元スレ唯「変な線と点が見える」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
というのはどうだろう
2 :
平行線公理
3 = 1 :
唯「うーいー…」
憂「どうしたの?お姉ちゃん」
唯「頭痛が痛いよ……」
憂「大丈夫?!お姉ちゃん!頭(の調子)がおかしいの!?」
唯「憂…姉妹だからってそれはないよ」
憂「色々略しちゃってごめんねお姉ちゃん、大丈夫なの?」
唯「ちょっと大丈夫じゃないと思う。目もおかしいし今日は休むよ」
4 = 1 :
唯(今朝起きた時からずっと変な線と点が見える)
唯(その「線」と「点」が何なのかはよく分からないけど)
唯(なんだか触るのは怖い)
唯「おっとと……っ、手すりの「点」に手が…」
スッ
バラバラバラバラッ
唯「――――――!?」
5 = 1 :
唯「て、手すりが……?」
何故だかは良く分からない。
ただ、触れただけでモノをバラバラにしてしまいそうな点が怖い
唯「――っ、う、憂!」
憂「どうしたのお姉ちゃ……!?手すりがバラバラ!何があったの!?」
唯「そ、それが…」
6 :
まさかと思ったら案の定の直死
7 :
あーそれ俺も持ってるわー。持ってるわー
8 = 1 :
憂「………それで、その「点」に触れたらその周辺の手すりが壊れたの?」
唯「そ、そうなんだよ憂。他にも「線」がモノに張り巡らされてて」
憂「お姉ちゃん…本当の話なの?」
唯「本当だよっ…それなら、なにか刃物と壊れても良さそうなものを持ってきて」
適当な大きさの石、それからカッターナイフを憂に持ってきてもらう。
まずは「線」から。
石に張り巡らされた線を、切断する。
石を、17個に分断する。
その間、少し頭が痛んだ。
憂「お、お姉ちゃん、これ……」
唯「…この通りなんだよ、憂。少し調子も悪いし、また何か壊しちゃいそうだから寝るね」
憂「う、うん…お大事にね、お姉ちゃん」
9 = 1 :
ベッドに潜り、眠気と戦いながら思案する。
ただ、この「線」と「点」を見ていると、ひどく気分が悪くなる。
枕元には昨日水を飲んでそのままにしてるプラスチックのコップ。
その「点」を刺す。
唯(やっぱり指が沈む。力なんて要らないのかな)
コップはあっけなく砕け散る。
唯(これはきっと継ぎはぎなんだ。手術をして縫った後の所みたいに、
脆くなっている所なのかもしれない)
知らなかった。
世界はこんなにもツギハギだらけで、
とても壊れやすいところだったんて。
10 :
ほう
11 :
けいおんである意味
12 :
飛蚊症かと思いました
13 = 1 :
憂「お姉ちゃん、大丈夫?」
唯「…っ」
憂を、直視できない。
憂まであっけなく、簡単に壊れてしまいそうで。
きっとあの「線」は人もたやすく壊してしまうんだろう。
唯「うん、大丈夫だよ……。眼はきっとすぐ治るよ。動くぶんには
大丈夫そうだから眼科に行ってみる……痛っ」
憂「やっぱり無理しちゃ駄目だよ。私が帰ってきたら一緒に行こう?」
唯「…うん。」
憂が行った後も、脆い継ぎはぎだらけの部屋の中で考える。
これからこの「眼」が治らなかったらどうしようか。
「線」を見ていると頭が痛む。
14 :
オナニーした回数見えるようにしてくれ
それかバストサイズ
15 :
ごきにゃんはいつバラバラになるの?
16 :
>>14
そんな薄い本があったな
17 = 1 :
唯(だめだ)
どうしても部屋の中にいると「線」と「点」が見えてしまう。
どうせならこの「線」を確実に見えなくするような真っ暗闇か、
いっそ「線」を消せるくらいの明るい所がいい。
唯(眼を休めながら外に出てみよう)
仮にも欠席している身。どこか見つからない場所がいい。
唯(どうだ、外れに小さい林があったっけ)
小さい頃よく憂と遊んだ場所。
あそこなら光も届くし心が落ち着く。
唯(そうと決まれば早く行こう)
眼を休めつつ、速足で向かう。
18 :
唯が超能力に目覚めたってことか
19 :
二番煎じだな、前のより面白く出来る自信があるなら続けろ
20 = 1 :
唯(やっぱりここは落ち着く)
木のにおい。
昔、ここで滅んだ一族がいるらしい。
自分が産まれる前。
ある一族とある一族が衝突して、片方はあっけなく滅ぼされたらしい。
唯(昔の話なんてどうでもいいけれど)
それは少し悲しい話な気がする。
「君、そんな所に寝転がってると危ないわよ」
唯「えっ?」
21 :
けいおんキャラ使えば人が集まる時代は終わった
22 = 1 :
唯「ど、どなたですか?」
自分がその「どなた」かも伝えてないのに、無礼なもの言いだと思う。
でも軽いパニックになっていたから、そのくらいしか言えることが無かった。
女性「私?私はね」
憂「晩御飯だよー」
俺「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
24 :
飛蚊症かと
25 = 1 :
俺「ごごごごごはんおいしいよ憂ちゃん」
26 = 1 :
女性「まあ、それは後々分かるとして」
唯「はあ…」
こちらが名乗っていないのだ。向こうが名乗らなくても納得するのが筋だろう。
女性「ま、ここで会ったのも何かの縁だし、少し話し相手になってくれない?
私は蒼崎青子っていうんだけど、君は?」
まるでずっと知り合いだった友達のような気軽さで、女の人は手を差し伸べてきた。
断る理由もないので、自分も名を名乗る。
唯「唯、平沢唯です。」
そうして、アオザキと名乗る女性の冷たいてのひらを握り返した。
27 :
スレタイ違うけど似た内容の見た記憶が
でもあれはバトル無かったし気にすることない
支援する
28 = 1 :
その女性と話す時間は、とても楽しいものだった。
この人は歳の差など気にせずに、1人の友達として私の話を聞いてくれた。
色々な事を話した。
ここから少し離れたところに自分の家があること。
行儀作法がほとんどフリーダムで、お父さんとお母さんが常にラブ旅行中だということ。
憂という妹がいて、とてもおとなしくて、可愛くて、ナイスバディで、お利口で、可愛いくて、
―――熱にうかされたように、色々な事を話した。
青子「ああ、もうこんな時間。悪いわね唯。私、ちょっと用事があるからお話
はここまでにしましょう」
女の人は立ち去って行く。
さっきまで話していた人が居なくなるというのは、一人友達を失ったようで少し寂しかった。
青子「じゃあまた明日、ここで待ってるからね。君もちゃんと家に戻って、
妹さんと病院に行って、きちんと医者の言い付けを守るんだぞ」
「あ―――」
女の人は、それが当たり前だ、というように去って行った。
29 :
続けるのか
その意気やよし
30 = 1 :
唯「また……、明日」
また明日、今日みたいな話ができる。
嬉しい。
この「眼」がおかしくなって、初めて、心の底から笑顔になっていた。
【自宅!】
唯「うーいー、待ち遠しかったよう」
憂「ごめんねお姉ちゃん、じゃ、眼科いこっか」
」
【眼科!】
医者「……親族の方、少し」
憂「?……はい」
看護婦「唯さん、こちらに」
唯「はーい」
憂「それで、私の姉の眼に何が?」
医者「それが……大変申しあげにくいのですが、お姉さんの「脳」の方に異常が見られるかと」
31 :
つまらん
32 = 1 :
憂「の、脳に…!?」
医者「はい。稀にそういったケースもあります。幸い私の知り合いに優秀な医者がいます。
連絡を入れておきましょう。」
憂「お、お願いします…」
唯「それで、どうだったのかな私の眼」
憂「こ、ここだと少し難しいって。優秀なお医者さんを紹介してくれるそうだよ」
唯「そうなんだ…………っ」
瞬間、
激しい頭痛。
激しい眼の痛み。
線が、
点が、
線が、
線、
黒い、黒い。
33 :
>>12
俺も白内障とかの初期症状かと思った
35 :
知的な唯ですね
36 = 1 :
憂「お、お姉ちゃん!?」
唯「…っ、」
痛い、痛い、頭が痛い。
この痛みはイヤだ。
憂「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」
唯「…っ!」
ようやく痛みが引いた。
唯「ご、ごめん憂…ちょっと頭痛がぶり返しちゃって」
憂「大丈夫?今夜は早く休もう」
37 :
青子ってことは、しきじゃなくてしきか
38 = 18 :
あれ?超能力じゃないの?
39 = 1 :
【自宅!】
着替えて家のベッドに潜り込む。
顔も眼も覆ってしまえば「線」は見えない。これで安心。
憂「お姉ちゃん、大丈夫?」
唯「うん、なんとか落ち着いたよ。ありがとう憂。」
憂「うん、良かった。…それで、今日はマーボー豆腐が食べたいって言ってたけど
今大丈夫?お姉ちゃん」
唯「うん、大丈夫だよ。食欲あるし」
憂「そう、じゃあ今持ってくるね」
40 = 1 :
で、
唯「かっ辛い!!辛いよ憂!」
憂「あれ!?甘口を買ったつもりだけど…」
唯「憂、言峰食品社の「甘口」は常人の「激辛」だよぉ…
それにこの箱に「コレ外道マーボー今後トモヨロシク」って書いてるよ」
憂「ご、ごめん…このダンディな社長が「食うか?」って言ってるイラストが気に入って」
唯(その社長数年前になんかの戦争で亡くなってるけどね)
とりあえず水を飲ませてもらって一段落。
憂「じゃあお姉ちゃん、私寝るね」
唯「うん、おやすみね、憂」
憂「何かあったら言ってね、おやすみ」
41 = 29 :
唯があたまいい
42 = 1 :
夢を見る。
誰かが歩いている。
ここは私のいる街だ。
誰かが歩いている。
青い着物に赤いジャンパーなんて、風変わりなかっこうをしている。
誰かが歩いている。
その男の子みたいな女の子は、私の家の前で止まる。
「―――同類」
仲間を見つけたのに、うんざりするような表情を女の子がうかべる。
闇に光る、あおいめ。
直死の魔眼が、そこに在る。
43 = 1 :
【翌日!】
唯「うーいー」
憂「お姉ちゃん!よく眠れた?」
唯「うん…でもまだ少し調子が悪いんだ…ごめんね、憂、今日も休むよ」
憂「そう、分かった。お大事にねお姉ちゃん」
憂が去って行く。
約束の時間。
あの小さな林まで歩いていく。
あの女の人と会えるから。
44 = 27 :
眼鏡唯ちゃんの画像はよ
45 = 1 :
その女の人は、青子って呼ぶと怒る。
自分の名前が嫌いなんだそうだ。
考えた挙句、偉い感じがするし呼びやすいから「先生」と呼ぶことにした。
先生はなんでも真面目に聞いてくれて、私の悩みを一言で片づけてくれる。
大した悩みなんてないけれど、それは本当に嬉しい事だ。
……この「眼」のせいで少し暗くなっていた私は、先生のおかげでもとの自分に
戻っていけた。
あんなに怖くて邪魔だった継ぎはぎのコトも、先生と話しているとあまり恐くは感じなくなっていた。
だから、どこの誰だか知らないけど、もしかしたら先生は本当に学校の先生なのかもしれない。
でも、そんなコトはどうでもいいことだと思う。
先生と居ると楽しい。
大事なのは、きっとそんな単純なことなんだ。
46 = 1 :
そしてある日、私は意を決して先生にこの「眼」のことを話すことにした。
唯「先生、私の眼がおかしいんです」
青子「……眼が?」
唯「はい。この眼のせいで、こんな事が出来ます」
近くに落ちていた太めの樹の枝。
少し重くて、カッターナイフで切ることは無理だとおもう。
その枝にある「線」を見る。
あたまが、すこし、いたむ。
力なんて要らない。
その線をなぞり、枝を数個に分断する―――
47 = 1 :
青子「………」
先生は黙っているけれど、とても悲しそうな顔をして、驚いた顔をしていた。
しばらくの沈黙のあと。
ふわりとした感触。
先生は私を抱きしめていた。
唯「先………生?」
青子「何かある前に出会えて良かった。私と君が出会ったのは、本当に一つの縁だったみたい」
先生はそうして、私の眼に見えている継ぎはぎについて聞いてきた。
この眼に見えている黒い線について話すと、先生はいっそう強く、
抱きしめる腕に力をこめた。
48 = 1 :
青子「……唯、君が見ているのは本来視えてはいけないものよ。
「モノ」にはね、壊れやすい個所というものがあるの。いつか壊れる私達は、
壊れるが故に完全じゃない。
君の眼は、そういった「モノ」の末路……言いかえれば、未来を見てしまって
いるんでしょう」
唯「……未来、ですか」
青子「そうよ。死が視えてしまっている。
―――それ以上の事は知らなくていい。
もし君がそういう流れに沿ってしまう時がくるなら、必然としてそれなりの
理屈を知る事になるでしょうから」
49 = 1 :
唯「……先生、何の事だか、私にはよく分からないよ」
青子「ええ、分かっちゃ駄目よ。
ただ一つだけ知っておいてほしいのは、決してその線をいたずらに切ってはいけないということ。
―――君の眼は、「モノ」の命を軽くしすぎてしまうから」
唯「―――うん、先生が言うならしない。それにこの「線」を切ると
あたまが痛むの。…だから先生、私、もうあんなことしないよ。」
青子「……良かった。唯、今の気持ちを絶対に忘れないで。そうすれば、
君は必ず幸せになれるんだから」
そうして、先生は私から離れた。
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