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……
勇者「ふあぁ……あー何時だ」
魔王「やっと目覚めたか」
勇者「……」
勇者「その仮面外していいか?」ヒョイ
魔王「我々の話を聞いていたよな?」パシ
勇者「あー……夢じゃねーんだな」
魔王「もう少し良い確かめ方があると思うのだが?」
勇者「ふあぁ……あー何時だ」
魔王「やっと目覚めたか」
勇者「……」
勇者「その仮面外していいか?」ヒョイ
魔王「我々の話を聞いていたよな?」パシ
勇者「あー……夢じゃねーんだな」
魔王「もう少し良い確かめ方があると思うのだが?」
魔王「それで、これからどうするというのだ?」
勇者「……いや、なんかもうどうでもいいかなぁ」
勇者「お前さ、俺がいなかったらどうしようとしてたんだ?」
魔王「魔族側の領土に、攻撃部隊の養成所がある。そこの全部隊をこちらに戻し」
魔王「人間側の暗殺者の部隊を壊滅させ、向こうの戦力を削いでくれようと思っているのだが」
勇者「じゃあそうしちまえよ」
魔王「良いのか?」
勇者「もう俺、こっち側で生活するわ」
魔王「ふぅむ……」
勇者「……いや、なんかもうどうでもいいかなぁ」
勇者「お前さ、俺がいなかったらどうしようとしてたんだ?」
魔王「魔族側の領土に、攻撃部隊の養成所がある。そこの全部隊をこちらに戻し」
魔王「人間側の暗殺者の部隊を壊滅させ、向こうの戦力を削いでくれようと思っているのだが」
勇者「じゃあそうしちまえよ」
魔王「良いのか?」
勇者「もう俺、こっち側で生活するわ」
魔王「ふぅむ……」
……
側近「人間側の全ての国より和平条約が揃いました」
魔王「うむ……結局は力、なのか」
側近「これも一つの結果かと」
魔王「うむ……して」
勇者「おおええぇぇぇぇ」エレエレー
魔王「勇者はどうしたというのだ……?」
勇者「最近、めっちゃ吐き気が……なんだよこれ、こんなん初めてだぞ」
側近「ここで普通に生活しているだけですよね」
側近「人間側の全ての国より和平条約が揃いました」
魔王「うむ……結局は力、なのか」
側近「これも一つの結果かと」
魔王「うむ……して」
勇者「おおええぇぇぇぇ」エレエレー
魔王「勇者はどうしたというのだ……?」
勇者「最近、めっちゃ吐き気が……なんだよこれ、こんなん初めてだぞ」
側近「ここで普通に生活しているだけですよね」
勇者「あーまた酢の物食いてぇ……晩飯に加えといて」
魔王「また……?」
側近「なにやら、最近酢の物をよく召し上がっているようで」
魔王「……」
勇者「なんなんかなぁこれ……」
魔王「……」
側近「一度、医者に見てもらっては? 城にもいますよ?」
魔王「……」
魔王「また……?」
側近「なにやら、最近酢の物をよく召し上がっているようで」
魔王「……」
勇者「なんなんかなぁこれ……」
魔王「……」
側近「一度、医者に見てもらっては? 城にもいますよ?」
魔王「……」
……
勇者「……」
側近「……」
魔王「……」
側近「ご、御懐妊おめでとうございます……」
勇者「マジ、かよ……」
魔王「ぬおぉぉぉ……」
勇者「……」
側近「……」
魔王「……」
側近「ご、御懐妊おめでとうございます……」
勇者「マジ、かよ……」
魔王「ぬおぉぉぉ……」
魔王「……すまぬ」
勇者「別に構わねーよ」
勇者「言っただろお前ならいいって」
魔王「……そ、そうか」
側近「魔王様が照れてるキモい」
勇者「そうね……流石に気持ち悪い」
魔王「?!」
側近「?!」
勇者「別に構わねーよ」
勇者「言っただろお前ならいいって」
魔王「……そ、そうか」
側近「魔王様が照れてるキモい」
勇者「そうね……流石に気持ち悪い」
魔王「?!」
側近「?!」
勇者「一応、王女になる訳だし前線に出る事もないだろうからね」
勇者「まあ……流石に今までどおりじゃ、この子も可哀相でしょ」サスサス
魔王「う、うむ……」
側近「すごい慣れませんね、こっちが」
勇者「正直、あたしも結構無理してやってる」
側近「お体に障るのでは?」
勇者「生まれた時からあんなんじゃないからね……そのうちあたしも慣れるよ」
勇者「まあ……流石に今までどおりじゃ、この子も可哀相でしょ」サスサス
魔王「う、うむ……」
側近「すごい慣れませんね、こっちが」
勇者「正直、あたしも結構無理してやってる」
側近「お体に障るのでは?」
勇者「生まれた時からあんなんじゃないからね……そのうちあたしも慣れるよ」
魔王「まさか……これほど早くに身を固める時が来るとは」
王女「ごめんね。それともう一つごめんね」
王女「あたし、魔王よりもずっと早くに死んじゃうから」
魔王「……それは止むを得ない事だろう。だからこそ、今の時間を大切にするのだ。終わり無き日々も無いのだからな」
その後
平和な日々は続き魔王と王女、そして王妃は幸せに暮らしたとされる。
しかし、実際には幾度か王女と王妃への暗殺が企てられ、その度に魔王は頭を抱えていたという。
何よりの悩みの種であったのは、王妃自身でもその不粋者を蹴散らす事があり、
勇者であった時以上の力であると多くの者を恐れさせると共に、
自ら最前線で剣を振るうようなってしまった事である。
マッドプリンセス End
王女「ごめんね。それともう一つごめんね」
王女「あたし、魔王よりもずっと早くに死んじゃうから」
魔王「……それは止むを得ない事だろう。だからこそ、今の時間を大切にするのだ。終わり無き日々も無いのだからな」
その後
平和な日々は続き魔王と王女、そして王妃は幸せに暮らしたとされる。
しかし、実際には幾度か王女と王妃への暗殺が企てられ、その度に魔王は頭を抱えていたという。
何よりの悩みの種であったのは、王妃自身でもその不粋者を蹴散らす事があり、
勇者であった時以上の力であると多くの者を恐れさせると共に、
自ら最前線で剣を振るうようなってしまった事である。
マッドプリンセス End
母は強しってお前他のルートの努力なんだったんだwwwwwwwww
>>1-60
勇者「どうするにせよ力が欲しい」
魔王「ならばくれてやる」
勇者「スパルタ?」
魔王「素直に力が欲しいと言われてしまったら、至極当然であろう?」
魔王「それも死ぬほどのスパルタだぞ」
勇者「あ、やっぱり止めておこうかな……」
魔王「我々、魔王として君臨するものが行うものだ」
側近「魔王様……流石にそれは勇者さんが死にます」
魔王「恐らく精霊の加護とやらの範囲内であろうから問題なかろうて」
勇者「どうでもいいが死ぬの確定なのか」
勇者「どうするにせよ力が欲しい」
魔王「ならばくれてやる」
勇者「スパルタ?」
魔王「素直に力が欲しいと言われてしまったら、至極当然であろう?」
魔王「それも死ぬほどのスパルタだぞ」
勇者「あ、やっぱり止めておこうかな……」
魔王「我々、魔王として君臨するものが行うものだ」
側近「魔王様……流石にそれは勇者さんが死にます」
魔王「恐らく精霊の加護とやらの範囲内であろうから問題なかろうて」
勇者「どうでもいいが死ぬの確定なのか」
魔王「ここだ……」
勇者「禍々しい洞窟だな……」
魔王「当然だ。だが、この試練に耐え抜けた先には、人智を超越した力が手に入るだろう」
勇者「しかもこの扉、開かなくね?」
魔王「ちゃんと開くぞ。中からは開かんがな」
勇者「あーリタイヤ無し、か……」
魔王「ほれ行って来い。時期魔王と目された者ですら命を落とす過酷な試練の始まりだ」
勇者「はっ? そこまで、ちょ、マジ待、あ、こら閉め~~~~~」ドンドンドン
側近「よ、よろしかったのですか?」
魔王「どうせ死に戻ってくるであろう」
勇者「禍々しい洞窟だな……」
魔王「当然だ。だが、この試練に耐え抜けた先には、人智を超越した力が手に入るだろう」
勇者「しかもこの扉、開かなくね?」
魔王「ちゃんと開くぞ。中からは開かんがな」
勇者「あーリタイヤ無し、か……」
魔王「ほれ行って来い。時期魔王と目された者ですら命を落とす過酷な試練の始まりだ」
勇者「はっ? そこまで、ちょ、マジ待、あ、こら閉め~~~~~」ドンドンドン
側近「よ、よろしかったのですか?」
魔王「どうせ死に戻ってくるであろう」
……
魔王「一ヶ月経った……」
側近「戻ってきませんね……」
魔王「……駄目かもしれんな」
側近「はい?」
魔王「あの内部は瘴気で満たされておる。生きていたとしても発狂し、死ぬ事もできずに彷徨って」
魔王「死んでいるとしたら……加護の範囲外だったのか……」
側近「……。っ!」
側近「ま、魔王様! 暗殺者が多数、こちらに!」
魔王「一ヶ月経った……」
側近「戻ってきませんね……」
魔王「……駄目かもしれんな」
側近「はい?」
魔王「あの内部は瘴気で満たされておる。生きていたとしても発狂し、死ぬ事もできずに彷徨って」
魔王「死んでいるとしたら……加護の範囲外だったのか……」
側近「……。っ!」
側近「ま、魔王様! 暗殺者が多数、こちらに!」
魔王「……どんな者達だ?」
側近「熟練の者の……そんな、全員対魔の血を……?」
魔王「ふむ……この時がきたか」
側近「魔王様……」
魔王「全戦力を投入するぞ。我も出る……ここが正念場だ……」
魔王「……せめて、もう一度勇者と話をしたかったのだがなぁ」
魔王「……いくぞ」カタ
側近「か、仮面を……」
魔王「出し惜しみできない状況だ……全力で叩き潰させてもらおうか」
側近「熟練の者の……そんな、全員対魔の血を……?」
魔王「ふむ……この時がきたか」
側近「魔王様……」
魔王「全戦力を投入するぞ。我も出る……ここが正念場だ……」
魔王「……せめて、もう一度勇者と話をしたかったのだがなぁ」
魔王「……いくぞ」カタ
側近「か、仮面を……」
魔王「出し惜しみできない状況だ……全力で叩き潰させてもらおうか」
暗殺者A「はあ……はあ……」
暗殺者C「たったの……四人か……」
暗殺者D「早くそれを仕舞え……」
暗殺者B「よし……何時でもいけるぞ」
「なんだー? 魔王のやつ死んじまった?」
暗殺者A「っ!」
勇者「おーお前らがか? 結構やるじゃん」
暗殺者C「たったの……四人か……」
暗殺者D「早くそれを仕舞え……」
暗殺者B「よし……何時でもいけるぞ」
「なんだー? 魔王のやつ死んじまった?」
暗殺者A「っ!」
勇者「おーお前らがか? 結構やるじゃん」
勇者「ったくよぉ……。あんな所に閉じ込めたお礼くらいしてやろうと思ったのによぉ」
暗殺者D「……本当にあの勇者なのか?」
暗殺者C「この禍々しい雰囲気は……」
勇者「まあいいっかぁ……どーせこの後の事なんて、あたしにはカンケーないしねぇ」
暗殺者A「……あたし?」
勇者「そ、あたし。もー辞めたんだーそーゆーの」
勇者「だってさ。勇者としてのあたしはさ……」
勇者「あの時、あんたらに殺されたじゃん?」
暗殺者D「……本当にあの勇者なのか?」
暗殺者C「この禍々しい雰囲気は……」
勇者「まあいいっかぁ……どーせこの後の事なんて、あたしにはカンケーないしねぇ」
暗殺者A「……あたし?」
勇者「そ、あたし。もー辞めたんだーそーゆーの」
勇者「だってさ。勇者としてのあたしはさ……」
勇者「あの時、あんたらに殺されたじゃん?」
勇者「だから辞ーめ。勇者じゃない、一般ピーポーとしてあたしは生きる事にしたの」
勇者「ま、全然一般じゃあないけどねぇ」ケラケラ
暗殺者B「様子があまりにも変だ……」
暗殺者C「お前は先に行け……我々の目的は魔石を持ち帰る事だ」
暗殺者A「くそ……なんだってこんな事に……」
暗殺者D「……! 勇者が消え……!」
勇者「ふ、ふふふ」
暗殺者B「……っこふ」ガクガク
勇者「ま、全然一般じゃあないけどねぇ」ケラケラ
暗殺者B「様子があまりにも変だ……」
暗殺者C「お前は先に行け……我々の目的は魔石を持ち帰る事だ」
暗殺者A「くそ……なんだってこんな事に……」
暗殺者D「……! 勇者が消え……!」
勇者「ふ、ふふふ」
暗殺者B「……っこふ」ガクガク
勇者「折角の的なんだから逃げちゃ困るんだよねぇ」
勇者「あ、この魔石は頂いておくね。バイバーイ」
暗殺者B「」ドサ
勇者「こんなものがあるからいけないんだよねーあーんっ」ゴクン
暗殺者A「なっ……」
暗殺者C「非常事態だ……引くぞ」
勇者「んーこれで何時でも一緒だね……魔王」サスサス
勇者「……あれ、三人ともいなくなっちゃったか」
勇者「爆破魔法」カッ
勇者「あ、この魔石は頂いておくね。バイバーイ」
暗殺者B「」ドサ
勇者「こんなものがあるからいけないんだよねーあーんっ」ゴクン
暗殺者A「なっ……」
暗殺者C「非常事態だ……引くぞ」
勇者「んーこれで何時でも一緒だね……魔王」サスサス
勇者「……あれ、三人ともいなくなっちゃったか」
勇者「爆破魔法」カッ
「や、奴が来ました!!」
「何としてでもここで……」カッ
「隣国で凄まじい光が!」
「逃げろ! もうじき奴がここに来るぞ!」
「何だ? 急に気温が……うわ、うわあぁっ」
「どうにか、どうにかあの化け物を倒せないのか?!」
「もう無駄だ……生まれたのだ……最悪最凶の魔王が……」
「何としてでもここで……」カッ
「隣国で凄まじい光が!」
「逃げろ! もうじき奴がここに来るぞ!」
「何だ? 急に気温が……うわ、うわあぁっ」
「どうにか、どうにかあの化け物を倒せないのか?!」
「もう無駄だ……生まれたのだ……最悪最凶の魔王が……」
勇者「あー……すっきりしたなぁ」
勇者「何処を見てもこの荒れ果ての大地に紅い空……」
勇者「ああ……清清しいなぁ」
勇者「もうだーれもいないよ……嫌な事も嫌な人も」
勇者「ふ、ふふ、ふふふふ、あははははははは」
勇者「あーはっはっはっは! あーはっはっはっはっはっはっ!!」
……
…………
勇者「何処を見てもこの荒れ果ての大地に紅い空……」
勇者「ああ……清清しいなぁ」
勇者「もうだーれもいないよ……嫌な事も嫌な人も」
勇者「ふ、ふふ、ふふふふ、あははははははは」
勇者「あーはっはっはっは! あーはっはっはっはっはっはっ!!」
……
…………
………………
「こちらSA3、惑星SRX244に降下する」
「何て荒廃した……やはり、まともに生命体はいなさそうだな」
「発見されてから60年……依然、時が止まったままの惑星、か。一体何が起こったというのだ」
「あ、あれは、人か? 馬鹿な! こんな環境下で?!」
「女性の姿をした生命体を確認! これより接触をはか……何だ手を振って」
「この光は?! う、うあぁぁ!」ザザ ザーーーーー
災厄の魔王End
「こちらSA3、惑星SRX244に降下する」
「何て荒廃した……やはり、まともに生命体はいなさそうだな」
「発見されてから60年……依然、時が止まったままの惑星、か。一体何が起こったというのだ」
「あ、あれは、人か? 馬鹿な! こんな環境下で?!」
「女性の姿をした生命体を確認! これより接触をはか……何だ手を振って」
「この光は?! う、うあぁぁ!」ザザ ザーーーーー
災厄の魔王End
>>1-60
勇者「何かもーどーでもいっか」
魔王「む?」
勇者「そこら辺はお前に任せちまって、俺はのんびり暮らしたいな」
魔王「良いのか?」
勇者「もうさ……勇者ってのに疲れちまったんだ」
魔王「ふむ……そうか、では何に転職するのだ?」
勇者「とりあえず、魔族側を旅してみたいから何だって構わねーよ」
魔王「では無職だな」
勇者「何か凄い嫌だな」
勇者「何かもーどーでもいっか」
魔王「む?」
勇者「そこら辺はお前に任せちまって、俺はのんびり暮らしたいな」
魔王「良いのか?」
勇者「もうさ……勇者ってのに疲れちまったんだ」
魔王「ふむ……そうか、では何に転職するのだ?」
勇者「とりあえず、魔族側を旅してみたいから何だって構わねーよ」
魔王「では無職だな」
勇者「何か凄い嫌だな」
勇者「さーて、これから何処に行こうかなっと」
勇者(とりあえず山を越えないとか。案外面倒だな)
勇者「そういえば……こっちって魔物は」
山賊A「ヒャッハーーー!」
山賊B「ここを通りたければっ!」
山賊C「有り金全部置いていきなーー!!」
勇者(とりあえず山を越えないとか。案外面倒だな)
勇者「そういえば……こっちって魔物は」
山賊A「ヒャッハーーー!」
山賊B「ここを通りたければっ!」
山賊C「有り金全部置いていきなーー!!」
山賊A「バイ、ずびばぜんでじだ」
山賊B「もうじまぜん」
山賊C「ぢゅうぜいをぢがいまず」
勇者「何だよ。魔族側は賊がいるのかよ」
山賊A「……? 人間の方ですか?」
勇者「そうだよ」
山賊B「……っえ、じゃあまさか勇者、様で」
山賊C「あばばばば、とてつもない方に喧嘩を」
山賊B「もうじまぜん」
山賊C「ぢゅうぜいをぢがいまず」
勇者「何だよ。魔族側は賊がいるのかよ」
山賊A「……? 人間の方ですか?」
勇者「そうだよ」
山賊B「……っえ、じゃあまさか勇者、様で」
山賊C「あばばばば、とてつもない方に喧嘩を」
勇者「とりあえずお前ら俺の下僕な」
山賊A「ははははい、何なりとぉ」
山賊B「それにしても、勇者様が何故こちらに……?」
勇者「あー……まあそういうの辞めたんだよ」
山賊C「そうなのですか?」
勇者「で、こっちを旅してーな、と思ってな」
山賊A「は、はあ……」
山賊A「ははははい、何なりとぉ」
山賊B「それにしても、勇者様が何故こちらに……?」
勇者「あー……まあそういうの辞めたんだよ」
山賊C「そうなのですか?」
勇者「で、こっちを旅してーな、と思ってな」
山賊A「は、はあ……」
勇者「ここってどうやって金稼ぐんだ?」
山賊B「そりゃあ……仕事に就いてとか」
勇者「いや旅人だよ。お前らも山賊させねーからな?」
山賊C「えぇぇ……そうなりますと、そうですねぇ」
山賊A「小遣い稼ぎ程度ですが、薬草とか詰んでいくとか」
山賊B「後は街で出されているクエストをこなすぐらいっすかねぇ」
勇者「何じゃそりゃ」
山賊C「個人や団体が不特定に対し仕事を依頼するんですよ」
山賊A「酒場とかによく張り出されてますね」
山賊B「そりゃあ……仕事に就いてとか」
勇者「いや旅人だよ。お前らも山賊させねーからな?」
山賊C「えぇぇ……そうなりますと、そうですねぇ」
山賊A「小遣い稼ぎ程度ですが、薬草とか詰んでいくとか」
山賊B「後は街で出されているクエストをこなすぐらいっすかねぇ」
勇者「何じゃそりゃ」
山賊C「個人や団体が不特定に対し仕事を依頼するんですよ」
山賊A「酒場とかによく張り出されてますね」
勇者「例えば、ここの直近の町の警備連中から、山賊討伐の依頼とかか」
山賊B「……え、俺ら売られるんっすか?」
勇者「例えの話だ。地理とかがさっぱりだから、同行者が必要なんだよ」
勇者「で、達成して初めて報酬が得られると」
山賊A「そうなんですが、これも殆どがパシリだったりで、良い儲け話ではありませんねぇ」
山賊C「ある程度有名人だったりすると、信頼や実力が伴う依頼が受けられるそうですけども」
勇者「おいおい、勝手にそういう依頼が見えるようになる、とか訳の分からん話じゃないだろうな」
山賊B「もっと現実的っすね。顔が知られていると酒場の主人に、特別な依頼が掲示されている別室に招かれるんだそうっす」
勇者「それはそれで夢がねーな……」
山賊B「……え、俺ら売られるんっすか?」
勇者「例えの話だ。地理とかがさっぱりだから、同行者が必要なんだよ」
勇者「で、達成して初めて報酬が得られると」
山賊A「そうなんですが、これも殆どがパシリだったりで、良い儲け話ではありませんねぇ」
山賊C「ある程度有名人だったりすると、信頼や実力が伴う依頼が受けられるそうですけども」
勇者「おいおい、勝手にそういう依頼が見えるようになる、とか訳の分からん話じゃないだろうな」
山賊B「もっと現実的っすね。顔が知られていると酒場の主人に、特別な依頼が掲示されている別室に招かれるんだそうっす」
勇者「それはそれで夢がねーな……」
勇者「で、最寄の町までどのくらいだ?」
山賊A「今からですと明日の夜に到着するぐらいですかね」
勇者「魔物とか出んの?」
山賊B「状況は人間側と変わらないっす」
勇者「面倒くせーな。ちゃっちゃと行くぞ」
山賊C「町とか何年ぶりでしょうね……」
山賊A「今からですと明日の夜に到着するぐらいですかね」
勇者「魔物とか出んの?」
山賊B「状況は人間側と変わらないっす」
勇者「面倒くせーな。ちゃっちゃと行くぞ」
山賊C「町とか何年ぶりでしょうね……」
百合エピソードは!仮面設定は!「お前実は女だったのか」フラグはこれまでなのか!
勇者「雷撃魔法・強!」
山賊A「すげー……」
山賊C「強が撃てる人、初めて見ました……」
勇者「まあ、人間側でも強はそう多くねーな」
勇者(魔法の熟練度はこっちも同じくれーか)
山賊B「この調子だと明日の昼前に着けそうっすね」
山賊A「すげー……」
山賊C「強が撃てる人、初めて見ました……」
勇者「まあ、人間側でも強はそう多くねーな」
勇者(魔法の熟練度はこっちも同じくれーか)
山賊B「この調子だと明日の昼前に着けそうっすね」
勇者「ほー結構栄えてんじゃねーか」
山賊A「そりゃあ、魔王城最寄の町ですし」
山賊C「城行きの物資の搬入ルートである以上、自然と栄えますからね」
勇者「お前ら……まさか」
山賊B「いやいやいや! そんな物資狙ったら、一発で首が飛んでくっすよ!」
勇者「場所の割にはみみっちく稼いでいたのか」
山賊A「命は惜しいもんで」
山賊A「そりゃあ、魔王城最寄の町ですし」
山賊C「城行きの物資の搬入ルートである以上、自然と栄えますからね」
勇者「お前ら……まさか」
山賊B「いやいやいや! そんな物資狙ったら、一発で首が飛んでくっすよ!」
勇者「場所の割にはみみっちく稼いでいたのか」
山賊A「命は惜しいもんで」
勇者「っぷはぁーー!」
山賊C「何て良い飲みっぷり」
勇者「まーなー。旅していると色々とあるからなぁ」
山賊B「一通りのクエストを取ってきたっす」
勇者「ほー……何だよ。違う町への物資の輸送とか、アイテム持って来いとかばっかだな」
山賊A「ですから基本パシリなんですって」
勇者「この報酬の補給品とかって何だよ」
山賊C「回復薬だったり、巻物や杖ですね」
勇者「巻物? 杖? なんだよそりゃあ」
山賊A「え”っ?!」
山賊C「何て良い飲みっぷり」
勇者「まーなー。旅していると色々とあるからなぁ」
山賊B「一通りのクエストを取ってきたっす」
勇者「ほー……何だよ。違う町への物資の輸送とか、アイテム持って来いとかばっかだな」
山賊A「ですから基本パシリなんですって」
勇者「この報酬の補給品とかって何だよ」
山賊C「回復薬だったり、巻物や杖ですね」
勇者「巻物? 杖? なんだよそりゃあ」
山賊A「え”っ?!」
山賊B「……つかぬ事お伺い致しますが、ご存知無いのでしょうか?」
勇者「少なくとも人間側には巻物や杖で有力な物はねーな」
山賊A「こちらでは常識なので意外な話ですね」
山賊C「巻物は読むとその巻物に込められた魔法が放たれます」
山賊C「杖は振れば込められた魔法を、自分や隣接する相手等に放てます」
山賊C「巻物は一回限りで、杖は数回使えますね。使えなくなったらただの杖ですが」
勇者「そんな便利グッズがあんのかよ。羨ましいなぁおい」
勇者「少なくとも人間側には巻物や杖で有力な物はねーな」
山賊A「こちらでは常識なので意外な話ですね」
山賊C「巻物は読むとその巻物に込められた魔法が放たれます」
山賊C「杖は振れば込められた魔法を、自分や隣接する相手等に放てます」
山賊C「巻物は一回限りで、杖は数回使えますね。使えなくなったらただの杖ですが」
勇者「そんな便利グッズがあんのかよ。羨ましいなぁおい」
勇者「お、これなんか面白そうだな」
山賊A「えーと、模擬試合? あーこいつは止めた方がいいですよ」
山賊B「挑戦者叩き潰して楽しんでる奴っすよね」
勇者「結構額もいいな」
山賊C「それなものでして、事情を知らない犠牲が後を絶たないようでして」
勇者「お前ら町に来るの数年ぶりの癖に詳しいな」
山賊A「そりゃあ……」
勇者「……? え、まさか数年前から?!」
山賊B「そいつ、この町の頭なんっすよ」
山賊A「えーと、模擬試合? あーこいつは止めた方がいいですよ」
山賊B「挑戦者叩き潰して楽しんでる奴っすよね」
勇者「結構額もいいな」
山賊C「それなものでして、事情を知らない犠牲が後を絶たないようでして」
勇者「お前ら町に来るの数年ぶりの癖に詳しいな」
山賊A「そりゃあ……」
勇者「……? え、まさか数年前から?!」
山賊B「そいつ、この町の頭なんっすよ」
勇者「つーわけで、一戦頼まぁ」
依頼者「これはこれは随分と若い方が。ですが手加減はできませんよぉ?」
勇者「構わねーよ。ルールは白線範囲内で戦闘。魔法有り、回復薬、杖等の使用は不可でいいんだな?」
依頼者「ええ、ええ。その通りです」
依頼者「それでは……参りますよ?」
勇者「おうよ」
山賊A「うわちゃーマジかよー……」
山賊B「大丈夫っすかねぇ……」
山賊C「まあ大丈夫でしょう」
山賊A「なにその自信」
山賊C「いえね、魔王様と戦っていた方ですから、それなりの実力はあるはずですよ」
依頼者「これはこれは随分と若い方が。ですが手加減はできませんよぉ?」
勇者「構わねーよ。ルールは白線範囲内で戦闘。魔法有り、回復薬、杖等の使用は不可でいいんだな?」
依頼者「ええ、ええ。その通りです」
依頼者「それでは……参りますよ?」
勇者「おうよ」
山賊A「うわちゃーマジかよー……」
山賊B「大丈夫っすかねぇ……」
山賊C「まあ大丈夫でしょう」
山賊A「なにその自信」
山賊C「いえね、魔王様と戦っていた方ですから、それなりの実力はあるはずですよ」
依頼者「せいやぁ!」
勇者「よっ」ギィィン
依頼者「今のが捌かれるとは……はぁ! せいっ!」
勇者「ほっ、とうっ」ギィンギィン
勇者「足元が以下略」ゲシ
依頼者「なっ」
山賊A「軽く蹴り入れちゃった」
山賊B「すげーっす! 勇者様かっくぅいぃぃぃ!!」
山賊C「こうなると、あれは魔法を撃つでしょうが……勇者様相手ではねぇ」
勇者「よっ」ギィィン
依頼者「今のが捌かれるとは……はぁ! せいっ!」
勇者「ほっ、とうっ」ギィンギィン
勇者「足元が以下略」ゲシ
依頼者「なっ」
山賊A「軽く蹴り入れちゃった」
山賊B「すげーっす! 勇者様かっくぅいぃぃぃ!!」
山賊C「こうなると、あれは魔法を撃つでしょうが……勇者様相手ではねぇ」
依頼者「ふっふふ……仕方有りませんね」
依頼者「剣では負けですが……私の全力の魔法はどうでしょうかねぇ」
依頼者「行きますよ……爆破魔法・中!!」カッ
勇者「爆破魔法・中」カッ
山賊A「……これは」
山賊B「……何て」
山賊C「……恐ろしい」
依頼者「剣では負けですが……私の全力の魔法はどうでしょうかねぇ」
依頼者「行きますよ……爆破魔法・中!!」カッ
勇者「爆破魔法・中」カッ
山賊A「……これは」
山賊B「……何て」
山賊C「……恐ろしい」
依頼者「」
勇者「やべぇ……同じ中なのに完全に押し切っちまったよ」ポリポリ
勇者「回復魔法・中」パア
依頼者「っは! わ、私は……」
勇者「まぁ見ての通りだわな」
依頼者「っぐ、このような事など、認め……」
勇者「次、強で行くなー。爆破魔……」
依頼者「こちらが報酬でございます」
勇者「やべぇ……同じ中なのに完全に押し切っちまったよ」ポリポリ
勇者「回復魔法・中」パア
依頼者「っは! わ、私は……」
勇者「まぁ見ての通りだわな」
依頼者「っぐ、このような事など、認め……」
勇者「次、強で行くなー。爆破魔……」
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