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元スレ姫「どこだ、ここは?」
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深夜
姫「……」ムクッ
姫「……」フラフラ
姫「トイレはどこだ……?」
姫「……」フラフラ
男「あ、どうしたんですか?」
姫「トイレはどこだ、兄よ」
男「えっと。突き当りを左にいったところです」
姫「わからん。案内しろ」
男「なんで……」
姫「いいから」
男「わ、わかりました」
姫「……」ギュッ
男「え……?あの、服を引っ張らないでください。伸びますから」
姫「いいから、案内しろ。この廊下は寒いし暗い。道に迷ってしまいそうだ」
姫「……」ムクッ
姫「……」フラフラ
姫「トイレはどこだ……?」
姫「……」フラフラ
男「あ、どうしたんですか?」
姫「トイレはどこだ、兄よ」
男「えっと。突き当りを左にいったところです」
姫「わからん。案内しろ」
男「なんで……」
姫「いいから」
男「わ、わかりました」
姫「……」ギュッ
男「え……?あの、服を引っ張らないでください。伸びますから」
姫「いいから、案内しろ。この廊下は寒いし暗い。道に迷ってしまいそうだ」
トイレ
姫「ここか」
男「それじゃあ」
姫「うむ。ご苦労」
男「……」
ガチャ……バタン
姫「ふぅ……」
姫「……」
姫「この便座……温かいな」
姫「どういうからくりだ……?」
姫「中々どうして落ち着くではないか……」
姫「ほぅ……」
姫「なんだ?ビデ……?」
姫「なんとも卑猥なボタンだ」
姫「……」ポチッ
姫「ここか」
男「それじゃあ」
姫「うむ。ご苦労」
男「……」
ガチャ……バタン
姫「ふぅ……」
姫「……」
姫「この便座……温かいな」
姫「どういうからくりだ……?」
姫「中々どうして落ち着くではないか……」
姫「ほぅ……」
姫「なんだ?ビデ……?」
姫「なんとも卑猥なボタンだ」
姫「……」ポチッ
部屋
男「あの人、普通じゃないよな……」
男「なんか上品だし……口は悪いけど……」
男「浮世離れしているところもあるし」
男「……ま、可愛いからいいけど」
ひゃぁぁぁぁぁ!!!!!
男「!?」ビクッ
男「なんだ……?」
ドタドタ!!
姫「あにぃ!!どこだぁ!!でてこい!!」
男「え……?」ガチャ
姫「あに!!」
男「どうした―――うわぁ!!!下、下、はいてください!!」
姫「なんだあの装置は!?いきなり辱めにあったではないかぁ!!」
男「と、とにかく下を!!!」
男「あの人、普通じゃないよな……」
男「なんか上品だし……口は悪いけど……」
男「浮世離れしているところもあるし」
男「……ま、可愛いからいいけど」
ひゃぁぁぁぁぁ!!!!!
男「!?」ビクッ
男「なんだ……?」
ドタドタ!!
姫「あにぃ!!どこだぁ!!でてこい!!」
男「え……?」ガチャ
姫「あに!!」
男「どうした―――うわぁ!!!下、下、はいてください!!」
姫「なんだあの装置は!?いきなり辱めにあったではないかぁ!!」
男「と、とにかく下を!!!」
姫「日本の文化は気が狂っているぞ」
男「しりません」
姫「全く……もうお嫁にいけんぞ」
男「なんで……」
姫「まさか局部に放水されるとは……」
男「……」
姫「兄よ。よければ、大事になる前に私を娶るつもりはないか?」
男「ないです」
姫「そうか」
男「はやく部屋に戻ってください」
姫「兄は私のことが嫌いなのか?今日一日、まともに話してくれんではないか」
男「いや……そういうことじゃなく……ただ慣れてないだけです」
姫「なれていない?」
男「その……女性と話すのが」
姫「なんだ。そうか。だが、私は妹だ。気兼ねなく話しても良いのだぞ?」
男「しりません」
姫「全く……もうお嫁にいけんぞ」
男「なんで……」
姫「まさか局部に放水されるとは……」
男「……」
姫「兄よ。よければ、大事になる前に私を娶るつもりはないか?」
男「ないです」
姫「そうか」
男「はやく部屋に戻ってください」
姫「兄は私のことが嫌いなのか?今日一日、まともに話してくれんではないか」
男「いや……そういうことじゃなく……ただ慣れてないだけです」
姫「なれていない?」
男「その……女性と話すのが」
姫「なんだ。そうか。だが、私は妹だ。気兼ねなく話しても良いのだぞ?」
男「はいはい」
姫「では、失礼する」
男「あ、そうだ」
姫「なんだ?」
男「ばあちゃんの付き添い、ありがとう」
姫「なんだ、そのことか」
男「ばあちゃん、楽しかったって」
姫「喜んでくれてなによりだ」
男「おやすみなさい」
姫「うむ。よい夢を」
男「……」
男「ちゃんと説明しとかないと、いつまでも兄だと思われるな……」
男「……」
男「悪い気はしないけど、やっぱり言わないとな……」
姫「では、失礼する」
男「あ、そうだ」
姫「なんだ?」
男「ばあちゃんの付き添い、ありがとう」
姫「なんだ、そのことか」
男「ばあちゃん、楽しかったって」
姫「喜んでくれてなによりだ」
男「おやすみなさい」
姫「うむ。よい夢を」
男「……」
男「ちゃんと説明しとかないと、いつまでも兄だと思われるな……」
男「……」
男「悪い気はしないけど、やっぱり言わないとな……」
自室
姫「ふわぁ……もう寝ようか」
猫「にゃあ」
姫「お前も来たか……」
猫「ふにゃ……」
姫「よいぞ。ともに寝るか」
猫「にゃぁ」
姫「よし……」
姫「ほら、こっちにこい」
猫「にゃあ……」ヒョコヒョコ
姫「おやすみ……」
猫「にゃあ……」
姫「ふわぁ……もう寝ようか」
猫「にゃあ」
姫「お前も来たか……」
猫「ふにゃ……」
姫「よいぞ。ともに寝るか」
猫「にゃぁ」
姫「よし……」
姫「ほら、こっちにこい」
猫「にゃあ……」ヒョコヒョコ
姫「おやすみ……」
猫「にゃあ……」
翌日
テレビ『では今朝のニュースです』
姫「ほう、今日も病院にいくのか?」
おばあさん「ええ」
姫「付き合おう」
おばあさん「いいのよ。家に居てくれて」
姫「気にするな」
おばさん「そう?」
姫「兄も行くだろ?」
男「え?」
姫「いくだろ?」
男「あ、うん」
おばあさん「うれしいわ」
姫「大母上のためだ」
男「……」
テレビ『では今朝のニュースです』
姫「ほう、今日も病院にいくのか?」
おばあさん「ええ」
姫「付き合おう」
おばあさん「いいのよ。家に居てくれて」
姫「気にするな」
おばさん「そう?」
姫「兄も行くだろ?」
男「え?」
姫「いくだろ?」
男「あ、うん」
おばあさん「うれしいわ」
姫「大母上のためだ」
男「……」
おばあさん「それじゃあ、用意してくるわね」
姫「よかろう」
男「……あの」
姫「なんだ、兄よ?」
男「えっと……言っておきたいことがあるんです」
姫「なんだ?申してみよ」
男「俺たちはその……兄妹じゃない」
姫「え?」
男「似ても似つかないし。きっと貴女が勘違いしているだけだと思う」
姫「父上は何人も浮気相手がいたから、その浮気相手との間に生まれたわけでもないのか?」
男「違うとおもう。うちの両親は随分前に死んだから」
姫「ふむ……」
男「なに?」
姫「兄よ。妹が有能だからと否定することはないだろう?」
男(駄目だ……決定的な証拠でもないと信じてくれそうにないな)
姫「よかろう」
男「……あの」
姫「なんだ、兄よ?」
男「えっと……言っておきたいことがあるんです」
姫「なんだ?申してみよ」
男「俺たちはその……兄妹じゃない」
姫「え?」
男「似ても似つかないし。きっと貴女が勘違いしているだけだと思う」
姫「父上は何人も浮気相手がいたから、その浮気相手との間に生まれたわけでもないのか?」
男「違うとおもう。うちの両親は随分前に死んだから」
姫「ふむ……」
男「なに?」
姫「兄よ。妹が有能だからと否定することはないだろう?」
男(駄目だ……決定的な証拠でもないと信じてくれそうにないな)
病院
おばあさん「それじゃあ、行ってくるわね」
男「うん」
姫「ゆっくりでいいぞ」
男「さてと……」
姫「あ」
幼女「おねえちゃんだ」
姫「お前も来ていたか」
幼女「うん」
男「知り合いですか?」
姫「膝枕をしてやった仲だ」
男「膝枕?」
幼女「おねえちゃん、ごほんよんで」
姫「まかせる」
男「い、いやですよ」
おばあさん「それじゃあ、行ってくるわね」
男「うん」
姫「ゆっくりでいいぞ」
男「さてと……」
姫「あ」
幼女「おねえちゃんだ」
姫「お前も来ていたか」
幼女「うん」
男「知り合いですか?」
姫「膝枕をしてやった仲だ」
男「膝枕?」
幼女「おねえちゃん、ごほんよんで」
姫「まかせる」
男「い、いやですよ」
姫「しかたない兄だ」
男「貴女が頼まれたんでしょう?」
姫「そうだが」
幼女「ごほん……」
姫「はいはい……えーと……これは……?」
幼女「しらない」
姫「むぅ……」
男(意外と面倒見がいいのかな……?)
姫「えーと。昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが……ってこれ桃太郎ではないか」
幼女「うん」
姫「何故、同じ奴をもってくる。他のにしたらどうだ?」
幼女「だって。おねえちゃんよんでくれなかったもん」
姫「解説をしようとしたらお前が寝てしまったのだろうが」
幼女「よんでー」
姫「よかろう。今度こそ私の講義を最後まで聞くのだぞ」
男「貴女が頼まれたんでしょう?」
姫「そうだが」
幼女「ごほん……」
姫「はいはい……えーと……これは……?」
幼女「しらない」
姫「むぅ……」
男(意外と面倒見がいいのかな……?)
姫「えーと。昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが……ってこれ桃太郎ではないか」
幼女「うん」
姫「何故、同じ奴をもってくる。他のにしたらどうだ?」
幼女「だって。おねえちゃんよんでくれなかったもん」
姫「解説をしようとしたらお前が寝てしまったのだろうが」
幼女「よんでー」
姫「よかろう。今度こそ私の講義を最後まで聞くのだぞ」
姫「よいか。桃太郎というのはだなぁ―――」
男「ちょっと」
姫「兄も聞いていくか?」
男「いや。その本にある文章を読んであげればいいじゃないですか」
姫「だから、私が詳しい背景を交えてだな」
男「そんなの誰も聞きたくないですって」
姫「なんだと……?」
幼女「……」コクコク
姫「じゃ、読まん」
幼女「え……」
姫「私のやりかたに文句があるのなら読まん」
男「我侭だ……」
幼女「……」ジーッ
姫「……」
姫「……おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯にいきました」
男「ちょっと」
姫「兄も聞いていくか?」
男「いや。その本にある文章を読んであげればいいじゃないですか」
姫「だから、私が詳しい背景を交えてだな」
男「そんなの誰も聞きたくないですって」
姫「なんだと……?」
幼女「……」コクコク
姫「じゃ、読まん」
幼女「え……」
姫「私のやりかたに文句があるのなら読まん」
男「我侭だ……」
幼女「……」ジーッ
姫「……」
姫「……おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯にいきました」
姫「犬がいいました。桃太郎さんお腰につけた―――」
幼女「すぅ……すぅ……」
男「寝ちゃいましたね」
姫「こやつ……」
男「貴女の声が素敵だからですよ」
姫「なんだと?」
男「優しいというか、落ち着くというか、とにかくずっと聞いていたくなる声ですね」
姫「そうなのか?そんなこと言われたことなかったな」
男「そうなんですか?」
姫「ああ。演説をすることもあったが、声を評価されたりはなかった」
男「演説?」
姫「うむ」
男「それって―――」
母「あ、また」
姫「おお。こやつの母上か。また、世話してやったぞ。感謝せよ」
幼女「すぅ……すぅ……」
男「寝ちゃいましたね」
姫「こやつ……」
男「貴女の声が素敵だからですよ」
姫「なんだと?」
男「優しいというか、落ち着くというか、とにかくずっと聞いていたくなる声ですね」
姫「そうなのか?そんなこと言われたことなかったな」
男「そうなんですか?」
姫「ああ。演説をすることもあったが、声を評価されたりはなかった」
男「演説?」
姫「うむ」
男「それって―――」
母「あ、また」
姫「おお。こやつの母上か。また、世話してやったぞ。感謝せよ」
母「どうもすいません」
男「でも、今は気持ちよさそうに寝てますから……そっとしておきましょうか」
姫「なに?兄よ。この娘は今、私の足を枕にしておるのだぞ?」
男「いいじゃないですか」
姫「しかしだなぁ……」
母「あの、よければ少しの間だけ寝かせてあげてください」
姫「何故だ?足が痺れて大変なのだが……」
母「えっと……それはこの子が疲れているから」
男「疲れている?」
母「ええ……」
幼女「すぅ……すぅ……」
姫「どういうことだ?」
母「この子、体が生まれつき弱くて、こうして病院にも頻繁に来ているんです」
男「そうだったんですか」
姫「待て。母上のほうが病を患っているのではないのか?」
男「でも、今は気持ちよさそうに寝てますから……そっとしておきましょうか」
姫「なに?兄よ。この娘は今、私の足を枕にしておるのだぞ?」
男「いいじゃないですか」
姫「しかしだなぁ……」
母「あの、よければ少しの間だけ寝かせてあげてください」
姫「何故だ?足が痺れて大変なのだが……」
母「えっと……それはこの子が疲れているから」
男「疲れている?」
母「ええ……」
幼女「すぅ……すぅ……」
姫「どういうことだ?」
母「この子、体が生まれつき弱くて、こうして病院にも頻繁に来ているんです」
男「そうだったんですか」
姫「待て。母上のほうが病を患っているのではないのか?」
母「ええ。私も体が弱いので、よく病気にはなります。でも、この子に私の駄目な部分が似ちゃったみたいで」
姫「そうなのか」
母「少し歩いただけで息切れしたりするし……」
姫「治るのか?」
母「先天的なものですから、難しいかと」
姫「ふむ」
男「すいません。そんな話を……」
母「いいえ。気にしないでください」
幼女「ん……あれ?お母さん……?」
母「あ、起きた?」
幼女「うん……」
姫「はよ頭をどけろ。痺れてかなわん」
幼女「あ、ごほんは?」
姫「続きはまた今度だ」
幼女「うん。やくそくだよ、おねえちゃん?」
姫「そうなのか」
母「少し歩いただけで息切れしたりするし……」
姫「治るのか?」
母「先天的なものですから、難しいかと」
姫「ふむ」
男「すいません。そんな話を……」
母「いいえ。気にしないでください」
幼女「ん……あれ?お母さん……?」
母「あ、起きた?」
幼女「うん……」
姫「はよ頭をどけろ。痺れてかなわん」
幼女「あ、ごほんは?」
姫「続きはまた今度だ」
幼女「うん。やくそくだよ、おねえちゃん?」
おばあさん「おまたせ」
男「大丈夫だった?」
おばあさん「ええ」
姫「よし。帰るか」
おばあさん「ごめんなさいね」
姫「構わん」
男「……」
姫「なんだ、兄よ」
男「いえ……」
姫「ふむ。では買い物でもして帰ろうか」
おばあさん「そうね」
男(やっぱりこの人、普通じゃないな……)
テレビ『―――続いてのニュースです』
男「あ、ちょっと待ってください!!」タタタタッ
テレビ『先日から行方不明になっている姫君に関しての情報は―――』
男「大丈夫だった?」
おばあさん「ええ」
姫「よし。帰るか」
おばあさん「ごめんなさいね」
姫「構わん」
男「……」
姫「なんだ、兄よ」
男「いえ……」
姫「ふむ。では買い物でもして帰ろうか」
おばあさん「そうね」
男(やっぱりこの人、普通じゃないな……)
テレビ『―――続いてのニュースです』
男「あ、ちょっと待ってください!!」タタタタッ
テレビ『先日から行方不明になっている姫君に関しての情報は―――』
家
姫「……」モグモグ
男「チョコレート、美味しいですか?」
姫「うむ」
男「あ、そういえば」
姫「なんだ?」
男「着替え……」
姫「心配いらぬ。下着は大母上のを―――」
男「だめでしょそれぇ!?」
姫「何故だ?」
男「なんかこうビジュアル的に……」
姫「この国の下着は素材が素晴らしいな!」
男「想像しないようにしないと……」
姫「ふふん」モグモグ
男「……」
姫「……」モグモグ
男「チョコレート、美味しいですか?」
姫「うむ」
男「あ、そういえば」
姫「なんだ?」
男「着替え……」
姫「心配いらぬ。下着は大母上のを―――」
男「だめでしょそれぇ!?」
姫「何故だ?」
男「なんかこうビジュアル的に……」
姫「この国の下着は素材が素晴らしいな!」
男「想像しないようにしないと……」
姫「ふふん」モグモグ
男「……」
姫「……兄よ」
男「んー?」
姫「暇だな」
男「そうですね」
姫「兄よ。でかけるぞ」
男「え?」
姫「支度せよ」
男「ちょっと、どこに行くんですか?」
姫「いいからこい」
男「もう……ご飯の買出しは済んでるんですよ?」
姫「暇なのであろう?では、兄として妹の我侭に付き合うのが筋だ」
男「なんて横暴……」
姫「行くぞ」
男「わかりました」
姫「……ふむ」
男「んー?」
姫「暇だな」
男「そうですね」
姫「兄よ。でかけるぞ」
男「え?」
姫「支度せよ」
男「ちょっと、どこに行くんですか?」
姫「いいからこい」
男「もう……ご飯の買出しは済んでるんですよ?」
姫「暇なのであろう?では、兄として妹の我侭に付き合うのが筋だ」
男「なんて横暴……」
姫「行くぞ」
男「わかりました」
姫「……ふむ」
繁華街
姫「よし」
男「どこに行くんですか?」
姫「こっちだ」
男「はい?」
姫「……」トテトテ
男「……?」
姫「兄よ、あったぞ!!カエルだ!!」
男「薬局……?」
姫「失礼するぞ」
「いらっしゃいませ」
男「ここに何の用が?もしかして……あの、生理用品とか?」
姫「兄よ。デリカシーの欠片もないな」
男「だって……」
姫「もうよい。兄は黙っておれ」
姫「よし」
男「どこに行くんですか?」
姫「こっちだ」
男「はい?」
姫「……」トテトテ
男「……?」
姫「兄よ、あったぞ!!カエルだ!!」
男「薬局……?」
姫「失礼するぞ」
「いらっしゃいませ」
男「ここに何の用が?もしかして……あの、生理用品とか?」
姫「兄よ。デリカシーの欠片もないな」
男「だって……」
姫「もうよい。兄は黙っておれ」
姫「おい」
「なんでしょうか?」
姫「万病に効く薬はあるか?」
「は?」
男「ちょっと!何を言ってるんですか!!」
姫「ええい、うるさい奴だ」
男「いや、万病に効くとか意味分かりませんから」
姫「ここは薬屋なのだろう?それぐらいおいているはずだが?」
「ええと、風邪薬ですか?」
姫「違う。なんにでも効く薬が欲しい」
「はぁ……?」
姫「ないのか?」
男「あるわけないでしょ?」
「総合剤ってことでいいんですかね?それならありますよ」
姫「ほら、あるではないか。兄よ、会計を頼むぞ」
「なんでしょうか?」
姫「万病に効く薬はあるか?」
「は?」
男「ちょっと!何を言ってるんですか!!」
姫「ええい、うるさい奴だ」
男「いや、万病に効くとか意味分かりませんから」
姫「ここは薬屋なのだろう?それぐらいおいているはずだが?」
「ええと、風邪薬ですか?」
姫「違う。なんにでも効く薬が欲しい」
「はぁ……?」
姫「ないのか?」
男「あるわけないでしょ?」
「総合剤ってことでいいんですかね?それならありますよ」
姫「ほら、あるではないか。兄よ、会計を頼むぞ」
男「でも、どうして?」
姫「うむ。あの娘と母上にせめてもの贈り物だ。何度も病院通いなど辛いであろうからな」
男「あ……なるほど」
姫「だから、頼むぞ。私は生憎とお金がないからな」
男「家に帰ればいいのに」
姫「私の家はこの国にはない」
男「警察、いきます?」
姫「私はなにも悪いことはしていない」
男「でも……」
姫「それに私は兄ともう少し一緒に居たいからな」
男「……」
姫「どうした?」
男「い、いえ……なんでも……」
姫「そうか?」
男(一瞬、どきってした……)
姫「うむ。あの娘と母上にせめてもの贈り物だ。何度も病院通いなど辛いであろうからな」
男「あ……なるほど」
姫「だから、頼むぞ。私は生憎とお金がないからな」
男「家に帰ればいいのに」
姫「私の家はこの国にはない」
男「警察、いきます?」
姫「私はなにも悪いことはしていない」
男「でも……」
姫「それに私は兄ともう少し一緒に居たいからな」
男「……」
姫「どうした?」
男「い、いえ……なんでも……」
姫「そうか?」
男(一瞬、どきってした……)
家
男「―――それじゃあ料理の支度をします」
姫「よしきた」
男「貴女は座っててください」
姫「なんでだ!」
男「危なっかしいからです」
姫「兄よ!!拒絶するのもいい加減にしろ!!」
おばあさん「ふふ……」
テレビ『では、続いてのニュースです』
おばあさん「あら……?」
テレビ『昨日から行方が分からなくなっている姫君は、今日県立病院でそれらしい人物を見たと目撃情報がありました』
おばあさん「ねえ、ちょっと」
姫「どうした?」
男「え?」
テレビ『三日後には日本国民へ向けての親和演説を控えており―――』
男「―――それじゃあ料理の支度をします」
姫「よしきた」
男「貴女は座っててください」
姫「なんでだ!」
男「危なっかしいからです」
姫「兄よ!!拒絶するのもいい加減にしろ!!」
おばあさん「ふふ……」
テレビ『では、続いてのニュースです』
おばあさん「あら……?」
テレビ『昨日から行方が分からなくなっている姫君は、今日県立病院でそれらしい人物を見たと目撃情報がありました』
おばあさん「ねえ、ちょっと」
姫「どうした?」
男「え?」
テレビ『三日後には日本国民へ向けての親和演説を控えており―――』
おばあさん「これ……貴女じゃない?」
姫「そうだな」
男「……」
姫「なんだ?」
男「お姫様……?!」
姫「うむ。だが、兄よ。気後れすることはない。身分は違えど血を分かつ者ではないか」
男「いやいや」
おばあさん「お姫さまだったのね……」
姫「知らなかったのか?大母上のくせに」
おばあさん「ごめんなさい」
姫「まあよい。私は気にしない」
男「あの……今から連絡して貴女のことを迎えにきてもらうようにします!!」
姫「こらこら。兄よ。いったであろう?私は兄ともう少し一緒にいたいとな」
男「だけど……!!」
姫「焦らなくても向こうも血眼で捜している。居場所が分かるのも時間の問題だ」
姫「そうだな」
男「……」
姫「なんだ?」
男「お姫様……?!」
姫「うむ。だが、兄よ。気後れすることはない。身分は違えど血を分かつ者ではないか」
男「いやいや」
おばあさん「お姫さまだったのね……」
姫「知らなかったのか?大母上のくせに」
おばあさん「ごめんなさい」
姫「まあよい。私は気にしない」
男「あの……今から連絡して貴女のことを迎えにきてもらうようにします!!」
姫「こらこら。兄よ。いったであろう?私は兄ともう少し一緒にいたいとな」
男「だけど……!!」
姫「焦らなくても向こうも血眼で捜している。居場所が分かるのも時間の問題だ」
おばあさん「いいの?」
姫「この薬も娘に渡したいし、約束もある」
男「でも、いろんな人に迷惑がかかってるんじゃないんですか!?」
姫「それは……」
男「やっぱり連絡を……」
姫「兄よ」
男「……」
姫「妹としての最後の我侭をきいてくれないか?」
男「……」
姫「頼む」
男「……わかりました」
姫「ありがとう、兄よ」
男「だけど、薬を渡したらすぐに連絡しますからね」
姫「うむ。了承した」
姫「この薬も娘に渡したいし、約束もある」
男「でも、いろんな人に迷惑がかかってるんじゃないんですか!?」
姫「それは……」
男「やっぱり連絡を……」
姫「兄よ」
男「……」
姫「妹としての最後の我侭をきいてくれないか?」
男「……」
姫「頼む」
男「……わかりました」
姫「ありがとう、兄よ」
男「だけど、薬を渡したらすぐに連絡しますからね」
姫「うむ。了承した」
夜 廊下
姫「……」トテトテ
男「なにを?」
姫「おお、兄か」
男「……」
姫「明日、私はもうここに帰ってこれない」
男「……そうですね」
姫「そう思うと少しばかり感慨深い」
男「あの……」
姫「すまなかったな、兄よ」
男「え?」
姫「よくぞ一日だけとはいえ兄として振舞ってくれたな」
男「それは……」
姫「もう会うことはないと思うが、元気でな」
男「うん……」
姫「……」トテトテ
男「なにを?」
姫「おお、兄か」
男「……」
姫「明日、私はもうここに帰ってこれない」
男「……そうですね」
姫「そう思うと少しばかり感慨深い」
男「あの……」
姫「すまなかったな、兄よ」
男「え?」
姫「よくぞ一日だけとはいえ兄として振舞ってくれたな」
男「それは……」
姫「もう会うことはないと思うが、元気でな」
男「うん……」
姫「さてと、もう寝ようか」
男「あの」
姫「ん?」
男「俺も妹ができたみたいで嬉しかった。我侭すぎるのが玉に瑕だったけど」
姫「言ってくれるな」
男「本当のことですよね?」
姫「そうか?意識したことがないからなぁ」
男「本当に……」
姫「病院……一緒にいってくれるか?」
男「はい」
姫「そうか。では明日、病院を出るまでは兄妹だな」
男「そうなりますね」
姫「よろしく頼むぞ、兄よ」
男「わかりました」
男「あの」
姫「ん?」
男「俺も妹ができたみたいで嬉しかった。我侭すぎるのが玉に瑕だったけど」
姫「言ってくれるな」
男「本当のことですよね?」
姫「そうか?意識したことがないからなぁ」
男「本当に……」
姫「病院……一緒にいってくれるか?」
男「はい」
姫「そうか。では明日、病院を出るまでは兄妹だな」
男「そうなりますね」
姫「よろしく頼むぞ、兄よ」
男「わかりました」
翌日
姫「では行ってくる」
おばあさん「気をつけてね」
姫「心配はいらない。兄がいるからな」
男「まあ、はい」
おばあさん「全然似てないけど、本当に兄妹みたいね」
姫「当然だ。兄妹だからな」
男「ばあちゃん、お昼には帰ってくるよ」
おばあさん「わかったわ」
男「じゃ、いきましょうか」
姫「うむ!急ぐぞ!!」
男「あ、ちょっと腕を引っ張らないでください!」
姫「いそぐぞー!」
姫「では行ってくる」
おばあさん「気をつけてね」
姫「心配はいらない。兄がいるからな」
男「まあ、はい」
おばあさん「全然似てないけど、本当に兄妹みたいね」
姫「当然だ。兄妹だからな」
男「ばあちゃん、お昼には帰ってくるよ」
おばあさん「わかったわ」
男「じゃ、いきましょうか」
姫「うむ!急ぐぞ!!」
男「あ、ちょっと腕を引っ張らないでください!」
姫「いそぐぞー!」
病院
姫「さてと……」キョロキョロ
男「いないみたいですね」
姫「そうだな……」
男「今日は来てないんじゃ?」
姫「そういう可能性もあったか……」
男「そりゃあ……」
姫「ふむ……」トテトテ
姫「おい」
看護師「なんですか?」
姫「いつもあそこで絵本を抱えていた少女がいただろう?今日は来てないのか?」
看護師「ああ、あの子なら……」
姫「なんだ?」
看護師「昨日、緊急入院になったんです」
姫「入院?」
姫「さてと……」キョロキョロ
男「いないみたいですね」
姫「そうだな……」
男「今日は来てないんじゃ?」
姫「そういう可能性もあったか……」
男「そりゃあ……」
姫「ふむ……」トテトテ
姫「おい」
看護師「なんですか?」
姫「いつもあそこで絵本を抱えていた少女がいただろう?今日は来てないのか?」
看護師「ああ、あの子なら……」
姫「なんだ?」
看護師「昨日、緊急入院になったんです」
姫「入院?」
病室
姫「―――邪魔するぞ」
母「あ……」
男「すいません」
母「いえ……」
姫「何事だ?」
母「昨日、突然高熱が出て……」
姫「死んでないのか?」
母「今は寝ています」
姫「……」
幼女「すう……すぅ……」
姫「では、この薬を」
母「え……?」
姫「目が覚めたら飲ませてやってくれ。きっと元気になるぞ」
母「ありがとう……ございます……」
姫「―――邪魔するぞ」
母「あ……」
男「すいません」
母「いえ……」
姫「何事だ?」
母「昨日、突然高熱が出て……」
姫「死んでないのか?」
母「今は寝ています」
姫「……」
幼女「すう……すぅ……」
姫「では、この薬を」
母「え……?」
姫「目が覚めたら飲ませてやってくれ。きっと元気になるぞ」
母「ありがとう……ございます……」
母「すいません、少しお手洗いに」
姫「うむ」
母「失礼します」
男「残念……でしたね」
姫「母上に渡せただけでもよかろう」
男「……」
姫「絵本を読む約束は……どうやら果たせそうにないな……」ナデナデ
幼女「すぅ……すぅ……」
男「あの」
姫「なんだ?」
男「約束果たすまで居ましょう」
姫「え……?」
男「約束したのにそれを守らないのは一国の姫君としてはどうでしょうか?」
姫「うむ。兄よ。流石だな。確かに一度交わした約束を完遂できなくては恥ずかしくて演説もできない」
男「なら、連絡するのはこの子に桃太郎を読ませたあとでってことで」
姫「うむ」
母「失礼します」
男「残念……でしたね」
姫「母上に渡せただけでもよかろう」
男「……」
姫「絵本を読む約束は……どうやら果たせそうにないな……」ナデナデ
幼女「すぅ……すぅ……」
男「あの」
姫「なんだ?」
男「約束果たすまで居ましょう」
姫「え……?」
男「約束したのにそれを守らないのは一国の姫君としてはどうでしょうか?」
姫「うむ。兄よ。流石だな。確かに一度交わした約束を完遂できなくては恥ずかしくて演説もできない」
男「なら、連絡するのはこの子に桃太郎を読ませたあとでってことで」
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