元スレ勇者「狩人に魔法使いをNTRれたんだよ!」まおう「えぇ!?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
101 = 51 :
まおう「えと……もう1つだけ質問していいです?」
神官「なんなりと」
まおう「その……私、まだよく解ってないし、自分にどれだけの責任が掛かっているのかもわからないけど……
そんな私が、今ここで、お父さんの遺志を継ぐって言っても……良いのですかね……」
神官「……ふふ。そういう所はお父様にそっくりですよ。考えが高じて、どう表せばいいか解らなくなる所とか、特にです」
まおう「神官さんもったいぶらないでぇ……」
神官「私が決めることではありません。あなたがそうだと決めた日から意志の系譜は継がれるのです」
まおう「なら……私、やります。お父さんがやろうとしていた事、絶対にやり遂げてみせます!」
103 :
寝るから残しといてくれよ
104 = 51 :
神官「ありがとうございます……それが聞けて本当にうれしい限りでございます……」
まおう「ふふ、神官さん神官さん」
神官「なんでしょう……」
ちゅっ
神官「はぇ? (私の頬に……)」
まおう「ありがとっ!」 たたた……
神官「…………こちらこそ」
105 = 51 :
勇者「お、話は終わったかまおう」
まおう「ええ、神官さんに大事なこと教えてもらいましたよ!」
召喚士「へえ、それはよかったわね」
まおう「うん!」
勇者「まだ時間はあるけどゆっくりしてたら日が暮れるし、
かといって1晩待つのにはもったいないし……」
召喚士「そもそもここ、雑魚寝しか出来ないわよ」
勇者「そりゃよろしくないな。とっとと海の国までおりないとまずいぜ。
神官呼んできてくれよ。お礼くらい言わないといけないし」
まおう「はーい!」
再びドアを叩いて外に出たまおう。
しかし丘の向こうに立っていたはずの神官は、360度どこを見渡しても、もうどこにも姿はありませんでした。
――霊峰の国 了――
106 :
ほ
107 = 84 :
ほ
108 = 106 :
保守は頼んだぞ
109 = 85 :
今日の分は終わりなのか
110 = 51 :
――海の国――
勇者「うおー……」
召喚士「これは……すごいわね」
まおう「綺麗ですー!」
ロープウェイから降りて街の咆哮へと歩いて行く。
辺りはすっかり暗くなり、また同じように暗く沈んだ街並みが広がっていると思えば――
勇者「ランプの明りだけじゃないよな……電灯の数が半端じゃないぞ」
召喚士「私たち、ここの景色は昼のしか見ていないわよね。期待はしてなかったけどこんなに綺麗なんて」
まおう「まるでお星さまが広がってるみたいですー」
勇者「……そうだな、これだけはお前に同意だ」
まおう「これだけってどういう事です……」
111 = 51 :
召喚士「街中も結構活気があるわね」
勇者「もう10時だってのにオープンテラスで飲んでる奴もいっぱいいるし……なんか良いなこういうの」
召喚士「まぁ見てる分には、だけどね」
まおう「勇者さまはどうするんです?」
勇者「おいおいさすがにこれから飲む気にはならんぞ。とっとと宿屋探したいけど……」
ガヤガヤガヤ ドヤドヤドヤ
召喚士「この通りからもうちょっと離れたところが良いわね」
勇者「そだな……」
112 = 51 :
棚のように積まれている住宅街を登って行き、大き目の建物が並ぶ通りを横に歩く。
まおう「だいぶ声が遠のきましたね」
勇者「ここまでこれば十分だろ。それにしても宿が見当たらんな……一体どこに」
突然、俺たちの耳に激しく扉を開く音が聞こえた。
「出ていけェ!!」
「このまま済ませられるとでも思ってるの!?」
いずれも若くはない男女の怒声。最初は酒に酔った夫婦のケンカだとばかり思っていたが、
通りにボロボロの服を着た夫人が飛び出すと、俺たちはすぐに駆け寄って声を掛けた。
勇者「ど、ど、どうしたんですかっ!」
夫人「うぅ……っくぅ……」
召喚士「怪我はしてないけど、細かいかすり傷がいっぱいだわ……とにかくこんな所に置いていけない」
夫人「構わないでちょうだい!」バシッ
114 = 51 :
まおう「でもすごく悲しそう……」
夫人「…………」
召喚士「どうされたのですかご夫人」
夫人「あなた方は……旅をしているように見えますが」
召喚士「…………」目をぱちくりクイッ
勇者「(正直に話せってか)……俺は勇者。こっちは仲間の召喚士で、こっちは俺の姪」
夫人「……っふ、勇者ですか」
勇者「あ、あれ?」
召喚士「(反応が薄いわね……こんな感じで困っている人は、大概勇者と聞いて喜ぶのに)わたしたちで良ければお話でも聞きますけど」
115 = 51 :
まおう「ねえおばさん」
夫人「なぁに……お嬢さん……」
まおう「これ、霊峰の国にあった石。あげる」
魔王が懐から取り出したのは、暗い夜の中でもはっきり緑色を映す2センチほどの石。
夫人「まぁ……これは珍しい石。向こうの方からこの国にいらっしゃったのですか」
まおう「そうです。おばさん本当に大丈夫です?」
夫人「……ごめんね。ちょっと取り乱したままで話しちゃって。お二方にも大変な失礼を……」
勇者「いえ、こちらこそ好きで声を掛けただけで」
夫人「そう言えば勇者様とおっしゃいましたよね……どうか宿が決まっていなければ、うちの家へどうぞ」
召喚士「よろしいのですか?」
夫人「ええ。うちには――私しかいませんし」
116 :
待望の続編
117 :
SS速報でやれよ
118 = 116 :
なんで次スレはこんな嫌われるのか
気にしないで投下してって
119 = 87 :
速報でやれって言われるのはわかる
なぜならすでに>>1自身が速報にスレを立てているから
120 :
ほ
121 :
>>119
マルチかよ
それは荒れるわ
122 = 120 :
ほ
123 = 120 :
俺しか保守いないって…
124 :
おはよー
125 = 120 :
ほ
126 = 120 :
さげてしまった
127 :
>>26
なに語ってんだよ、きめぇよ
128 = 120 :
ほ
129 :
論点ずれてんだよゴミ
131 :
ほ
132 = 131 :
ほ
133 = 56 :
しかしまぁよくここまで胸糞悪い話を考えられるもんだ
134 = 131 :
ほ
136 = 51 :
夫人の自宅
勇者「(こんな格好だからてっきりあばら家に棲んでるのかと思ったら)すげー……めっちゃ広い」
まおう「私のお家みたいですー!」
夫人「どうぞお好きに掛けてください」
召喚士「どうも……」
客間に案内されたのち、真紅に染まったソファに腰を掛けるよう勧められた。
勇者「しかし何でまたこんな家に住んでらっしゃるのに、その服装のまま外へ……」
夫人「私の立場上他の住人に示しがつかない……と言う事もありますが、この格好には私自身の意思を示す意味もあります」
まおう「……意思……」
夫人「少し私の話を聞いてくださいませんか」
勇者「泊めてもらうんですから、それは夫人が決めてください」
夫人「そう……優しいのねあなた」
召喚士「(初対面にはこんな風に接してすぐにボロ出すんだからこいつは……)」
137 = 127 :
くっせー
138 = 51 :
勇者「そ、そう言えば他の家族はムグゥッ!」
召喚士「(あんたバカでしょ! さっき夫人が私しかいないって言ったじゃん!)」
勇者「(そう言えばそうだった。出かけてるのかな)」
召喚士「(だからそういう意味でもあーもう……)」
夫人「……私は主人と3人の息子が居ました。主人は遠洋のカニ漁業で稼ぎ、
長男は次期船頭。次男は弁護士で、末っ子はついこのあいだ大学を出たばかり」
召喚士「いましたって事は……」
夫人「……ええ。あなた方は勇者一行ですよね。魔王との5年間の戦争中、世界がどうなっていたか知っていますか?」
勇者「世界が、か……」
そう改めて問われてみると、ぱっと答えが浮かばない。
当初は何も考えず剣を振るい、目的地をめざし、魔王を討伐する事だけを考えていた。
それが最も――楽だった。
139 = 131 :
ほ
140 = 51 :
召喚士「息子さん達もどこかのパーティーに?」
夫人「いいえ……海の国の男は、全員が兵役を義務とされました。海軍として人員が編成され、動ける男と言う男が全員召集されていきました。
もちろん夫も息子たちも動員されました。末っ子は大学卒業を待たれましたが、結局最も激しかった1年の間に動員され……全員が死にました」
勇者「……(なるほどそういう事か)」
召喚士「それは……ご苦労様でした」
夫人「ふふ、さすがは歴戦の一行ですね。その位の気遣いの方が心地よくて済みます……ですが私は今、未だに息子のために、夫のために戦ってます」
勇者「もしかして、さきほどのアレですか?」
夫人「ええ……あそこには元海軍将校で、今はこの街の議員を務めている海国伯爵が住んでいます。
戦後家族を失った私たち婦人会は、海国伯爵に正式なる謝罪と、経済的に困窮している人たちへの賠償を求めるために活動しています」
141 = 51 :
召喚士「(やっぱり金ね……)夫人はそのトップリーダーを担っているのですね」
夫人「ええ……だから婦人会の中でお金を回し、全員を助けると言う活動もしているのですが、
今現在私が1番危ない目にさらされています」
まおう「んんうよくわかんないけど、夫人さんはこんなお家に住めているから大丈夫なんじゃないのです?」
夫人「あのね、偉い人は雑草なんてもう気にしないの。整地するには残った杭を抜く。それしか頭にないの」
まおう「???」
召喚士「その海国伯爵とかいう人に、この土地やあなたの財産を狙われているという訳ですね」
夫人「端を折ればそうなります。……戦時に若者を使いたいだけ使い、戦闘で殺した上に謝罪もなく、
今はその上に成り立っている生活の税金でのうのうと暮らしている……こんな事が許される訳が……!」
勇者「でも伯爵なんだからこの国の王って訳じゃないですし……」
夫人「そこがミソです。国の天辺ならとっくに危ない立場にあるでしょうけど……上層部が腐りきっているんだわ。
居心地のいい位に落ち着いて、豊かな層だけで甘い蜜を舐め続ける……そんな現状がこの街にあるのよ」
142 = 131 :
ほ
144 = 51 :
どこかで聞いたことのある話……更に住民がこうして困窮を唱えていると言う事は、海の国はさらにひどい状況に陥っているという事か。
勇者「それで、俺たちにその話を聞かせたのは……」
夫人「私たちには力がありません……その上、反乱を起せそうな騎士団や強力な民間兵団は、
全部が全部海国伯爵に高額で買収されており、彼を――どうにかする手立てがありません。
勇者様、ぜひ引き受けてくれないでしょうか」
勇者「ぜひって……何を」
夫人「その……べ、海国伯爵を便利してください」
勇者「何その変な言葉」
夫人「意味は察せられるでしょう? 報酬はお金で払えませんが……
彼を片付ける事が出来れば、この家をあなた方に譲ってもいいくらいです」
召喚士「本当ですか!」
夫人「私たちはそれほど苦しんしている事が分かってもらえれば幸いです。
……さて、こんなお話はもう止めましょう。うちの美味しいパスタでも楽しんで頂戴」
145 = 51 :
まおう「ごはんですか! 私も手伝います!」
勇者「おい迷惑かけるなよまおう」
夫人「とんでもありません。新しい娘が出来たようで嬉しいです。さ、キッチンへ行きましょう」
まおう「はーい!」
バタン
勇者「結構深刻な話だったな……」
召喚士「あんたは察しが悪過ぎよ!」
勇者「お前だってこの家がもらえるって聞いた途端に目を光らせやがって。現金すぎるわ」
召喚士「っさいわね私はずっと住居について悩んでたの!
別に依頼が成功した所でここを貰うつもりはないよ。だけど良い土地を婦人会に融通してもらおうかなとは思ってるけど」
勇者「やっぱり裏があるじゃねえか」
召喚士「頭の回転が速いと言ってよね」
147 = 51 :
勇者「んで、どうするんだ。要は海国伯爵を穏便に殺せばいいって事だろ」
召喚士「いざオブラートに包まないと本当に物々しい事をするって気になるわね……」
勇者「回りくどいのは面倒だろ。……まぁしかし、他の武装組織を買収できる程の金と権力があるなら、
それを動員することも出来るって事だな。だったら屋敷に侵入してサクるだけでも楽じゃないはずだ」
召喚士「おそらく入国の際にもう私たちはマークされているでしょうね。
伯爵の目下であると言うなら、きっとこの家に居るって事ももうバレてるかも」
「…………」
勇者「急を要す……か」
まおう「勇者さまー! テーブルの用意と顔音がしても良いですかー!」
勇者「しょうがねーな、ちょっと待ってろ」
召喚士「私も手伝います」
148 :
ふむ
149 = 73 :
ちょっと勇者がかわいそうすぎるんだよな
150 = 51 :
夕食後
勇者「夫人、この家って建って長いですか?」
夫人「いえ……戦争が始まった月にちょうど建設が始まりましたので……
この大きさで言うなら、この街で1番新しいと思いますが」
勇者「どうもどうも。ちょっとお風呂借りますわ。召喚士、ちょっと来てくれ」
召喚士「わかったわ」
まおう「あー2人でお風呂入ろうとしてる! 私も私も私もー!!」
夫人「ダメですよ、こういう時に仲を邪魔してはいけません」
勇者「そんなんじゃないですから! ほら、とっとと用だけを済ませるぞ」
召喚士「え、ええ」
みんなの評価 : ☆
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