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    元スレ岡部「鈴羽を預かれだと?」 ダル「うん」

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    みんなの評価 : ★★
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    1 :

    時は西暦2022年、8月15日。

    俺は、自宅を訪れた橋田夫妻を客間に通し、久しぶりの再会を果たしていた。

    そして今日はダル夫妻の他に、もう一人来ている。

    岡部「なに? 鈴羽を預かれ、だと?」

    ダルの隣、ソファに座った小さいのが、こちらを不思議そうな顔で伺っていた。

    鈴羽は2017年生まれ。もうすぐ5歳になるという。

    すでにその栗色の髪にはダルの趣向かわからないが、おさげが出来上がってており、
    あどけないながらも、俺達を根底から救ってくれたあの未来の戦士の面影が見られる。

    しかしやはり、そのパーツのほとんどが阿万音由季氏に似たのだな。

    まあ、それでもダルの犬っぽいクセ毛はしっかりと引き継いでいるが。

    3 :

    続けていいよ

    4 :

    鞍上の岡部幸雄は悟った

    5 = 1 :

    鈴羽「とうさん」

    鈴羽が、ダルの横腹をつついてその顔を見上げた。

    ダル「そう言うときはパパと呼びなさい」

    鈴羽「この人がオカリンおじさん?」

    あ、忘れられている……。

    まあ、前に会った時は分別もつかない赤ん坊だったのだから仕方ない。

    ダル「そうだよ。パパの古い友人なんだ」

    鈴羽「へぇ、そうなんだー」

    そう言って鈴羽は、にぱっと笑顔を浮かべた。

    6 :

    これはいい

    7 :

    オカリンが助手と結婚してますように・・・

    8 = 1 :

    以前の鈴羽――秋葉原騒動の時――と変わりのない屈託のないそれに、俺は何でかホッとする。

    それから鈴羽は、道中買ってもらったと思しきソフトクリームに夢中になっていた。

    ダル「今日1日だけなんだ。頼むよオカリン」

    岡部「ううむ、そうだな……」

    俺は今でもオカリンと呼ばれている。

    以前は間抜けな響きだからと嫌っていたこのニックネームも、今となっては逆に心地よい。

    そして以前に比べて縮小したとはいえ、未だ目に見えて巨大なダルの隣で、
    何とも可憐な女性が俺の顔を見つめてくる。

    由季「本当に悪いんだけど、何とかお願い出来ないかな?岡部君」

    いや、こんな女性に哀願する風に頼まれて断れるはずもない。
    すぐに頷いてやる。

    岡部「…仕方がない、今日1日だけならば構わないさ。 しかし、未だに夫婦でコミマへ行ってるとはな」

    由希「えっ、いや~。 へへ……いくつになってもやめらんないよね…」

    俺が突っ込むと、阿万音由季氏……今の姓は橋田の由季が、照れくさそうに頭を掻いてみせた。

    9 :

    紫煙

    10 = 1 :

    岡部「まあ、鈴羽の事は俺に任せて存分にコスプレでも何でも楽しんでくるといい」

    俺がそういうと、ダルが眼鏡の奥を煌めかせ、こちらに手を差し伸べてくる。

    相棒の握手に応じるべくその手を握るや、突如怪力でグイッと引っ張られ、
    たじろぐ俺にダルが耳打ちしてきた。

    お前……口元はニコニコしているが、目が笑っていないではないか。

    ダル「さっすがオカリン、感謝するお。 あ、ただし、変な事は吹き込まないでね」

    岡部「なっ……あ、当たり前だ…!」

    ダルの手を振り払う。

    この俺が何を面白がって鈴羽に吹き込むというのだろうか。

    しかし、その後もダルの親バカ攻撃は追撃コンボの手を緩めず、おかしな物を見せるな、
    とか、変なものを食べさせるな、といった様々な注文を繰り出してきて、
    俺はというと、そんな我が娘デレっぷりにいちいちと反応してやる事にだんだん疲れてきていた。

    ふむ、この過保護ぶりでは鈴羽はきっと将来苦労するのだろうな…。

    ダルの話を、宇宙の大規模構造について考えながら半分ちかく聞き流してやった。

    11 = 1 :

    ダル「それじゃあ鈴たん、今日はオカリンおじさんのとこで、お利口さんにしてるのだぜ?」

    岡部「……」

    鈴羽「うん! とうさんもね!」

    ダルがしゃがみこんで、鈴羽に視線を合わせる。

    ダル「だからね? そう言うときはパパと呼びなさい、わかった? 鈴たん」

    鈴羽「……」

    あ、やっぱり言った。 鈴たんって言った。

    しかも鈴羽はそれに答えてないし。

    もしかして遠まわしに嫌がってるんじゃないか?

    しかし、あえて突っ込みはしない。

    他人の趣向……もとい、教育方針に口を出すのは野暮というものだ。

    それからというもの、もの惜しげに車に乗り込んだ橋田夫妻を見送り、家には俺と鈴羽だけが残された。

    鈴羽「父さんも母さんも、いっちゃったね」

    岡部「む……そうだな」

    12 = 2 :

    鈴羽ルートみたいにオカリンが途中でおかしくなって
    襲いそうになるのか

    13 = 1 :

    先ほどまでニコニコとしていた鈴羽だったが、ダルたちを見送ってすぐに、
    俺の手を握りながら、どことなく寂しそうな表情を覗かせた。

    しかしバイト戦士め、随分と縮んでしまいやがって……。

    手など、俺の半分もない。

    なにか不思議な気分だ。

    ええい、こいつめ。

    などと、空いた方の手で頭をワシャワシャしてやると、鈴羽はあからさまに嫌そうな顔をした。

    岡部「それにしても鈴羽よ……お前、手がベッタベタではないか」

    さっきから気になっていた。

    握った手が、糖分でベタベタと張り付いて気持ち悪い。

    鈴羽「あー、ソフトクリーム食べたからかな…」

    そう言って鈴羽が、ワンピースのスカートで手を拭おうとした。

    岡部「あ、おい待て!」

    鈴羽「ひゃっ!」

    俺は、とっさにその手を掴む。

    すると鈴羽は、小さく悲鳴を上げた。

    14 :

    キョーマは一人暮らしか

    15 = 1 :

    岡部「服で拭う奴があるかっ」

    思わず声を荒げてしまい、鈴羽は俺と目が合うや、目に涙を浮かべた。

    鈴羽「ううっ……オカリンおじさん……こわい……」

    岡部「うぐぬっ……!」

    なんだこれは……!

    何事にも物怖じしなかった、なんとも大物な性格まで確実に縮小しているではないか!

    ダルのバカ! 親バカ!

    と、心の中でダル批判をしてやる。

    岡部「す、すまない……しかしな、その……服でベッタベタの手を拭うのは看過出来ん」

    鈴羽「か、かんか?」

    細い首を傾げ、顔でクエスチョンマークを転がす。

    岡部「……大目に見てやる事は出来ない、と言っている。 特に俺のテリトリー……この家ではな」

    鈴羽「う、うん……ごめーん……」

    これは多分、よく理解出来ていないようだ。

    16 :

    ダルさんがブレてなくて何より

    17 = 1 :

    岡部「……なあ、先に言っておくが……鈴羽よ?」

    鈴羽「な、なに?」

    見上げてくる鈴羽の瞳には、先ほどとはうって変わって、警戒の色が浮かんでいた。

    無理もない。三十路のお兄さんに怒鳴られた後だからな。

    多分俺なら泣き出す。

    岡部「俺は、お前が4歳だろうが5歳だろうが容赦せずに大人と同等の扱いしかするつもりはないぞ?」

    だが、このスタンスは譲るつもりはない。

    ダルから口うるさく言われたが、別に子供に対して大人になってへりくだれ、と命令された訳でもない。

    俺は俺なのだ。

    どこぞの親バカの店長やら、スーパーハカーのように甘々に接する事は出来ん。

    鈴羽「う、うん……よくわかんないけど、わかったよ」

    18 = 1 :

    岡部「よろしい。 ではさっさと台所へ行って手を洗ってくるのだっ! 行け、鈴羽よ」

    鈴羽「わ、わかった!」

    そう答えた鈴羽は心許ない足取りで、パタパタと台所に向かっていってしまった。

    それを見やったあと、肩でため息をつく。

    今日は安請け合いしてしまったものの、本当に俺でよかったのだろうか。

    根性なしの子供……しかも女の子を相手に、果たして俺のやり方でいいのか悪いのか……。

    そんな時、テーブル上にほったらかしていた携帯がメールの着信を知らせるメロディを流す。

    Frm.まゆり
    Sub.お久しぶり~
    『今日は、ダル君とこのスズちゃんが来てるんだって?』
    『ダル君からメールが届きました』
    『オカリン一人で大丈夫かな?』
    『私はちょっと心配です(笑)』

    19 :

    助手は出てきますか?

    20 = 1 :

    あのスーパー親バカ野郎……まさかこれで安全策を巡らせたつもりか?

    ……つまり、この俺を全然信用していないのではないだろうか?

    なんだか悔しくなってきた。

    まゆりからの屈辱的なメールに、力を込めて返信してやる。

    To.まゆり
    Sub.RE:お久しぶり~
    『心配などいらない。お子様一人や二人の世話など、
    俺にとっては赤子の手を捻るほど造作もない事なのだ』

    そして、すぐさま返信が届く。

    Frm.まゆり
    Sub.ダメだよオカリン
    『スズちゃんの手を捻ったら、ダル君に言いつけるからね(((´ω`;)))』

    捻るかっ!

    そこで返信する気も失せてしまい、俺は携帯をソファに放り投げて大の字に仰け反った。

    鈴羽「オカリンおじさん、手洗ってきたよ」

    岡部「ん?」

    逆さまになった視界に、手を洗い終えた鈴羽が満面の笑みを浮かべながら戻ってくる。

    21 :

    文字列だけでこの可愛さ

    22 :

    オカリン結婚してないのか?

    23 :

    助手はいずこ

    24 = 1 :

    以前と同じく、一度注意されたからといって後に引きずらないのは相変わらず、か。

    それがバイトのサボり癖に繋がってたんじゃないかと思うと少し心配だが。

    ………まあ、もう少し俺一人で頑張ってみよう。

    岡部「そういえば鈴羽よ……お前、今日は何かしたい事はないのか?」

    鈴羽「うーん、したい事……?」

    左右交互にゆっくりゆっくり首を傾げながら考え込んでしまっている。

    岡部「ふむ、特に考えていないようだな?」

    鈴羽「うん、考えてなかった」

    そうかそうか。

    いや、そうだろうそうだろう。

    俺は、鈴羽にニヤリと笑ってみせる。

    岡部「ならば……今日は我々が開発してきた未来ガジェットを“特別に”見せてやろう」

    お前も一応、ラボメンではあるしな。

    25 :

    きっとびしゃびしゃなんだろうな

    拭けよ

    26 = 2 :

    まゆりが出てくるって事は執念オカリンじゃないのか

    27 = 21 :

    とりあえずバッヂ渡せ

    28 = 1 :

    鈴羽「未来……がじぇっと?」

    岡部「そうだ。 今は我が家の倉庫に眠っているのだが、これがなかなかにロマンたっぷりの代物なのだ」

    鈴羽「へえー、ありがとうオカリンおじさん! それは楽しみだよー」

    そう言って、鈴羽は笑顔を浮かべた。

    岡部「ククク……そうして笑っていられるのも今のうちだ……よし、ついてくるがいいッ!」

    鈴羽「おーっ!」

    ダルから変なものを見せるな、とクギを刺されはしたが、別に未来ガジェットは変なものではない。

    ただ、使い道がまるでないだけであって。

    29 = 21 :

    ダルも開発者だしな

    30 = 1 :

    鈴羽「うっわぁ! 何これ、すごーい!」

    倉庫に通してやると、鈴羽はまず最初にビット粒子砲、サイリウムセイバーに目を付けた。

    いきなりそのチョイス……実にお子様だな。

    俺は、思わずにやけてしまいそうになるのを堪える。

    すると鈴羽は、セイバーを構えながらビット粒子砲を俺に向けてカチカチと引き金を引いてきた。

    馬鹿め、そんな事をしてもこの俺は倒せまい。

    せいぜいテレビのチャンネルが変わるだけだ。

    まあ、ここは乗ってやらない事もない。

    岡部「や、やめろっ!それをこっちに向けるなー!」

    鈴羽「にっひひー」

    俺もよく、悔しくて仕方ない時は人に向けてやったものだが。

    32 = 1 :

    ひとしきりビット粒子を射出させた鈴羽がそれらを片付け、今度は奥の棚からこれまた懐かしい物を持ち出してきた。

    鈴羽「うーん、おじさん、これはなにー?」

    岡部「ん? ああ、タケコプカメラーだな」

    鈴羽「ふーん…」

    いい事を思いついた。

    岡部「付いて来い。それの機能について説明してやろう」

    鈴羽の手を引いて庭まで連れ出す。

    快晴の太陽が目に眩しい。

    岡部「鈴羽よ、もちろん……竹トンボは知っているな?」

    鈴羽「たけとんぼ? ううん」

    岡部「なにっ!?知らないというのか……?」

    鈴羽「うん」

    鈴羽がコクコクと頷く。

    これも世代の違い……ジェネレーションギャップだというのか…。

    33 = 1 :

    俺は語るよりもまず実践すべく、タケコプカメラーの軸に両手を添えた。

    岡部「よく見ているのだぞ?鈴羽よ」

    鈴羽「うんうん!」

    鈴羽はまたもやコクコクと頷きながら、目を爛々と輝かせている。

    岡部「そいっ!」

    重ねた手のひらを交差させて引くと、タケコプカメラーはブーンと回転しながら空を舞った。

    しかし所詮たけとんぼ。すぐに浮力を失って、パタリと地面に落ちる。

    いやはや、なんともチープなデモンストレーションだ。

    しかし、どうやら子供心を掴むにはあれで十分だったようで、

    鈴羽「うわー!すごい!今のってどうやるの?」

    などと、落ちたタケコプカメラーを拾ってきた鈴羽が好奇心に満ちた顔で聞いてくる。

    34 = 1 :

    岡部「手のひらで擦って回してやるだけだ。やってみるといい」

    鈴羽「うん! わかったよ!」

    そう言って、タケコプカメラーは何度も何度も空を舞った。

    こんなもので20分も時間を潰せるとは、この幸せものめ。

    俺はというと、残念ながらだんだん飽きてきていた。

    岡部「そろそろ次の機能についても説明してやろう……」

    鈴羽が、驚愕の眼差しでタケコプカメラーを見つめる。

    鈴羽「えー!まだ何かあるの?」

    そう言って、今度は手元のタケコプカメラーと俺の顔を交互に見やる。

    岡部「ああ、そのタケコプカメラーには、もう一つ恐るべき機能が隠されているのだ…」

    実際にそれが恐るべき機能なのかどうかはわからないが、ある意味恐ろしいのは事実。

    俺は再び、鈴羽を連れてリビングへ戻ると、テレビに配線を繋いだ。

    37 = 1 :

    岡部「このタケコプカメラー、ただの竹トンボじゃあない……」

    あえてもったいぶるように言いながら雰囲気を演出してやる。

    鈴羽「そうなんだー!すごーい!」

    岡部「ま、まだ俺は説明していないっ!」

    鈴羽「あ、そうなんだー」

    岡部「ぐぬぬ……」

    俺はガクッと膝が折れそうになるのを堪え、テレビの側までいくとその上部を手のひらでバンバンたたいた。

    岡部「聞いて驚け……っ!このタケコプカメラー……なんと中にカメラが仕込まれていたのだ」

    鈴羽「ほ、ほんとに!?」

    岡部「ああ、本当だ……つまり、さっきからお前が喜んで竹トンボを飛ばしている間……」

    俺は、ズバッと天井を指差す。

    岡部「こいつは密かに空中を撮影し続けていたのだ!フゥーッハハハ!」

    パチパチと拍手が返ってきた。

    うむ、サンクス。

    鈴羽「すごいすごい!そうだったんだ! 全然知らなかったよ!」

    38 :

    鈴羽ぺろぺろ!

    39 = 16 :

    鈴たんカワユス

    40 :

    オカリンは助手と結婚してないのか

    41 = 1 :

    このお子様、なかなかに“わかっている”ようだな。

    未来ガジェットが誉められると、実に気分がいい。

    岡部「まあ無理もない……素人が見たところで、十中八九が竹トンボだ、と答えるだろう…」

    俺はニヤけながらテレビの電源を入れ、入力切り替えボタンを押した。

    岡部「それでは鈴羽よ、しかと見ろっ! これぞ、我が岡部家の上空映像だっ!」

    意気込んで再生ボタンを押してやる。

    すると、テレビにはなんとも気持ちの悪いものが映し出された。

    左から右へグルグルと景色が吹き飛んでいき、目が回りそうになる。

    鈴羽はすでに、小さな頭をぐわんぐわんと揺らしはじめていた。

    鈴羽「う……なにこれ……」

    岡部「う、うむ……回転していてよくわからないかもしれんが、これは間違いなく上空映像なのだ」

    鈴羽「だ、だまされた……」

    43 :

    独り身オカリンをめぐる熾烈な争いが繰り広げられている訳ですねわかります

    支援

    44 = 21 :

    カメラの上部をバンバン叩けるとかまだブラウン管なのかよ

    45 = 1 :

    鈴羽がガックリとうなだれる。

    岡部「すまない……」

    しかし、現実の厳しさを知ってもらう、という点に於いては俺の思惑通りと言って差し支えない。

    そうして、再生を止めようとしたその時だった――。

    ???「あー、オカリン!やっぱりスズちゃんにおかしなもの見せてるー!」

    背後から聞き覚えのある、限りなく気の抜けた怒り声。

    46 :

    助手はお仕事中でしょ。天災なんだから

    47 = 1 :

    まずい……まゆりだ。

    鈴羽「あ!まゆりお姉ちゃん!」

    まゆりの姿に気づいた鈴羽はソファから立ち上がり、彼女の足元に絡みつく。

    まゆり「もー、やっぱりダル君の心配したとおりだったよ……」

    岡部「い、いや……まゆり、これは断じておかしなものなどでは……」

    とっさに苦しい反論をするが、まゆりは腰に手を当てたまま、依然こちらを睨みつけてくる。

    まゆり「でもこれ、グルグルしてて気持ち悪くなるやつだよね?」

    岡部「う、うむ……確かに。 しかしな……?まゆりよ」

    真っ直ぐな瞳に見据えられてたじろぐ俺を、まゆりがさらに畳みかけてくる。

    まゆり「オカリンの言う“おかしなもの”と、みんなの思う“おかしなもの”は全然違うと思うなぁー!」

    ぐぬっ………ごもっともだ。

    しかし、もっともだからこそ胸に痛い。

    このままでは、完全にまゆりのペースにあてられてしまいかねない。

    ここは話を逸らさねば。

    49 = 1 :

    岡部「というかまゆりよ……お前、またチャイムも押さずに人の家に上がり込んできたな?」

    まゆり「あっ……」

    今度はまゆりがたじろぐ。

    未だに、実に扱いやすい。

    岡部「それは社会的に見ても、かなりマナーに反する行為ではないのか?」

    まゆり「うう……ごめんオカリン。 昔からの癖でつい…えっへへ」

    まゆりはそう言って苦笑いしながら、小さく舌を突き出した。

    岡部「まあいい、タケコプカメラーの件を黙っていてくれるなら、お前の家宅侵入も罪には問うまい…」

    まゆり「お、オカリン……相変わらずえげつないね……」

    岡部「いや待て。 そこは合理的な取り引きだ、とでも言ってほしいものだがな?」

    まゆり「あー……はいはい」

    まゆりは、そう言って呆れ顔でかぶりを振ると、台所に引っ込んでいってしまった。

    人の家だと言っているのに、随分なフリーダム加減だな……。

    50 = 16 :

    保護者なまゆしぃは良いものである


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