話しかける。
そう、このホテルを亜美達に紹介をしたのは私だった。
披露宴ができる高級ホテル。横に教会もあるし、一流のシェフもいる。
……何で知ってるのかっていうと、水瀬家が運営してるからなんだけどね…。
ま、そのおかげで変なヤツらが入ってこないのはいいんだけど。
「こっちも喜んでもらえてうれしいわ。あ! ……よかった、あずさは迷わなかったようね」
肉を細かく切り分けている真美の隣のテーブル、そこにあずさがいた。
私に気づいたあずさがニコニコ笑いながら手を振っている。
ホント、人騒がせなんだから……
真美はまだステーキを切り分けていた。
私もお腹が減ってきたわね。今のうちに食べておこうかしら。
「いおりん、このホテルの料理チョーおいしいね! さすがいおりんオススメなだけあるね!」
ステーキを切りながら真美が話しかける。
そう、このホテルを亜美達に紹介をしたのは私だった。
披露宴ができる高級ホテル。横に教会もあるし、一流のシェフもいる。
……何で知ってるのかっていうと、水瀬家が運営してるからなんだけどね…。
ま、そのおかげで変なヤツらが入ってこないのはいいんだけど。
「こっちも喜んでもらえてうれしいわ。あ! ……よかった、あずさは迷わなかったようね」
肉を細かく切り分けている真美の隣のテーブル、そこにあずさがいた。
私に気づいたあずさがニコニコ笑いながら手を振っている。
ホント、人騒がせなんだから……
真美はまだステーキを切り分けていた。
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