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元スレP「ここがアイドル幼稚園か……」
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~ お見舞い編 ~
小鳥「お見舞いですか? いいんじゃないかしら」
P「え!?」
小鳥「さっきあずさ先生から電話があって、病院のお薬飲んでだいぶよくなったって言ってたから」
小鳥「あと少し横になっていれば、明日にでも復帰できるとのことです。だから行ってもきっと大丈夫ですよ」
P「そ、それはなにより」
年中組と年少組を一緒にみるという合体保育も無事終わり、ようやく放課後になった。
いま音無さんに今日のことを報告しているところだったのだが……。
小鳥「あ、でも園児たちだけでいかせないでくださいね。プロデューサーさんが付いてあげてください」
P「り、律子とか音無さんは? それに黒井先生は……ないか」
小鳥「あたしはもう遠足帰りでくたくたです~。律子さんも、今日はこのあと大学に行くみたい」
P「……そういうことなら、じゃあ、行ってきます……!」 すっ
小鳥「(ふふ。プロデューサーさん、貸しいち、ですよ。あと、あずさ先生も……)」
ひゃっほう! 堂々とあずさ先生の家にいけるぜ!!
園外であずさ先生とお話できる機会は少ない。ここで少しでも……
って、お見舞いに行くんだからそんな下心は持っちゃいけないな。
P「(さて、誰を連れて行くか……やっぱりあずさ先生が担当する年少組の子たちかな)」
あみ「にーちゃんじゃーねー!」 ぶんぶん
まみ「またねー!」 ぶんぶん
P「はい、さようなら。また明日元気にくるんだぞー!」
P「(亜美と真美はちょうど今帰って行ったところか。となるとあと教室にいるのは……)」
やよい「……♪」 がちゃがちゃ
いおり「ああ、やよいあぶない……つみきくずれちゃう」 あたふた
P「伊織、やよい。ふたりはまだ帰らないのか?」
いおり「わたしきょうは、やよいのおかーさまがくるまでかえらないの」
やよい「……わたしのおかあさん、まっくらになってからくるんでしゅ」
P「そうか……」
やよいのお父さんお母さんは共働きで、ふたりともとても忙しいらしい。
やよいは遅くに迎えに来る保護者の方を待っている間、いつもあずさ先生に遊んでもらっていたようだ。
今日は伊織がその役目をやってくれているらしいな。やっぱり優しい子だ……。
P「それなら、あずさ先生のお見舞い、俺と一緒にいかないか?」
いおり「いーの!?」 がた
やよい「い、いきましゅ!」
P「よーし、決まりだ。さっそく準備を……って、おや?」
ちはや「…………」 こそこそ
P「千早……千早も俺たちと一緒にいこうか!」
ちはや「……はい!」
千早は実は、やよいのことが大好きなのだ。
だから本当は、伊織のようにやよいと一緒に遊んであげたかったのだが……
さっきやよいにふられたのが気になって、こっそり見ていることしかできなかったんだな。
てくてく
P「(音無さんからもらったアバウトな地図によると、あずさ先生の家はこのへんか)」
P「ちょっとスーパーに寄っていいかな。いろいろ買っていかないと」
ちはや「わかりました」
やよい「はーい」
いおり「このすーぱーようちえんせい、いおりちゃんがえらんであげるわ!」 ぴかっ
P「……いおり、お菓子はそんなに食べられないと思うぞ」
いおり「あずさはいつもこんくらいへーきよ?」
P「そ、そうなのか」
やよい「もやし」 くいくい
P「……もやし?」
やよい「もやし」
P「たしかにもやしは万能食材だ! 買っていこう!!」 ぽいぽい
ちはや「かごのなか、もやしとおかしばっかり……」
P「千早、手伝ってくれてありがとうな」 なでなで
ちはや「えへへ……」
千早は買い物カートを押す役目をやる、と自ら志願してくれた。
最近弟が生まれてお姉ちゃんになってから、こういうお手伝いを進んでしてくれるようになったのだ。
さーて、他には何が必要だろうか。
消化によくて簡単に作れるもの……それにスポーツドリンクやゼリーとかかな。あとは……
って、あそこにいるのは!?
P「あずさ先生!?」
あずさ「あら~? ここはどこかしら~? おトイレはどこ~?」 ふらふら
~ あずさ先生のおうち ~
あずさ「ごめんなさいね~……ご迷惑をおかけしてしまって」 ごほごほ
P「いえいえ。見つけたのが俺たちで本当によかったですよ」
いおり「さすがにびっくりしちゃったわ」
スーパーであずさ先生を発見した俺たちは、すぐに会計を済ませてあずさ先生の自宅へ向かった。
方向オンチだというのは知っていたが……これほどとは……。
あずさ「みんな、お見舞いに来てくれたの? ありがとうね、とっても嬉しいわ~」
やよい「しぇんしぇー、げんき?」
あずさ「うんー。やよいちゃんのお顔を見たらすぐ元気になっちゃったわ」
あずさ「ごほ、ごほ……」
P「ああ、無理しないで」 あたふた
ちはや「ここがあずさせんせいのおうち……ここですごせばきっといつか……」 うろうろ
千早が自分の胸をぎゅっと押さえながら何かつぶやいている。
あんまりうろうろするなよー。なに考えてるか知らんが、きっとそれは叶わないぞー。
~ あずさ先生恥じらい編 ~
P「具合はどうですか?」
あずさ「ちょっとせきが出ますけど、あとはもうすっかり大丈夫ですね~」
あずさ「……って、いけない!」 がさごそ
P「(慌ててマスクを付け出した。そっか、子供たちにうつったら大変だもんな)」
あずさ「…………」 じー
P「?」
あずさ「み、みました? みましたよね」
P「みたって、なにを……」
あずさ「………………すっぴん」
P「ああ、はい。みましたよ。でもあんまり変わらないですよね」
あずさ「~~!」 かぁああ
P「(なんだ? 怒っているのか、喜んでいるのか……心なしか顔がさらに赤くなったような)」
P「あずさ先生、ひょっとして熱あがったんじゃ……」
あずさ「ちょ、ちょっと私お化粧してきます」 ふらふら
P「何を言ってるんですか! ちゃんと休んでいてくださいよ!」
ちはや「あずさせんせいはおけしょうしなくてもきれいです」
いおり「たしかにそーね」
やよい「わたしはおけしょうしてないほーがいいでしゅ」
あずさ「あらあら、みんなありがとう……」
P「(子供ってのは、親しい人が化粧しているとなんだか距離を感じてしまうものらしい)」
やよい「しぇんしぇー」 だきっ
あずさ「や、やよいちゃん?」
やよい「……これしゅきでしゅー。ぶらじゃーないからいつもより……」 もみゅもみゅ
あずさ「ちょ、ちょっと……」
やよい「? いつもこーしてましゅよ?」
あずさ「そうだけど……ほ、ほら。ばいきんまんがうつっちゃうから」 ちらり
P「(これはあかん)」 ちら……ちら……
あずさ「…………もう、恥ずかしいわ」 かぁああ
ちはや「……くっ」 ぺたぺた
あずささんはアイドルになってなかったら
絶対に幼稚園の先生になってたろうな
絶対に幼稚園の先生になってたろうな
ちはや「……すぅ、すぅ…………」 ぎゅう
やよい「……むにゃむにゃ……たりないかなぁって…………」
いおり「…………zzz………」 ぎゅう
P「(話しつかれたのか、いつの間にかベッドの隅で3人は寝てしまった)」
あずさ「ふふ。かわいいですね……やよいちゃん、ふたりに抱きつかれちゃってる」
あずさ「(いま起きてるのは……私と、プロデューサーさんだけですね……)」
P「なんだかんだありましたが、やっぱりやよいはこのふたりには心を開いてるみたいだ」
あずさ「なんだかんだって?」
P「じつは今日ですね……千早とやよいにこんなことがあって……」
あずさ「あらあら……」
P「それから他にも……」
P「(最近では、このようにあずさ先生と自然とお話ができるようになった)」
あずさ「ふふ。もっと色んな話、聞かせてください」
P「(やっぱり素敵な人だなあ……)」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
~ みんなおかえり編 ~
カァ……カァ……
あずさ「…………!」
P「おっと、もうこんな時間か。ほらみんな、起きろー」
ちはや「んあー……」 のびー
いおり「もーそんなじかんなの……あふぅ」
やよい「……zzz……」
P「カラスが鳴くからかえりましょ、ってな。そろそろ家の人が迎えにくるから、幼稚園に戻ろう」
あずさ先生といろんなことを話しているうちに、すっかり夕方になってしまった。
やっぱり時間が経つのは早いなぁ……。
あずさ「……今日はわざわざ来ていただいて、ありがとうございました~」
P「いえいえ。それよりお見舞いに来たはずが、なんだか話すだけになってしまってすみません」
あずさ「いいんですよ。みんなのお顔を見れて、私も嬉しかったですし。……でも」
P「でも?」
ちょんちょん
ちはや「ぷろでゅーさー。たかつきさん、おきてくれない……」
P「おっと……やよい、朝だぞー。おはよう朝ごはんだー」
あずさ「……なんでもありません」
P「あ、冷蔵庫の中にいろいろ入ってますから食べてくださいねー! それでは」
いおり「じゃーね、あずさ」
ちはや「さよーなら。はやくげんきになってください」
あずさ「はい、さようなら。みんな、ありがとうね~」 ふりふり
俺は結局、やよいをおんぶしたままあずさ先生の家をあとにした。
あずさ先生、なんだか心残りがあるような顔だったな……どうしたんだろう、やっぱり具合が悪いのだろうか。
幼稚園に帰ってきた後は、いつも通りだ。
すっかり熟睡してしまっていたやよいをお母さんに預け、伊織を迎えにきた黒塗りの高級車にびびり、
赤ちゃんを抱いたお母さんと千早が、手を繋いで帰っていくのを見届け……
そしてようやく、俺も帰宅するという段階になった。
P「音無先生、園長先生。お先に失礼します」
小鳥「おつかれさまで~す……あたしはまだ山のようにやることがあるのに……ぴよぴよ」
園長先生「音無君、君は遠足から帰ってきてずっと寝ていたんだから仕方ないだろう……」
P「ははは……お疲れ様でした」 ばたん
P「さて……帰って夕飯の支度を……おや、電話?」 ぷるるるる
着信:三浦あずさ
P「ええっ!? あずさ先生から電話なんて、初めてだな……」
~ お電話編 ~
P「もしもし……」
あずさ『も、もしもし……』
P「あずさ先生、どうしたんですか? もしかして俺、忘れ物とかしちゃいましたか?」
あずさ『あ、いえ……そういうわけじゃないんですけど……でも』
P「でも?」
あずさ『……休んでなきゃいけないのはわかるんですけど、なんだか眠れないんです』
あずさ『だからもう少しだけ……プロデューサーさんとお話したくて。いいでしょうか……?』
P「……もちろん、いいですよ。眠れない子を寝かしつけるのは、得意です」
あずさ『ふふふ……。私、やっぱりみんなと一緒ですね。まだまだ子供です……』
P「…………」
あずさ『…………』
P「(顔を見ていればあんなに話せたのに、どうして電話だとこうもいかないんだろう)」
P「……具合はどうですか?」
あずさ『ええ、もうすっかりよくなりました。みんなからいっぱい元気をもらったからですね』
P「それはなによりです……」
P「(やっぱり、あれか。子供たちがすぐそこにいたから、俺は緊張せずに話すことができたんだな)」
あずさ『あの……ご、ごめんなさいね』
P「なにがですか?」
あずさ『私、なんだかその……さっきと違って、上手にお話できなくて』
P「……気にしないでください、俺も一緒ですから」
あずさ『やっぱり子供たちが間にいないと……ふふ、だめですね、私』
P「(この気持ちまで、一緒なら……俺はとても嬉しい)」
あずさ『……私。じつはちょっとだけ、怒っているんです』
P「え!? あ、やっぱりすっぴんを見たってのが……」
あずさ『それもありますけど……もう、すっぴんのことは早く忘れてくださいよ』
P「それじゃあ一体……」
あずさ『……なまえ』
P「なまえ?」
あずさ『ふたりっきりのときは……“先生”付けないって、以前の飲み会で約束していただきました』
P「(あのときのこと覚えていたのか……というか、そんな約束はしたっけか? あずさ先生酔ってたからな)」
あずさ『“さん”付けで呼ぶことさえ、してくれませんでしたし……』
P「いや、その……ほら、子供たちがいましたし」
あずさ『みんなぐっすり寝ていました~』
P「…………すみません。なんだか、照れくさくて」
あずさ『……もう。子供たちの前だと、あんなに……――のに』
P「(あずさ先生と話していると、自然と心臓の鼓動が早くなるな……)」 てくてく
P「(毎日昇っているこの坂道も、いつもよりきつく感じる)」 ぜぇぜぇ
あずさ『――プロデューサーさん? 聞いていますか?』
P「あ、はいすみません! ちょっと坂道がきつくて……ははは」
あずさ『坂道、ですか? プロデューサーさんのお家は、あの坂を登った先に?』
>>290
天才が
天才が
P「まあ、そのへんですね……ふぅ、やっと登頂しました」
あずさ『……それなら、ちょっとうしろを向いてみてください』
P「え?」 くるり
P「(そこには、あずさ先生がいた……なんてことはなく)」
P「……街が見えます。今は、家やビルに灯りが付いて……きらきらしている」
あずさ『綺麗でしょう? ふふ、私道に迷ってその坂を登ったこともあるんですよ』
P「……ええ」
あずさ『この街のどこかに、あなたが今日一緒に過ごした子供たちがいるんです』
あずさ『いまは、ご家族の方と一緒にご飯を食べているのかもしれないし、テレビを観ているのかもしれません』
あずさ『もしかしたら、泣いている子もいるかも……』
P「……そうですね」
P「(そして、携帯電話を握りしめた……あなたがいる)」
P「(電波の向こう。隣にいるくらい近くて、手も届かない遠い場所に……あずさ先生がいる)」
あずさ『私たちは、みんながいまどう過ごしているのかを知ることはできません。でも……』
あずさ『そんな子供たちを、心からの笑顔にさせるお手伝いができるのが……私たち保育士なんですよね』
あずさ『そう考えると、なんだかちょっと……素敵だと思いませんか?』
P「……はい。俺も……あずささんの、言うとおりだと思います」
あずさ『……ふふ。また、“さん”付けですね』
P「(俺はきっとこれから先、この会話を忘れないだろう。そして……)」
P「(この坂道を登る度に……あなたがすぐそばにいるように、感じてしまうんだろうな)」
ここはどこかの国のとある幼稚園。
俺の名前はP、ここで新人保育士をしている。
まこと「ぷろでゅーさー!」 たたた
ゆきほ「ひ~ん……ま、まって~まことちゃ~ん……」 たたたた
あずさ「プロデューサーさーん! バンナム幼稚園の方からお電話ですよ~」 たたたたた
今日は元気いっぱいに遊ぶ子供たちの、かわいらしい姿をご覧いただいた。
まあ今回も一部、子供たちとは関係のない私事的なところを見られてしまったが……。
P「はいはい! いま行きまーす!」
今日も園児たちと、それを見守る俺たちは、元気いっぱいだ。
しかしこの子たちが卒園したら、これからどう成長していくのか……俺たちにはやっぱりわからない。
もしかしたら、みんなを笑顔にするような “アイドル”になれる子もいるかもしれない。
もちろん、普通の家庭を築き、普通のお母さんお父さんになる子だっている。
あるいは、俺たちのような。たくさんの子供たちを守り、成長を見守る……
そんな“保育士”になる子も、きっといるだろう。
おわり
おわりです。読んでくれた方はありがとう。
妄想書き溜めてたらえらい量になっちゃった
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