私的良スレ書庫
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元スレ姫「どこだ、ここは?」
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母「―――今日はありがとうございました」
姫「気にするな。また来る」
母「きっと娘も喜びます」
姫「うむ」
男「ではまた」
母「はい」
姫「―――ふふん、兄もいいところがあるな」
男「まあ、あの子のためでもありますから」
姫「そうか……優しいな」
男「そんなこと……」
姫「私の兄が優しくてよかった。誇りに思うぞ」
男「だから……」
黒服「―――姫様」
姫「あ……」
黒服「お怪我はありませんか?」
姫「気にするな。また来る」
母「きっと娘も喜びます」
姫「うむ」
男「ではまた」
母「はい」
姫「―――ふふん、兄もいいところがあるな」
男「まあ、あの子のためでもありますから」
姫「そうか……優しいな」
男「そんなこと……」
姫「私の兄が優しくてよかった。誇りに思うぞ」
男「だから……」
黒服「―――姫様」
姫「あ……」
黒服「お怪我はありませんか?」
男「え?」
黒服「君は?」
男「あの……」
姫「こやつは私に良くしてくれた。なにもされてはおらん」
黒服「しかし……」
姫「くどい」
黒服「……わかりました」
姫「―――というわけだ。ここまでだな」
男「え……」
姫「楽しかったぞ?」
男「ちょっと約束はどうするんですか!!!」
姫「考えておく」
男「そんな……!!」
黒服「では行きましょう」
姫「うむ」
黒服「君は?」
男「あの……」
姫「こやつは私に良くしてくれた。なにもされてはおらん」
黒服「しかし……」
姫「くどい」
黒服「……わかりました」
姫「―――というわけだ。ここまでだな」
男「え……」
姫「楽しかったぞ?」
男「ちょっと約束はどうするんですか!!!」
姫「考えておく」
男「そんな……!!」
黒服「では行きましょう」
姫「うむ」
車内
黒服「姫様、本当に何もされていませんか?」
姫「だから、されておらんと言っておるだろう」
黒服「なら、いいのですが」
姫「ふん……」
黒服「二日後の演説に間に合ってよかったです。あれはわが国と日本を繋ぐ演説になりますからね」
姫「そうか」
黒服「……あの男は何者だったのですか?」
姫「私に尽くしてくれた者だ。あとで謝礼を送っておけ」
黒服「わかりました」
姫「……」
姫「楽しかったぞ……兄よ……」
姫「さよなら……」
黒服「姫様、本当に何もされていませんか?」
姫「だから、されておらんと言っておるだろう」
黒服「なら、いいのですが」
姫「ふん……」
黒服「二日後の演説に間に合ってよかったです。あれはわが国と日本を繋ぐ演説になりますからね」
姫「そうか」
黒服「……あの男は何者だったのですか?」
姫「私に尽くしてくれた者だ。あとで謝礼を送っておけ」
黒服「わかりました」
姫「……」
姫「楽しかったぞ……兄よ……」
姫「さよなら……」
家
男「ただいま……」
おばあさん「おかえり」
男「……ごはん、つくるよ」
おばあさん「そうかい」
男「……」
おばあさん「……帰ったのかい?」
男「うん……」
おばあさん「そう……」
男「……」
おばあさん「少し寂しいね」
男「一日だけだったのにな」
おばあさん「そんなものだよ」
男「そっか」
男「ただいま……」
おばあさん「おかえり」
男「……ごはん、つくるよ」
おばあさん「そうかい」
男「……」
おばあさん「……帰ったのかい?」
男「うん……」
おばあさん「そう……」
男「……」
おばあさん「少し寂しいね」
男「一日だけだったのにな」
おばあさん「そんなものだよ」
男「そっか」
二日後
おばあさん「ほら、中継がはじまったよ」
男「あ、うん」
姫『親愛なる日本の皆様へ―――』
男「……」
おばあさん「やっぱり衣装が違うと見違えるねえ……」
男「うん……」
姫『わが国と日本の架け橋をなるべく、私はやってきました』
男「さてと、お茶でもいれるよ」
おばあさん「お願いね」
姫『これからは手を取り合い、ともに繁栄を―――』
おばあさん「ほら、中継がはじまったよ」
男「あ、うん」
姫『親愛なる日本の皆様へ―――』
男「……」
おばあさん「やっぱり衣装が違うと見違えるねえ……」
男「うん……」
姫『わが国と日本の架け橋をなるべく、私はやってきました』
男「さてと、お茶でもいれるよ」
おばあさん「お願いね」
姫『これからは手を取り合い、ともに繁栄を―――』
病室
幼女「あ、お姉ちゃんだ」
母「ほんとね」
姫『―――以上で私の演説を終了します』
パチパチパチ
ガラッ
姫「ふう……よかった。起きていたか。寝ていれば洒落にならなかったぞ」
幼女「え?」
母「あ、あなた!?」
黒服「姫様……」
姫「外に出ておれ」
黒服「これがバレたら……」
姫「分かっている。だが、約束を果たすのもまた姫君としての務めだ」
黒服「分かりました。ですが、20分だけですよ」
姫「うるさいな。分かっているといっているだろう」
幼女「あ、お姉ちゃんだ」
母「ほんとね」
姫『―――以上で私の演説を終了します』
パチパチパチ
ガラッ
姫「ふう……よかった。起きていたか。寝ていれば洒落にならなかったぞ」
幼女「え?」
母「あ、あなた!?」
黒服「姫様……」
姫「外に出ておれ」
黒服「これがバレたら……」
姫「分かっている。だが、約束を果たすのもまた姫君としての務めだ」
黒服「分かりました。ですが、20分だけですよ」
姫「うるさいな。分かっているといっているだろう」
幼女「おねえちゃん……」
姫「生放送の演説で桃太郎でもよかったのだが、どうしてもこの国の偉い奴らが許してくれなくてな」
幼女「……」
姫「とりあえず、演説は録画したものを放送することにした」
母「でも……これ、生って……」
姫「そんなもの嘘だ。勿論、公に知られてはただ事ではないが」
母「そんなことまでしてもらっては……!!」
姫「気にするな。人一人の約束も守れず、親和を語るなど私にはできない」
母「……」
幼女「おねえちゃん!」
姫「時間がない。読むぞ」
幼女「うん!」
姫「寝るなよ?」
幼女「寝ない!」
姫「よしっ。いい返事だ。今、読み聞かせてやろう」
姫「生放送の演説で桃太郎でもよかったのだが、どうしてもこの国の偉い奴らが許してくれなくてな」
幼女「……」
姫「とりあえず、演説は録画したものを放送することにした」
母「でも……これ、生って……」
姫「そんなもの嘘だ。勿論、公に知られてはただ事ではないが」
母「そんなことまでしてもらっては……!!」
姫「気にするな。人一人の約束も守れず、親和を語るなど私にはできない」
母「……」
幼女「おねえちゃん!」
姫「時間がない。読むぞ」
幼女「うん!」
姫「寝るなよ?」
幼女「寝ない!」
姫「よしっ。いい返事だ。今、読み聞かせてやろう」
姫「―――さるがそこで言いました。桃太郎さん、おこしにつけた……」
幼女「すぅ……すぅ……」
姫「こいつぅ……!!」
母「す、すいません!」
姫「仕方ない。続きはまたの機会だな」
母「え?」
姫「では、これで失礼する」
母「あの……本当になんと言ったらいいか……」
姫「私が勝手にしたことだ。気にすることはない」
母「あと……お薬も大事に使わせていただきます」
姫「ああ、存分に使え。賞味期限とかあるかもしれんから早めに飲めよ?」
母「ふふ……」
姫「では、さらばだ」
母「はい」
幼女「すぅ……おねえちゃん……つづきぃ……すぅ……」
幼女「すぅ……すぅ……」
姫「こいつぅ……!!」
母「す、すいません!」
姫「仕方ない。続きはまたの機会だな」
母「え?」
姫「では、これで失礼する」
母「あの……本当になんと言ったらいいか……」
姫「私が勝手にしたことだ。気にすることはない」
母「あと……お薬も大事に使わせていただきます」
姫「ああ、存分に使え。賞味期限とかあるかもしれんから早めに飲めよ?」
母「ふふ……」
姫「では、さらばだ」
母「はい」
幼女「すぅ……おねえちゃん……つづきぃ……すぅ……」
車内
黒服「姫様、もう無茶なことはおやめください」
姫「なあ。一つ、私が朗読するから感想を聞かせてくれ」
黒服「え?」
姫「いいか、いくぞ?」
黒服「あの……姫様……?」
姫「感想をいうだけでいいのだ。簡単だろう」
黒服「まぁ……はい」
姫「いいな?読むぞ?」
黒服「は、はい」
姫「ごほん」
姫「―――昔々あるところに」
黒服「姫様、もう無茶なことはおやめください」
姫「なあ。一つ、私が朗読するから感想を聞かせてくれ」
黒服「え?」
姫「いいか、いくぞ?」
黒服「あの……姫様……?」
姫「感想をいうだけでいいのだ。簡単だろう」
黒服「まぁ……はい」
姫「いいな?読むぞ?」
黒服「は、はい」
姫「ごほん」
姫「―――昔々あるところに」
姫「―――めでたしめでたし」
黒服「……」
姫「どうだ?」
黒服「演説のときにはない声質ですね」
姫「具体的には?」
黒服「えっと、透明感があって、耳を撫でる風のような心地のよい読み方です」
姫「そうか」
黒服「あの……それがなにか?」
姫「私の朗読を何かに録音しろ」
黒服「は、はい?」
姫「ある男に言われたのだ、君の声はずっと聞いていたくなる声だとな」
黒服「そ、それで?」
姫「ならば、私の声を聞かせてやろうと考えた」
黒服「え?」
姫「CDにするんだ。私の朗読をな。―――そうしたら、あの娘との約束も同時に叶うかもしれん」
黒服「……」
姫「どうだ?」
黒服「演説のときにはない声質ですね」
姫「具体的には?」
黒服「えっと、透明感があって、耳を撫でる風のような心地のよい読み方です」
姫「そうか」
黒服「あの……それがなにか?」
姫「私の朗読を何かに録音しろ」
黒服「は、はい?」
姫「ある男に言われたのだ、君の声はずっと聞いていたくなる声だとな」
黒服「そ、それで?」
姫「ならば、私の声を聞かせてやろうと考えた」
黒服「え?」
姫「CDにするんだ。私の朗読をな。―――そうしたら、あの娘との約束も同時に叶うかもしれん」
半年後
ピンポーン
母「はーい」
男「どうも」
母「あ、どうしたんですか?」
男「これ、あの子に渡そうと思って」
母「それは……」
男「もしかして……もう買いました?」
母「ええ。娘に懇願されて」
男「ですよね……」
幼女「おにいちゃんだ。こんにちは!」
男「こんにちは。あのCDもう聞いた?」
幼女「うん!おねえちゃんの声、いつでもきけるよ!!」
男「そうだな」
母「素敵ですよね。私もファンになりました」
ピンポーン
母「はーい」
男「どうも」
母「あ、どうしたんですか?」
男「これ、あの子に渡そうと思って」
母「それは……」
男「もしかして……もう買いました?」
母「ええ。娘に懇願されて」
男「ですよね……」
幼女「おにいちゃんだ。こんにちは!」
男「こんにちは。あのCDもう聞いた?」
幼女「うん!おねえちゃんの声、いつでもきけるよ!!」
男「そうだな」
母「素敵ですよね。私もファンになりました」
住宅街
男「……俺ももう一度、聞こうかな」
男「また新作出るって言うし……次は赤鬼と青鬼だっけ……?」
男「……」
姫「よ」
男「うわぁ!!!」
姫「兄よ、なにを驚いておる」
男「な、なな……!!」
姫「うむ。実は別荘を設けにきたのだ」
男「え?」
姫「ここに来たときに、別荘をここに建てようと思っていたからな。うむ。兄と近所になれて私もうれしいぞ」
男「あ、そ、そうなんだ……」
姫「年間50日ぐらいは来日するつもりでいる。その都度、妹の面倒を見るのだぞ?」
男「……わかった」
姫「それはそうと、私のCDは聞いてくれたか?聞いてないならその口にCDをねじ込んでやるぞ?」
男「……俺ももう一度、聞こうかな」
男「また新作出るって言うし……次は赤鬼と青鬼だっけ……?」
男「……」
姫「よ」
男「うわぁ!!!」
姫「兄よ、なにを驚いておる」
男「な、なな……!!」
姫「うむ。実は別荘を設けにきたのだ」
男「え?」
姫「ここに来たときに、別荘をここに建てようと思っていたからな。うむ。兄と近所になれて私もうれしいぞ」
男「あ、そ、そうなんだ……」
姫「年間50日ぐらいは来日するつもりでいる。その都度、妹の面倒を見るのだぞ?」
男「……わかった」
姫「それはそうと、私のCDは聞いてくれたか?聞いてないならその口にCDをねじ込んでやるぞ?」
男「勿論、聞きました。何回もリピートして」
姫「そうか」
男「あの子も何度も聞いているみたいです」
姫「おぉ。では約束は果たしたか。よかったよかった!」
男「でも、やっぱり直接聞きたいと思いますよ。今度、機会があれば読んであげてください」
姫「そうだな。別荘で朗読大会でも開こうか」
男「それいいですね」
姫「うむ。そのときは兄も一緒だぞ?」
男「勿論行きます」
姫「そうだ。再会したときにこれを言おうと思っていたのだ」
男「え?」
姫「―――ただいま、兄上」
男「うん、おかえりなさい」
おしまい。
姫「そうか」
男「あの子も何度も聞いているみたいです」
姫「おぉ。では約束は果たしたか。よかったよかった!」
男「でも、やっぱり直接聞きたいと思いますよ。今度、機会があれば読んであげてください」
姫「そうだな。別荘で朗読大会でも開こうか」
男「それいいですね」
姫「うむ。そのときは兄も一緒だぞ?」
男「勿論行きます」
姫「そうだ。再会したときにこれを言おうと思っていたのだ」
男「え?」
姫「―――ただいま、兄上」
男「うん、おかえりなさい」
おしまい。
>>143
煮て焼いて食え
煮て焼いて食え
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