元スレまどか「お餅が食べたい」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
301 = 196 :
もちもちでむちむちのまどっち
302 = 87 :
知久「………」
言われたとおり、しぶしぶとお風呂場へまどかが姿を消したドアを睨む。
すると、そう長くもかからず、ドアの向こうから、
まどか「い゙っ!? いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
と。魔法少女だったら、きっと地球が終わっていたであろう叫びが響いてきた。
知久 (やっぱりなぁ……)
ズダダダ… ガダンッ!
まどか「どど、どうしよう! なんでこんなに!?」
混乱したまどかが走って助けを求めに来た。
知久「うん、落ち着こうか……。お餅ってね、カロリーが高いんだよ」
まどか「そうなの!?」
知久「同じ重さで、大体炊いたご飯の1.5倍ぐらいはあるんだ。
それを、あれだけ毎日、もぐもぐと食べ続けてれば………ね」
まどか「そんな……。じゃあ、もしかして……」
知久「そうだね。少し、お餅を食べるのを減らした方がいい。そうすれば、また元に戻れるよ」
303 :
風呂上りに計るとかしないのか…
このまどかは女子力(笑)低いな
304 = 300 :
さやマミはそういうの小まめにチェックしてそう
305 = 196 :
べぇさんチャンスですよ
306 = 87 :
言いたいことを言えて、ちょっと安心した知久。だが、
まどか「………嫌だ」
知久「…………え?」
意外と頑固な娘の口から、はっきりとアドバイスを拒絶されてしまう。
知久「でも、さすがに食べ過ぎで―――」
まどか「嫌だよ! こんなに幸せな生活を手に入れたのに、もうお餅のない生活なんて考えられない!」
知久「……そうは言っても、このままじゃ太る一方だよ。まどかはそれでいいのかい?」
まどか「それは……。あ、そうだよ、お餅以外に食べなければ良いんだよ。朝ごはんや昼ごはんを食べずに―――」
知久「いい加減にしなさい! 栄養が偏って身体をこわすに決まってるだろう!」
まどか「あう……。はい………」シュン…
さすがに怒り出した知久に頭を垂れる。
まどか「……でも、その……。他に方法、無いんだよね……?」
諦めきれないまどか。
知久「………」
まどか「本当にお餅が大好きなんだ。どうにかして、毎日お餅を食べていたいんだけど……」
307 = 87 :
知久「うーん、それなら……」
まどか「………!」
その口ぶりに、希望があるのかとちょっと明るい顔になるまどか。
知久「食べた分だけ、しっかりとエネルギーを使い切るしか無いんじゃないかな?」
まどか「………え? つ、つまり?」
知久「運動さ。食べる分だけ、毎日運動する習慣をつける。そうしたら、太らずに済むんじゃないかな?」
まどか「運動……」
知久「でも、まどかは運動とかあまり得意じゃないだろう?」
まどか「そうだけど……」
それでも、言われたとおり、ちゃんと運動すればお餅が食べられる、と考えるなら…
まどか「うん。わたし、やるよ」
知久「え、ホントに……?」
まどか「わたし頑張る。お餅のためなら、何だって出来る。絶対に運動して、やせて、
お餅をいっぱい食べられる生活を手に入れてみせる………!」
強く拳を握り、そう高らかに宣言した。
308 = 91 :
しえん
309 = 87 :
――――――――――
―――――
その日から、まどかの生活は変わった。
まどか「ほっ、ほっ、ほっ……!」タッ タッ タッ…
毎日、薄暗い内から起きて、早朝のジョギング。
始めた頃は簡単にバテてしまっていたが、お餅のためお餅のためとそれだけを頼りに続けた結果、
元気に10km程は走れるようになっていた。
ほむら「はぁっ、はぁっ、はぁっ………」トッ トッ トッ…
元々体力のないほむらも興味があったらしく、参加しているが、かなり辛そうだ。
ほむら (ダメ、きっつい……)
まどか「ほっ、ほっ………。あ、ほむらちゃん、先に行くね!」
ほむら「はぁっ、ご……ごめんなさい、また、後で……」
こうしてペースについて行けず、ほむらだけ取り残されるのが毎朝の定番である。
ほむら「はぁっ、まどか、なんであんな、はぁっ、早く走れるの……」
ほむら (魔法で追いかけたこともあったけど、全然ペースが落ちないのよね……)
310 = 87 :
休みの日になると、予定さえなければどこかに遠出する。
杏子「……あ、まどか。今日も出かけるのか?」モグモグ
いつも通り、お菓子をかじりながらふらふらとあるく杏子。
随分とぴったりとした服を着て、愛用の桃色をしたクロスバイクにまたがるまどかに声をかける。
まどか「うん! 杏子ちゃんも来る?」
杏子「あたしは今日はいいや。どこまでいくんだい?」
まどか「また、風見野公園のサイクリングコースまで行ってくるんだ!」
杏子「ああ、あそこか。随分気に入ったみたいだな」
まどか「あんなに風景が綺麗な場所、なかなか無いからね!」
杏子「確かになー」
まどか「それじゃ、またね!」ノシ
手を振って挨拶をし、自転車をこぎ始める。
杏子「またなー。気をつけろよー」ノシ
走り出したまどかは、一瞬でスピードを上げて、すぐに小さくなって視界から消えてしまった。
杏子 (まどかの奴、すげえ脚力ついたよな……) モグッ
311 :
餅パワーパねぇ
312 = 196 :
もちもちでムキムキに
313 = 87 :
学校でも、あまり好きでなかったはずの体育の時間、かなり積極的に活躍するようになっていた。
ダムッ ダムッ…
さやか「よっしゃ決めちゃるっ!」ダダッ
体育館で、バスケットボールの試合中。走り込んださやかの前に、
仁美「させませんわ!」キッ
意外と動けるお嬢様、仁美が立ちはだかる。
さやか「ぬっ、仁美ぃ……! あたしから恭介だけじゃなく、ボールまで奪うかっ!」ダムッ ダムッ
仁美「え、そ、それとこれとは別ですわっ……てあ!」
さやか「あはは、悪いね!」ダダッ
気を取られて固まった仁美の横を抜き去る。が、その次に…
まどか「さやかちゃん、遅い!」ズバッ
突然死角から現れたまどかに、あっさりボールを奪われてしまう。
さやか「うっそぉ!?」
「いいぞー鹿目!」 「鹿目さんすごーい!」
さやか (なんっか……。あたしと立場が逆になっちゃいないか……?)
314 = 311 :
さやかェ…
315 = 87 :
――そして、半年後――
マミの住むマンションにて。
さやか「さーて、ついたついた!」
ほむら「今日のケーキ、何だと思う?」
杏子「うーん……。ショート、モンブラン、チョコ、ときてるから……チーズあたりじゃ?」
いつものメンツがエレベーターから降りてくる。
すると、目的の部屋の玄関前で、
まどか「あ、来た来た! みんな遅かったね!」
一人だけ、特に意味も無く階段で登ってきたまどかが、笑顔で出迎える。
さやか「あんたが速すぎんのよ……。ここ最近じゃ、もうあたしは追いつける気がしないわ……」
杏子「チャリ漕いでても置いてかれるんだよな……。なんだかキャラも変わっちまってるし」
まどか「そうかな? でも、なんだか毎日、すっごく楽しい感じはするよ!」
ほむら「まあ、悪いことでは無いんじゃない。学校の成績も良くなってるみたいだし」
さやか「ぬおお、一緒に補習してくれる仲間がいなくなっちまうようー!」
ほむら (そうね。初めてであったときのまどか。魔法少女になって、人を助ける力を手に入れて、
自信に溢れていた、あのまどか……。
………を、もっと酷くした感じ、そんな感じだわ)
316 = 303 :
酷くした感じwwwwwww
317 = 87 :
マミ「いらっしゃい、みんな」ガチャッ
部屋着のマミが笑顔で出迎える。
まどか「お邪魔します!」
ほむら「お邪魔するわね」
杏子「ん。ほら、この匂い、チーズケーキだろ」スンスン
マミ「あら、よくわかったわね」
さやか「犬みたいに鼻が利くわね……。そんなに分かんないわよ?」スンスン
みんなでぞろぞろと、靴を脱いで上がろうとしたところ、
QB「まどかァーー!! まどかは何処だァーーー!!!」ダダダダ
皆の後ろから、見たこと無いほどに感情を剥き出しにして、キュゥべえが走り込んできた。
ほむら「はいそこっ!」ズバッ
ほぼ条件反射のように、ハリセンでそれを撃墜する。はずが…
QB「させるか!」シュシュッ
ほむら (なッ……! 私の音速ハリセンを避けただと!?)
当たらない。このキュゥべえ、いつになく本気のようだ。
318 = 87 :
QB「はぁっ、はぁっ……」
身体を上下させて息を整える辺り、本当に珍しく生き物らしさに溢れている。
マミ「……どうしたの? そんなに慌てて」
さやか「どうせいつもこっそりあたしたちのこと伺ってるだろうに。どうしたんだろ」
杏子「こいつもキャラ変わったのか……?」
ほむら「……それで。何かしら、インキュベーター。大慌てで嬉しいお知らせでもあるの?」グリグリ
疲労困憊のキュゥべえの耳毛をハリセンの先っぽでえぐる。
QB「はぁっ、はぁ……。だから、まどかはいるかい!?」
同じ質問を繰り返す。
マミ「いるかい、ってねぇ……」クルッ
さやか「ここに……」クルッ
杏子「いるじゃんかなぁ……?」クルッ
皆でまどかの方を振り返る。まごう事なきまどかがそこにいる。
ところが当の本人は、
まどか「……ねえ? みんな、誰と話してるの?」
と、誰も予想していないセリフを吐いた。
319 :
面白くなってきやがったぜ・・・!
320 = 87 :
ほむら「………え?」
QB「………」
さやか「だ、誰って、そりゃぁ……」
マミ「キュゥべえよ? 知ってるわよね?」
とぼけているのか、本気なのか分からず困惑する。
まどか「当たり前じゃないですか。あ、でも最近見掛けないような……」
杏子「何をわけわかんないこと言ってんのさ。ここに居るじゃねぇか」グッ
QB「きゅいっ」
黙ったままのキュゥべえの首根っこを掴み、まどかの眼前に突きつける。
まどか「……? どこに……?」スッ
周囲の反応にまどかの方も困惑しながら、杏子の突きつけた手の所へ、自分の手を持って行く。
まどか「何も……無いよね?」スカッ
その手はキュゥべえに触れることなく、何の感触も無しにその頭の中にめり込んだ。
杏子「ど!? どういうことだおい!」
さやか「ゲームがバグってポリゴンがめり込んでるみたいだな……これ……」
321 = 175 :
きゅっぷい……
322 = 180 :
進研ゼミのような成功っぷりw
323 = 303 :
素質消えた?
324 = 87 :
マミ「まさか鹿目さん、本当にキュゥべえが見えなくなってるの!?」
まどか「は、はい……? えっと、もしここにキュゥべえが居るっていうなら、わたしには見えてませんね……」
ほむら「は……? え……? ということは、このまどかが偽物……?」
と、一瞬よからぬ不安が心をよぎるが、
まどか「そんな!? わたしは本物だよほむらちゃん!」
QB「……いや。偽物だったらよかったよ。残念ながら、その鹿目まどかは本物だ」
キュゥべえの言葉を信じるなら本物のようだ。
ほむら「なら、何故」
QB「………消えたんだ」
杏子「消えた?」
QB「鹿目まどかの、魔法少女としての資質が。その莫大なまでのエントロピー源が、消えたんだよ!!」バタバタ
耳毛を振り乱し、悲痛な声でそう叫ぶ。
ほむら「………嘘でしょ?」
QB「君も目の前で見ただろう。資質を失ったまどかには、僕は触れることも出来ないし、声も聞こえてないよ」
ほむら「………」
325 = 87 :
まどか「えっと……? その………」
一人、キュゥべえのセリフを聞けず、何が起こっているのかさっぱりなまどか。
さやか「……いいこと、だよね? 契約させちゃいけなかったんだし」
ほむら「そうね……。まだちょっと信じられないけど、状況からして本当のようだし……」
杏子「でも何でだ? 魔法少女の資質が消えるなんてこと、ありえるのか?」
マミ「変よね……?」
その変化を肯定的に受け止めながらも、やっぱり困惑顔の面々。
QB「そこは僕も聞きたいんだ。ずばり言うよ、最近鹿目まどかの性格が変わってないかい?」
さやか「あー、それは……」
ほむら「あるといえばあるわね。ここのところ、随分と自信があるというか……」
マミ「そうね。行動的になったというか、活動的になったというか……」
まどか「?」
QB「やっぱりか……! くそっ、どうしてこんなことに………!」
ほむら「でも、それがどうして?」
杏子「性格とか関係あんのかよ?」
326 = 303 :
QBさんエントロピーの意味間違ってますがな
327 = 284 :
きゅべきゅべ!
329 = 87 :
QB「……魔法少女として契約するのが、思春期の少女だけだというのは知っているだろう?」
ほむら「ええ、おかげさまで。嫌と言うほど」
QB「それは感情のエネルギーを採取しやすいというのも理由の一つだ」
さやか「………」
QB「だけどね、魔法少女になるためには、それだけじゃ足りない。
運命的な因果を多く背負ってることも必要だ」
ほむら「らしいわね………」
QB「そして何より、契約して叶えたいほどの悩みや苦しみを抱えていることも、実は必要なんだよ。
そういう意味でも思春期の少女が適しているし、また資質を持っていても大人になると失われたりする」
マミ「………そう。私の死ぬ間際にあなたが現れたのは、そういう理由なのね」
杏子「………」
QB「それほど重い内容である必要はないけどね。本人がかなえたいと、そう思えばいい……」
マミ「鹿目さんに、それが無くなってしまったと?」
さやか「そんなことで……?」
杏子「大体の話はつかめたが……。本気かよ……?」
330 :
おもちすげえぇぇぇ!!
331 = 87 :
ほむら「ねぇ、まどか?」
まどか「ふぇ!?」ビクッ
四人でわけのわからない話をしていたせいで、一人ぼーっとしていたまどかに話しかける。
ほむら「何か今、困ってることとか、悩んでることとかってある?」
まどか「……? どうして突然そんなことを聞かれるのか分からないけど……」
首を捻るが、
まどか「でも、特に無いかな。毎日すごく充実してて、楽しくって仕方がないよ!」ニコッ
元気いっぱいにそう答える。
ほむら「そう。それは良かったわ」
QB「ううう……。僕のエントロピーが……。僕の鹿目まどかが……」
玄関の床でしなびるキュゥべえ。
さやか「たしかにまぁ、すごい元気にはなったけど、それで素質がねぇ……」
マミ「お餅、すごいわね……」
杏子「餅って言うか、餅のために運動したせいじゃないか?」
332 = 87 :
QB「餅? どういうことだい?」ガバッ
しなびていたキュゥべえが、耳ざとくそれを聞きとめる。
さやか「え?」
杏子「まどかが性格変わったの、餅のせいなんだよ。知らなかったのか?」
QB「ま……まさか。どうして餅なんかで性格が変わるんだい? わけがわからないよ!」
マミ「お餅の食べ過ぎで、その……。体重が、気になって。運動を始めたそうよ」
ほむら「それからというものの、随分エネルギッシュになったわよね」
さやか「だねぇ……」
QB「本当に……本当に、あの因果を、餅なんかが……嘘だ……!」バタッ
その場に崩れ落ちて絶望する。
杏子「あんたにゃ残念かもしれないが本当だよ。お餅がまどかを変えたんだ」
QB「そ……そんな。まどかの莫大なエントロピーがあるおかげで、
この地域担当の僕は仕事せずにすんでたのに! 『あれが相手なら仕方ないな』って、
上司にも許して貰えてたのに! これからどうやって暮らしていけば……」
さやか「うわぁ……」
杏子「新しい魔法少女の話をとんと聞かないと思ったら、そんなカラクリだったのかよ……」
333 = 87 :
QB「お餅……。お餅怖い……」ブルブル
マミ「すっかり怯えちゃったわね……」
QB「かならずお餅に打ち勝ってみせる……。そ、そうだ! 餅を喉に詰まらせて、
おばあちゃんを亡くした少女と契約すれば、きっと恨みで餅という存在をこの世から消して……」
ほむら「発想が相変わらずゲスいわ……」
さやか「それに、その場合はおばあちゃんを生き返らせてあげると思うよ……」
QB「ううう、何か、何か策が……」バタバタ
手足を動かしながら、ぶつぶつと五月蠅いキュゥべえ。
杏子「……ほむら、処理よろしく」
ほむら「了解!」バシッ!
QB「きゅいっ!?」
言われたとおり、ほむらがハリセンで勢いよく叩くと、キュゥべえは玄関の外へ吹き飛んで消えた。
このしばらく後。見滝原とその周辺で、季節にかかわらず家の出入り口に鏡餅を飾る、謎の『厄除け』が流行ったという。
そのおかげか、見滝原近郊はやけに魔法少女も、魔女も少なくなったのだとか……。
そんなわけで、お餅ジャンキーまどかのお話は、これでおしまい。
その有り余った体力で、ついにまどかが杵つきを始めようとするのは……また、別のお話。
~fin~
334 = 284 :
乙乙
よかったよ!
335 = 180 :
乙
お餅は最高食べ物だったんだね
336 :
おもちすげー
乙
337 :
乙
面白かった
338 :
乙乙
339 = 196 :
餅つき機のあたりがいつものメンバーじゃなくて鹿目家だったのがよかった
乙
340 = 303 :
餅すげえ・・・
乙であった
341 = 91 :
乙
色々と面白かった
342 :
乙
餅食べてぇ...
343 :
面白かったわ
ディティールがしっかりしてるのは良い
345 = 175 :
乙乙乙
346 :
面白かった!
餅買ってくる!!!
348 = 173 :
乙
餅食いたくなった
349 :
これはいいステマ
お餅買ってくるわ乙
350 :
乙乙乙
みんなの評価 : ★★
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