元スレQB「君と契約して、インキュベーターになろうかな!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
病院
カツ カツ カツ…
やあ、僕はキュゥべえ。 本名はインキュベーターだ。
少女と契約して奇跡を起こし、魔法少女にするのが仕事さ。
QB「……315号室、新しい病室はここだね」
2 = 1 :
魔法少女になった娘は、人知れず魔女と戦わなくてはならない。
魔女は人を襲い、場合によっては死をもたらす存在だからね。
QB「入っていいかい?」
QB「……返事が無いけど、入るよ」
ガラララララ…
3 :
孔明「今です!」
4 = 1 :
それに、ソウルジェムを浄化するには魔女の落とすグリーフシードが必要だ。
彼女たちは自分のためにも、戦い続けるしかない。
もちろん、それに見合うだけの奇跡を起こしているんだから当然のことだ。
……しかし、例えば目の前の彼女のように、それを僕のせいにして恨む娘もいる……
QB「やあ暁美ほむら、具合は……」
ほむら「………っ!!」ブンッ!
QB「きゅっ!」
………………………
5 = 1 :
ほむら「ぜえ……ぜえ……」
QB「……ひどいじゃないか、いきなり枕を投げるなんて」
ほむら「うるさい……近づかないで」
QB「やれやれ……」
……というのは、みんな彼女の……暁美ほむらの妄想なんだけど。
QB「……改めて、具合はどうだい? ほむら」
ほむら「……どうもしないわ」
7 = 1 :
QB「いや……ついこの間まで心臓を悪くしていたんだ」
QB「あまり無理はしない方が……むきゅっ!」ボフッ
ほむら「……いいから出て行って」
QB「……やれやれ」
………………………………………
8 :
ほっほう
9 = 1 :
残念ながら、僕は宇宙からやって来た謎の生き物でもなんでもない。
確かに、僕は不自然な白髪に赤い瞳、白人のような肌を持っている。
でも、それは生まれつきの体質だ。
キュゥべえというあだ名も、僕の名前をもじっただけのもので、インキュベーターなど微塵も関係ない。
彼女が僕を見てあの妄想をふくらませたのか、僕がたまたま設定に合っていたのか……
どちらかは知らないが、困ったものだよ。
……僕は新米の精神科医で、彼女を治療しなければならない立場だ。
そのためには当然、彼女と会話し、その心の内を観察することが必要なんだけど……
QB「そういえば、君に伝えたいことがあったんだ」
ほむら「……何? それだけ伝えたら出て行ってちょうだい」
10 :
そう来たか期待する
11 = 1 :
QB「まあまあ、そう構えずに話を聞いてうきゅっ!」ボフッ
QB「……まったく非合理的だよ、布団まで投げてどうすはきゅっ!」バシャッ
QB「ぷはっ……ほむら、相手に水をかけるというのは流石にむきゅっ!」ゴツン
痛い痛い。 いくら雑誌とはいえ、固いものを顔に向かって投げるなんてどうかしてるよ。
……このように、彼女とはまともに話すのすら難しい。
QB「いたたた、どうやらかどがぶつかったみたいだよほむら」
ほむら「知らないわよ、言うことがないならさっさと出て行ってくれるかしら」
QB「昔は気弱な娘だったという話なんだけど……どうしてこうなったのかな」
ほむら「…………」スッ
QB「待ってくれ、これはまどかに関する話だよ」
12 :
きゅっぷいきゅっぷい
13 = 1 :
ほむら「っ……」
QB「気になるだろう? だからそのガンガンを下ろしてくれるかな」
ほむら「…………」スッ
QB「ふう、やっぱり人間が耐えられるのはジャンプまで……」
ほむら「いい加減にして」スッ
QB「ごめんごめん、今話すよ」
ほむら「……ふん、白々しい」スッ
ほむら「代わりならいくらでもあるんでしょう?」
14 :
ガンガンとかほむほむわかってるな
16 = 1 :
QB「ああ、そうだったね……ところで、まどかだけど」
ほむら「…………」
QB「今日はお見舞いに来れないそうだよ」
ほむら「…………」ブンッ
QB「きゅっ!……やっぱりそうなるか」ゴツン
ほむら「出て行って」
QB「……わかったよ」ガタッ
ガラララララ… バタン
……と、いつもこんな感じなのさ。
17 :
ほむぅ……
18 = 1 :
ちなみにまどかというのは、ほむらの唯一の友人だ。
相当気に入っているようで、彼女にだけは心を許しているみたいだね。
……ちなみに、僕はまどかともちょっとした付き合いがある。
どうすればダメージ無しにほむらと話せるようになるのか、教えてもらおうと思ったんだ。
今のところ、成果は挙げられてないけど。
19 :
コロコロだとどうなるの
20 = 1 :
病室を出た僕は、昼食をとるために一階へと向かった。
そういえば、インキュベーターは使い終わったグリーフシードを食べるらしい。
また、死んだ……というかほむらに殺された場合、その死体を食べることもあるそうだ。
それで証拠隠滅をはかっているとか……随分と合理的で、この設定は結構気に入っている。
今はなぜか力を失っているが、彼女が魔法少女としてブイブイ言わせていたころは
僕を殺すのが習慣のようになっていた、とのことだけど。
そのインキュベーターとやらと違って、この体はひとつしか無い。
あまり粗末にされても、困るな……
さて、僕は食堂についた所で、ある顔見知りに出会った。
ヘアピンで止めたショートヘアが特徴的な、活発そうな女の子だ。
QB「やあ、さやかじゃないか」
さやか「え?……ああ、キュゥべえ先生! こんにちは」
22 = 1 :
QB「こんにちは……今日はどうしてここに来たんだい?」
彼女は美樹さやか。 まどかの友人で、よくこの病院に来る娘だ。
なんでも、幼馴染みが入院しているんだとか。
さやか「それはねー……えへへ」
QB「? なんだか妙に上機嫌だね」
さやか「それが……恭介の腕が、治ったんですよ」
23 = 12 :
さやさやったー!
24 = 1 :
QB「……なるほど、それはいい知らせだ」
QB「だからそんなに嬉しそうなんだね」
さやか「まあね……やっぱり嬉しいです」
さやか「また、あいつのバイオリンが聞けるんだなあ……って思うと」
QB「そうか……」
QB「……でも、どうしていきなり良くなったんだい?」
QB「現代の科学では治せない、と聞いたけど……」
25 = 1 :
さやか「さあ……担当の先生も首かしげてましたけど」
さやか「まったく奇跡としか言いようがない、って」
QB「へえ、そんなこともあるんだね」
さやか「奇跡ってあるもんなんですねー……あっ」
QB「? どうしたんだい?」
さやか「あー……もしかしたらアレが良かったのかなあ、なんて」
QB「アレ?」
さやか「アレですよ、最近話題の……ほら、アレ」
26 = 12 :
さやさや
27 :
QBの台詞もじにするとしゃべり方がカヲルぽいよなぁ・・・。
あ、白髪じゃないこと意外はほぼカヲル君か。
28 = 1 :
さやかが指さした先には、食堂そなえつけのテレビがあった。
当然、テレビがアレというわけではないだろう。 ……どうやら、写っているのはニュース番組のようだ。
ちょっと前にいきなり人気が出始めた、とある新興宗教について取材している。
さやか「実は、私もお祈りに行ってきたんだよねー」
さやか「教祖様はいい人だったし、言ってることも結構まともだったよ」
29 = 1 :
さやか「娘さんとも仲良くなれたし、行ってよかったなあ……」
QB「へえ……でも、君がそんな所に行くなんて、ちょっと意外だね」
さやか「うん、私も最初は興味なかったんだけど……まどかがあんまり勧めるもんだからさ」
QB「まどかが……それも意外だ」
さやか「そう? それはいかにもって感じじゃない?」
QB「まどかはああ見えて現実的な所があるからね、神仏の類は信用しないと思ってたよ」
30 = 1 :
さやか「……そんな娘だったっけ?」
QB「……ほむらと比べて見るからそう思うのかもしれないね」
さやか「あー……ほむらねえ」
さやか「あいつ、まだ変なこと言ってるんですか?」
QB「言わなくなってたら苦労しないよ」
さやか「まったくしょうがないなあ……まどかもなんであんなのに肩入れしてるんだか」
QB「実は随分昔からの知り合いらしいからね、本人達にしかわからない事情があるんだろう」
さやか「え、そうなんですか?」
QB「ほむらがそう言ってたよ」
さやか「なーんだあ……」
31 = 12 :
さやさや
32 = 1 :
QB「まあ、僕は随分と助かってるけど」
QB「まどかが居なければ、彼女と接するのはもっと大変だったろう」
さやか「ベッタベタだもんね、あいつ……まどかにだけは」
QB「彼女の話をまともに聞いてくれるのはまどかだけだからね」
さやか「ほっときゃいいのに……あ、明日は来るって言ってましたよ」
QB「それは良かった、ほむらも喜ぶよ……ところでさやか」
さやか「何?」
QB「……そろそろ食べないかい?」
33 = 1 :
………………………………………………
夜
ほむら「…………」ゴソゴソ
ほむら「……あった」
ほむら「ふう……やっぱり眼鏡が無いとよく見えないわね」
ほむら「…………」
ほむら(……ソウルジェムも、武器も、身体能力の向上も無い)
ほむら(やっぱり、今の私はただの人間なのね)
35 = 12 :
ほむぅ……
36 = 1 :
ほむら(おそらく美樹さやかや巴マミ、佐倉杏子も……)
ほむら(……そしてまどかも)
ほむら「…………」
ほむら(……最後の、ワルプルギスの夜との戦い)
ほむら(あの時、遠くにいて聞き取れなかったけど……まどかがキュゥべえに何かを話していた)
ほむら(時間を巻き戻した覚えはない……つまりあの時、まどかが何かをした)
ほむら(それで、この世界に来た……?)
37 = 1 :
ほむら「…………」
ほむら(……こうなることを望んでいた、はずなのに……なぜか不安になる)
ほむら(今までのこと、もしかしたら本当に……)
ほむら「無かった……なんて」
ほむら「…………」
ほむら「違う、よね……まどか……」
……………………………………………………
38 = 1 :
翌日
ガラララララララ
QB「やあほむら、調子はどうだい?」
ほむら「…………」
QB「……?」
……何も飛んでこない。
医者に枕を投げつける患者なんてそう居ないものだけど、彼女の場合はそれが普通だ。
枕に抱きついて丸くなっているのを見るに、どうやら随分落ち込んでいるようだけど……
ちょっと心配だな。
41 = 1 :
QB「どうしたんだいほむら、今日はあまり元気が無いね」
ほむら「…………」
QB「そんなに枕を抱きしめて……ようやく今までの無礼を詫びる気になったのかい?」
ほむら「……うるさい、出て行って」
QB「昨日まどかに会えなかったからって、あまりふてくされてもらっても困るよ」
ほむら「うるさいっ!」ブンッ!
QB「……おっと、おとなしく食らうと思ったら大間違いさ」ガシッ
ほむら「あっ……」
42 = 12 :
きゅっぷい?
43 = 1 :
腕を掴んで枕投げを阻止すると、ほむらはどこか焦ったような顔で僕を見つめてきた。
その顔はやけに青ざめていて、掴んだ腕からは小刻みに震えが伝わってくる。
QB「……本当に大丈夫かい? もしかして具合が悪くなったんじゃ」
ほむら「やめてっ!!」バシッ
QB「っ!……」
ほむら「何で……」
QB「……ほむら?」
44 = 1 :
ほむら「……何で、何であなたが冗談なんて言うの!?」
ほむら「何で私の心配なんかするの!?」
QB「…………」
ほむら「これじゃあまるで……人間、みたいじゃない」
それは、人間だからね。 ……とは言い出せない雰囲気だ。
45 = 1 :
おそらく、彼女は今とても不安定になっているんだろう。
なんとかして安心させてあげたいが、どうやら人間らしい行動は逆効果らしい。
……こういう時は、あまり触れないのが一番だ。
QB「……わかった、そろそろ出ていくよ」
QB「そうそう、今日はまどかが来るらしいよ、楽しみに待っているといい」スタスタ
ガララララララ… バタン
ほむら「…………」
46 = 10 :
ところで、このきゅうべえがペコポン人スーツ着たQBで再生されるんだがどうすればいい?
47 = 1 :
……………………………………………
さて、そうこうしている間にまどかの下校時刻になったよ。
……その間ぼくが何をしていたか? それは、他の患者を診ていたけど。
基本的に、ぼくの仕事は流れ作業だ。 ほむらが特別面倒な娘なのさ。
まあ、彼女にかかりっきりになるのも悪くないけど……っと、来たきた。
……あれ? 隣に居るのは……
まどか「……先生! こんにちは!」
QB「やあまどか、待ってたよ」
QB「それと……久しぶりだね、マミ?」
48 = 12 :
まみまみ
49 :
マミさんとの関係は……ゴクリ
50 :
爛れた関係
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