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元スレ姫「どこだ、ここは?」
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繁華街
姫「……」
ワイワイ……ガヤガヤ……
姫「……」オロオロ
姫「ここは、どこだ?」
姫「……困ったな」オロオロ
街頭テレビ『―――から来日中の姫君が迷子になったという情報がただいま入りました』
姫「……」
ワイワイ……ガヤガヤ……
姫「……」オロオロ
姫「ここは、どこだ?」
姫「……困ったな」オロオロ
街頭テレビ『―――から来日中の姫君が迷子になったという情報がただいま入りました』
>>2がこの行く末を全て物語っている
姫「とりあえず、移動してみよう」
「彼女ー、ひとり?」
姫「なんだ?見ればわかるだろう?」
「うわ、外人じゃん」
姫「誰だ?」
「日本語うまいね」
姫「まぁな」
「俺とお茶しない?」
姫「茶だと?」
「そうそう」
姫「断る。何故、貴様のような下賎な輩と茶を交えなければいけない?」
「なんだよ、こいつ……」
姫「去れ。今なら見逃してやる」
「けっ、ブスが」
姫「ブス……?お前、死にたいのか?」
「彼女ー、ひとり?」
姫「なんだ?見ればわかるだろう?」
「うわ、外人じゃん」
姫「誰だ?」
「日本語うまいね」
姫「まぁな」
「俺とお茶しない?」
姫「茶だと?」
「そうそう」
姫「断る。何故、貴様のような下賎な輩と茶を交えなければいけない?」
「なんだよ、こいつ……」
姫「去れ。今なら見逃してやる」
「けっ、ブスが」
姫「ブス……?お前、死にたいのか?」
「死ね」
姫「……おのれ」
「なんだよ?」
姫「私に対して何たる暴言の数々。覚悟はできているのだろうな?」
「はぁ?どっかいけよ、きめえな」
姫「貴様……!!」
「ふん」スタスタ
姫「まて……!!」
ガヤガヤ……
姫「ちっ……見失ったか……」
姫「日本という国は慎ましやかところだと聞いていたが、どうやら間違った情報のようだな」
姫「……」
姫「帰りたい……」
姫「ここは、どこだ……」オロオロ
姫「……おのれ」
「なんだよ?」
姫「私に対して何たる暴言の数々。覚悟はできているのだろうな?」
「はぁ?どっかいけよ、きめえな」
姫「貴様……!!」
「ふん」スタスタ
姫「まて……!!」
ガヤガヤ……
姫「ちっ……見失ったか……」
姫「日本という国は慎ましやかところだと聞いていたが、どうやら間違った情報のようだな」
姫「……」
姫「帰りたい……」
姫「ここは、どこだ……」オロオロ
住宅街
姫「ふむ……」トボトボ
姫「また景色が変わったな……」
姫「ここは静かで良い場所だ。先ほどのように空気や人が淀んでいない」
姫「んー……気に入った。ここに別荘でも建てようか」
猫「にゃー」
姫「ん?」
猫「にゃー」
姫「野良か。どこの国でも野に生きる者がいるのだな」
猫「にゃぁ」
姫「なんだ、纏わり付くな。服が汚れるだろう」
猫「にゃぁぁ」
姫「言葉が通じんか……しかたない。こほん」
姫「にゃぁー」
猫「にゃぁ?」
姫「ふむ……」トボトボ
姫「また景色が変わったな……」
姫「ここは静かで良い場所だ。先ほどのように空気や人が淀んでいない」
姫「んー……気に入った。ここに別荘でも建てようか」
猫「にゃー」
姫「ん?」
猫「にゃー」
姫「野良か。どこの国でも野に生きる者がいるのだな」
猫「にゃぁ」
姫「なんだ、纏わり付くな。服が汚れるだろう」
猫「にゃぁぁ」
姫「言葉が通じんか……しかたない。こほん」
姫「にゃぁー」
猫「にゃぁ?」
姫「にゃーにゃー(立ち去れ、弱きものよ)」
猫「にゃぁ」
姫「にゃー(分からぬのか、使えぬ駄猫めが)」
猫「にゃぁ」
姫「にゃー」
猫「にゃー」
姫「にゃぁ!!」
男「あの……」
姫「ん?」
男「すいません。俺の飼い猫になにか?」
姫「お前の猫か?」
男「はい」
姫「ならば、首輪ぐらいしておけ」
男「すいません。ほら、おいで」
猫「にゃぁ」
猫「にゃぁ」
姫「にゃー(分からぬのか、使えぬ駄猫めが)」
猫「にゃぁ」
姫「にゃー」
猫「にゃー」
姫「にゃぁ!!」
男「あの……」
姫「ん?」
男「すいません。俺の飼い猫になにか?」
姫「お前の猫か?」
男「はい」
姫「ならば、首輪ぐらいしておけ」
男「すいません。ほら、おいで」
猫「にゃぁ」
姫「失礼する」
男「……あの」
姫「なんだ?」
男「えっと……もしかして迷子になってません?」
姫「迷子?私が?あはははは!!」
男「……」
姫「私を誰だと思っている。高貴にして壮麗の桜花とも言われているのだ。そんな私が迷子などと」
男「でも……」
姫「しつこいぞ」
男「すいません」
姫「それではな」
男「……」
姫「……」キョロキョロ
男「あの、どこに行こうとしてますか?」
姫「どこって……あれだ……風まかせだな。うん」
男「……あの」
姫「なんだ?」
男「えっと……もしかして迷子になってません?」
姫「迷子?私が?あはははは!!」
男「……」
姫「私を誰だと思っている。高貴にして壮麗の桜花とも言われているのだ。そんな私が迷子などと」
男「でも……」
姫「しつこいぞ」
男「すいません」
姫「それではな」
男「……」
姫「……」キョロキョロ
男「あの、どこに行こうとしてますか?」
姫「どこって……あれだ……風まかせだな。うん」
男「はぁ」
姫「もうよい。去れ」
男「……」
姫「ふむ……」キョロキョロ
男「あの、道案内でも……」
姫「くどい」
男「そうですか……」
姫「さらばだ」
男「はい」
猫「にゃー」
姫「……」
姫「……」オロオロ
姫「行くあてか……確かにないな」
姫「さて、どうしたものか……」
姫「もうよい。去れ」
男「……」
姫「ふむ……」キョロキョロ
男「あの、道案内でも……」
姫「くどい」
男「そうですか……」
姫「さらばだ」
男「はい」
猫「にゃー」
姫「……」
姫「……」オロオロ
姫「行くあてか……確かにないな」
姫「さて、どうしたものか……」
バス停
姫「椅子があるな」
姫「少し汚れているが、ま、問題はないか」
姫「ふぅ……」
姫「つかれた……」
姫「全く……私を置いて皆はどこへ行ったのだ」
姫「……」
姫「迷子……」
姫「ふん。ないない」
姫「私は迷子など、なっていない」
姫「ん?」
ブゥゥゥン……プシュ……
姫「なんだ、この大型の車は……」
姫「ああ、迎えか」
姫「すまんな」スタスタ
姫「椅子があるな」
姫「少し汚れているが、ま、問題はないか」
姫「ふぅ……」
姫「つかれた……」
姫「全く……私を置いて皆はどこへ行ったのだ」
姫「……」
姫「迷子……」
姫「ふん。ないない」
姫「私は迷子など、なっていない」
姫「ん?」
ブゥゥゥン……プシュ……
姫「なんだ、この大型の車は……」
姫「ああ、迎えか」
姫「すまんな」スタスタ
バス車内
姫「ふむ……」
アナウンス『次は県立病院前。県立病院前です』
姫「……」
姫「おや?止まったな」
姫「ここで降りろということか」
姫「見知らぬ場所だが……」
運転手「あ。すいません、お金を」
姫「え?」
運転手「だから、お金を」
姫「いくらだ?」
運転手「240円です」
姫「……」
運転手「早くしてください」
姫「しばし待て……えーと……」ゴソゴソ
姫「ふむ……」
アナウンス『次は県立病院前。県立病院前です』
姫「……」
姫「おや?止まったな」
姫「ここで降りろということか」
姫「見知らぬ場所だが……」
運転手「あ。すいません、お金を」
姫「え?」
運転手「だから、お金を」
姫「いくらだ?」
運転手「240円です」
姫「……」
運転手「早くしてください」
姫「しばし待て……えーと……」ゴソゴソ
姫「……」ゴソゴソ
運転手「……」イライラ
姫「ふむ……ない」
運転手「え?」
姫「そもそも日本の硬貨をもっておらんかった……」
運転手「あのですね……」
姫「こまったものよぉ」
運転手「……これ、立派な犯罪ですよ?」
姫「謝罪しよう」
運転手「謝って済む問題じゃ―――」
おばあさん「ああ、ちょっと」
運転手「え?」
おばあさん「降りたいから、はやくしてほしいのですが」
運転手「あ、ああ。どうぞ」
おばあさん「じゃあ、480円払います。それでは……」
運転手「……」イライラ
姫「ふむ……ない」
運転手「え?」
姫「そもそも日本の硬貨をもっておらんかった……」
運転手「あのですね……」
姫「こまったものよぉ」
運転手「……これ、立派な犯罪ですよ?」
姫「謝罪しよう」
運転手「謝って済む問題じゃ―――」
おばあさん「ああ、ちょっと」
運転手「え?」
おばあさん「降りたいから、はやくしてほしいのですが」
運転手「あ、ああ。どうぞ」
おばあさん「じゃあ、480円払います。それでは……」
姫「ん?少し過払いではないか?」
運転手「あの……」
おばあさん「さ、降りましょうか」
姫「うむ」
運転手「……」
おばあさん「今度からはお金を確かめてから乗らないとだめですよ?」
姫「お前は、誰だ?」
おばあさん「ちょっと腰が悪いおばあちゃんよ」
姫「私の祖母か。まさかこのような国にいようとは……」
おばあさん「あはは。面白い人」
姫「身内とはいえ、礼をしなくてはな」
おばあさん「いいですよ」
姫「やらせろ」
おばあさん「そう?―――じゃあ、病院まで話相手になってもらいましょうか」
姫「よかろう。なんでも話せ」
運転手「あの……」
おばあさん「さ、降りましょうか」
姫「うむ」
運転手「……」
おばあさん「今度からはお金を確かめてから乗らないとだめですよ?」
姫「お前は、誰だ?」
おばあさん「ちょっと腰が悪いおばあちゃんよ」
姫「私の祖母か。まさかこのような国にいようとは……」
おばあさん「あはは。面白い人」
姫「身内とはいえ、礼をしなくてはな」
おばあさん「いいですよ」
姫「やらせろ」
おばあさん「そう?―――じゃあ、病院まで話相手になってもらいましょうか」
姫「よかろう。なんでも話せ」
おばあさん「綺麗な髪ね。素敵ですよ」
姫「そうだろう。手入れは欠かしていない」
おばあさん「そうですか」
姫「お前も中々、肌艶がいいな。その歳で男でも侍らせているのか?」
おばあさん「いやいや。そんなことないですよ。うちの孫がいい子でね。よく遊びにきてくれるの」
姫「ちょっと待て。孫とは私のことだろう?」
おばあさん「いいえ。もう一人の孫よ」
姫「……?」
おばあさん「うちで飼っている猫が好きでね。よく相手してもらっているのよ」
姫「そうか」
おばあさん「ちょうど、貴方ぐらいの年齢ね」
姫「私と兄妹になるのか?」
おばあさん「ちょうどそのくらいかもしれないわね」
姫「そうか。折角だ、挨拶ぐらいはしておきたいな」
おばあさん「そう。よろこぶと思いますよ」
姫「そうだろう。手入れは欠かしていない」
おばあさん「そうですか」
姫「お前も中々、肌艶がいいな。その歳で男でも侍らせているのか?」
おばあさん「いやいや。そんなことないですよ。うちの孫がいい子でね。よく遊びにきてくれるの」
姫「ちょっと待て。孫とは私のことだろう?」
おばあさん「いいえ。もう一人の孫よ」
姫「……?」
おばあさん「うちで飼っている猫が好きでね。よく相手してもらっているのよ」
姫「そうか」
おばあさん「ちょうど、貴方ぐらいの年齢ね」
姫「私と兄妹になるのか?」
おばあさん「ちょうどそのくらいかもしれないわね」
姫「そうか。折角だ、挨拶ぐらいはしておきたいな」
おばあさん「そう。よろこぶと思いますよ」
病院
おばあさん「ありがとう。楽しかったわ」
姫「そうか」
おばあさん「それじゃあ、ちょっと行ってくるから」
姫「分かった。気をつけてな」
おばあさん「はい」
姫「……」
姫「ふむ……」キョロキョロ
姫「椅子があるな」
姫「どうせやることもない。待つとするか」
姫「……ふぅ」
幼女「……」ジーッ
姫「……なんだ?」
幼女「しゃべった……」
姫「喋るに決まっている。かかしではないぞ」
おばあさん「ありがとう。楽しかったわ」
姫「そうか」
おばあさん「それじゃあ、ちょっと行ってくるから」
姫「分かった。気をつけてな」
おばあさん「はい」
姫「……」
姫「ふむ……」キョロキョロ
姫「椅子があるな」
姫「どうせやることもない。待つとするか」
姫「……ふぅ」
幼女「……」ジーッ
姫「……なんだ?」
幼女「しゃべった……」
姫「喋るに決まっている。かかしではないぞ」
幼女「……おねえちゃん、がいこくのひと?」
姫「そうだな。日本の人間ではない」
幼女「へえ……」
姫「……」
幼女「おねえちゃん」
姫「なんだ?」
幼女「これよんで」
姫「母上がいるだろう」
幼女「いま、おいしゃさんのところにいるからだめなの」
姫「どうした?体でも悪いのか?」
幼女「うん。そうみたい」
姫「そうか。大変だな」
幼女「おねえちゃん、ごほんよんで」
姫「……」
幼女「……」
姫「そうだな。日本の人間ではない」
幼女「へえ……」
姫「……」
幼女「おねえちゃん」
姫「なんだ?」
幼女「これよんで」
姫「母上がいるだろう」
幼女「いま、おいしゃさんのところにいるからだめなの」
姫「どうした?体でも悪いのか?」
幼女「うん。そうみたい」
姫「そうか。大変だな」
幼女「おねえちゃん、ごほんよんで」
姫「……」
幼女「……」
姫「昔、昔あるところに……おじいさんとおばあさんが……これはももたろうか」
幼女「しらない」
姫「日本の童話には少しうるさくてな。いいか?桃太郎は桃から生まれたとされている」
幼女「……」
姫「そもそもどうして桃から生まれたなどという奇抜な設定が生まれたのか」
姫「この桃というのは元来―――」
幼女「つまんない」
姫「なに?!」
幼女「……ふわぁ」
姫「おのれ……」
幼女「おやすみ……」
姫「あ、こら。私の足を枕にするな!」
幼女「すぅ……すぅ……」
姫「なんだこの無礼者は……」
姫「……」
幼女「しらない」
姫「日本の童話には少しうるさくてな。いいか?桃太郎は桃から生まれたとされている」
幼女「……」
姫「そもそもどうして桃から生まれたなどという奇抜な設定が生まれたのか」
姫「この桃というのは元来―――」
幼女「つまんない」
姫「なに?!」
幼女「……ふわぁ」
姫「おのれ……」
幼女「おやすみ……」
姫「あ、こら。私の足を枕にするな!」
幼女「すぅ……すぅ……」
姫「なんだこの無礼者は……」
姫「……」
母「……あら?」
姫「……」ウトウト
母「あの……」
姫「ん……?だれだ?」
母「すいません。うちの娘が……」
姫「ああ、気にするな。足が痺れただけだ」
母「ほら、起きなさい」
幼女「ん……あ、お母さん」
姫「体は良いのか?」
母「え?」
姫「大病を患っているのであろう?」
母「あ……はい」
姫「ふむ……辛いだろうが気を落とすな」
母「どうも」
幼女「おねえちゃん、バイバイ」
姫「……」ウトウト
母「あの……」
姫「ん……?だれだ?」
母「すいません。うちの娘が……」
姫「ああ、気にするな。足が痺れただけだ」
母「ほら、起きなさい」
幼女「ん……あ、お母さん」
姫「体は良いのか?」
母「え?」
姫「大病を患っているのであろう?」
母「あ……はい」
姫「ふむ……辛いだろうが気を落とすな」
母「どうも」
幼女「おねえちゃん、バイバイ」
おばあさん「どうしたの?」
姫「来たか。ほら、帰るぞ」
おばあさん「え?」
姫「私の弟が……いや、兄か?とにかく血族がいるのだろう?」
おばあさん「ふふ、どこまで冗談なの?」
姫「冗談?」
おばあさん「一緒に帰りましょうか」
姫「ああ」
おばあさん「行きましょう」
姫「お前も病気なのか?」
おばあさん「ええ。歳には勝てないみたいで」
姫「そうか。ま、気にすることはない。傍から見れば十分に元気だ」
おばあさん「ありがとう」
姫「それにしても私の兄妹か……一体、どんな人物なのやら……」
姫「来たか。ほら、帰るぞ」
おばあさん「え?」
姫「私の弟が……いや、兄か?とにかく血族がいるのだろう?」
おばあさん「ふふ、どこまで冗談なの?」
姫「冗談?」
おばあさん「一緒に帰りましょうか」
姫「ああ」
おばあさん「行きましょう」
姫「お前も病気なのか?」
おばあさん「ええ。歳には勝てないみたいで」
姫「そうか。ま、気にすることはない。傍から見れば十分に元気だ」
おばあさん「ありがとう」
姫「それにしても私の兄妹か……一体、どんな人物なのやら……」
家
おばあさん「ただいま」
男「おかえ―――うわぁ!!」
姫「お前か」
おばあさん「あら、お知り合いだったの?」
姫「少しな」
男「ど、どうして……?」
姫「で、お前、年齢は?」
男「20歳だけど……?」
姫「そうか。では、私の兄だな」
男「え?」
おばあさん「さ、あがって」
姫「にしても埃っぽい家屋だ。もう少しマシな家を建てられなかったのか?」
男「ばあちゃん、この人……」
おばあさん「おもしろい人でしょ?ふふ」
おばあさん「ただいま」
男「おかえ―――うわぁ!!」
姫「お前か」
おばあさん「あら、お知り合いだったの?」
姫「少しな」
男「ど、どうして……?」
姫「で、お前、年齢は?」
男「20歳だけど……?」
姫「そうか。では、私の兄だな」
男「え?」
おばあさん「さ、あがって」
姫「にしても埃っぽい家屋だ。もう少しマシな家を建てられなかったのか?」
男「ばあちゃん、この人……」
おばあさん「おもしろい人でしょ?ふふ」
居間
おばあさん「お茶です。お口に合えばいいのですけど」
姫「頂こう」
男「……」
姫「うむ。まずいな」
男「……正直ですね」
姫「だが、温まる。これはこれで良いのもかもしれんな」
おばあさん「ありがとうございます。では、私はこれで」
男「ばあちゃん、部屋までついていくよ」
おばあさん「いいから。アンタはその人の相手をしてあげて」
男「でも……」
おばあさん「いいお嫁さんになるかもしれないよ?」
男「な……!?」
猫「にゃあ」
姫「お前もいたのか。飼い猫にしては凛々しいな」
おばあさん「お茶です。お口に合えばいいのですけど」
姫「頂こう」
男「……」
姫「うむ。まずいな」
男「……正直ですね」
姫「だが、温まる。これはこれで良いのもかもしれんな」
おばあさん「ありがとうございます。では、私はこれで」
男「ばあちゃん、部屋までついていくよ」
おばあさん「いいから。アンタはその人の相手をしてあげて」
男「でも……」
おばあさん「いいお嫁さんになるかもしれないよ?」
男「な……!?」
猫「にゃあ」
姫「お前もいたのか。飼い猫にしては凛々しいな」
姫「……」ズズッ
猫「にゃぁ」
姫「腹を見せてどうした?」
男「撫でて欲しいんじゃないですか?」
姫「ほぉ?」
猫「にゃあ」
姫「こうか?」グシャグシャ
猫「ふしゃーー!!」
姫「何を怒っておる?」
男「そんな乱暴にするから」
姫「猫の癖に生意気な奴だな」
男「……」
姫「兄よ」
男「え?」
姫「茶のおかわりだ。はやくしろ」
猫「にゃぁ」
姫「腹を見せてどうした?」
男「撫でて欲しいんじゃないですか?」
姫「ほぉ?」
猫「にゃあ」
姫「こうか?」グシャグシャ
猫「ふしゃーー!!」
姫「何を怒っておる?」
男「そんな乱暴にするから」
姫「猫の癖に生意気な奴だな」
男「……」
姫「兄よ」
男「え?」
姫「茶のおかわりだ。はやくしろ」
男「どうぞ」
姫「すまんな」
男「……」
姫「……あいつな。冷ませ」
男「自分でやってくださいよ」
姫「私の兄であろう?冷ませ」
男「なんで俺があなたの兄なんですか……」
姫「血縁上、そうらしい」
男「だれがそんなことを……」
姫「お前の祖母だが?」
男「……」
姫「……冷ませ」
男「はいはい……」
男「ふー……ふー……はい」
姫「おい。全然、冷めてないぞ。兄のくせに使えんな」
姫「すまんな」
男「……」
姫「……あいつな。冷ませ」
男「自分でやってくださいよ」
姫「私の兄であろう?冷ませ」
男「なんで俺があなたの兄なんですか……」
姫「血縁上、そうらしい」
男「だれがそんなことを……」
姫「お前の祖母だが?」
男「……」
姫「……冷ませ」
男「はいはい……」
男「ふー……ふー……はい」
姫「おい。全然、冷めてないぞ。兄のくせに使えんな」
男「で、これからどうするんですか?」
姫「どうとは?」
男「迷子、なんでしょう?」
姫「まだいうか?」
男「だって……」
姫「確かにどこにいけばいいかわからんが、迷子ではない」
男「そういうのを迷子っていうと思うんですけど」
姫「兄よ。そうやって妹を貶めて楽しいか?」
男「いや……そういうことじゃないけど」
姫「もうよい。兄とはどんな人物かと思って期待していたのに……」
男「……」
姫「猫のほうがまだ理性的だ」
猫「にゃぁ」
姫「にゃあ?」
男「なんなんだ……この人……」
姫「どうとは?」
男「迷子、なんでしょう?」
姫「まだいうか?」
男「だって……」
姫「確かにどこにいけばいいかわからんが、迷子ではない」
男「そういうのを迷子っていうと思うんですけど」
姫「兄よ。そうやって妹を貶めて楽しいか?」
男「いや……そういうことじゃないけど」
姫「もうよい。兄とはどんな人物かと思って期待していたのに……」
男「……」
姫「猫のほうがまだ理性的だ」
猫「にゃぁ」
姫「にゃあ?」
男「なんなんだ……この人……」
姫「……退屈だな」
男「……」
姫「なにか余興はないのか?」
男「そうだ。買い物にいかないと」
姫「買い物?」
男「ええ。ばあちゃんにごはんをつくらないと」
姫「兄は料理ができるのか?」
男「少しだけですけど」
姫「ほお……すばらしいな」
男「え?」
姫「そうかそうか……料理ができるか」
男「なんですか?」
姫「私に出来ぬことをやる。兄とはそうでなくてはな」
男「……とりあえず買い物に行ってきます」
姫「私もいく。兄よ、今まで離れていたのだ。しばらくは一緒にいてやるぞ?」
男「……」
姫「なにか余興はないのか?」
男「そうだ。買い物にいかないと」
姫「買い物?」
男「ええ。ばあちゃんにごはんをつくらないと」
姫「兄は料理ができるのか?」
男「少しだけですけど」
姫「ほお……すばらしいな」
男「え?」
姫「そうかそうか……料理ができるか」
男「なんですか?」
姫「私に出来ぬことをやる。兄とはそうでなくてはな」
男「……とりあえず買い物に行ってきます」
姫「私もいく。兄よ、今まで離れていたのだ。しばらくは一緒にいてやるぞ?」
繁華街
姫「ここは嫌いだ。空気が淀んでいる……」
男「じゃあ、帰ってもいいですよ?」
姫「ならん。兄よ、これからは兄妹の時間を大切にせよ」
男「……」
姫「なんだ?」
男「別に……」スタスタ
姫「うむ……あれはなんだ……?」フラフラ
男「あ、どこに行くんですか?」
姫「この人形はなんだ?カエルのような……そうでないような……」
男「薬局のマスコットです」
姫「ほぉ……これが噂にきく招き猫か」
男「猫じゃないし……」
姫「む?あっちはなんだ?」フラフラ
男(迷子になるわけだ……)
姫「ここは嫌いだ。空気が淀んでいる……」
男「じゃあ、帰ってもいいですよ?」
姫「ならん。兄よ、これからは兄妹の時間を大切にせよ」
男「……」
姫「なんだ?」
男「別に……」スタスタ
姫「うむ……あれはなんだ……?」フラフラ
男「あ、どこに行くんですか?」
姫「この人形はなんだ?カエルのような……そうでないような……」
男「薬局のマスコットです」
姫「ほぉ……これが噂にきく招き猫か」
男「猫じゃないし……」
姫「む?あっちはなんだ?」フラフラ
男(迷子になるわけだ……)
スーパー
姫「ほお……すごいな。色とりどりだ」
男「貴女の国にはこういうところないんですか?」
姫「あるが。ここまで品物が揃って居る場所は殆どない」
男「そうなんですか」
姫「日本は豊かだな、兄よ」
男「そうですね」
姫「うむ。うまそうな果実だ。どれどれ……あーん……」
男「駄目ですよ」
姫「何故だ?日本には試食という文化があると聞いているが?」
男「それは……むこう」
姫「ん?」
「どうぞー!!食べていってくださいねー!!どうですかー!?」
姫「なるほど……向こうだな」トテトテ
男「あ、ちょっと」
姫「ほお……すごいな。色とりどりだ」
男「貴女の国にはこういうところないんですか?」
姫「あるが。ここまで品物が揃って居る場所は殆どない」
男「そうなんですか」
姫「日本は豊かだな、兄よ」
男「そうですね」
姫「うむ。うまそうな果実だ。どれどれ……あーん……」
男「駄目ですよ」
姫「何故だ?日本には試食という文化があると聞いているが?」
男「それは……むこう」
姫「ん?」
「どうぞー!!食べていってくださいねー!!どうですかー!?」
姫「なるほど……向こうだな」トテトテ
男「あ、ちょっと」
金髪ゴスファッションでチェーンソーが似合う女の子で想像してます
姫「これをもらうぞ」
「はい!」
姫「……」モグモグ
男「もう……」
姫「うむ……悪くない」
「そちらの方もどうですか?」
姫「兄よ。あーん」
男「いいですよ」
姫「私の好意を無碍にするか?怒るぞ?怒ると私は怖いぞ?」
男「はいはい……あーん……」
姫「ほれ」
男「……」モグモグ
姫「どうだ?」
男「美味しいですね。―――すいません、これ一袋もらいます」
「ありがとうございますー」
「はい!」
姫「……」モグモグ
男「もう……」
姫「うむ……悪くない」
「そちらの方もどうですか?」
姫「兄よ。あーん」
男「いいですよ」
姫「私の好意を無碍にするか?怒るぞ?怒ると私は怖いぞ?」
男「はいはい……あーん……」
姫「ほれ」
男「……」モグモグ
姫「どうだ?」
男「美味しいですね。―――すいません、これ一袋もらいます」
「ありがとうございますー」
男「―――こんなもんかな」
姫「兄よ」
男「なんですか?」
姫「これはなんだ?」
男「チョコレートですけど」
姫「よし」
男「駄目です」
姫「何故だ」
男「自分で買ってください」
姫「兄よ。妹に対して冷たくないか?あれか。ずっと離れていたから妹に思えないのだな?」
男「俺たちは別に兄妹ってわけじゃあ……」
姫「チョコレート……」
男「甘いの好きなんですか?」
姫「うむ。美味しいな!」
男「……どうぞ。でも、一個だけですからね」
姫「兄よ」
男「なんですか?」
姫「これはなんだ?」
男「チョコレートですけど」
姫「よし」
男「駄目です」
姫「何故だ」
男「自分で買ってください」
姫「兄よ。妹に対して冷たくないか?あれか。ずっと離れていたから妹に思えないのだな?」
男「俺たちは別に兄妹ってわけじゃあ……」
姫「チョコレート……」
男「甘いの好きなんですか?」
姫「うむ。美味しいな!」
男「……どうぞ。でも、一個だけですからね」
繁華街
姫「……」モグモグ
男「美味しいですか?」
姫「この国のチョコは美味だ。口内に残る香りが鼻腔を通るときが最も至福を感じることが出来る」
男「よかったですね」
姫「ああ。私は今、幸せだぞ。兄よ」
男「はいはい」
姫「……」モグモグ
男(この人、これからどうするんだろう……?)
姫「うまいなっ!」
街頭テレビ『―――速報です。迷子になった姫君に関し有益な情報を提供してくれた方に100万円の報奨金を出すと発表がありました』
姫「……」モグモグ
男「美味しいですか?」
姫「この国のチョコは美味だ。口内に残る香りが鼻腔を通るときが最も至福を感じることが出来る」
男「よかったですね」
姫「ああ。私は今、幸せだぞ。兄よ」
男「はいはい」
姫「……」モグモグ
男(この人、これからどうするんだろう……?)
姫「うまいなっ!」
街頭テレビ『―――速報です。迷子になった姫君に関し有益な情報を提供してくれた方に100万円の報奨金を出すと発表がありました』
家
男「ただいまー」
姫「戻ったぞ」
おばあさん「おかえり」
男「今、ごはん作るから」
おばあさん「悪いね」
姫「兄よ。手伝えることはあるか?」
男「え?」
姫「なんでも言ってくれ。妹は兄に従順であるべしと書物に書いてあった」
男「そうなんですか……じゃあ……」
姫「うむ」
男「野菜でも切ってもらえますか?」
姫「いいだろう。任せろ」
男「お願いします」
姫「よしよし」
男「ただいまー」
姫「戻ったぞ」
おばあさん「おかえり」
男「今、ごはん作るから」
おばあさん「悪いね」
姫「兄よ。手伝えることはあるか?」
男「え?」
姫「なんでも言ってくれ。妹は兄に従順であるべしと書物に書いてあった」
男「そうなんですか……じゃあ……」
姫「うむ」
男「野菜でも切ってもらえますか?」
姫「いいだろう。任せろ」
男「お願いします」
姫「よしよし」
キッチン
姫「はぁ!!!」ダンッ!!
男「あぶない!!」
姫「なんだ?」
男「こうやって切るんですよ……」トントン
姫「ふーん」
男「いや……ふーんじゃなくて」
姫「わかった」
男「本当ですか?」
姫「こうだな?」ダンッ
男「そんな力いっぱいに切ったら駄目ですって!!」
姫「そうはいうがな……」
男「包丁、触ったことないんですか?」
姫「ないぞ」
男「……」
姫「はぁ!!!」ダンッ!!
男「あぶない!!」
姫「なんだ?」
男「こうやって切るんですよ……」トントン
姫「ふーん」
男「いや……ふーんじゃなくて」
姫「わかった」
男「本当ですか?」
姫「こうだな?」ダンッ
男「そんな力いっぱいに切ったら駄目ですって!!」
姫「そうはいうがな……」
男「包丁、触ったことないんですか?」
姫「ないぞ」
男「……」
居間
おばあちゃん「いつも悪いね」
男「いいから。さ、食べよ」
おばあちゃん「ええ」
姫「大母上よ。聞いてくれ。この野菜は私が切ったのだ。すごいだろう?」
おばあちゃん「ええ。すごいわ」
姫「ふふん」
男「形も大きさもバラバラですけどね」
姫「口に入れば同じだろうに」
男「そうですかね……」
おばあさん「そういえば、今日はどうするのかしら?」
姫「え?」
おばあさん「お家に帰る?」
姫「いや。折角こうして会えたのだ。私は兄といるぞ」
男「え……」
おばあちゃん「いつも悪いね」
男「いいから。さ、食べよ」
おばあちゃん「ええ」
姫「大母上よ。聞いてくれ。この野菜は私が切ったのだ。すごいだろう?」
おばあちゃん「ええ。すごいわ」
姫「ふふん」
男「形も大きさもバラバラですけどね」
姫「口に入れば同じだろうに」
男「そうですかね……」
おばあさん「そういえば、今日はどうするのかしら?」
姫「え?」
おばあさん「お家に帰る?」
姫「いや。折角こうして会えたのだ。私は兄といるぞ」
男「え……」
夜
おばあさん「じゃあ、貴女はこの部屋を使ってね」
姫「しかし、兄と同室がいいのだが」
おばあさん「あの子、照れ屋だから無理よ」
姫「そうか。なら、仕方ないな」
おばあちゃん「おやすみ」
姫「ああ、ゆっくり休め」
おばあさん「はい。おやすみ」
姫「……」
姫「このように狭い部屋があろうとはな」
姫「窮屈だが悪くない」
姫「それにしても……」
姫「あいつらはちゃんと私を迎えにきてくれるのだろうな……?」
姫「兄とここで暮らすのもいいが、自国のこともあるからな……」
おばあさん「じゃあ、貴女はこの部屋を使ってね」
姫「しかし、兄と同室がいいのだが」
おばあさん「あの子、照れ屋だから無理よ」
姫「そうか。なら、仕方ないな」
おばあちゃん「おやすみ」
姫「ああ、ゆっくり休め」
おばあさん「はい。おやすみ」
姫「……」
姫「このように狭い部屋があろうとはな」
姫「窮屈だが悪くない」
姫「それにしても……」
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