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元スレまどか「お餅が食べたい」
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ヴーン… ガタタタ…
まどか「綺麗……♪」
数分もすれば、最初にあった粒はどこへやら。
均一に磨り潰されて、一つの白い塊になって壁を這うように回っている。
知久「………よし、そろそろいいんじゃないかな?」
まどか「え、いいのかな。10分ぐらいでつける、って書いてあったんだけど……」
知久「あんまりつきすぎると、きっと柔らかくなりすぎるよ。止めて良いと思う」
まどか「そっか。わかった」ピッ
ーン…
『切』キーを押されて機械が停止する。
臼の中には、純白に輝くつきたてのお餅が出来上がった。
まどか「ついに……完成!?」
知久「ははは、おめでとう」パチパチ
まどか「やったねー!」パチパチ
知久「でも、作業はもうちょっと続くよ。全部は食べられないから、保存用に取り分けないとね」
まどか「そうだね。臼を取り外して……」ガタガタ…
まどか「綺麗……♪」
数分もすれば、最初にあった粒はどこへやら。
均一に磨り潰されて、一つの白い塊になって壁を這うように回っている。
知久「………よし、そろそろいいんじゃないかな?」
まどか「え、いいのかな。10分ぐらいでつける、って書いてあったんだけど……」
知久「あんまりつきすぎると、きっと柔らかくなりすぎるよ。止めて良いと思う」
まどか「そっか。わかった」ピッ
ーン…
『切』キーを押されて機械が停止する。
臼の中には、純白に輝くつきたてのお餅が出来上がった。
まどか「ついに……完成!?」
知久「ははは、おめでとう」パチパチ
まどか「やったねー!」パチパチ
知久「でも、作業はもうちょっと続くよ。全部は食べられないから、保存用に取り分けないとね」
まどか「そうだね。臼を取り外して……」ガタガタ…
まどか「っちちち! つきたてって熱い!」ペタンッ
あまりの熱さに取り落としそうになりながら、お餅をバット上の取り粉にひっくり返す。
知久「うん。この後の作業も、結構熱いから、ほら」ガタッ
水がたっぷり汲まれたボウルを差し出す。
知久「これに手を付けて冷やしながらやるといいよ」
まどか「わかった!」
知久「でも、取りあえずは……味、確かめない? 今がきっと一番おいしいよ」
まどか「えへへ、だよねー! 緊張の瞬間だね……!」ピチャッ…
言われたとおり、ボウルの水に手を入れて冷まし、
まどか「っちち……。えへへ、もちもちでやわらか~い」モニモニ
それでも熱いカタマリのさわり心地を楽しみながら、取り粉のついていない表面から小さな実を二つもぐ。
まどか「はい、パパ!」ヒョイ
知久「ありがとう……どれどれ」モグッ
まどか「さて……お味の程は!?」モグッ
味付けなどは一切せず、素のままのつきたて餅を口に放り込んだ。
あまりの熱さに取り落としそうになりながら、お餅をバット上の取り粉にひっくり返す。
知久「うん。この後の作業も、結構熱いから、ほら」ガタッ
水がたっぷり汲まれたボウルを差し出す。
知久「これに手を付けて冷やしながらやるといいよ」
まどか「わかった!」
知久「でも、取りあえずは……味、確かめない? 今がきっと一番おいしいよ」
まどか「えへへ、だよねー! 緊張の瞬間だね……!」ピチャッ…
言われたとおり、ボウルの水に手を入れて冷まし、
まどか「っちち……。えへへ、もちもちでやわらか~い」モニモニ
それでも熱いカタマリのさわり心地を楽しみながら、取り粉のついていない表面から小さな実を二つもぐ。
まどか「はい、パパ!」ヒョイ
知久「ありがとう……どれどれ」モグッ
まどか「さて……お味の程は!?」モグッ
味付けなどは一切せず、素のままのつきたて餅を口に放り込んだ。
知久「………」モグモグ
まどか「………」モグモグ
口の中に意識を集中して評価する。今回の出来映えは…
知久「………うん。美味しいじゃないか!」
ばっちり大成功だったようだ。
知久「なつかしいな、この感じ……。機械でも、随分美味しい餅になるんだねぇ……」モグモグ
知久 (もうちょっと荒っぽさがあると、ほとんど同じかな?)
昔の実家の情景を思い浮かべる。
まどか「………」モグモグ
一方のまどかは、ただ黙ってかみ続けている。
知久「……まどか?」
訝しげに声をかけると、
まどか「美味しい……美味しいよ、このお餅……!」ポロ…
感動の余り、目に涙を浮かべながら味の評価を告げた。
知久「え……」
まどか「………」モグモグ
口の中に意識を集中して評価する。今回の出来映えは…
知久「………うん。美味しいじゃないか!」
ばっちり大成功だったようだ。
知久「なつかしいな、この感じ……。機械でも、随分美味しい餅になるんだねぇ……」モグモグ
知久 (もうちょっと荒っぽさがあると、ほとんど同じかな?)
昔の実家の情景を思い浮かべる。
まどか「………」モグモグ
一方のまどかは、ただ黙ってかみ続けている。
知久「……まどか?」
訝しげに声をかけると、
まどか「美味しい……美味しいよ、このお餅……!」ポロ…
感動の余り、目に涙を浮かべながら味の評価を告げた。
知久「え……」
まどか「作り方も、もち米も違うから、ほむらちゃんのお餅とはやっぱり違う味になっちゃう……。
でも間違いなく美味しい、これこそがお餅と断言できる味……!」
うん、うんと、ゆっくり自分でうなづきながら。
まどか「贅沢なもち米の味が口に広がる。ほのかな甘み。滑らかな舌触り。しっかりとしたコシがあるのに柔らかくて。
こういうのが食べたかったんだよ……!」モギッ
味見のはずだったが、そのまま次の餅をもいで口に放り込む。
まどか「ああ、幸せだよぅ……。ひくっ……」モグモグ
まどか「長かった、この一週間……。お餅の神様、わたしに幸せをありがとう……」モグモグ
知久「そんなに美味しかったのかい……」
その信仰心に、さすがの知久もちょっと引いた顔をしている。
まどか「……欲を言えば、もうちょっとだけ硬かったら。このもち米では最強な気がする」モグモグ
知久「そう? それなら、浸しの時間を短くするか、ついてる時に、もうちょっとだけ早く
機械を止めたらいいかもね。そこは次回の課題だね」
まどか「なるほど……。ここからは経験が物を言うんだね……」モギッ
味見3個目。
まどか「今日のこのお餅のつき具合、よく記憶に刻んでおかないと……」モグモグ
知久「いいんだけど、味見で全部食べ尽くさないようにね……?」
でも間違いなく美味しい、これこそがお餅と断言できる味……!」
うん、うんと、ゆっくり自分でうなづきながら。
まどか「贅沢なもち米の味が口に広がる。ほのかな甘み。滑らかな舌触り。しっかりとしたコシがあるのに柔らかくて。
こういうのが食べたかったんだよ……!」モギッ
味見のはずだったが、そのまま次の餅をもいで口に放り込む。
まどか「ああ、幸せだよぅ……。ひくっ……」モグモグ
まどか「長かった、この一週間……。お餅の神様、わたしに幸せをありがとう……」モグモグ
知久「そんなに美味しかったのかい……」
その信仰心に、さすがの知久もちょっと引いた顔をしている。
まどか「……欲を言えば、もうちょっとだけ硬かったら。このもち米では最強な気がする」モグモグ
知久「そう? それなら、浸しの時間を短くするか、ついてる時に、もうちょっとだけ早く
機械を止めたらいいかもね。そこは次回の課題だね」
まどか「なるほど……。ここからは経験が物を言うんだね……」モギッ
味見3個目。
まどか「今日のこのお餅のつき具合、よく記憶に刻んでおかないと……」モグモグ
知久「いいんだけど、味見で全部食べ尽くさないようにね……?」
知久「それじゃ、夕飯用に、いろいろと味付けを始めようかな」
まどか「そうだね。やっぱり醤油で海苔巻き?」
知久「それも作るけど、こんなのも……」ガタ…
取り粉とはまた別の、幾分小振りなバットを持ち出す。
中には香ばしい香りのする、褐色の粉が広げられている。
まどか「きなこ餅! こんなの用意してたんだ!」
知久「さっき二人に頼んでたおつかいで、ついでにね。取り粉がつく前のつきたて餅にまぶそうと思って。
まどか、8個ほどまるくちぎって、ここに入れて貰えるかな」
まどか「任せて!」モニュッ
勢いで無防備に触れ、
まどか「あぢっ!!」ビチャッ
学習したはずの熱さに返り討ちにあう。
知久「慌てないで……。ああ、そのうち2個はタツヤ用だから、小さめに頼むよ」
まどか「はーい!」モニュニュ…
まどか「そうだね。やっぱり醤油で海苔巻き?」
知久「それも作るけど、こんなのも……」ガタ…
取り粉とはまた別の、幾分小振りなバットを持ち出す。
中には香ばしい香りのする、褐色の粉が広げられている。
まどか「きなこ餅! こんなの用意してたんだ!」
知久「さっき二人に頼んでたおつかいで、ついでにね。取り粉がつく前のつきたて餅にまぶそうと思って。
まどか、8個ほどまるくちぎって、ここに入れて貰えるかな」
まどか「任せて!」モニュッ
勢いで無防備に触れ、
まどか「あぢっ!!」ビチャッ
学習したはずの熱さに返り討ちにあう。
知久「慌てないで……。ああ、そのうち2個はタツヤ用だから、小さめに頼むよ」
まどか「はーい!」モニュニュ…
カタン… カチャ…
まどかがきなこ餅を作っている一方で、知久は準備していた夕食の食器を並べ始める。と、
詢子「そろそろかなー?」
タツヤ「かなー?」
お腹をすかせた二人がキッチンに顔を覗かせた。
まどか「あ、ママ、タツヤ、お待たせ! すっごく美味しくつけたよ!」コロコロ
きなこの上で、まあるいお餅を転がしている。
詢子「おお、美味しそうだなー。どれどれ……」ヒョイ
それを遠慮なしに拾い上げ、口に運ぶ。
まどか「あ、つまみぐい!」
詢子「なに、味見さ。二人だって食べたんだろ?」パクッ
まどか「そうだけどさー」
詢子「……うわ、いいじゃんかこれ。んまいぞタツヤ、ほれ」モグモグ
小さいのを拾い、タツヤにも勧める。
タツヤ「んむむ………ん! おいしい!」モムモム
まどかがきなこ餅を作っている一方で、知久は準備していた夕食の食器を並べ始める。と、
詢子「そろそろかなー?」
タツヤ「かなー?」
お腹をすかせた二人がキッチンに顔を覗かせた。
まどか「あ、ママ、タツヤ、お待たせ! すっごく美味しくつけたよ!」コロコロ
きなこの上で、まあるいお餅を転がしている。
詢子「おお、美味しそうだなー。どれどれ……」ヒョイ
それを遠慮なしに拾い上げ、口に運ぶ。
まどか「あ、つまみぐい!」
詢子「なに、味見さ。二人だって食べたんだろ?」パクッ
まどか「そうだけどさー」
詢子「……うわ、いいじゃんかこれ。んまいぞタツヤ、ほれ」モグモグ
小さいのを拾い、タツヤにも勧める。
タツヤ「んむむ………ん! おいしい!」モムモム
知久「はいはい、そこまで」ズイッ
キッチンの主である知久が、腹ぺこ二人組を押し返す。
知久「軽いおかずから並べてるから、テーブルで食べながら待っててよ。この後いろいろとお餅料理並べていくよ」
詢子「はーい、楽しみにしてるよー」
随分とうきうきとした足取りでテーブルに戻る。
知久「……さて。まどか、僕は料理してるけど、まどかはお餅を冷めないうちに処理しちゃおうか」
まどか「そうだね。硬くなったら困るからね、頑張る!」
知久「切り餅でいいのかな?」
まどか「うーん……。ほむらちゃんにもらったお餅が、丸かったからなぁ。何となく丸い方が……」
知久「そっか。それなら尚更、急いで頑張らないとね。やりかたは分かるかい?」
まどか「ちぎって丸めるんだよね?」
知久「うーん、そうなんだけど……。よし、見てて。まず粉をまぶして……」バフバフ
お餅の表面に、たっぷりと取り粉をかぶせていく。
まどか「ふんふん……」
キッチンの主である知久が、腹ぺこ二人組を押し返す。
知久「軽いおかずから並べてるから、テーブルで食べながら待っててよ。この後いろいろとお餅料理並べていくよ」
詢子「はーい、楽しみにしてるよー」
随分とうきうきとした足取りでテーブルに戻る。
知久「……さて。まどか、僕は料理してるけど、まどかはお餅を冷めないうちに処理しちゃおうか」
まどか「そうだね。硬くなったら困るからね、頑張る!」
知久「切り餅でいいのかな?」
まどか「うーん……。ほむらちゃんにもらったお餅が、丸かったからなぁ。何となく丸い方が……」
知久「そっか。それなら尚更、急いで頑張らないとね。やりかたは分かるかい?」
まどか「ちぎって丸めるんだよね?」
知久「うーん、そうなんだけど……。よし、見てて。まず粉をまぶして……」バフバフ
お餅の表面に、たっぷりと取り粉をかぶせていく。
まどか「ふんふん……」
知久「そしたらこうして、絞り出すように……」キュッ
そしてその端っこを片手で握ると、適当な丸餅を一つ、きゅっと絞ってちぎり取る。
知久「あとはこれを取り粉の上で、丸く形作ればいいんだよ。
あんまり適当なちぎり方をすると、変な形のお餅になっちゃうからね」ペタペタ
まどか「なるほど……。やってみるよ!」
知久「できたのは、こっちのほうに並べて冷ましておいてね」
まどか「はーい!」ピチャ
今度はちゃんと手を冷やしてから、まどかは熱心に丸餅を作り始めた。
知久 (さてと……)
その横で、顎に手を当てて思案する。
知久 (まずは……大根でもおろそうか) ガタッ
とりあえず次にやる作業を決め、冷蔵庫を空けて大根を取り出しておろしはじめた。
知久 (ネギは冷蔵庫に刻み置きがあったから……) シャリシャリ…
竹製の鬼おろしで、手際よくしゃきしゃき大根おろしができていく。
そしてその端っこを片手で握ると、適当な丸餅を一つ、きゅっと絞ってちぎり取る。
知久「あとはこれを取り粉の上で、丸く形作ればいいんだよ。
あんまり適当なちぎり方をすると、変な形のお餅になっちゃうからね」ペタペタ
まどか「なるほど……。やってみるよ!」
知久「できたのは、こっちのほうに並べて冷ましておいてね」
まどか「はーい!」ピチャ
今度はちゃんと手を冷やしてから、まどかは熱心に丸餅を作り始めた。
知久 (さてと……)
その横で、顎に手を当てて思案する。
知久 (まずは……大根でもおろそうか) ガタッ
とりあえず次にやる作業を決め、冷蔵庫を空けて大根を取り出しておろしはじめた。
知久 (ネギは冷蔵庫に刻み置きがあったから……) シャリシャリ…
竹製の鬼おろしで、手際よくしゃきしゃき大根おろしができていく。
知久「よし。まどか、お餅貰うよ」ヒョイ
まどか「あ、うん!」
まだまだつきたての丸餅を皿にのせる。
まどか「大根おろし……?」
一心不乱に餅を丸めていたまどかが、ようやく気づいたようだ。
知久「そうだよ。こうして、餅の上に大根おろしと、刻みネギと……」ガタタ…
知久「あとは鰹節を振りかけて、ポン酢をかけて……」トポポ
知久「少し醤油を利かせれば、できあがりだ。おろしもちだよ」カタン
お手軽に一皿完成する。
まどか「へえ、そんな食べ方もあるんだ……?」
知久「作ってあげたことなかったよね。からみもちとも言うんだけど……ほら、まどか、口空けてごらん」
まどか「え? あ、あーん……///」
粉だらけの手はそのまま、ちょっと恥ずかしそうに口を開くまどかに、
知久「ほら」ヒョイ
箸でそれを食べさせてあげる。
まどか「あ、うん!」
まだまだつきたての丸餅を皿にのせる。
まどか「大根おろし……?」
一心不乱に餅を丸めていたまどかが、ようやく気づいたようだ。
知久「そうだよ。こうして、餅の上に大根おろしと、刻みネギと……」ガタタ…
知久「あとは鰹節を振りかけて、ポン酢をかけて……」トポポ
知久「少し醤油を利かせれば、できあがりだ。おろしもちだよ」カタン
お手軽に一皿完成する。
まどか「へえ、そんな食べ方もあるんだ……?」
知久「作ってあげたことなかったよね。からみもちとも言うんだけど……ほら、まどか、口空けてごらん」
まどか「え? あ、あーん……///」
粉だらけの手はそのまま、ちょっと恥ずかしそうに口を開くまどかに、
知久「ほら」ヒョイ
箸でそれを食べさせてあげる。
まどか「んむ……?」モグモグ
知久「どうだい?」
まどか「……うん、美味しい!」
知久「だろう」
まどか「ほっかほかのつきたて餅に、冷たい大根おろしの辛みが不思議とマッチして、さっぱりと食べられるね!」
知久「そうそう。まどかにはちょっと早い味かなとも思ったけど、なかなか分かってるじゃないか」
まどか「そ、そんなに子供じゃないもんっ!」
知久「ははは。ごめんごめん」
そんなふうに調理役が『味見』ばかりしていると、
詢子「おいおい、そっちばっかりで楽しんでちゃあ困るな?」
タツヤ「こまるー!」
テーブルから不満の声が飛ぶ。
知久「はいよ、今持って行くからね」カタタ
急いで残りの皿も、お餅と大根おろしで埋めていった。
知久「どうだい?」
まどか「……うん、美味しい!」
知久「だろう」
まどか「ほっかほかのつきたて餅に、冷たい大根おろしの辛みが不思議とマッチして、さっぱりと食べられるね!」
知久「そうそう。まどかにはちょっと早い味かなとも思ったけど、なかなか分かってるじゃないか」
まどか「そ、そんなに子供じゃないもんっ!」
知久「ははは。ごめんごめん」
そんなふうに調理役が『味見』ばかりしていると、
詢子「おいおい、そっちばっかりで楽しんでちゃあ困るな?」
タツヤ「こまるー!」
テーブルから不満の声が飛ぶ。
知久「はいよ、今持って行くからね」カタタ
急いで残りの皿も、お餅と大根おろしで埋めていった。
ちくしょう…こんな時間にぜんざい食っちまった
とんでもないスレだぜ
とんでもないスレだぜ
知久 (うん、次は……) ガタ…
きなこもち、おろしもちときて、今度手に取ったのは豚バラ肉。
知久 (あとは……) ゴソゴソ…
そして、スライス状のチーズと、フライパンを用意する。
知久「お餅貰うね」
まどか「うん」
律儀に確認を取ってから餅を拾い、
知久 (こんなもんかな……) ムニョン
小さくちぎる。それを、細長く切ったスライスチーズと一緒に、豚肉でくるくると巻いていく。
知久「うん。味はまあ、見ながらつければいいかな」カチッ ボボボ…
フライパンを火にかけ、油を敷いて焼いてく。
ジュシュゥ… ガタタ…
それにあとは、醤油、味醂、酒などで適時味付けし、
知久「これでできあがりだ」コトッ
これもなかなかお手軽な、餅チーズの豚肉巻きが完成した。
きなこもち、おろしもちときて、今度手に取ったのは豚バラ肉。
知久 (あとは……) ゴソゴソ…
そして、スライス状のチーズと、フライパンを用意する。
知久「お餅貰うね」
まどか「うん」
律儀に確認を取ってから餅を拾い、
知久 (こんなもんかな……) ムニョン
小さくちぎる。それを、細長く切ったスライスチーズと一緒に、豚肉でくるくると巻いていく。
知久「うん。味はまあ、見ながらつければいいかな」カチッ ボボボ…
フライパンを火にかけ、油を敷いて焼いてく。
ジュシュゥ… ガタタ…
それにあとは、醤油、味醂、酒などで適時味付けし、
知久「これでできあがりだ」コトッ
これもなかなかお手軽な、餅チーズの豚肉巻きが完成した。
知久「うん、それじゃあまどか、味見の時間だよ」
まどか「やった! 今度は、お肉なんだね?」キュッ
ちょうど全てのお餅を丸め終えたまどかが、手を荒いながら返事をした。
知久「そうそう。このへんはお餅料理と言うより、お餅を使った料理って所だね」
まどか「ふーん、どれどれ……」モグッ
早速、菜箸でつかんで囓ってみる。
まどか「んぐ……ふむむ、美味しい」モグモグ
チーズと混じってとろんとした中身の食感が楽しい。
まどか (でも………)
知久「まあ、まどかが求めている『お餅』の味じゃないかもしれないけどね」
まどか「え゙っ! よ、よく言おうとしたことが分かったね……。
そう、お餅の有るべき姿とは違うんだけど、なかなか美味しいと思うよ?」モグモグ
知久「それは良かった。じゃ、お皿をテーブルに運んであげて」
まどか「はーい」
まどか「やった! 今度は、お肉なんだね?」キュッ
ちょうど全てのお餅を丸め終えたまどかが、手を荒いながら返事をした。
知久「そうそう。このへんはお餅料理と言うより、お餅を使った料理って所だね」
まどか「ふーん、どれどれ……」モグッ
早速、菜箸でつかんで囓ってみる。
まどか「んぐ……ふむむ、美味しい」モグモグ
チーズと混じってとろんとした中身の食感が楽しい。
まどか (でも………)
知久「まあ、まどかが求めている『お餅』の味じゃないかもしれないけどね」
まどか「え゙っ! よ、よく言おうとしたことが分かったね……。
そう、お餅の有るべき姿とは違うんだけど、なかなか美味しいと思うよ?」モグモグ
知久「それは良かった。じゃ、お皿をテーブルに運んであげて」
まどか「はーい」
その後、餅ピザに餅サラダ、そして揚げ餅と、とことん餅尽くしの料理を楽しんだ鹿目一家。
テーブルの上にたくさん並んだお皿は、ほとんど綺麗に空けられている。
詢子「ふぃー。ごちそうさま!」カタ
タツヤ「ごっそーさまー」
詢子「結構食べたなー。お腹いっぱいだよ」ゴクッ
知久「作りすぎたかもと思ったけど、大丈夫だったみたいだね」
詢子「パパの料理は美味しいし、まどかのお餅も美味しいし。両方合わさってたら、残すはずがないよ」
まどか「えへへ……。よかった!」
知久「大成功だね。満足できたかい、まどか」
まどか「うん、とっても! こんなおいしいお餅が食べ放題だと思うと……。幸せすぎる……!」ニマニマ
詢子「食べ過ぎるなよー? おなかぷにぷにになっちゃうぞ」
まどか「大丈夫大丈夫。……あ、でも、今既に、もうちょっと食べたり無いかも……」
詢子「早速か……」
知久「ははは。……うん、でも丁度いいかな。まどかにはデザートを用意しよう」ガタッ
まどか「え? デザート?」
テーブルの上にたくさん並んだお皿は、ほとんど綺麗に空けられている。
詢子「ふぃー。ごちそうさま!」カタ
タツヤ「ごっそーさまー」
詢子「結構食べたなー。お腹いっぱいだよ」ゴクッ
知久「作りすぎたかもと思ったけど、大丈夫だったみたいだね」
詢子「パパの料理は美味しいし、まどかのお餅も美味しいし。両方合わさってたら、残すはずがないよ」
まどか「えへへ……。よかった!」
知久「大成功だね。満足できたかい、まどか」
まどか「うん、とっても! こんなおいしいお餅が食べ放題だと思うと……。幸せすぎる……!」ニマニマ
詢子「食べ過ぎるなよー? おなかぷにぷにになっちゃうぞ」
まどか「大丈夫大丈夫。……あ、でも、今既に、もうちょっと食べたり無いかも……」
詢子「早速か……」
知久「ははは。……うん、でも丁度いいかな。まどかにはデザートを用意しよう」ガタッ
まどか「え? デザート?」
立ち上がると、知久は冷蔵庫からタッパーを取り出して、
電子レンジに入れて暖め始める。
まどか「……?」ノソ…
気になったので、まどかもキッチンに入ってきた。
暖まると、だんだん甘い香りが漂ってくる。
まどか「あ、この匂いは……」
チンッ!
知久「よし……」ガパッ
できあがって、中から出てきたのは、数日前に騒動の発端となったぜんざいだった。
知久「お餅も……ちょっと冷めたから暖めた方がいいかな」ピッ ピッ
と、丸餅も暖めて柔らかくし、中に浮かべて完成である。
知久「よしできた。おまたせ、まどか。お詫びの印だよ」
まどか「え? 美味しそうだけど……。お詫びって?」
知久「この前の鏡開きの時に食べたぜんざい、美味しくなかったんだろう?」
まどか「………へ!? な、なんでそれを……!」
電子レンジに入れて暖め始める。
まどか「……?」ノソ…
気になったので、まどかもキッチンに入ってきた。
暖まると、だんだん甘い香りが漂ってくる。
まどか「あ、この匂いは……」
チンッ!
知久「よし……」ガパッ
できあがって、中から出てきたのは、数日前に騒動の発端となったぜんざいだった。
知久「お餅も……ちょっと冷めたから暖めた方がいいかな」ピッ ピッ
と、丸餅も暖めて柔らかくし、中に浮かべて完成である。
知久「よしできた。おまたせ、まどか。お詫びの印だよ」
まどか「え? 美味しそうだけど……。お詫びって?」
知久「この前の鏡開きの時に食べたぜんざい、美味しくなかったんだろう?」
まどか「………へ!? な、なんでそれを……!」
知久「顔を見ればさすがに分かるよ。『うぇー』って顔、してたもの」
まどか「あうう……。バレバレだったかぁ……///」
知久「それに僕も、パックのお餅は苦手だからね。気持ちは分かるんだ」
まどか「あれ……? じゃあ、わたしがお餅をリクエストしても、あんまり作ってくれなかったのは……」
知久「うん。お餅自体が嫌いって訳じゃないよ」
まどか「そうだったのかぁ……」
知久「まあそれで、あんまり美味しくないなぁと自分で思いながら、お雑煮やぜんざい作って出してたからね。
そういう意味で、ちょっと悪かったかなって。お詫びだよ。ごめん」
まどか「ううん、そんな謝るようなことでも……。前までは美味しいと思ってたし、
ちゃんとしたお餅を手に入れるのもなかなか大変だって分かったし」
知久「そっか」
まどか「……でも、これからは、お餅料理。いっぱいリクエストしていい?」
知久「もちろんさ。気に入ったかい?」
まどか「パパの料理はどれも大好きだけど、今日は最高だったよ!」
知久「ありがとう、それは作り甲斐があるよ」
まどか「あうう……。バレバレだったかぁ……///」
知久「それに僕も、パックのお餅は苦手だからね。気持ちは分かるんだ」
まどか「あれ……? じゃあ、わたしがお餅をリクエストしても、あんまり作ってくれなかったのは……」
知久「うん。お餅自体が嫌いって訳じゃないよ」
まどか「そうだったのかぁ……」
知久「まあそれで、あんまり美味しくないなぁと自分で思いながら、お雑煮やぜんざい作って出してたからね。
そういう意味で、ちょっと悪かったかなって。お詫びだよ。ごめん」
まどか「ううん、そんな謝るようなことでも……。前までは美味しいと思ってたし、
ちゃんとしたお餅を手に入れるのもなかなか大変だって分かったし」
知久「そっか」
まどか「……でも、これからは、お餅料理。いっぱいリクエストしていい?」
知久「もちろんさ。気に入ったかい?」
まどか「パパの料理はどれも大好きだけど、今日は最高だったよ!」
知久「ありがとう、それは作り甲斐があるよ」
――次の週末――
まどか「―――と、まぁ、そんなわけで……」
ほむホーム。一週間ぶりに、魔法少女とその仲間達が勢揃いしている。
まどか「大変ご迷惑をおかけ致しました……!」ドゲッ
皆の見ている真ん中で事の顛末を語り、深々と頭を下げるまどか。
ほむら「ま、まどか……」
杏子「おいおい……」
さやか「そんな頭を下げることでも……」
マミ「そうよ。結局、ハッピーエンドだったんだから言うこと無いじゃない。
……でも、ビーズクッションはご返却願います」
まどか「あ、はい。持ってきました」ヒョイ
ずっと慰めに使用されていたクッションが返される。
ほむら (……!)
マミ「ありがとう! ふふふ、お久しぶり、枕ちゃん……」スリスリ
それを抱きしめて顔を埋めるマミ。
ほむら (嗚呼、まどかが抱きしめ続けたビーズクッションが……。汚れていく……)
まどか「―――と、まぁ、そんなわけで……」
ほむホーム。一週間ぶりに、魔法少女とその仲間達が勢揃いしている。
まどか「大変ご迷惑をおかけ致しました……!」ドゲッ
皆の見ている真ん中で事の顛末を語り、深々と頭を下げるまどか。
ほむら「ま、まどか……」
杏子「おいおい……」
さやか「そんな頭を下げることでも……」
マミ「そうよ。結局、ハッピーエンドだったんだから言うこと無いじゃない。
……でも、ビーズクッションはご返却願います」
まどか「あ、はい。持ってきました」ヒョイ
ずっと慰めに使用されていたクッションが返される。
ほむら (……!)
マミ「ありがとう! ふふふ、お久しぶり、枕ちゃん……」スリスリ
それを抱きしめて顔を埋めるマミ。
ほむら (嗚呼、まどかが抱きしめ続けたビーズクッションが……。汚れていく……)
杏子「それに、今日はうまい餅をいっぱい食わせてくれるんだろ?
むしろこっちが感謝する側だよ……。いい匂いだ」コンコン
そう言って、こたつの上で蒸気を吹き上げる餅つき機をつっつく。
まどか「ティヒヒ、そろそろ蒸し上がるはずだよ!」
ほむら「昨日の夜、突然お米背負って『水につけといて!』とか言い出すから、何かと思ったわよ……」
まどか「ごめんごめん。でも大事なんだよ、浸すの」
さやか「いやー、楽しみですねー。お腹すいてきた……」
杏子「さやかはどうせ味の違いなんてわかんねーだろ」
さやか「むぐ、失礼だな……! 腹立つけど前科があるだけに……反論がッ……!」
ほむら「それじゃ、マミ、私たちは準備を始めた方がいいんじゃない?」
マミ「あ、そうね。お台所行きましょうか」ガタッ
ほむら「まどかは大丈夫?」
まどか「うん。ちょっと自分じゃ不安だったから、パパに聞きながら下ごしらえは済ませちゃったんだ。
つきあがったら、お餅を持ってわたしもそっち行くよ」
ほむら「わかったわ」トテトテ…
そう言って、二人はキッチンの方へと消えていった。
むしろこっちが感謝する側だよ……。いい匂いだ」コンコン
そう言って、こたつの上で蒸気を吹き上げる餅つき機をつっつく。
まどか「ティヒヒ、そろそろ蒸し上がるはずだよ!」
ほむら「昨日の夜、突然お米背負って『水につけといて!』とか言い出すから、何かと思ったわよ……」
まどか「ごめんごめん。でも大事なんだよ、浸すの」
さやか「いやー、楽しみですねー。お腹すいてきた……」
杏子「さやかはどうせ味の違いなんてわかんねーだろ」
さやか「むぐ、失礼だな……! 腹立つけど前科があるだけに……反論がッ……!」
ほむら「それじゃ、マミ、私たちは準備を始めた方がいいんじゃない?」
マミ「あ、そうね。お台所行きましょうか」ガタッ
ほむら「まどかは大丈夫?」
まどか「うん。ちょっと自分じゃ不安だったから、パパに聞きながら下ごしらえは済ませちゃったんだ。
つきあがったら、お餅を持ってわたしもそっち行くよ」
ほむら「わかったわ」トテトテ…
そう言って、二人はキッチンの方へと消えていった。
ほむらちゃんのお餅じゃないと満足できないの…ほむらちゃん結婚して…!///
とかそういう話だと思ったのに
とかそういう話だと思ったのに
マミ「何だか不思議な感じねぇ、お正月終わったのにお雑煮作るって」ガサッ…
スーパーの袋を開く。大根、人参などが顔を覗かせている。
ほむら「でも、試みとしては面白いじゃない。地域によって違うとは聞くけど……。
材料を見る限り、ホントに全然別物が出来そうね……」ガタタ…
ほむらのほうは、自分の冷蔵庫から鶏肉を取り出している。
マミ「まな板、先に使っていい?」
ほむら「いいわよ。私のほうは、野菜って入れないし」
マミ「え、そうなの!?」ジャババ…
ほむら「完全にお餅が主役なのよ。……手抜きとも言うけれど」トン… トン…
洗って乾かした牛乳パックをまな板代わりに、鶏もも肉を小さく切り始める。
マミ「それは……まな板代わり?」
ほむら「そうよ。お母さんがいつもやってたの。こうすると、肉の油とかがついても、
そのままゴミ箱に捨てるだけで済むから楽なのよ」
マミ「なるほど……。面白いわね、今度マネしてみようっと」
スーパーの袋を開く。大根、人参などが顔を覗かせている。
ほむら「でも、試みとしては面白いじゃない。地域によって違うとは聞くけど……。
材料を見る限り、ホントに全然別物が出来そうね……」ガタタ…
ほむらのほうは、自分の冷蔵庫から鶏肉を取り出している。
マミ「まな板、先に使っていい?」
ほむら「いいわよ。私のほうは、野菜って入れないし」
マミ「え、そうなの!?」ジャババ…
ほむら「完全にお餅が主役なのよ。……手抜きとも言うけれど」トン… トン…
洗って乾かした牛乳パックをまな板代わりに、鶏もも肉を小さく切り始める。
マミ「それは……まな板代わり?」
ほむら「そうよ。お母さんがいつもやってたの。こうすると、肉の油とかがついても、
そのままゴミ箱に捨てるだけで済むから楽なのよ」
マミ「なるほど……。面白いわね、今度マネしてみようっと」
ヴーン… ガタタタ…
杏子「うおお、なんだコレすげー!」
さやか「ホントにこれで、お餅がつけてるのかー?」
まどか「見ててごらん、この子の実力を!」
こたつの方からは、機械の音と共に、二人の楽しげな声が聞こえてくる。餅つき動作を始めたようだ。
マミ「楽しそうね……」トン トン…
ほむら「こっちも楽しそうに調理する?」
マミ「………うわぁ、すごいわ! この包丁、何て切れ味が良いのかしら!!」トン トン…
急に大声を出す。
ほむら「それじゃテレビショッピングじゃない……」
マミ「じゃあどうしろというのよ……」
ほむら「………ええと、歌とか……」
マミ「………あ~る~ 晴れた~♪ ひ~る~下がり~♪ 雑煮~を 作~るため~♪」
妙によく通る綺麗な声で歌い出した。
ほむら「……やめなさい、ちょっと食材が可哀想になるから」
杏子「うおお、なんだコレすげー!」
さやか「ホントにこれで、お餅がつけてるのかー?」
まどか「見ててごらん、この子の実力を!」
こたつの方からは、機械の音と共に、二人の楽しげな声が聞こえてくる。餅つき動作を始めたようだ。
マミ「楽しそうね……」トン トン…
ほむら「こっちも楽しそうに調理する?」
マミ「………うわぁ、すごいわ! この包丁、何て切れ味が良いのかしら!!」トン トン…
急に大声を出す。
ほむら「それじゃテレビショッピングじゃない……」
マミ「じゃあどうしろというのよ……」
ほむら「………ええと、歌とか……」
マミ「………あ~る~ 晴れた~♪ ひ~る~下がり~♪ 雑煮~を 作~るため~♪」
妙によく通る綺麗な声で歌い出した。
ほむら「……やめなさい、ちょっと食材が可哀想になるから」
その後、10分も調理をし、仕上げにまどかの持ってきたつきたて餅を浮かべれば完成である。
さやか「はい、ついに試食のお時間がやって参りました『見滝原雑煮最強決定戦』!
審査員は、わたくし美樹さやかと……」
杏子「………」
さやか「ほら杏子、自己紹介!」
杏子「一人でやっててくれ……」
さやか「ノリ悪いなぁ……」
まどか「ええと、まずはわたしからだね。はい」カタ カタン…
じゃれあっている二人は無視して、狭いこたつに5人分のお椀をなんとか並べた。
済まし汁の中に小ぶりなお餅と、鶏肉、かまぼこ、小松菜、ゆずの皮などが浮かんでいる。
醤油の香りが鼻に心地よい。
杏子「おお、うまそうだ……。何かいわゆる『お雑煮』って感じのお雑煮だな」
まどか「そうだね。パパも、そんなに変わったお雑煮じゃないんだけどって言ってた」
さやか「うちのお雑煮もこんなんだよー」
杏子「んじゃ、早速!」
「「「「「いただきます!」」」」」
さやか「はい、ついに試食のお時間がやって参りました『見滝原雑煮最強決定戦』!
審査員は、わたくし美樹さやかと……」
杏子「………」
さやか「ほら杏子、自己紹介!」
杏子「一人でやっててくれ……」
さやか「ノリ悪いなぁ……」
まどか「ええと、まずはわたしからだね。はい」カタ カタン…
じゃれあっている二人は無視して、狭いこたつに5人分のお椀をなんとか並べた。
済まし汁の中に小ぶりなお餅と、鶏肉、かまぼこ、小松菜、ゆずの皮などが浮かんでいる。
醤油の香りが鼻に心地よい。
杏子「おお、うまそうだ……。何かいわゆる『お雑煮』って感じのお雑煮だな」
まどか「そうだね。パパも、そんなに変わったお雑煮じゃないんだけどって言ってた」
さやか「うちのお雑煮もこんなんだよー」
杏子「んじゃ、早速!」
「「「「「いただきます!」」」」」
カタ… モグモグ… モニュ…
五人それぞれ、お餅をかみ切ったり、箸でむにょんと伸ばして遊んだりしながら静かに頂く。
ほむら「……うん。すごくあっさりしていて、美味しい! まどかが作ったから当然だけれど」モグモグ
マミ「そうね。お醤油のすまし汁に、鶏肉の味が出ていて……。とてもいいわ」モグモグ
さやか「この、えーと……何だっけ。みかんみたいなやつ」
ゆずの皮を箸でつまんで見せる。
マミ「それは、ゆずの皮じゃない?」
さやか「そうそう、ゆずだゆず。これがなんだか、すーっとした感じがちょっとして、美味い!」
杏子「……あんまり無理しなくてもいいぞ、ゆずも知らないんだから」
さやか「なっ、知ってたって! ちょっとド忘れしただけだって!」
ほむら「その歳で可哀想に……」モグモグ
さやか「うわぁ、本当に憐れまれてるみたいな顔しないでよ……。さやかちゃんショックだよ……」
マミ「ほらほら、静かに食べなさい。せっかくこんなに美味しいお雑煮なんだから……」
さやか「はーい」モグモグ
まどか「えへへ、うまく出来たみたいで良かったよ!」
五人それぞれ、お餅をかみ切ったり、箸でむにょんと伸ばして遊んだりしながら静かに頂く。
ほむら「……うん。すごくあっさりしていて、美味しい! まどかが作ったから当然だけれど」モグモグ
マミ「そうね。お醤油のすまし汁に、鶏肉の味が出ていて……。とてもいいわ」モグモグ
さやか「この、えーと……何だっけ。みかんみたいなやつ」
ゆずの皮を箸でつまんで見せる。
マミ「それは、ゆずの皮じゃない?」
さやか「そうそう、ゆずだゆず。これがなんだか、すーっとした感じがちょっとして、美味い!」
杏子「……あんまり無理しなくてもいいぞ、ゆずも知らないんだから」
さやか「なっ、知ってたって! ちょっとド忘れしただけだって!」
ほむら「その歳で可哀想に……」モグモグ
さやか「うわぁ、本当に憐れまれてるみたいな顔しないでよ……。さやかちゃんショックだよ……」
マミ「ほらほら、静かに食べなさい。せっかくこんなに美味しいお雑煮なんだから……」
さやか「はーい」モグモグ
まどか「えへへ、うまく出来たみたいで良かったよ!」
マミ「それじゃ、次は私ね!」カタン…
まどかの雑煮を食べ終わり、今度はマミの作ったお雑煮を並べていく。
白く濁った汁の中に、いくつかの野菜や、にんじんが顔を覗かせている。
まどか「わ、全然違う……!」
マミ「冷めないうちにどうぞ」
「「「「「いただきます!」」」」」
ちゃんと挨拶をして試食がスタートする。
ズズ…
その白い濁りに興味があるのか、みんなまずは汁から啜り始めた。
杏子「………ほう?」
ほむら「……? 何かしらこれ、甘い?」
まどか「なんだか優しい味がするね……。マミさん、これは?」
マミ「これはね、白味噌よ。京風のお雑煮なの」
さやか「え、味噌なんですか、これ? 味噌って感じがあんまりしないですね……」ズズッ
マミ「お味噌は結構いろいろあるのよ。美樹さんが普段、お味噌汁で飲んでるのとは違うと思う」
さやか「はい、でも、これもすっごく美味いっす!」モグモグ
まどかの雑煮を食べ終わり、今度はマミの作ったお雑煮を並べていく。
白く濁った汁の中に、いくつかの野菜や、にんじんが顔を覗かせている。
まどか「わ、全然違う……!」
マミ「冷めないうちにどうぞ」
「「「「「いただきます!」」」」」
ちゃんと挨拶をして試食がスタートする。
ズズ…
その白い濁りに興味があるのか、みんなまずは汁から啜り始めた。
杏子「………ほう?」
ほむら「……? 何かしらこれ、甘い?」
まどか「なんだか優しい味がするね……。マミさん、これは?」
マミ「これはね、白味噌よ。京風のお雑煮なの」
さやか「え、味噌なんですか、これ? 味噌って感じがあんまりしないですね……」ズズッ
マミ「お味噌は結構いろいろあるのよ。美樹さんが普段、お味噌汁で飲んでるのとは違うと思う」
さやか「はい、でも、これもすっごく美味いっす!」モグモグ
ほむら「……んむ? お芋、いいわね」モグモグ
マミ「ええ、里芋。なかなか合うでしょう?」
ほむら「何だかほっこりする味ね……」
杏子「あと入ってるのは、大根に、人参に……そのくらいか」モグモグ
さやか「そういえば野菜だけですね。美味しい上に、何だか健康に良さそう」モグモグ
マミ「ふふふ。別に健康の為じゃないわよ。単に、白味噌の甘みに、お肉とかの脂の味が
あんまり合わないから入れないだけだと思うわ」
杏子「なるほどな……。たしかにそうかも」モグモグ
まどか「そういえば、その……。京風なんですよね? 京都に住んでたんですか?」
マミ「いえ? ずっと見滝原よ」
杏子「………母親が京都だったとか?」
マミ「たしかお母さんのお父さん、おじいちゃんが京都の人なのよ」
まどか「へー……。やっぱり京都が関係有るんだ……」モグモグ
ほむら「でも、最近はそんなに地域性も無さそうね。現に見滝原に住んでいる三人が、
これだけ違うお雑煮を食べているんだもの……」
マミ「そうかもしれないわね。地域の味というよりは、おうちの味よね」
マミ「ええ、里芋。なかなか合うでしょう?」
ほむら「何だかほっこりする味ね……」
杏子「あと入ってるのは、大根に、人参に……そのくらいか」モグモグ
さやか「そういえば野菜だけですね。美味しい上に、何だか健康に良さそう」モグモグ
マミ「ふふふ。別に健康の為じゃないわよ。単に、白味噌の甘みに、お肉とかの脂の味が
あんまり合わないから入れないだけだと思うわ」
杏子「なるほどな……。たしかにそうかも」モグモグ
まどか「そういえば、その……。京風なんですよね? 京都に住んでたんですか?」
マミ「いえ? ずっと見滝原よ」
杏子「………母親が京都だったとか?」
マミ「たしかお母さんのお父さん、おじいちゃんが京都の人なのよ」
まどか「へー……。やっぱり京都が関係有るんだ……」モグモグ
ほむら「でも、最近はそんなに地域性も無さそうね。現に見滝原に住んでいる三人が、
これだけ違うお雑煮を食べているんだもの……」
マミ「そうかもしれないわね。地域の味というよりは、おうちの味よね」
杏子「よーしそんじゃ最後は……」
まどか「ほむらちゃんだね!」
ほむら「何だか、これだけちゃんとした美味しいお雑煮を出された後だと、気が引けるわ……」
お盆を持ったまま、ちょっと躊躇う。
マミ「何言ってるのよ。ほらほら、みんな待ってるわよ」
さやか「早くー!」
ほむら「……はい、どうぞ」カタッ
しぶしぶと、まどかやマミよりは、少し大きめの器を並べる。
中には、かなりずんぐりとしたお餅が一つ、濃い茶色の汁に浸っていた。
その上には青のり、鰹節がたっぷりとかけられ、湯気に揺れている。
マミ「へぇ……。大きくて、食べ応え有りそうね」
さやか「お餅だけなの? これは」
ほむら「一応、鶏肉も入っているけれど、おまけみたいなものよ」
まどか「いいねいいね、全然違って面白いよ! はやく食べようよ!」
「「「「「いただきます!」」」」」
まどか「ほむらちゃんだね!」
ほむら「何だか、これだけちゃんとした美味しいお雑煮を出された後だと、気が引けるわ……」
お盆を持ったまま、ちょっと躊躇う。
マミ「何言ってるのよ。ほらほら、みんな待ってるわよ」
さやか「早くー!」
ほむら「……はい、どうぞ」カタッ
しぶしぶと、まどかやマミよりは、少し大きめの器を並べる。
中には、かなりずんぐりとしたお餅が一つ、濃い茶色の汁に浸っていた。
その上には青のり、鰹節がたっぷりとかけられ、湯気に揺れている。
マミ「へぇ……。大きくて、食べ応え有りそうね」
さやか「お餅だけなの? これは」
ほむら「一応、鶏肉も入っているけれど、おまけみたいなものよ」
まどか「いいねいいね、全然違って面白いよ! はやく食べようよ!」
「「「「「いただきます!」」」」」
マミ「んむ……」モム
まどか「ふむ……?」モグモグ
さやか「うほほ、でっかいからよく伸びる!」ムニョーン
杏子「やっぱこれ美味いなー」モグモグ
さやか「あ、そっか。あんた正月にも食わせて貰ってるのか」
杏子「ああ。何か濃い味だからかな、あたしの舌に合ってんのかも」モグモグ
まどか「だねぇ。汁を飲もうとすると塩っ辛いくらいだけど、おおきなお餅に絡んですごく美味しい。
なるほど、お餅が主役って感じでいいかも!」
マミ「そうね。鶏肉の効いたおつゆが良いわ……。醤油よね?」モグモグ
ほむら「ええ。ベースはほとんど市販のめんつゆだけれど。それに少々手を加えただけよ。
ホント手抜きでごめんなさいね……」
マミ「何言ってるのよ、美味しいじゃない」
さやか「……? これ、青のりだけじゃなくて、何か他にものりが乗ってない?」モグモグ
少し堅めの、板状に整えられたのりを箸で差して言う。
ほむら「ええ、はばのりっていうのよ。そういえば、お雑煮以外では一度も見たことないような……」
マミ「私も聞いたこと無いわね……。地域限定なのかしら?」
まどか「ふむ……?」モグモグ
さやか「うほほ、でっかいからよく伸びる!」ムニョーン
杏子「やっぱこれ美味いなー」モグモグ
さやか「あ、そっか。あんた正月にも食わせて貰ってるのか」
杏子「ああ。何か濃い味だからかな、あたしの舌に合ってんのかも」モグモグ
まどか「だねぇ。汁を飲もうとすると塩っ辛いくらいだけど、おおきなお餅に絡んですごく美味しい。
なるほど、お餅が主役って感じでいいかも!」
マミ「そうね。鶏肉の効いたおつゆが良いわ……。醤油よね?」モグモグ
ほむら「ええ。ベースはほとんど市販のめんつゆだけれど。それに少々手を加えただけよ。
ホント手抜きでごめんなさいね……」
マミ「何言ってるのよ、美味しいじゃない」
さやか「……? これ、青のりだけじゃなくて、何か他にものりが乗ってない?」モグモグ
少し堅めの、板状に整えられたのりを箸で差して言う。
ほむら「ええ、はばのりっていうのよ。そういえば、お雑煮以外では一度も見たことないような……」
マミ「私も聞いたこと無いわね……。地域限定なのかしら?」
>>291
言われてみてやってみたら凄まじい違和感だったわ!ww
言われてみてやってみたら凄まじい違和感だったわ!ww
さやか「ふぃー、ごちそうさまー!」
杏子「ごちそうさま」カタッ
器を戻す。杏子は一人、かなり濃い汁まで飲み干してしまったようで、空っぽだ。
まどか「お腹いっぱいになっちゃった。どれも美味しかったねぇ」
マミ「うふふ、鹿目さんのお餅が良かったからよ?」
まどか「そんなこと……ありますけど、マミさんもほむらちゃんも、すごく美味しいお雑煮でしたよ!」
さやか「そうだね。うーむ、最初は……」サッ
自分の鞄からメモ帳とペンを数本取り出した。
さやか「こいつを使って、無記名投票でナンバーワンを決めようかと思ってたけど……」
ほむら「まーたいらない事の準備だけはいいわね……」ハァ…
さやか「うるさいやい。でも、甲乙付けがたいかな。こんなに違うとは思ってなかったし、どれも美味しいし……」
マミ「そうね。それぞれ、何かしらの形で、家族に受け継がれてきたレシピだもの。
どれが悪くてどれが良いなんてことはないわ」
杏子「そうだな……。うーん、良い気分……」ドテッ
こたつ布団を引っ張りながら横になる。
杏子「ごちそうさま」カタッ
器を戻す。杏子は一人、かなり濃い汁まで飲み干してしまったようで、空っぽだ。
まどか「お腹いっぱいになっちゃった。どれも美味しかったねぇ」
マミ「うふふ、鹿目さんのお餅が良かったからよ?」
まどか「そんなこと……ありますけど、マミさんもほむらちゃんも、すごく美味しいお雑煮でしたよ!」
さやか「そうだね。うーむ、最初は……」サッ
自分の鞄からメモ帳とペンを数本取り出した。
さやか「こいつを使って、無記名投票でナンバーワンを決めようかと思ってたけど……」
ほむら「まーたいらない事の準備だけはいいわね……」ハァ…
さやか「うるさいやい。でも、甲乙付けがたいかな。こんなに違うとは思ってなかったし、どれも美味しいし……」
マミ「そうね。それぞれ、何かしらの形で、家族に受け継がれてきたレシピだもの。
どれが悪くてどれが良いなんてことはないわ」
杏子「そうだな……。うーん、良い気分……」ドテッ
こたつ布団を引っ張りながら横になる。
ほむら「ほら、横になってる場合じゃないわよ。片付けぐらい手伝いなさい」ペシペシ
その頬を軽く叩く。
杏子「……くそぅ、逃がしてはくれないか」
さやか「杏子ー? さっさと手伝いしてきな。いやー、それにしてもこたつあったかい……」
マミ「美樹さん? あなたもよ?」
さやか「………。ですよねー……。よしっと、寒いけど頑張るか」ノソソ
こうしてまどかの餅に関する禁断症状は、いいお米と餅つき機で事なきを得た。
紆余曲折はあったものの、美味しい雑煮を食べられて皆幸せそうな顔。
まどか自身はまだその味にも不満はあるようだが、何度も繰り返すうち、
きっと自分好みの最高のお餅を手に入れることが出来るだろう。
ただし、良いことばかりではなく、また新たな問題も生じるようで……
その頬を軽く叩く。
杏子「……くそぅ、逃がしてはくれないか」
さやか「杏子ー? さっさと手伝いしてきな。いやー、それにしてもこたつあったかい……」
マミ「美樹さん? あなたもよ?」
さやか「………。ですよねー……。よしっと、寒いけど頑張るか」ノソソ
こうしてまどかの餅に関する禁断症状は、いいお米と餅つき機で事なきを得た。
紆余曲折はあったものの、美味しい雑煮を食べられて皆幸せそうな顔。
まどか自身はまだその味にも不満はあるようだが、何度も繰り返すうち、
きっと自分好みの最高のお餅を手に入れることが出来るだろう。
ただし、良いことばかりではなく、また新たな問題も生じるようで……
――1ヶ月ほど経って――
ヴーン… ガガ…
鹿目家のキッチン。
早くも随分と使い込まれた餅つき機が、またお餅を捏ねている。
知久「よく飽きないねぇ……」
まどか「え? こんなに美味しいのに、飽きるわけないよ。今回は、富山県産の新大正もち!
新しいもち米で、また新しい感動に出会えるかも……。期待が高まるよ!」
知久「そうだね……」
まどか「……あ、もしかして、保存のこと未だ怒ってる?」
ちょっと前に、つきたての匂いが我慢できず、
あまりにたくさんつきすぎて冷凍庫をいっぱいにして怒られたことを思い出す。
知久「いや……。水餅を覚えたみたいだし、それについては何も言わないよ」
まどか「うん。すごいよね、綺麗な水にひたしておくだけで、お餅が全然かびないなんて。
ちょっとお水の匂いがついて、柔らかくはなるけど……」
知久「ちゃんと毎日、お水を替えるの忘れちゃだめだよ?」
まどか「大丈夫。わたし、お餅にかける情熱だけなら誰にも負けないから」
知久「そうかい……」
ヴーン… ガガ…
鹿目家のキッチン。
早くも随分と使い込まれた餅つき機が、またお餅を捏ねている。
知久「よく飽きないねぇ……」
まどか「え? こんなに美味しいのに、飽きるわけないよ。今回は、富山県産の新大正もち!
新しいもち米で、また新しい感動に出会えるかも……。期待が高まるよ!」
知久「そうだね……」
まどか「……あ、もしかして、保存のこと未だ怒ってる?」
ちょっと前に、つきたての匂いが我慢できず、
あまりにたくさんつきすぎて冷凍庫をいっぱいにして怒られたことを思い出す。
知久「いや……。水餅を覚えたみたいだし、それについては何も言わないよ」
まどか「うん。すごいよね、綺麗な水にひたしておくだけで、お餅が全然かびないなんて。
ちょっとお水の匂いがついて、柔らかくはなるけど……」
知久「ちゃんと毎日、お水を替えるの忘れちゃだめだよ?」
まどか「大丈夫。わたし、お餅にかける情熱だけなら誰にも負けないから」
知久「そうかい……」
※まどっちのお気に召さなかったパック餅は、さやかちゃんが責任を持って平らげました
知久「………」
先ほどから、どことなく言いづらくて、でも言いたくて堪らなくて。
そんなもにょもにょした表情の知久。
知久「……まどか」
しかし娘のためを想い、固い決意を込めて話し始める。
まどか「………? どうしたの、パパ……?」
重苦しい空気に、何か怒られる以上にもっと深刻な、そんな内容を伝えられるのかと怯えるまどか。
知久「その……。自分ではなかなか、気づかないと思うんだ……」
まどか「………」
知久「ただね。周りから見ると、どう見ても間違いないというか……」
まどか (な、何だろう……? わたし、知らないうちにすごい悪いコトしてたかな……)
知久「僕はまどかの、一番近くで、一番長く過ごしてきた自信があるんだ。だからこそ言うんだけど……」グッ
まどかの肩を抱く。
まどか「うん……」ゴクリ
知久「………お風呂場で。体重計、乗ってきた方がいいよ………」
まどか「…………はい!?」
先ほどから、どことなく言いづらくて、でも言いたくて堪らなくて。
そんなもにょもにょした表情の知久。
知久「……まどか」
しかし娘のためを想い、固い決意を込めて話し始める。
まどか「………? どうしたの、パパ……?」
重苦しい空気に、何か怒られる以上にもっと深刻な、そんな内容を伝えられるのかと怯えるまどか。
知久「その……。自分ではなかなか、気づかないと思うんだ……」
まどか「………」
知久「ただね。周りから見ると、どう見ても間違いないというか……」
まどか (な、何だろう……? わたし、知らないうちにすごい悪いコトしてたかな……)
知久「僕はまどかの、一番近くで、一番長く過ごしてきた自信があるんだ。だからこそ言うんだけど……」グッ
まどかの肩を抱く。
まどか「うん……」ゴクリ
知久「………お風呂場で。体重計、乗ってきた方がいいよ………」
まどか「…………はい!?」
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