元スレ赤沢「恒一くん、演劇の練習に付き合ってくれない?」
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1 :
恒一「演劇の練習?」
赤沢「そう。部活で今度発表があるから」
恒一「うーん…僕は演劇の経験なんてないし、ちょっと力になれそうにないなぁ」
赤沢「大丈夫よ。あなたの演技力には最初から期待していないし、台本を棒読みしてくれればそれでいいから」
恒一「はっきり言うね…。いや、でも…演劇の練習なら小椋さんとか綾野さんを相手にしたほうが良いんじゃない?同じ演劇部なんだし」
赤沢「男役を相手に練習したいのよ」
恒一「じゃあ勅使河原とか望月くんでも良いんじゃ」
赤沢「勅使河原?あんな奴、冗談じゃないわ。望月くんは女の子っぽいしダメよ。恒一くんがちょうどいいの」
恒一「あ、千曳先生は?演劇部の顧問なんでしょ?」
赤沢「先生はおじさん過ぎるわ。同世代の役だからイメージしにくいのよ。ね、お願い恒一くん」
恒一「…まぁ…そこまで言うならいいけど…」
赤沢「 ありがとう。じゃあ放課後、教室に残っててちょうだいね。みんなが帰ったら始めましょう」
4 = 1 :
放課後
見崎「……」スタスタ
恒一「あ、見崎、もう帰るの?僕も一緒に…」
赤沢「ちょっと!」ガシッ
恒一「ぐぇ。な、なに?どうしたの赤沢さん…」
赤沢「どうしたのじゃないわよ。練習に付き合ってくれるって約束したじゃない。何帰ろうとしてるのよ」
恒一「あ、あぁ…そうだったね。忘れてた…」
赤沢「…」ジトー
恒一「あ、いや、これはきっと災厄のせいだよ。記憶が改竄されて…」
赤沢「何よそれ。下手な言い訳ね。とにかく約束通りちゃんと残ってて」
見崎「……」スタスタ
5 :
改竄→かいきゅう
6 = 1 :
30分後
恒一(はぁ…。見崎帰っちゃったな…)
赤沢「みんな帰ったわね。じゃあ早速始めましょう」
恒一「赤沢さん、さっきも言ったけど本当に僕演劇の経験なんてないからね?」
赤沢「わかってるわよ。あなたは台本をただ読んでくれればいいから。はいこれ、台本」
恒一「うん…。あれ?一冊しかないけど、赤沢さんは台本いらないの?」
赤沢「演劇部のエースを舐めないでほしいわね。台本は全部頭に入ってるわよ」
恒一「そうなんだ。さすがだね。……ん?」
赤沢「どうかした?」
恒一「あ、いや…あの…台本に書いてあるこのタイトル…」
恒一「『イズミ☆コウイチ★ジェットコースターラブストーリー』って…何これ…?」
7 = 1 :
赤沢「何って、タイトルよ。演劇のタイトル」
恒一「いや、それはわかるんだけど、え?おかしくない?このタイトル」
赤沢「何もおかしくないわ。さ、早く台本開いて。まずはあなたの台詞からよ」
恒一「う、うん」ペラ
恒一「!?」
恒一「あ、あの…赤沢さん。この役名は一体…」
赤沢「何か問題ある?」
恒一「思いっきり『榊原コウイチ』『赤沢イズミ』って書いてあるんだけど…」
赤沢「いきなり役になりきるのは初心者には難しいでしょ。だからあなたはあなたを演じればいいの。それなら簡単でしょう?」
恒一「なんだかややこしいな…」
赤沢「じゃ、始めるわよ。3、2、1、キュー!」
8 :
やばい、この赤沢さん可愛すぎるwww
10 = 1 :
第一幕
場面:夕暮れの教室。コウイチはイズミを呼び出す。
コウイチ:ア、赤沢サン。急ニ呼ビ出シテゴメン
イズミ:全くよ。対策係で忙しいのに。で、何?話って
コウイチ:ジ、実ハ赤沢サンニズット伝エタイ事ガアッタンダ
イズミ:伝えたいこと?
コウイチ:実ハ僕、ズット前カラ赤沢サンノコトガ…
恒一「あの、ちょっといいかな?」
赤沢「何よ。いきなり中断しないでくれる?」
恒一「この台詞、本当に言うの?」
赤沢「言ってくれなきゃ練習にならないでしょ」
恒一「そ、そうだよね。あ、あー…コホン」
コウイチ:実ハ僕、ズット前カラ赤沢サンノコトガ好キダッタンダ!///
11 :
惨劇の練習に見えた
12 = 1 :
イズミ:えっ…?な、なに言ってるのよいきなり…。冗談でしょ?
コウイチ:冗談ナンカジャナイヨ!赤沢サン、僕ト付キ合ッテクレナイカ?///
イズミ:こ、恒一くん…。でも…あなたにはもう付き合ってる人が…
コウイチ:見崎トハナンデモナインダ!誤解ダヨ!アンナチンチクリン…見崎ガ一方的二ツキマトッテクルダケダヨ!僕ガ好キナノハ赤沢サンダヨ!赤沢サンダケヲアイシテルンダ!!
恒一「あの…何なのこの台本…?何で見崎の名前まで出てくるわけ?」
赤沢「何でもなにもないわ。そういうシナリオなのよ」
恒一「……」
赤沢「何か問題ある?」
恒一「問題っていうか…この台本書いたの誰?」
赤沢「私だけど」
恒一「……」
14 :
つづきはよ
15 = 1 :
恒一「えーと…赤沢さんはこれを演劇部で発表するの?」
赤沢「そんなわけないじゃない。さっきも言ったようにこれはあなたがやりやすいように役名を変えてるだけよ」
恒一「余計やりにくいんだけど…」
赤沢「ごちゃごちゃ言ってないでほら、さっさと次いきましょう」
恒一「う、うん。えーっと……」
コウイチ:ダ、ダカラオ願イダ!僕ト付キ合ッテクレ!絶対幸セニスルカラ!
イズミ:き、急にそんな事言われても困るわ…。わ、私帰るから!(イズミ、焦って帰ろうとする)
コウイチ:待ッテ!(コウイチ、イズミの腕を掴んで引き止める)
イズミ:っ…!
コウイチ:チャント返事ヲ聞カセテクレ!
イズミ:こ、コウイチくん…。わ、私は、その…///
16 :
やばい悶え死ぬ
17 = 1 :
イズミ:私は……付き合ったりとか…したことないし…それに今年は受験とか…災厄とか…
コウイチ:ソンナノ関係ナイヨ!災厄モ受験モ二人デ乗リ越エヨウ!
イズミ:コウイチ…くん…
イズミ:う、うん…///いいよ…。じゃあ…私は…今からコウイチくんの彼女…ね///
コウイチ:赤沢サン……イヤ、イズミ!!
恒一「…」
赤沢「ちょっと。何突っ立ってるの?ちゃんと台本通りやってよ」
恒一「え?」
赤沢「台本に書いてるでしょ。ほら、ここ!」パンパン
赤沢「『コウイチ、感極まってイズミを抱き寄せる』って」
恒一「え…?これ本当にやるの?」
赤沢「当たり前でしょ。さ、早く」
恒一「あ…う、うん…」
コウイチ:イズミ!愛シテル!(そ~っ…
赤沢「カットカット!何よそのビクビクした抱擁は」
19 :
いいぞ
20 = 1 :
恒一「いや、だって…」
赤沢「ちゃんと力一杯やってくれないと練習にならないわ」
恒一「わ、わかったよもう…」
コウイチ:イズミ!愛シテル!(ガシッ ギュッ
イズミ:あっ///こ、コウイチくん…///
恒一(う、うわ…やばい…赤沢さん意外と華奢だな…///)
コウイチ:イズミ…!僕、嬉シイヨ!(ギュウウウ
イズミ:ふふ、私も///
コウイチ:キスシテイイ?
イズミ:……うん///
恒一「あ、あの…赤沢さん…まさかこれもやらなきゃダメなの?」
赤沢「当たり前でしょ」
21 = 16 :
恒一よ、いやいやなら俺と変われ
22 :
>>21
中尾乙
23 :
さっさとヤれよ
24 = 1 :
恒一「いや、でも…キ、キスって…。フリだけでいいんじゃないかな…」
赤沢「何言ってるの?お芝居舐めてるの?」
恒一「そういうわけじゃないけど…。大体このコウイチおかしいよ。手が早過ぎるよ…」
赤沢「ドラマのキスシーンでフリだけやられても興醒めでしょ。ちゃんと台本通りやって。それに素人が脚本に文句言うなんて10年早いわ」
恒一「ていうか…い、いいの?赤沢さん的にもまずいんじゃ…」
赤沢「何がまずいわけ?」
恒一「いや…だから…。あ…あぁ~っもう!わかったよ!するよ!」
赤沢「じゃ、続けるわよ」
25 :
すばらしい
26 = 1 :
コウイチ:イ、イイイイズミ…メメメメ目ヲ閉ジテ…///
イズミ:ん…
恒一「……」ドキドキドキドキ
イズミ:……
恒一「ゴクリ…」ドキドキドキドキ
赤沢「……はやくしなさいよ」ボソッ
恒一「あ、う、うん…」
コウイチ:……(ドックンドックンドックン
イズミ:…(スル ガシッ
恒一(ちょっ…!赤沢さん!?後ろに腕回してくるなんて台本に書いてな…///)
中尾「ふぃー!やべーやべー。ノート忘れちまったよ」ガララ
中尾「!?」
27 = 22 :
わわわ忘れ物
28 = 19 :
お墓
↓
32 = 1 :
恒一「!?」バッ
赤沢「あっ…」
中尾「あ、あ……お、お前らい、いま…キ、キ…」アワワ
恒一「な、中尾くん!ち、違うんだ!今のは演劇の練習で…その…」アタフタ
イズミ:恒一くん、早く…
恒一「!?赤沢さん、な、何を言って…」
イズミ:ほら、早く(ンーッ
中尾「マ、マジかよ…お前らデキてたのかよ…」ヨロヨロ…オエーッ
恒一「ち、違っ……ちょっ!?離れて赤沢さん!!」
イズミ:んーっ…(ズイズイ
中尾「う…」
中尾「うわあああああああああああ!!」ガチャバタン スタコラサッサ
33 = 1 :
恒一「あ、赤沢さん!何考えてるんだよ!?中尾くんに思いっきり誤解されちゃったじゃん!」
赤沢「別にいいじゃない。役作りの一環と思いなさい」
恒一「話が違うよ!僕はあくまでも練習台じゃなかったの!?」
赤沢「そのつもりだったけど、恒一くんけっこう素質ありそうだからこれを機にちゃんとお芝居始めてみたら?」
恒一「ムチャクチャだよ赤沢さん!……と、とにかく中尾くんの誤解をなんとかしないと…」
赤沢「…仕方ないわね。じゃあ私が明日中尾に説明するわよ。それでいいでしょ」
恒一「う、うん…」
赤沢「じゃあ、練習の続きをしましょう」
恒一「まだやるの!?」
赤沢「こんなところで中断したらキリが悪いわ。第一幕だけでも最後までやらないと」
恒一「…わかったよ。で、でもやっぱりキスシーンは省略してもらえないかな…」
赤沢「…仕方ないわね」
34 :
確かに出来がいい 支援
35 = 1 :
イズミ:コウイチくん…私、今とっても幸せよ
コウイチ:ボ、ボクモダヨ
イズミ:そろそろ帰ろっか。誰かに見られたら恥ずかしいし…///
コウイチ:ソ、ソウダネ(手を繋ぐ二人。そのまま帰宅)
暗幕
恒一「ふう…。第一幕はこれで終わり?」
赤沢「まだよ。このまま一緒に下校してそこで終わりね」
恒一「え…。それお芝居の範疇外じゃないの…?」
赤沢「役作りよ。私、男の人と手を繋いで帰ったことなんてないからそういう経験が必要なの。さ、帰りましょう」
恒一「……」
36 = 19 :
いいぞ
37 = 1 :
廊下
恒一「あ、赤沢さん…この状況を誰かに見られたらまずいんじゃ…」
赤沢「何が?」
恒一「いや、手を繋いで歩いてるところを見られたらまた誤解されるよね?」
赤沢「大丈夫よ。田舎だし」
恒一「…田舎とか関係なくない?」
千曳「……おや、二人とも。これから下校かい?」
恒一(……って言ってるそばから!)
赤沢「はい、今から帰るところです」
千曳「そうか。帰り道はくれぐれも気をつけるんだよ」チラッ
手「ギュウ」
千曳「…ふふ、ふはっwwwこ、これは尋常ではないね。うんうん、青春だwwwwじゃ、また明日」ニヤニヤ
恒一「……」
38 = 19 :
尋常ではないな
39 :
三神先生早く
40 :
良い
凄く良い
41 = 1 :
下駄箱
恒一「赤沢さん……さっき明らかに千曳先生に誤解されてたよね…?」
赤沢「そんなことないわよ。考えすぎよ」
恒一「いや、だってめちゃくちゃニヤついてたよあの人…」
赤沢「千曳先生はいつもニヤついてるじゃない」
恒一「そ、そうだっけ…?」
綾野「おっ!泉美ー!と、こういっちゃん!今帰り?」
恒一(うっ…)
赤沢「うん。今帰るところ。由美は一緒じゃないの?」
綾野「由美は先に帰ったよ。もぉー、泉美が部活来ないと練習が引き締まらな……ん?」チラッ
手「ギュッ」
綾野「…へぇ~。ふんふん、なるほどなるほど~。そっかそっか~。こりゃ邪魔しちゃったかな?」ニヤニヤ
恒一「あ、あのね綾野さん。違うんだ。これにはちょっとワケが…」
綾野「へへへへへwwwwじゃ、お邪魔虫は消えますのでごゆっくり~」スタコラサッサ
恒一「あ、ちょっ…」
43 = 1 :
通学路
恒一「まずいよ赤沢さん…。綾野さん絶対誤解してたって…」
赤沢「彩はいつもあんな感じよ」
恒一「いやいやいや」
赤沢「…あ、私こっちだから。恒一くんは向こうよね」
恒一「あ、うん」スッ
赤沢「ここでお別れね」
恒一「あの…赤沢さん。本当に明日ちゃんと誤解解いてくれるんだよね?」
赤沢「…」
恒一「赤沢さん?」
イズミ:じゃあね、コウイチくん(ギュッ
恒一「うわ、ちょ、ちょっと赤沢さん!?」
44 = 19 :
いいぞ
45 = 1 :
三神家
恒一(あー…もぉー…何なんだ赤沢さんは…。綾野さんが前にやりすぎって言ってたけどその通りだよ…)
恒一(…見崎に見られなくて良かった…)
怜子「恒一くん恒一くん!ちょっといい?」
恒一「え?あ、はい、なんですか?」
怜子「ふふふ、聞いたわよ、千曳先生から。恒一くんも隅に置けないね~。ああいうツンツンしたのがタイプだったのね」ウリウリ
恒一「き、聞いたってまさか…」
怜子「いや~意外ね~。恒一くんは大人しい子が好きだと思ってたんだけど…私もまだまだ教師としての観察眼が足りないわね~」ニヤニヤ
恒一「ちっ、違うんです怜子さん!あれは誤解で…!」
怜子「またとぼけちゃって!大丈夫よ!私はそういうの禁止にしたりしない主義だから!」
恒一「ちょ…怜子さん僕の話を聞い…」
九官鳥「ツンツンシタノガタイプ!ツンツンシタノガタイプ!」
恒一「うああああああああ!!ソッコーで覚えてんじゃねえええええええええ!!」
46 = 40 :
レーちゃんワロタ
47 = 1 :
翌日
学校
ガチャ
恒一「おはよう…」
どよっ…ざわざわ…
勅使河原「おっ!色男のお出ましだぜ!」
恒一「は?」
望月「からかっちゃ可哀想だよ」
恒一「な、ま、まさか…」
勅使河原「中尾から聞いたぜ~?いやー東京のオトコは流石だなー!な、俺にもそのテクニック教えてくれよ!」ニヤニヤ
中尾「榊原…俺の負けだぜ…。赤沢さんのことは任せた…」フッ
恒一「ち、違う…違うんだ…」ガクガク
勅使河原「なーにが違うんだよっ。綾野も見たって言ってたぞ?」ウリウリ
綾野「ごっめーん☆こういっちゃん!つい話しちゃった!」テヘペロ
恒一「あ…あ…ああああああ…」ガクガクブルブル
48 = 25 :
赤沢さん策士やでぇ
49 = 16 :
中学生の噂が広まるスピードは異常
50 = 19 :
外堀から埋めるなんて策士やで
みんなの評価 : ★
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