元スレ桜木「マオーは俺が倒す!」流川「どあほう」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
151 = 123 :
名言を聞いて場面を思い出して身震いする
152 = 121 :
かつて、安西は桜木たちの前に谷沢という戦士を育てていた。
本来の予定では、安西は彼を勇者にするつもりだったのだ。
しかし、安西の厳しい指導に嫌気がさした谷沢は、
まだ基礎もできていないのに勝手に勇者を名乗ってパーティを作り、
魔王討伐に出発してしまった。
谷沢は才能と体格に恵まれ、装備も高級品だったため、
最初のうちは順調に勝利を重ねた。
しかし、他国から送られてきた谷沢の映像を水晶で見た安西は──
安西(まるで成長していない……)
安西(ちゃんと地道な修業をして、レベルアップしているのか?)
安西(パーティメンバーともうまくコミュニケートできてないようだ)
安西(そもそもこのパーティはなんだ!?
ろくに回復をしない僧侶、後先考えず大魔法をぶっ放す魔法使い、
剣の性能に頼りきりの戦士……まるでまとまっていない)
安西(これじゃ谷沢は魔王軍に殺される!)
安西は谷沢と連絡を取ろうと努力したが、谷沢はつかまらなかった。
153 = 126 :
水晶ワロス
155 = 121 :
その後──
いつかの国王の言葉が、近頃よく頭に浮かびます。
「おまえのためにパーティがあるんじゃねぇ、パーティのためにおまえがいるんだ」
このパーティは誰もぼくを回復してくれません。
国王やみんなに迷惑をかけておきながら、今おめおめと帰るわけにはいきません。
いつかぼくの剣で魔王を倒せるまで頑張るつもりです。
勇気ある者──その名を名乗るだけで、ぼくは強くなれると思ってたのかなぁ……。
安西のもとに一通の手紙が届き──
谷沢は魔王軍どころか、魔王軍に恐れをなしたパーティメンバーの裏切りで
命を落としたという悲報が入った。
156 = 121 :
試合に戻り──
赤木がドラゴンの巨体を持ち上げ、地面に叩きつけた。
ドグシャアッ!
ドラゴン「が……は……っ!」
ワアァァァァァッ!
「決まったぁーっ!」 「ドラゴンダンクだ!」 「ゴリ絶好調ーっ!」
魔王(くっ……!)
魔王(あの桜木のせいで、一気に勇者パーティが息を吹き返した……!
戦い方はシロート同然だが、さすがは勇者といったところか!)
魔王(仕方あるまい!)
魔王「ワシが宮城を倒すっ! 側近、巨大亀、スライムは三人がかりで
桜木をツブせっ!」
魔王「木暮とかいう僧侶は放っておいてかまわん!」
赤木「…………!」
157 :
ゴリが人間離れしすぎて怖い
158 :
安定のメガネ君
159 :
メガネ君3ポイントくるぞ
161 = 121 :
魔王が宮城に襲いかかる。盗賊である宮城が勝てる相手ではない。
しかし、宮城も持ち前のスピードで粘る。
ブオンッ! ブウンッ!
魔王「おのれ、小僧がっ! ちょこまかと!」
宮城「へっ、当ててみやがれ!」ハァハァ
一方、三対一になった桜木は大ピンチだった。
側近「“針呪文(センドウ)”!」ビュビュビュッ
巨大亀「甲羅クラッシュ!」ドゴッ
スライム「とりゃあっ」プニュッ
桜木「この勇者に、よってたかって……!」グラッ
三人の幹部の猛攻で、桜木は瀕死になっていた。
だが──
赤木「木暮フリーだ、唱えろっ!」
162 = 121 :
木暮「“大回復呪文(フレーフレー)”」パァァ…
赤木「うおおおーっ!」
流川「お」
宮城「おっしゃあ!」
パーティ全員の体力が回復した。
魔王「な!?」
魔王(しまった──! あの僧侶、全体回復呪文など使えたのか!?
くそっ、真っ先に始末しておくべきだった!)
魔王(全体回復など、何度もできる呪文ではない……。
使うべきタイミングをずっと待っておったのか!)
魔王「ワシのミスだ……!」
魔王(アイツも僧侶として頑張ってきた男なんだ……。
侮ってはいけなかった……)
165 = 146 :
メガネ君…
166 = 126 :
もう寝るピョン
167 = 121 :
三井「俺は……だれだ……?」フラッ
三井「“火炎呪文(ミッチャン)”……!」
ゴォアッ!
強烈な炎が、巨大亀にヒットした。
巨大亀「うわぁ~っ! なんで三井が復活してるんだぁ~!?
あの呪文で回復しきれるダメージじゃなかったはずだぁ~!」
三井「おう、俺は三井……諦めの悪い男……」
巨大亀(コイツ、不死身かぁ~?)ゾクッ
木暮の回復呪文で、ここにきて勇者パーティが一気に優位に立った。
──かに思われたが。
168 :
亀の口調が何気に気になる
169 :
亀は誰なんだろうな
170 = 121 :
ダウンしたままの桜木。
桜木「…………!」ハァハァ
回復呪文の直前に、桜木が集中攻撃で受けた傷は深かった。
赤木「大丈夫か!?」
宮城「花道!」
桜木(くっ、体が動かねぇ~……せっかくメガネ君が回復してくれたってのに……!
ちくしょう、動けぇ……!)
木暮(マズイ……! 俺の少ない魔力じゃ、あの呪文を一発使ったら、
もう回復呪文は使えない──!)
流川「…………」
流川「もう立てないんなら、ジャマにならねーように寝てろ。
立てるんならさっさと立て」
桜木「────!」ブチッ
桜木「ざけんな、キツネ! この勇者がもう立てないワケがねーだろうが!」ガバッ
ワアァァァァァッ!
流川の激励(?)で、桜木も復活を果たした。
171 = 121 :
スライム「落ち着こう。まだあわてるような場面じゃない」
スライム「あの僧侶の全体回復にはしてやられたけど、
アレであの僧侶はガス欠、魔法使いもフラフラのハズ。
こちらの数的有利は変わらない」
スライム「ここからが勝負だよっ!」
ドラゴン「おうっ!」
暗黒騎士「うむ」
巨大亀「了解ぃ~!」
側近「分かりました」
魔王(よし、スライムのおかげで動揺は少なくて済んだ……。
もう互いに余力は少ない……おそらくあと数分で決着する!)
172 = 121 :
赤木「木暮のおかげで、なんとか俺たちの首が繋がった……」
赤木「いいかみんな、全てを賭けてくれ……!」
赤木「ここからの数分間、全てを出し尽くすんだ!」
赤木「数分後、コートに立っているのは俺たちだっ!」
桜木「おうっ!」
流川「うす」
宮城「もちろん!」
三井「分かってるぜ!」
木暮(頼むみんな……! 頑張ってくれ……!)
173 :
なにタイムアウトとってんだよwww
174 = 122 :
ツンツン頭のスライム想像したら死んだ
175 = 121 :
『試合再開です!』
ピピピ~~~~~!
ワアァァァァァッ!
赤木&三井&宮城&流川&桜木「うらぁぁぁぁっ!!!」
先ほどまでのように、各自マッチアップするかと思いきや──
勇者パーティは一斉にスライムめがけて突撃した。
スライム「なに──!?」
ズガァンッ!
スライム「ぐわぁっ!」
五人分の突撃を喰らい、スライムは壁に激突し──
スライム「ま、魔王様……す、みま……」ガクッ
──動かなくなった。
魔王(ぬかったわ! コイツら、ワシらのチームプレーの要となっていた
スライムを真っ先にツブしに来るとは……!)
魔王「だが、こちらの方がまだ戦力は上だっ! かかれぇっ!」
176 :
なにこれ面白い
177 = 121 :
側近「“睡眠呪文(ジュギョウ)”!」
流川「む……」クラッ
流川「…………」スースー
側近「流川を眠らせました! 今です、暗黒騎士!」
暗黒騎士「……もらった!」ブオンッ
──ガキィンッ!
刃は受け止められた。
暗黒騎士「!?」
流川「何人たりとも俺の眠りを妨げるヤツは許さん」
ズシャアッ!
逆に、寝起きの流川の一閃が暗黒騎士を斬り裂いた。
暗黒騎士「ぐはぁ……っ!」ドサッ
側近(なんという誤算! あの戦士、眠った方が強かったのですか!?)
179 = 121 :
三井「テメーの相手は俺だぜ!」
側近「む!?」
三井「“召喚呪文(チャージドタイムアウト)”!」
側近「“召喚呪文(チャージドタイムアウト)”!」
二人は同時に召喚呪文を唱えた。
三井は鉄男を、側近は彦一を召喚した。
召喚獣同士の戦いが幕を開ける。
バキィッ!
彦一「なんてパンチ力……要チェックや……」ドサッ
側近「私の召喚獣が……!」
鉄男「次はテメェだ! モップクラッシュ!」
ドゴォッ!
側近「ぐふっ……こ、こんな……!」ドサッ
鉄男のモップをまともに喰らい、ついに側近も崩れ落ちた。
鉄男「じゃあな、マジックマン」シュウウ…
三井「これで俺の魔力も……すっからかんだ……」ハァハァ
180 = 164 :
おお、鉄男がでてきた
181 = 121 :
宮城が走りまわり、巨大亀とドラゴンの注意を引く。
ダダダダダッ!
ドラゴン「なんてスピードだ! 目で追い切れんっ!」
巨大亀「くっ、くそぉ~っ!」
宮城「今だ、ダンナ!」
赤木「おうっ!」ガシッ
巨大亀「うわぁ~!?」
182 = 121 :
赤木は巨大亀を持ち上げると、空高く飛び上がり──
赤木(もうこの一撃で俺は倒れてもいい……やっと掴んだチャンスなんだ!)
赤木「ウホォォォッ!」
ズガドゴォンッ!
──巨大亀をドラゴンの脳天に叩きつけた。
巨大亀「こ、こんな……」ガクッ
ドラゴン「バカ、な……」ドサッ
「うおおおーっ!」 「過去最高のゴリラダーンクッ!」 「すげぇ~っ!」
「一撃で二人倒した!」 「スゴすぎるっ!」 「ゴリラだぁ~っ!」
安西(これだ……! 勇者パーティにあって魔王軍にない爆発力……!)
ワアァァァァァッ!
安西(しかし、残る魔王は本当に手強いですよ……)
183 = 121 :
魔王(くぅぅ……! スライムをやられ、混乱していたところを各個撃破されたか……)
魔王(いや、そもそも木暮を先に倒しておけばこんな事態には──!)
魔王(部下たちの敗因はこのワシ……ワシの部下は最高の戦いをした!)
魔王(だが、ワシがおる以上、魔王軍は負けてはおらぬ!)
魔王「キサマらが部下を倒しているうちに、準備は整ったっ!
まとめて片付けてくれるわ!」
魔王「“即死呪文(テクニカルファウル)”!」
184 = 146 :
退場?
185 :
しえん
187 = 121 :
これは魔の瘴気を発生させ、敵全体を死に追いやるという呪文である。
たとえ死なずとも、大ダメージは免れない。
赤木「ぐぅぅ……っ!」ガクッ
三井「ぐああっ!」ガクッ
宮城「なんだこりゃ……!」ガクッ
木暮「なんて呪文だ……!」ガクッ
魔王「さすがに即死はせんか……。
だが、消耗した体でこの呪文を受けるのはキツかろう!
ふはははは……!」
魔王「さて……」チラッ
魔王「かろうじてワシと戦う力が残っているのは、キサマら二人だけか」
桜木「一人で十分だ!」ハァハァ
流川「オメーがいらん」ハァハァ
188 = 122 :
テクニカルであっちの2mみたいになったか
189 = 121 :
桜木「庶民スラーッシュ!」
スポッ!
桜木の剣は疲労のためすっぽ抜け、どこかへ飛んでいってしまった。
桜木「あああーっ!」ガーン
流川「どあほう」
魔王「これでワシと戦えるのは流川とやらだけ、か」
流川「…………」
だが、暗黒騎士と長時間打ち合った流川に、魔王を倒すほどの体力はなかった。
魔王「そんなヘトヘトで、ワシの相手になれると思ったか!?」
ドゴォッ!
流川「ぐぅ……っ!」
魔王「ふははははははははははっ!
剣のない勇者に、体力の残っていない戦士……勝負は見えたな」ニヤッ
190 = 159 :
オールコートで当たれ!
191 = 121 :
ズガァッ!
魔王の拳によって、ダウンさせられる流川。
流川「ぐ……!」
魔王「ふははははっ!」
魔王「ワシはな、こうやってワシに挑んだきた愚か者どもが、
地面に転がっているのを見下すのが好きなのだ!」
流川「よくしゃべるヤツだ……」ハァハァ
ギィンッ!
魔王「無駄だっ! 今のキサマでは、ワシに傷一つつけることはかなわん!」
流川「…………」ハァハァ
魔王「トドメだっ!」
グオァッ!
魔王の爪が、流川を引き裂く寸前──
流川「!」
193 = 164 :
ゴクリ
194 = 121 :
桜木「左手はそえるだけ……」
流川が放り投げた剣が──
パシィッ!
──桜木の手に渡った。
ズシャアッ!
魔王の爪に引き裂かれる流川。胸から血を噴き出し、崩れ落ちる。
魔王(あの天上天下唯我独尊男が、パスを出すとは!)
桜木「…………!」チャキッ
魔王(だが、勇者に流川ほどの剣の腕はないハズ!)ギロッ
桜木「ルカワの剣なんて死んでも使いたくねえけどよ──」
桜木「やっと……ダンコたる決意ってのができたよ」チャキッ
魔王「終わりだ、勇者っ!」グオオッ
桜木は試合前の一週間で身につけた、あの技を思い返していた。
195 = 176 :
あの名シーンか
196 = 121 :
ザンッ!
桜木「おおっ、できたぜ! オヤジ!」
安西「ほっほっほ、ついに会得しましたね」
安西「二万回、素振りをした成果がありましたね、桜木君。
コツは左手はそえるだけ、ですよ」
桜木「おうっ!」
桜木「さっそくこの技に名前をつけねーとな!」
桜木「えぇと、合宿で身につけたから──」
198 = 121 :
魔王「ぬぅっ!?」
桜木「合宿スラッシュッ!!!」
ザ ン ッ
桜木の一撃が、魔王を一刀両断にした。
199 = 164 :
ああ、はるこがいないのがおしい
200 = 158 :
名シーンキタコレ
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