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暗殺者A「……」スッ
暗殺者B「……」コクン
暗殺者A「……」サッ
暗殺者B「……」ッザン
暗殺者A「……?」バッ
暗殺者B「……!」カッ
……ォォォン
勇者「くそ、どんだけ広範囲に魔法不可領域を敷いてやがるんだ……」
勇者「逃げ切れるか……?」
暗殺者B「……」コクン
暗殺者A「……」サッ
暗殺者B「……」ッザン
暗殺者A「……?」バッ
暗殺者B「……!」カッ
……ォォォン
勇者「くそ、どんだけ広範囲に魔法不可領域を敷いてやがるんだ……」
勇者「逃げ切れるか……?」
側近「ま、魔王様! 人間側の領地内で火の手が確認されました!」
魔王「場所は何処だ!」
側近「まだ正確な位置まで……一時間前に初めと思われるものが確認されたとの事!」
側近「ば、場所は勇者が所属する国の城内部……巨大な爆炎との、事……」
魔王「一時間も……?! くそ、通信体制は見直しておくべきだったか!」
側近「以後、断続的に爆発と火の手が確認されている模様!」
側近「三つほどのルートで、一つはこちらに向かって発生しているとの事!」
魔王「明らかににこちらと分かるルートなのか?」
側近「少々お待ちを……はい、途中から真っ直ぐこちらに向かっているようです!」
魔王「……不味い、それは振り切れなかったという意味ではないか!」
魔王「兵士と機動特化の騎士は出撃せよ! 何としても勇者を保護しろ!!」
魔王「しかし、何故……流石に早すぎではないか?」
魔王「場所は何処だ!」
側近「まだ正確な位置まで……一時間前に初めと思われるものが確認されたとの事!」
側近「ば、場所は勇者が所属する国の城内部……巨大な爆炎との、事……」
魔王「一時間も……?! くそ、通信体制は見直しておくべきだったか!」
側近「以後、断続的に爆発と火の手が確認されている模様!」
側近「三つほどのルートで、一つはこちらに向かって発生しているとの事!」
魔王「明らかににこちらと分かるルートなのか?」
側近「少々お待ちを……はい、途中から真っ直ぐこちらに向かっているようです!」
魔王「……不味い、それは振り切れなかったという意味ではないか!」
魔王「兵士と機動特化の騎士は出撃せよ! 何としても勇者を保護しろ!!」
魔王「しかし、何故……流石に早すぎではないか?」
騎士「これは我々の生き残りに関わる作戦である! 総員、死力を尽くして臨め!!」
騎士「最寄の転移魔法で降りれる町、村を押さえろ! 人民に危害は加えるな!!」
兵士「六班、河川周辺まで進行! 勇者、敵影確認できず!」
兵士「五班、暗殺者三名と遭遇! 交戦……既に半数が戦死! 近くに他の班はいないのか!」
騎士「第三部隊、五班の援護に入れ! 五時の方角に駆け下りろ!!」
兵士「三班、ブッシュ地帯で通信途絶! 二班、現在地を……二班応答しろ!」
騎士「第四部隊……くそ、通信途絶! 第七部隊が最寄だ! 注意しろ!」
兵士「七班、二班、第三部隊の援護に入りました! 五班、通信途絶!」
騎士「なんて奴らなんだ。これでは勇者を探すのすら……」
騎士「最寄の転移魔法で降りれる町、村を押さえろ! 人民に危害は加えるな!!」
兵士「六班、河川周辺まで進行! 勇者、敵影確認できず!」
兵士「五班、暗殺者三名と遭遇! 交戦……既に半数が戦死! 近くに他の班はいないのか!」
騎士「第三部隊、五班の援護に入れ! 五時の方角に駆け下りろ!!」
兵士「三班、ブッシュ地帯で通信途絶! 二班、現在地を……二班応答しろ!」
騎士「第四部隊……くそ、通信途絶! 第七部隊が最寄だ! 注意しろ!」
兵士「七班、二班、第三部隊の援護に入りました! 五班、通信途絶!」
騎士「なんて奴らなんだ。これでは勇者を探すのすら……」
側近「こんな……押し切られる……」
魔王「騎士の攻撃部隊を半数出撃させよ」
魔王「残った騎士を全面に押し立て、城への侵入に備えよ!」
側近「この魔力、転移魔法……?」
ヒュォン
騎士「魔王、様……」ドサ
勇者「う……あ……」ドサ
魔王「無事か!?」
側近「何て……酷い傷……」
騎士「この任務……この、命にかえて……っこふ」バタ
側近「……決死での……良く、良くやってくれました……」ジワァ
魔王「勇者の介抱を優先しろ! 彼が繋いでくれたもの、手放してはならん!!」
魔王「騎士の攻撃部隊を半数出撃させよ」
魔王「残った騎士を全面に押し立て、城への侵入に備えよ!」
側近「この魔力、転移魔法……?」
ヒュォン
騎士「魔王、様……」ドサ
勇者「う……あ……」ドサ
魔王「無事か!?」
側近「何て……酷い傷……」
騎士「この任務……この、命にかえて……っこふ」バタ
側近「……決死での……良く、良くやってくれました……」ジワァ
魔王「勇者の介抱を優先しろ! 彼が繋いでくれたもの、手放してはならん!!」
勇者「わ、悪い……ヘマ、こいちった……」ドクドク
魔王「喋るな! 何としても持ち堪えて、ここに留まるのだ!」
魔王「勇者が最後に復活した場所に先回れ! 最悪の場合に備えよ!」
勇者「っごふ……はは、それ、意味ないんだわ……」
側近「どういう意味ですか?」
勇者「加護は……魔物や、魔族のみ……人間相手にやられたんじゃ、効果がない、のさ」
魔王「で、では……」
勇者「は、はは……魔族の、魔法じゃ、傷は塞がら……ないか」
勇者「……たくない、死にたく、ない……嫌だ、助、けて」
勇者「一人は、嫌、だ……母さん、父、さん……怖い、よ……」
魔王「一人ではない……我がいる! 我々がいる!」ガシ
勇者「あた、し……死に、たく……」
魔王「喋るな! 何としても持ち堪えて、ここに留まるのだ!」
魔王「勇者が最後に復活した場所に先回れ! 最悪の場合に備えよ!」
勇者「っごふ……はは、それ、意味ないんだわ……」
側近「どういう意味ですか?」
勇者「加護は……魔物や、魔族のみ……人間相手にやられたんじゃ、効果がない、のさ」
魔王「で、では……」
勇者「は、はは……魔族の、魔法じゃ、傷は塞がら……ないか」
勇者「……たくない、死にたく、ない……嫌だ、助、けて」
勇者「一人は、嫌、だ……母さん、父、さん……怖い、よ……」
魔王「一人ではない……我がいる! 我々がいる!」ガシ
勇者「あた、し……死に、たく……」
……
魔王「酷い被害だな……」
側近「……多くの者が」
魔王「だからこそ……我々はこの犠牲に報いる結果を出さねばならぬのだ」
側近「……」
魔王「険しい道だ……それにまだ終着点が見定められていない」
側近「それでも、我々は魔王様に仕え共に歩みます」
魔王「……すまないな」
魔王「酷い被害だな……」
側近「……多くの者が」
魔王「だからこそ……我々はこの犠牲に報いる結果を出さねばならぬのだ」
側近「……」
魔王「険しい道だ……それにまだ終着点が見定められていない」
側近「それでも、我々は魔王様に仕え共に歩みます」
魔王「……すまないな」
勇者「……」ボケー
魔王「実に五日ぶりの目覚めはいかがね?」
勇者「どうりで身体がだるいわけだ……」
勇者「その……なんだ……ありがとうな。それとすまねえ……」
魔王「……」
勇者「俺の所為でお前の部下、だいぶ死なせちまったな……」
魔王「そう思うのであれば、我々の期待に応えてもらえると助かるな」
勇者「今更俺にどうしろって言うんだ? 今頃指名手配されてるだろう」
魔王「どうなっていようと、勇者が我々につけばそうなる事は予測していたさ」
勇者「そっか……」
魔王「実に五日ぶりの目覚めはいかがね?」
勇者「どうりで身体がだるいわけだ……」
勇者「その……なんだ……ありがとうな。それとすまねえ……」
魔王「……」
勇者「俺の所為でお前の部下、だいぶ死なせちまったな……」
魔王「そう思うのであれば、我々の期待に応えてもらえると助かるな」
勇者「今更俺にどうしろって言うんだ? 今頃指名手配されてるだろう」
魔王「どうなっていようと、勇者が我々につけばそうなる事は予測していたさ」
勇者「そっか……」
魔王「ああ、それよりもだ。勇者の故郷は何処だ? すぐに騎士を派遣させて家族を……」
勇者「いやそこは構わない」
勇者「ガキの頃にさ、魔物の襲撃でもう……」
魔王「そうか……」
勇者「他にも何人か生き残ったけど、そこら辺は皆どっかに預けられて」
勇者「俺は勇者の血を引いているって事で、国王に引き取られてさ」
勇者「期待に応えようと我武者羅にやってきたけど……この様さ」
魔王「……」
勇者「いやそこは構わない」
勇者「ガキの頃にさ、魔物の襲撃でもう……」
魔王「そうか……」
勇者「他にも何人か生き残ったけど、そこら辺は皆どっかに預けられて」
勇者「俺は勇者の血を引いているって事で、国王に引き取られてさ」
勇者「期待に応えようと我武者羅にやってきたけど……この様さ」
魔王「……」
魔王「勇者はどうしたいのだ?」
勇者「いや……実際のところどうしたいんだろうなぁ」
魔王「我にはまだどんな終わりを目指すべきか、着地地点を何処に置くべきか、その判断に悩んでいる」
魔王「勇者は……どうしたいと考える?」
>>62
1.復讐したい
2.共存
3.のんびりしたい
4.力が欲しい
5.分かんね
勇者「いや……実際のところどうしたいんだろうなぁ」
魔王「我にはまだどんな終わりを目指すべきか、着地地点を何処に置くべきか、その判断に悩んでいる」
魔王「勇者は……どうしたいと考える?」
>>62
1.復讐したい
2.共存
3.のんびりしたい
4.力が欲しい
5.分かんね
勇者「何とか和解して共存できないもんかねえ」
魔王「現状からすぐにとはいかないだろうな……」
勇者「滅ぼす方が楽?」
魔王「それはそうだ」
勇者「そうかー……」
魔王「なにを早々と滅ぼす方に気が向いておるのだ」
魔王「現状からすぐにとはいかないだろうな……」
勇者「滅ぼす方が楽?」
魔王「それはそうだ」
勇者「そうかー……」
魔王「なにを早々と滅ぼす方に気が向いておるのだ」
勇者「だって、なあ?」
魔王「言いたい事は分からんでもないが……」
勇者「国王連中皆倒したらすんなり話しやすくなるかな」
魔王「それは征服と大差がないのでは?」
勇者「うーん……」
魔王「何にせよある程度は力をつけて貰わねばならぬ」
勇者「え、スパルタ?」
魔王「のんびりやりたいのか?」
勇者「あーそれもそっか……」
魔王「言いたい事は分からんでもないが……」
勇者「国王連中皆倒したらすんなり話しやすくなるかな」
魔王「それは征服と大差がないのでは?」
勇者「うーん……」
魔王「何にせよある程度は力をつけて貰わねばならぬ」
勇者「え、スパルタ?」
魔王「のんびりやりたいのか?」
勇者「あーそれもそっか……」
勇者「……」ゴクリ
魔王「どうしたのだ? 食わぬの……もしや人間にとっては馴染みの無い肉であったか」
勇者「そりゃあ馴染みは……ドラゴンだよな、これ。竜肉なんて……おいおい、俺は幻でも見ているのか?」
魔王「おいそれと食卓に並ぶ物ではないが、今日は祝いの意味を込めても特別だからな」
魔王「遠慮などお前らしくなかろう」
勇者「うぅぅ、そうだな、そうだよなっ! いいんだよなっ!! いぃぃただぁぁきぃまぁぁぁす!!」
勇者「うめぇ! 熱ぅぅ! 超うめぇぇぇ! 噛む度に溢れる肉汁!!」ハフッハフッ
魔王「そして舌を焦がさんばかりのあっつあつなのだよな」
勇者「ぅぅぅ、こんな、こんな美味い物……ううぅぅうぅぅ……ありがとう、ありがとう魔王」ボロッボロッ
魔王「……気持ちは分からんでも無いが、泣かずともよいではないか」
魔王「どうしたのだ? 食わぬの……もしや人間にとっては馴染みの無い肉であったか」
勇者「そりゃあ馴染みは……ドラゴンだよな、これ。竜肉なんて……おいおい、俺は幻でも見ているのか?」
魔王「おいそれと食卓に並ぶ物ではないが、今日は祝いの意味を込めても特別だからな」
魔王「遠慮などお前らしくなかろう」
勇者「うぅぅ、そうだな、そうだよなっ! いいんだよなっ!! いぃぃただぁぁきぃまぁぁぁす!!」
勇者「うめぇ! 熱ぅぅ! 超うめぇぇぇ! 噛む度に溢れる肉汁!!」ハフッハフッ
魔王「そして舌を焦がさんばかりのあっつあつなのだよな」
勇者「ぅぅぅ、こんな、こんな美味い物……ううぅぅうぅぅ……ありがとう、ありがとう魔王」ボロッボロッ
魔王「……気持ちは分からんでも無いが、泣かずともよいではないか」
勇者「……ぜえ、はあ」ボロッボロ
魔王「今日はこの辺りとするか」
勇者「これから、毎日、こんなか」
魔王「勇者自身が選んだ道ではないか」
勇者「ぐ、そうだな……くっそー、絶対にやってやんぞー」
魔王「そうだな……そしてこれはその為の最低限の準備段階でしかないのだがな」
勇者「うっせー」
魔王「今日はこの辺りとするか」
勇者「これから、毎日、こんなか」
魔王「勇者自身が選んだ道ではないか」
勇者「ぐ、そうだな……くっそー、絶対にやってやんぞー」
魔王「そうだな……そしてこれはその為の最低限の準備段階でしかないのだがな」
勇者「うっせー」
勇者「うめぇなあおい……お前いつもこんなもん食っているのか」ガッガッ
魔王「そこまで豪華でないと思うが。お前は普段何を食しておるのだ?」
勇者「動物とか携帯食料とか」
勇者「携帯食料はまだ残ってんな。食ってみるか?」
魔王「ふむ、頂くとするか」ハム
魔王「……」
勇者「どうよ?」
魔王「……もっとマシな保存食は無かったのか?」
勇者「栄養価だとそれが、な」
魔王「そこまで豪華でないと思うが。お前は普段何を食しておるのだ?」
勇者「動物とか携帯食料とか」
勇者「携帯食料はまだ残ってんな。食ってみるか?」
魔王「ふむ、頂くとするか」ハム
魔王「……」
勇者「どうよ?」
魔王「……もっとマシな保存食は無かったのか?」
勇者「栄養価だとそれが、な」
勇者「……」ペラ
魔王「ほう……お前でも書物を読むのだな」
勇者「学問が出来るわけじゃねーけども、情報収集くらいはするからな」ペラ
魔王「何か興味深い書物でもあったか?」
勇者「武術に関する本がな」
魔王「……何と言うか、それでも相変わらずなのだな」
魔王「ほう……お前でも書物を読むのだな」
勇者「学問が出来るわけじゃねーけども、情報収集くらいはするからな」ペラ
魔王「何か興味深い書物でもあったか?」
勇者「武術に関する本がな」
魔王「……何と言うか、それでも相変わらずなのだな」
勇者「……ふぅ、ん」クチュ
勇者「ん……はぁ」クチュクチュ
勇者「……ふ、んんっ」グチュ
勇者「あ、はあ……ん」クチュクチュ
勇者「ん……あっ……ぅん」グチュグチュ
勇者「ぅぅ、ん、あっ……んんっ!!」グチュグチュグチュ
勇者「ん……はぁ」クチュクチュ
勇者「……ふ、んんっ」グチュ
勇者「あ、はあ……ん」クチュクチュ
勇者「ん……あっ……ぅん」グチュグチュ
勇者「ぅぅ、ん、あっ……んんっ!!」グチュグチュグチュ
側近「……という事がありまして」
魔王「お主な……」
勇者「あ? 側近は鼻血出して何やってんだ? 熱中症か?」
側近「わーーーっ!?」
魔王「勇者の痴情を目撃したそうだ」
側近「あーーーっ!!」
勇者「あっそう。そりゃ何か悪かったな」
側近「えーーーっ!?」
魔王「お主な……」
勇者「あ? 側近は鼻血出して何やってんだ? 熱中症か?」
側近「わーーーっ!?」
魔王「勇者の痴情を目撃したそうだ」
側近「あーーーっ!!」
勇者「あっそう。そりゃ何か悪かったな」
側近「えーーーっ!?」
側近「あのー何かもうちょっとあれなリアクションがあっても良いのではー?」
勇者「おいおい。今更、女として振舞うつもりはねーよ」
勇者「つっても人間辞めた訳でもねーからな。ムラっと来る事はあるさ」
魔王「相変わらず男らしい発言だな」
側近「それならそれで、抱かれる事にも抵抗なさそうですね」
勇者「いや対人は面倒だからまだ一度もな……。ちょっと共闘しただけで大騒ぎする輩もいるぐらいだし」
側近「ああ……理由はともかく何か安心しました」
勇者「あ、膜はあってもいざって時に痛いだけで邪魔だから、剣の柄を使って破ってあるぞ」
魔王「……少しは自分の身体を大事にしたらどうだ」
勇者「お前はその身体を幾度と無く殺してくれたがな」
勇者「おいおい。今更、女として振舞うつもりはねーよ」
勇者「つっても人間辞めた訳でもねーからな。ムラっと来る事はあるさ」
魔王「相変わらず男らしい発言だな」
側近「それならそれで、抱かれる事にも抵抗なさそうですね」
勇者「いや対人は面倒だからまだ一度もな……。ちょっと共闘しただけで大騒ぎする輩もいるぐらいだし」
側近「ああ……理由はともかく何か安心しました」
勇者「あ、膜はあってもいざって時に痛いだけで邪魔だから、剣の柄を使って破ってあるぞ」
魔王「……少しは自分の身体を大事にしたらどうだ」
勇者「お前はその身体を幾度と無く殺してくれたがな」
勇者「うおぉぉ! 氷結魔法・強」カッ
魔王「灼熱魔法・凶!」ゴォ
勇者「雷撃魔法・強!!」ガッ
魔王「ぐ、守護壁魔法・凶!!」ビシン
魔王「驚いたな! まさか魔法で押されるとは!」キィンキン
勇者「へっへへ! 現役勇者をなめんな!」ギィィン
勇者「鳳凰十文字! 大、切、斬!!」ザザン
魔王「ぐぉぉ! 参った!」
勇者「……マジ、で?」
勇者「へ、へへ……やった! やったぞ!! 遂に魔王から一本とってやったぞ!!」
魔王(本気の殺し合いであれば、まだ我にも分があるようだが)
魔王「流石、と言わざるを得まいな……」
勇者「そろそろかねぇ」
魔王「そうだな。ようやっとそれだけ強くなっておれば」
勇者「うぐぐぐぐ」
魔王「灼熱魔法・凶!」ゴォ
勇者「雷撃魔法・強!!」ガッ
魔王「ぐ、守護壁魔法・凶!!」ビシン
魔王「驚いたな! まさか魔法で押されるとは!」キィンキン
勇者「へっへへ! 現役勇者をなめんな!」ギィィン
勇者「鳳凰十文字! 大、切、斬!!」ザザン
魔王「ぐぉぉ! 参った!」
勇者「……マジ、で?」
勇者「へ、へへ……やった! やったぞ!! 遂に魔王から一本とってやったぞ!!」
魔王(本気の殺し合いであれば、まだ我にも分があるようだが)
魔王「流石、と言わざるを得まいな……」
勇者「そろそろかねぇ」
魔王「そうだな。ようやっとそれだけ強くなっておれば」
勇者「うぐぐぐぐ」
魔王「とは言え、凄まじい勢いでの上達っぷりではあるな」
勇者「だろー! もっと褒めろ讃えろー!」
魔王「飽くまで勇者として我と戦っていた時が嘘のようだ」
勇者「そりゃあどうも……」
魔王「もしかしたら、勇者は格段に強い相手と戦い続ける事で、飛躍的に成長するのやもしれないな」
魔王「スパルタをすればするほど強くなる。恐ろしい血筋だな」
勇者「マゾヒストの極みじゃねーか……頼むぜご先祖様」
勇者「だろー! もっと褒めろ讃えろー!」
魔王「飽くまで勇者として我と戦っていた時が嘘のようだ」
勇者「そりゃあどうも……」
魔王「もしかしたら、勇者は格段に強い相手と戦い続ける事で、飛躍的に成長するのやもしれないな」
魔王「スパルタをすればするほど強くなる。恐ろしい血筋だな」
勇者「マゾヒストの極みじゃねーか……頼むぜご先祖様」
勇者「ふう、ふう……」
魔王「お見事」
勇者「案外やれるもんだな」
魔王「……本当に短期間で成長したな」
暗殺者A「」
暗殺者B「」
暗殺者C「」
暗殺者D「」
魔王「お見事」
勇者「案外やれるもんだな」
魔王「……本当に短期間で成長したな」
暗殺者A「」
暗殺者B「」
暗殺者C「」
暗殺者D「」
魔王「ここまでくればもう問題なかろう」
勇者「いよいよか……ってちょっと待った。言いだしっぺでなんだが、俺はどうしたらいいんだ?」
魔王「外交を自分でやりたければそれでも構わんが……できやしないだろう?」
勇者「そりゃあな」
魔王「人民に対して求心力は?」
勇者「いやあ……どうだろう」
勇者「道中に助けた村や町からは支持されるかもしれねーが、都市とかだとなぁ」
魔王「……普段、国では何をしていたのだ」
勇者「延々と鍛練」
勇者「いよいよか……ってちょっと待った。言いだしっぺでなんだが、俺はどうしたらいいんだ?」
魔王「外交を自分でやりたければそれでも構わんが……できやしないだろう?」
勇者「そりゃあな」
魔王「人民に対して求心力は?」
勇者「いやあ……どうだろう」
勇者「道中に助けた村や町からは支持されるかもしれねーが、都市とかだとなぁ」
魔王「……普段、国では何をしていたのだ」
勇者「延々と鍛練」
魔王「この和平を結ぶには特に有権者、国の中心地にいる人物の支持が必要となる」
勇者「ふむふむ」
魔王「が、しかしこうも勇者が使えないとは……」
勇者「そりゃ悪かったな」
魔王「ううむ……少しは充てにしていたからな」
勇者「計画練り直しか?」
魔王「そんなところだな」
勇者「ふむふむ」
魔王「が、しかしこうも勇者が使えないとは……」
勇者「そりゃ悪かったな」
魔王「ううむ……少しは充てにしていたからな」
勇者「計画練り直しか?」
魔王「そんなところだな」
魔王「――」ブツブツ
側近「――」ブツブツ
勇者「やっべぇ、俺完全に空気だな」
勇者「何してるか……どっか外にでも行ってるか」
村人A「おお、勇者様じゃねーか! 指名手配されてっけどどうしたんだ!?」
村人B「城の宝でもぶっ壊したか? ほとぼり冷めるまで匿ってもいいんだぜ?」
勇者「ま、そんなところだ。別の所で匿ってもらっているから大丈夫だぜ」
勇者「……しがらみばっかの連中以外なら信頼されているんだがなぁ」
側近「――」ブツブツ
勇者「やっべぇ、俺完全に空気だな」
勇者「何してるか……どっか外にでも行ってるか」
村人A「おお、勇者様じゃねーか! 指名手配されてっけどどうしたんだ!?」
村人B「城の宝でもぶっ壊したか? ほとぼり冷めるまで匿ってもいいんだぜ?」
勇者「ま、そんなところだ。別の所で匿ってもらっているから大丈夫だぜ」
勇者「……しがらみばっかの連中以外なら信頼されているんだがなぁ」
勇者「んー……信頼を得ていそうな所はだいたいこの辺りか」
勇者「改めて僻地ばっかだなぁ」
勇者「……これじゃあ交渉のカードにはならねーよな」
勇者「もっと俺に力があればなぁ」
勇者「そうすりゃあ、城でもある程度支持が得られていたかもしれないってのに……」
勇者「はぁ……」
勇者「改めて僻地ばっかだなぁ」
勇者「……これじゃあ交渉のカードにはならねーよな」
勇者「もっと俺に力があればなぁ」
勇者「そうすりゃあ、城でもある程度支持が得られていたかもしれないってのに……」
勇者「はぁ……」
勇者「なーにやってんだかなぁ……」
魔王「なんだ? 珍しく弱音か?」
勇者「へ? あー、まーそんなところかねぇ」
魔王「付き合おうか?」
勇者「いんや。こんな俺でも王様にはご恩を返したかったが、と思っていただけだ」
勇者「それよかさ。お前のその仮面って何か意味でもあるの?」
魔王「うむ。言うなれば我が力が封じられており、一度外すと……」
勇者「ふーん」カタ
魔王「あ、おい、こらっ」
魔王「なんだ? 珍しく弱音か?」
勇者「へ? あー、まーそんなところかねぇ」
魔王「付き合おうか?」
勇者「いんや。こんな俺でも王様にはご恩を返したかったが、と思っていただけだ」
勇者「それよかさ。お前のその仮面って何か意味でもあるの?」
魔王「うむ。言うなれば我が力が封じられており、一度外すと……」
勇者「ふーん」カタ
魔王「あ、おい、こらっ」
魔王「……」
勇者「……」バックバック
魔王「馬鹿者! 我の仮面を外したな!!」
勇者「謝る! 本気で謝るしもうしない!」バクバク
魔王「当たり前だ! 全く……我は何をした? 人間側の土地が全て焦土と化していないだろうな?」
勇者「えぇー……あれより酷い事になり得たのかよ」ドキドキ
勇者「……」バックバック
魔王「馬鹿者! 我の仮面を外したな!!」
勇者「謝る! 本気で謝るしもうしない!」バクバク
魔王「当たり前だ! 全く……我は何をした? 人間側の土地が全て焦土と化していないだろうな?」
勇者「えぇー……あれより酷い事になり得たのかよ」ドキドキ
勇者「つーか何なんだよあれ……二重人格とか左腕がっ! か?」
魔王「似たようなものだ……」
勇者「お前が言葉を濁すって珍しいな」
魔王「我とて色々とあったのだよ」
勇者「ふーん……」
勇者「まあいいさ。話したくない事もある……」
側近「お話のところ失礼します。先ほど、勇者さんがいた国の城に巨大な岩石が振ってきた、という知らせが入りました」
勇者「うおおぉぉぉい、直撃じゃねーーかぁぁ!!」
魔王「似たようなものだ……」
勇者「お前が言葉を濁すって珍しいな」
魔王「我とて色々とあったのだよ」
勇者「ふーん……」
勇者「まあいいさ。話したくない事もある……」
側近「お話のところ失礼します。先ほど、勇者さんがいた国の城に巨大な岩石が振ってきた、という知らせが入りました」
勇者「うおおぉぉぉい、直撃じゃねーーかぁぁ!!」
魔王「さて……どうしたらいいものか」
魔王「箱を開けてみたら交渉のカードが武力しかない、というのは如何ともしがたいものだな」
勇者「悪かったな」
魔王「まあ、それ以外を当てにしていた我も悪いのだがな」
側近「いっその事、その辺りをアピールして協定を結ぶのが早そうですね」
魔王「うーむ」
勇者「つーかさ、国王連中の目的って一番は魔王死後の魔石だろ?」
勇者「俺と組むから最強ーって事で諦めては貰えないもんか?」
魔王「それでも策を講じるのが人間だろうに」
魔王「箱を開けてみたら交渉のカードが武力しかない、というのは如何ともしがたいものだな」
勇者「悪かったな」
魔王「まあ、それ以外を当てにしていた我も悪いのだがな」
側近「いっその事、その辺りをアピールして協定を結ぶのが早そうですね」
魔王「うーむ」
勇者「つーかさ、国王連中の目的って一番は魔王死後の魔石だろ?」
勇者「俺と組むから最強ーって事で諦めては貰えないもんか?」
魔王「それでも策を講じるのが人間だろうに」
魔王「だが一度、国王と会談を設ける必要はありそうだな」
側近「では上手く手筈を整えておきます」
勇者「どうやってだ?」
側近「国王の予定を調べておき、暇がある時にこちらか転移魔法で移動」
側近「その場で会談を行い、怪しい雲行きになったら即転移魔法で逃げ帰ります」
勇者「なんか煮え切らないやり方だな」
魔王「戦争が目的ではないのだぞ」
側近「では上手く手筈を整えておきます」
勇者「どうやってだ?」
側近「国王の予定を調べておき、暇がある時にこちらか転移魔法で移動」
側近「その場で会談を行い、怪しい雲行きになったら即転移魔法で逃げ帰ります」
勇者「なんか煮え切らないやり方だな」
魔王「戦争が目的ではないのだぞ」
……
国王「それでこうして来た、と」
勇者「そうそう」
国王「そうか……お前はそちらに行ってしまうのだな」
魔王(我らは蚊帳の外だな)
側近(まあ仕方が無い事ですけどね)
勇者「よくもまあ抜け抜けと」
勇者「俺に暗殺者仕向けたんじゃねーのかよ」
国王「そうだな……」
国王「まさかそれで瀕死の重傷を負うほど弱いとは、思ってもみなかったぞ」
勇者「えっ」
魔王「えっ」
国王「それでこうして来た、と」
勇者「そうそう」
国王「そうか……お前はそちらに行ってしまうのだな」
魔王(我らは蚊帳の外だな)
側近(まあ仕方が無い事ですけどね)
勇者「よくもまあ抜け抜けと」
勇者「俺に暗殺者仕向けたんじゃねーのかよ」
国王「そうだな……」
国王「まさかそれで瀕死の重傷を負うほど弱いとは、思ってもみなかったぞ」
勇者「えっ」
魔王「えっ」
勇者「どゆこと、迎撃されると思っていたのか?」
国王「少なくとも私はな。だが、大臣達が収まらなかった故、ああした手を打ったのだ」
勇者「……」
勇者「なあ、もうこんなん止めにしないか?だってよ、ぶっちゃけ得はもうしないんじゃないか?」
国王「そんな事は私が一番知っておるよ。何せこれで魔王が二人……いや何でもない」
国王「兎に角、私としてはもう魔族に対し攻撃する気は無い」
勇者「それが聞けてよかったよ」
側近(色々と引っ掛かりますね)
魔王(うむ……)
国王「少なくとも私はな。だが、大臣達が収まらなかった故、ああした手を打ったのだ」
勇者「……」
勇者「なあ、もうこんなん止めにしないか?だってよ、ぶっちゃけ得はもうしないんじゃないか?」
国王「そんな事は私が一番知っておるよ。何せこれで魔王が二人……いや何でもない」
国王「兎に角、私としてはもう魔族に対し攻撃する気は無い」
勇者「それが聞けてよかったよ」
側近(色々と引っ掛かりますね)
魔王(うむ……)
勇者「あ、それと王様」
国王「なんだ?」
勇者「……本当に申し訳御座いませんでした」
国王「……何の話だ?」
勇者「城の北側の落石……」
国王「……」
国王「え、お主がやったのか……?」
勇者「俺自身じゃないけど……俺が、原因」
国王「こんな事が言える立場では無いが……頼む、二度としないでくれ」
勇者「……マジごめんなさい」
国王「なんだ?」
勇者「……本当に申し訳御座いませんでした」
国王「……何の話だ?」
勇者「城の北側の落石……」
国王「……」
国王「え、お主がやったのか……?」
勇者「俺自身じゃないけど……俺が、原因」
国王「こんな事が言える立場では無いが……頼む、二度としないでくれ」
勇者「……マジごめんなさい」
……
勇者「お前らなんか知ってんの?」
魔王「何がだ?」
勇者「王様がよく分かんねー事言っていたじゃんか」
勇者「変に過大評価されていたし、それに魔王が二人って何だよ」
勇者「俺、そんなに腹が出てきていたか?」
側近「いやあ……同じ鎧を着用なさっている以上、それは分からないかと」
魔王「因みに、魔王とは世襲制ではなからな」
勇者「なにそれ初耳」
勇者「お前らなんか知ってんの?」
魔王「何がだ?」
勇者「王様がよく分かんねー事言っていたじゃんか」
勇者「変に過大評価されていたし、それに魔王が二人って何だよ」
勇者「俺、そんなに腹が出てきていたか?」
側近「いやあ……同じ鎧を着用なさっている以上、それは分からないかと」
魔王「因みに、魔王とは世襲制ではなからな」
勇者「なにそれ初耳」
魔王「魔族であれば誰でも成れるのだよ」
勇者「何て夢の無い話だ」
魔王「但し、とある洞窟で命を懸けた試練を乗り越えなければ、魔王としての力を得る事はできない」
勇者「んじゃあ、お前は元々はそこまで強くなかったのか?」
魔王「今にしてみれば、な」
側近「それでも知らぬ者も無し、というくらい有名な騎士ではありましたがね」
勇者「試練を受けるにせよ、素質は必要って事か」
勇者「何て夢の無い話だ」
魔王「但し、とある洞窟で命を懸けた試練を乗り越えなければ、魔王としての力を得る事はできない」
勇者「んじゃあ、お前は元々はそこまで強くなかったのか?」
魔王「今にしてみれば、な」
側近「それでも知らぬ者も無し、というくらい有名な騎士ではありましたがね」
勇者「試練を受けるにせよ、素質は必要って事か」
勇者「んん? だとしたら魔王が二人ってどういう事だ?」
魔王「我も側近もそれで首を傾げておるのだ」
側近「初代勇者でさえ、その辺りの詳しい事は知らないのですから、彼らが知る由も無いはずですが……」
魔王「彼らは一体、どんな情報を得ているというのだ……」
勇者「どうするんだ? 他の国との和平を取り付けるのか、この事を調査するのか」
魔王「悩むところだな」
側近「相手が謎のカードを持っている以上、迂闊に動きたくは無いですね」
魔王「我も側近もそれで首を傾げておるのだ」
側近「初代勇者でさえ、その辺りの詳しい事は知らないのですから、彼らが知る由も無いはずですが……」
魔王「彼らは一体、どんな情報を得ているというのだ……」
勇者「どうするんだ? 他の国との和平を取り付けるのか、この事を調査するのか」
魔王「悩むところだな」
側近「相手が謎のカードを持っている以上、迂闊に動きたくは無いですね」
魔王「他の国で情報収集はできんのか?」
勇者「他国からしてみれば俺は、欲しくて堪らない魔石を掠め取る存在だぞ」
側近「目の上のコブですね」
勇者「最近まで気付かなかったぜ。道理で今まで他国に良い目で見られる事が無かったんだなぁ」
魔王「ふむ……」
魔王「もう一つ、何処かの国と会談を行う」
勇者「その心は?」
魔王「魔石を巡って、人間の国王同士はあまり仲が良く無いようだ」
魔王「今回の件は飽くまで、勇者の国の長のみの情報かどうかを探るとしよう」
側近「危険な賭けですけどね」
勇者「他国からしてみれば俺は、欲しくて堪らない魔石を掠め取る存在だぞ」
側近「目の上のコブですね」
勇者「最近まで気付かなかったぜ。道理で今まで他国に良い目で見られる事が無かったんだなぁ」
魔王「ふむ……」
魔王「もう一つ、何処かの国と会談を行う」
勇者「その心は?」
魔王「魔石を巡って、人間の国王同士はあまり仲が良く無いようだ」
魔王「今回の件は飽くまで、勇者の国の長のみの情報かどうかを探るとしよう」
側近「危険な賭けですけどね」
国王「そうか……君はそちらに付いたのだな」
勇者「……良く言うぜ。暗殺者の中にこの国の紋章が入った装備している奴がいたんだぞ」
国王「……」
国王「お前は……魔王になってしまったのか?」
魔王「!」
側近「!」
勇者「……どういう意味だ」
国王「……」
国王「いや、何でもない……忘れてくれ。和平には応じよう」
勇者「……良く言うぜ。暗殺者の中にこの国の紋章が入った装備している奴がいたんだぞ」
国王「……」
国王「お前は……魔王になってしまったのか?」
魔王「!」
側近「!」
勇者「……どういう意味だ」
国王「……」
国王「いや、何でもない……忘れてくれ。和平には応じよう」
……
勇者「……」
魔王「……」
側近「……」
勇者「結構やばい状況か?」
魔王「当然だっ。何だというのだ。彼らは一体何を知っているというのだ!」
側近「……こちらで得ている情報で想定するのであれば」
側近「強い相手と戦えば戦うほど強くなる勇者さんの性質上」
側近「魔王様と共にいる以上、魔王様と戦闘訓練を行っていると国王達は推測」
側近「よって、魔王様に並ぶまでに成長した……と考えているのでしょうか?」
勇者「だけどもよ、それだと魔王に成るとは言わないだろう」
側近「うーん……」
勇者「……」
魔王「……」
側近「……」
勇者「結構やばい状況か?」
魔王「当然だっ。何だというのだ。彼らは一体何を知っているというのだ!」
側近「……こちらで得ている情報で想定するのであれば」
側近「強い相手と戦えば戦うほど強くなる勇者さんの性質上」
側近「魔王様と共にいる以上、魔王様と戦闘訓練を行っていると国王達は推測」
側近「よって、魔王様に並ぶまでに成長した……と考えているのでしょうか?」
勇者「だけどもよ、それだと魔王に成るとは言わないだろう」
側近「うーん……」
魔王「一先ず、今後は使者を出すとしよう」
魔王「いくら向こうの国々が非協力的とは言え、もう二箇所を訪れたのだ」
魔王「魔王と勇者が手を組み、和平を結ぶ会談を行っているのは伝わっているだろう」
魔王「その間、こちらは文献を漁るとしよう」
勇者「具体的にどうに調べるんだ?」
魔王「勇者とは何たるか、魔王とは何たるか、だな」
勇者「うわ、面倒臭そう」
魔王「側近は使者の方を頼む」
側近「こちらの方が厄介なんですけどねぇ」
魔王「いくら向こうの国々が非協力的とは言え、もう二箇所を訪れたのだ」
魔王「魔王と勇者が手を組み、和平を結ぶ会談を行っているのは伝わっているだろう」
魔王「その間、こちらは文献を漁るとしよう」
勇者「具体的にどうに調べるんだ?」
魔王「勇者とは何たるか、魔王とは何たるか、だな」
勇者「うわ、面倒臭そう」
魔王「側近は使者の方を頼む」
側近「こちらの方が厄介なんですけどねぇ」
勇者「なんか分かったか?」
魔王「そちらはどうだ?」
勇者「分かる訳ねーだろ」
魔王「だろうな……やはり、完全にこちらが把握していない内容なのだろうな」
勇者「もうちょいヒントがあればなぁ」
魔王「現状、既存の情報のおさらいでしかないからな」
魔王「そちらはどうだ?」
勇者「分かる訳ねーだろ」
魔王「だろうな……やはり、完全にこちらが把握していない内容なのだろうな」
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