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元スレほむら「ダークウィッチリターンズ」
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QB「最初に>>1がこれまで書いたSSをさらしておくよ」
・マミ「熱力学的奇跡ね」(元ネタ:ウォッチメン)
・QB「僕と契約してニンジャになってよ!」(元ネタ:ニンジャスレイヤー)
・マミ「通りすがりのタイヤキ屋さんよ!」(元ネタ:ライブアライブ)
QB「そして今回のネタは『ダークナイトリターンズ』」
QB「わけがわからないよね。そう、今回も>>1しか得しないんだ」
QB「時系列は最終話から十年後、なにしろリターンズだからね」
QB「最初は、ほむら=バットマン、マミ=トゥーフェイス、杏子=ジョーカー、
まどか=スーパーマンのつもりだったんだけど」
QB「若干シビルウォーとかも混ぜたりしたからごちゃごちゃになってね。あんまり気にしないでおくれよ」
QB「上手くハードボイルド感が出せてないし」
QB「何が言いたいかというと、デキが不安ってことさ」
QB「うん、予防線だね。恐る恐る始めるよ」
BOOK ONE THE DARK WITCH RETURNS
『世は去り世は来る 地は永久に長存(たもつ)なり
日は出で日は入り またその出しところに喘ぎゆくなり
風は南に行き また転(まわ)りて北に向かい
旋転(めぐ)りに旋(めぐ)りて行き 風復その旋転るところにかえる
河はみな海に流れ入る 海は盈(みつ)ることなし
河はその出きたるところに復還りゆくなり』
-旧約聖書 「伝道之書」-
バイト「お会計、四点で六一七円になります」
ほむら「………」チャリンチャリン
バイト「ありがとうございましたー」
ほむら「………」テクテク
チンピラ1「なあ、あれ」
チンピラ2「いいんじゃないの。ちょうど一人歩きだしな」
ほむら「………」
チンピラ1「お嬢ちゃん、こんな夜中に出歩いちゃダメだなぁ」
チンピラ2「お兄さんたちが送ってってあげるよ」
ほむら「………」
チンピラ1「とっても楽しいからさ」
ほむら「………」ハア
チンピラ2「なんだこいつ。早いとこかっさらって…」
ゴキッ
ほむホーム
ほむら「………」カチッ
テレビ「…完全失業率が25%を突破…」カチッ
テレビ「…ハイジャックされた旅客機はイスラエルにて…」カチッ
テレビ「…一連の強盗事件は同一犯の犯行と…」カチッ
テレビ「…ウィッチーズ・ギャングを名乗る若者集団は我々の取材に対し…」カチッ
テレビ「…中国が朝鮮戦争への介入を発表してから一週間が…」カチッ
テレビ「…魔法技術の解明による革新からちょうど十年となる…」
ほむら「………」ピタ
テレビ「コンパニオンには巴マミさんが選ばれ、各地のイベントに参加する予定です」
ほむら(何年も会っていないけれど、うまくやっているようね)
テレビ「巴さんは初めて素顔と名前を公開した魔法少女として知名度が高く、
技術開発や警察への協力でも評価されています」
ほむら(客寄せパンダになるだけでグリーフシードがもらえるんだから、楽な仕事だわ)
詢子「それじゃ、行ってくるよたつや」
知久「ご飯は温めて食べるんだよ」
たつや「わかってるよ」
知久「出かけるときはあまり遅くならないようにね。最近は安い武器が出回って物騒に…」
たつや「わかってるってば」
知久「…いってきます」
詢子「今日は遅くなるから、戸締りちゃんとするんだぞ」
たつや(今日も、だろ。日曜くらい休めないのかよ。俺も将来、ああいう仕事するのかな…)
たつや「…待ち合わせ時間まで、なにしてようかなぁ」
『きっと大丈夫。だって魔法少女は奇跡を起こすんだから』
「ロシア極東軍の特殊戦術部隊が、ウラジオストックに集結しつつあるとの情報もあり」
『絶望する必要なんてない』
「この部隊は最新の魔法兵器が配備されており、国連では常任理事国間の亀裂が問題視されていますが」
『もう誰も呪わなくていい』
「政府はいまだ明確な見解を……」カチ
ほむら「…テレビつけっぱなしで寝ていたのね。眠りが浅いはずだわ」
ほむら(そろそろ、グリーフシードを集めないと。魔獣も見つけにくくなっているし)
ほむら「……まどかの夢を見るなんて、穢れが溜まっている証拠ね」
友「けっこう遅くなったなあ。お前ん家、うるさくねぇの?」
たつや「親はどうせ帰ってないから平気だよ」
友「日曜まで仕事? やっぱエリートビジネスマンは違うな」
たつや「いつの話だよ。今は2人そろって工場のパート」
友「そうだっけ? あー、あれか。技術カクシンなんとかの波が?」
たつや「そうだよ。母さんの会社もけっこうデカいとこだったけど、
ついてけなかったらしくて潰れた。父さんも専業主夫なんてやってられないってさ」
友「それに比べて魔法技術関係のベンチャーはスゲーよな。儲けまくってるんだってな。
うちは高校も私立は絶対無理って言われてんのに」
たつや「こっちだってそうさ」
友「ははっ。お互い勝ち組になれるようがんばろうぜ。じゃあな。ギャングに気をつけろよ」
たつや(この辺、街灯切れっぱなしで暗いんだよな)
たつや(ギャングが強盗事件起こしたのって隣町だっけ。銃とかナイフとか古くなった武器が払い下げられてるって…)
たつや「!」
魔獣「グオオオオオ」
たつや「魔獣!? 交通事故より確率低いんじゃなかったのか!?」ダッ
魔獣「グオオオオオ」
たつや「もう1匹!?」
魔獣「「グオオオオオ」」
たつや「だ、誰か助け…」
バシュッ コロン
ほむら「収穫はあったけど、目撃者つきね。困ったものだわ」
たつや「魔法…少女?」
在日少女 ミヨム☆コリア
第1話 韓国で会った、ような……
第2話 それはとってもキムチ臭いなって
第3話 もうチョッパリも恐くない
第4話 柔道も、剣道も、韓国に起源があるんだよ
第5話 火病なんて、あるわけない
第6話 こんな主張絶対おかしいよ
第7話 竹島問題と向き合えますか?
第8話 日本って、ほんとバ○
第9話 そんなの、祖国が許さない
第10話 もう誰にも頼らない
第11話 最後に残った謝罪と賠償
最終話 わたしの、最高の金ヅル
第1話 韓国で会った、ような……
第2話 それはとってもキムチ臭いなって
第3話 もうチョッパリも恐くない
第4話 柔道も、剣道も、韓国に起源があるんだよ
第5話 火病なんて、あるわけない
第6話 こんな主張絶対おかしいよ
第7話 竹島問題と向き合えますか?
第8話 日本って、ほんとバ○
第9話 そんなの、祖国が許さない
第10話 もう誰にも頼らない
第11話 最後に残った謝罪と賠償
最終話 わたしの、最高の金ヅル
ほむら「今日ここであったことは一切他言しないこと。約束してくれる?」
たつや「え、えーと…その…」
ほむら「イエスかノーか、早く答えて」
たつや「い、いつか会ったことありませんか?」
ほむら「質問の答えになっていないわ」
たつや「いや、なんか会ったことがあるような…」
ほむら「………」
たつや「そうだ、そのリボン! 確かに覚えてる! 絶対会ったことありますよ!」
ほむら「あなた名前は?」
たつや「鹿目たつやです」
ほむら(まどかの……)
たつや「…あ、あの……」
ほむら(もう、こんなに大きくなって…)
たつや「あの!」
ほむら「?」
たつや「…名前教えてもらっていいですか?」
ほむら「あなたに教える筋合いはないわ」
たつや「でも…」
ほむら「今日のことは忘れなさいと言ったはずよ」バッ
たつや「あっ、待って……ダメか追いつけるわけない」
>>12さるさんが怖いんだ
ほむホーム
テレビ「若者による凶悪犯罪は戦後最大を更新し、行政による対策が待たれます」
ほむら(…奇跡が等価交換なら、これは受け入れるべきなのかしら…)
テレビ「この背景には技術革新による経済格差の増大と、銃器など旧式武器の流入が挙げられ…」
『みんなの希望を、絶望で終わらせたりなんかしない』
ほむら(……昨日あなたの弟にあったわ、まどか。大きくなって、あなたのことも忘れてしまったみたい)
テレビ「…将来への不安から凶行へ走る人々が…」
ほむら(希望、まどかが切り開いた未来……それがこんなふうになるなんて……)
ほむら(あなたはこれから私がすることを望んでないかもしれない)
ほむら(自分でもバカなことだと思う。それでも、希望を汚すような未来は)
ほむら「私が許さない」ザッ
テレビ「…次は緊迫する東アジア情勢です。南下を続ける中国軍に在韓米軍は危機感をつのらせ…」
ゴロツキ「この銃見えるよな。抵抗したら…」
会社員「よせ! 撃つな! 金なら払うから…」
ゴロツキ「そうそう、素直によこしな」
ほむら「武器があるからどうだというの」 ゴキッ
ゴロツキ「ぐふっ」ドサッ
会社員「!? あんた一体…」
ほむら「気を付けて帰りなさい」バッ
強盗「おい! さっさとしろ! レジ開けねえか!」
バイト「はいぃぃ! 開けますから撃たないで」
ほむら「その必要はないわ」バサァ
強盗「ギャア!」
え、何これは(ドン引き)
幾らなんでも痛すぎるんだよね。それ一番言われてるから
転載か何か?
幾らなんでも痛すぎるんだよね。それ一番言われてるから
転載か何か?
たつや(なにやってんだろ。こんな夜中に出歩いて)
たつや(こんなんで見つけられれば世話ないよなぁ)
たつや「…やっぱ帰るか。」
ギャング1「よう、兄ちゃん。騒ぐなよ」
ギャング2「もってるモン全部だしな。痛い目みたくねえだろ」
たつや(やばい! こいつら最近テレビでやってる…)
ギャング1「逆らおうなんて思うなよ。ウィッチーズ・ギャングは手加減しねーからな」
ギャング2「ま、おとなしく言うこときけば怪我はさせねえよ。そういう決まりだ」
おいググったらこのスレしか見つからなかった
これは完全に痛い中高生が書いてるんだよなぁ
外に出て友達と遊んで、どうぞ(迫真)
これは完全に痛い中高生が書いてるんだよなぁ
外に出て友達と遊んで、どうぞ(迫真)
ほむら「なにをしているの?」
ギャング1「ん? なんだ?」
ほむら「こんな夜更けに出歩く用事でもあるのかしら。中学生は家にいる時間よ、鹿目たつや」
ギャング2「この兄ちゃんの知り合いか? ちょうどいい、おたくも財布だしな」
ほむら「私たちの真似事はやめなさい」
ギャング2「あん?」
ほむら「その派手な衣装は魔法少女を模しているんでしょう」
ギャング1「当たり前だろ。そうじゃなきゃこんな恥ずかしいカッコするかよ」
ほむら「バカ丸出しよ。魔法少女をありがたがるなんて正気とは思えないわ」
ギャング2「テメェ!」
ほむら「本当にバカね」バシュッ
長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!
たつや「う、わぁ…これ大丈夫なんですか?」
ほむら「殺してはいないわ。それより、こんなところでなにをしているの?」
たつや「あー、えー……あなたを探してて………」
ほむら「私を?」
たつや「どうしても気になって……あっ! ストーカーってわけじゃないです!」
ほむら「……こんな時間に出歩いて両親はなにも言わないの?」
たつや「うち、親は遅くまで帰らないから…」
ほむら「……そう」
たつや「あの! もしよかったら少し話ませんか!?」
ほむら「けっこうよ」
たつや「ほんとにナンパとかじゃないんです! ただ、どうしてか懐かしいっていうか…」
ほむら「…鹿目たつや。あなたが覚えてるのは私じゃない」
たつや「え?」
ほむら「このリボンよ。今となってはこれだけが証だから」
たつや「なんのことです?」
ほむら「あなたが探しているのは私ではない。もうとっくにいない人よ」
たつや「なにがなんだかわかりませんけど……名前だけでも教えてもらえませんか」
ほむら「そんな恥知らずにはなれないわ。親友を救うどころか、もっとひどい運命を背負わせた…」
たつや「?」
ほむら「私のことは忘れなさい」バサァ
某テレビ局収録スタジオ
専門家「つまりは反抗の象徴なのです」
司会「魔法少女のコスプレがですか?」
専門家「そうです。魔法少女の多くは現状を変えるためにその道を選びました。
ウィッチーズ・ギャングの若者たちも、社会の閉塞感を打ち破ろうと
あのような衣装をまとっているのでしょう」
司会「なるほど。巴さんのご意見は?」
マミ「事情はそれぞれですから一概には言えませんが、おっしゃられることは理解できます」
専門家「もちろん、大きなグループですので面白半分で参加している者もいるでしょう。
ただ、不安を抱えた若者からすると魔法少女というのは…」
マミ「希望の象徴、ですか?」
専門家「まさしく。似たような事例は過去にもあり、左翼運動に代表される…」
マミ「お疲れ様でした」
司会「いやー、やはり巴さんがでると数字が取れますね。毎回お願いしたいくらいです」
マミ「私は…」
司会「もちろんお忙しいことはわかってますよ。ただ、
できれば番組編成期の特番にでも顔を出してもらえると嬉しいんですがね」
黒服「失礼。巴マミさんですね」
司会「ちょっと、一般の人は立ち入り禁止ですよ」
黒服「内閣府の者です。首相が至急お会いしたいと」
マミ「なにか事件ですか?」
黒服「移動しながらお話しします。とにかく急いでください」
マミ「…わかりました。それでは」タタッ
司会「忙しいねえ。ま、便利屋みたいなもんだからな」
ギャングのアジト
ギャング1「畜生! なんなんだあいつは!」
ギャング2「まさか本物の魔法少女かよ。勝てるわけねえよ」
ギャング1「リーダーの他にもまだいたんだな。てっきり全員引退して引き籠ってるもんかと…」
杏子「なんだお前ら。ひでー恰好だな」
ギャング2「リーダー!? 来てたんですか!?」
杏子「食いもんでもねーかと思ってね。お前らが遅いから勝手にやらせてもらったよ」
ギャング1「はぁ…」
杏子「さっきテレビつけたら偉そうなおっさんがなんやかやと理屈こねててさ。魔法少女のコスプレは希望の象徴なんだと」
杏子「面白いこと言うな。あたしがシャレで始めただけだってのに。愛と正義の魔法少女なんていないっての」
ギャング1「リーダー、そのことなんですけど」
ギャング2「今日の仕事の最中、魔法少女に邪魔されて…」
杏子「はあ? 今の魔法少女はたいていが特別公務員サマだろ。飼い殺されてんだよ。チンピラに構ったりするもんか」
ギャング1「本当なんですよ。白い羽の魔法少女がいきなり…」
テレビ「臨時ニュースをお伝えします。見滝原各地で魔法少女の目撃情報が寄せられています」
テレビ「情報はいずれも、白い翼のようなものを持つ魔法少女に助けられたというもので、長い黒髪でリボンをしていたと…」
杏子「………」
ギャング2「リーダー?」
杏子「お前ら、その話詳しく聞かせろ」
杏子「パーティの準備だ」
ほむホーム
『希望を抱くのが間違いだなんて言われたら、私、そんなのは違うって、何度でもそう言い返せます』
ほむら(ああ、またまどかの夢)
『ごめんね。私、みんなを迎えに行かないと』
ほむら(こういうときは決まってソウルジェムの濁りが早い)
『私なんかでも、本当になにかできるの?』
ほむら(人間の相手ばかりもしていられない)
ほむら(魔獣を探さないと……グリーフシードを……)
ほむら(もしも、濁りきったら…そのときは……)
ほむら(あなたに、また……)
GO TO BOOK TWO
BOOK TWO THE DARK WITCH TRIUMPHANT
『この最低の世界を創ったのは、
形而上学的な超越力じゃない。
子供を殺したのは神じゃないし、
その死体を犬に喰わせたのも運命なんかじゃない
俺たち人間だ 人間の仕業だ』
-ロールシャッハ-
首相官邸
首相「コンビニの監視カメラの映像なんだがね、ひどいもんだろう? 強盗犯は全治一ヵ月だ」
マミ「…こんなことって……」
首相「同様の事件が一週間で二六件。規制法ができてからは、こういう騒ぎもなくなってたんだが」
マミ「で、でもこれは人助けですよ? なにも、悪いことをしたわけじゃ…」
首相「魔法少女は例外なく、政府への登録が必要なことは知っているだろう。
そして問題の魔法少女は無登録、これだけで重大な犯罪だ」
マミ「前にも言ったように、事情を抱えた魔法少女も多いんです。杓子定規な判断はしないでください」
首相「だからといって犯罪者への私的制裁など看過できないのだよ。なんのために法整備をしたのか考えてほしい」
マミ「…政府の監督下に入るよう、私が説得します」
首相「おお、是非ともお願いしよう」
マミ(最初から私にやらせるつもりだったくせに…)
首相「いやぁ、助かるよ。下手に警察やら自衛隊は動かせないからね。
できれば穏便にすませたかったんだ。この件は君に任せたよ」
マミ「彼女を説得することができたら、今回の騒ぎは不問にしていただきたいんですが」
首相「善処しよう。トラストミー」
マミ「…では、もう行きます」
詢子「まだこんなバカをやらかす魔法少女がいたんだね」
知久「ここ何年かは静かだったんだけどね。大事にならないといいんだけど」
たつや「…バカはないだろう。正義の味方じゃないか」
詢子「あんたは小さかったから覚えてないだろうけど、昔は力を使って暴れる魔法少女が多かったのさ」
知久「テレビにでてる巴さんみたいなのは珍しいんだよ。魔法を有効活用しようって協力的だったのは少数派なんだ」
詢子「ま、あいつらの気持ちもわからんでもない。魔法だの魔獣だのが公表されて世間は殺気立ってたし、
ほとんどは連中のことを薄気味悪く思ってた」
知久「彼女たちからすれば、迫害されてる気分だったろうね」
たつや「でもさ、魔法少女のおかげで世の中いろいろ便利になっただろ」
詢子「変わるのが絶対に正しいなんてことはないんだよ。あんただって今の騒ぎはわかるだろう?」
知久「そのうち落ち着くよ。今はまだ試行錯誤の最中なのさ」
テレビ「…朝鮮半島の軍事的緊張は予断を許さず…」
たつや「……ほんとかな」
マミ「久しぶりね、暁美さん」
ほむら「巴マミ……」
マミ「立ち話もなんだから、そこの喫茶店に入りましょうか」
ほむら「………どうして私の居場所がわかったの? この十年、身を隠していたのに」
マミ「QBに協力してもらったわ。情報網が広いから」
ほむら「…あいつは上手く政府に取り入ってるのね」
マミ「協力関係よ。国にも、国民にも、QBにも利益がある。もちろん魔法少女にも」
マミ「技術の進歩で魔獣の脅威は著しく少なくなったわ。装備さえあれば、警察や自衛隊が充分対応できる」
マミ「私たちが単独で捜し歩くよりずっと効率的にね」
マミ「しっかり配給があるから、グリーフシードを巡って争うこともない」
ほむら「そして魔法技術の使われた製品は、一般人からも少しずつ感情エネルギーを回収するから、
宇宙のエネルギー問題にあてる、だったかしら」
マミ「もう問題はなにもない。私たちの戦いは終わったのよ」
ほむら「そうね。政治家や役人に尻尾をふって、実験動物さながらの扱いを我慢すれば平穏無事に暮らせるわ」
マミ「……待遇はとっくの昔に改善されてるの。確かに行き違いはあったけど…」
ほむら「広告塔のあなたが頑張ったからね」
マミ「暁美さん、私は…」
ほむら「誤解しないで。あなたの努力は立派だと思う。
魔法少女の存在が公表された時点で、遅かれ早かれ軋轢は生まれていたでしょう」
マミ「そう言ってもらえると嬉しいわ」
マミ「今からでも遅くない。私と一緒に来て。多少の便宜をはかることはできるから」
ほむら「気持ちだけでけっこうよ。私にはやることがある」
マミ「誰もそんなこと望んでない。警察に任せればいいじゃない。私たちの時代は終わったのよ」
ほむら「…あなたは未来が食いつぶされようとしているのを見て平気でいられる?」
ほむら「見滝原は、一人じゃ出歩けないような町になったわ。魔獣のせいじゃないのよ」
マミ「だからといって、あなただけでどうしようというの?」
マミ「単刀直入に言いましょう。あなたが暴れるせいで、他の魔法少女はいい迷惑よ」
マミ「せっかく社会に受け入れられてきたのに、このままじゃまた日陰者に逆戻りだわ」
ほむら「それは大変ね」
マミ「あなた…!」
ほむら「自分の希望を貫き通す、それが魔法少女じゃなかったかしら」
ほむら「良いとか悪いとかは自分で決めるものよ」
マミ「……次は容赦しない。これは友人としての最後の忠告と思ってちょうだい」
ほむら「一応、ありがとうと言っておくわ」
テレビ「…白い翼の魔法少女ね、いいんじゃない? なんかカッコいいよ…」
テレビ「…冗談じゃない。何様のつもりだよ。いい気になってんじゃないか…」
テレビ「…やっぱり今の法律じゃ甘いんだよ。もっと厳罰化してだね…」
テレビ「…うーん、しょうがないと思うな。誰かが行動を起こさない限り…」
テレビ「…インタビューでは様々な意見が聞かれました。巴マミさんはメディアを通して当人に自重を呼びかけるなど…」
ほむら(巴マミは変わったようで変わらないわね)
ほむら(いつも、誰かのためになることを考えている)
ほむら(本当は自分が一番心細いはずなのに、無理矢理奮い立たせて)
ほむら(でも…あなたの周りはあなたほど優しくないのよ)バサァ
ほむら(夜中なら三十分もしないうちに事件現場に出くわす)
ほむら(危なそうな場所をパトロールしているということもあるけれど、昔は世界一平和だった国とは思えない)
ほむら(今日は強盗が四件、計七人をノシてやった)
ほむら(普通の人間でも、武器を持った相手を殺さずに止めるのは難しいわね)
ほむら「これは?」
ほむら(…自衛隊でも正式採用されてる銃。民間に出回るなんて考えにくい)
ほむら(少し調べてみましょうか。昔は武器調達で世話になってたもの)
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