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    元スレ京子「さよなら、結衣」

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    51 = 1 :

    千歳「しかし、そろそろ入学試験やね~」

    京子「私たちなら余裕だよ」

    綾乃「京子、過度な油断は罰金バッキンガムよ」

    千歳「人事を尽くして天命を待つ、といった感じやろか」フム

    まぁ、あながち間違いではない。受験勉強もやるだけのことは、やってきたつもりだから。

    あかり「二年生のあかりから言えば、三人とも勉強しすぎだよ、ついて行けないよぉ」シクシク

    京子「でも私達と同じ高校がいいんでしょ?みっちり仕込んであげるから大丈夫!」

    あかり「死なば諸共、みたいな空気を感じるんだけど……」ダラダラ

    綾乃「あら、進路変更のこと、話したのね」

    千歳「赤座さんも一緒なら、高校生活も楽しいやろなぁ」

    そういえば言ってなかったかも知れない、うっかりしていた。

    京子「そういうことで、二人ともあかりちゃんの勉強の協力を頼めるかな?」

    あかり「あっ京子ちゃん、これ以上はあかりの頭がパンクするからダメだよぉー!」

    焦っているあかりちゃんは面白いなぁ。
    前までなら、ここで苦笑する結衣が見られたっけ。
    そんなことが脳裏をよぎったけれど、四人での談笑の中で直に忘れた。

    52 :

    でも結衣じゃないとって綾乃ちゃんを振ったのにあかりちゃんに行くの・・・?

    54 = 42 :

    >>52
    きっと綾乃からあかりまでそれなりの時間が経過してるんだよ。
    答案は流れの良さが大事。

    55 = 1 :

    ~卒業式後~

    光陰矢の如しとはよく言ったもので、卒業式は恙無くスムーズに終わった。
    呆気なく終わったような、まだまだ続くような、よくわからない感覚に陥る。
    けれども、終わりというものは得てしてそんなものなのかもしれない。

    京子「卒業おめでとう、綾乃」

    綾乃「卒業おめでとう、京子」

    あかり「卒業おめでとう、二人とも!」

    京子「綾乃には本当にお世話になっちゃったね」イヤー

    私と綾乃と千歳は、無事に志望校の合格を掴んだ。
    勉強会やプリント・ノートなど、綾乃には本当に助けられた。

    綾乃「別に、ライバルには最高の状態でいて欲しいし……」モジモジ

    あかり「あはは、綾乃ちゃん照れてるね」ニコニコ

    京子「感謝してるよ、綾乃」ニコッ

    綾乃「うぅぅ…///」

    意地が悪いけれど、綾乃が照れているのを見るのは結構楽しい。

    56 = 1 :

    京子「……そろそろ、待ち合わせの時間かな」

    自分から誘ったくせに、この土壇場で尻込みしてしまう。
    嫌な汗が背中を伝って、緊張で胃がムカムカする。

    綾乃「そう……」

    あかり「大丈夫?」

    京子「問題ないよ」

    二人に心配されるのは申し訳なくて、照れ臭くて、だからこそ強がってみせる。

    京子「決着、付けてくるね」

    綾乃「いってらっしゃい」

    あかり「頑張って」

    二人に元気づけられて、とうとう卒業まで言えなかったことを、結衣に言いに行く。
    胸の動悸が収まらないけれど、今日くらいしかチャンスはもう無いのだ。

    57 = 53 :

    支援
    もうちょっと投稿ペ-ス落した方がいいと思うよ
    さるさん食らいそう

    58 = 1 :

    京子「おまたせ、結衣」

    結衣「京子」

    久しぶりに正面から見た結衣は、少しやつれているように見えた。

    京子「卒業、おめでとう」

    結衣「おめでとう」

    結衣の優しい笑顔が、今の私には眩しい。
    直視することは辛いけれど、今だけは逃げることが許されない時だ。

    結衣「それでこんなところに呼び出したりして、どうしたんだ?」

    京子「……私、実は進路を変えたの」

    京子「だから私は、結衣とは違う高校に通うことになる」

    明日の予定を告げるかのように、出来るだけあっさりと話をする。

    結衣「……えっ?」

    結衣は信じられないものを見るように、目を見開く。

    60 :

    こっからだな

    61 :

    何故入試日に気付かなかったのか

    63 = 60 :

    >>61
    滑り止めとして一応受験してるんじゃね?

    64 :

    >>61
    しーっ!そういうこと言わないの!

    65 = 1 :

    結衣「どういうこと?」

    京子「最後の進路相談で、先生の薦める進学校に志望先を変えた」

    結衣「……冗談だよな?」

    京子「………」

    私は黙って、首を横に振る。結衣の縋るような目が辛かった。

    結衣「………………どうして……ッ」ポツリ

    結衣「どうして言ってくれなかったんだ、京子!!」ガバッ

    いつも冷静な言動をしている結衣が、信じられないくらい激昂して、私に詰め寄る。
    冷血そうに見えて、そのくせ熱血漢な節があって。
    そんなところも好きだなぁ、そう思ってしまう辺り、私も末期なのだろう。

    京子「いつかは言わなきゃって、そう考えていたら、今まで引き伸ばしちゃった」

    京子「結衣と話す機会もなくて、話しかける勇気がどうしても持てなくて」

    結衣「京子……」

    京子「ごめん……」

    結衣はどうしてそんな顔をしているのだろうか、辛そうにしているのだろうか。
    ずいぶんと長い間離れてしまって、もう私には結衣の考えがわからない。
    結衣の必死な表情も、その切ない瞳の意味も、わからなくなってしまった。
    以心伝心だった私たちは、もういない。

    66 = 11 :

    しえん

    69 = 42 :

    身勝手な結衣乙

    70 = 1 :

    京子「今まで言えなかったことが、もう一つだけあるんだ」

    項垂れていた結衣が、私の言葉に反応して顔を上げる。
    結衣の潤んだ瞳と、視線が交差する。

    京子「私は、あなたが好きでした」

    決別の意味を込めて、誓いの意味を込めて、それは過去形になった。
    結衣の顔を、驚愕の色が染める。

    京子「今まで、本当にありがとう」

    京子「……じゃあね」

    結衣「ぁ…」

    立ち尽くす結衣をおいて、私はその場を離れた。
    結衣の返事はなかった。

    71 = 53 :

    過去形が切ない
    支援

    72 = 42 :

    ここの主は俺のツボを全部押していってくれてる件

    73 = 1 :

    私は私の道を歩む。
    私が転んだ時に、手を差し伸べてくれたあの人は、もう隣にいない。
    ほかならぬ私自身が、彼女から離れることを選んだのだから。

    呆れた顔、笑った顔、意外とギャグに弱いところ、困った顔をしながら助けてくれるところ、
    君の好きなところを、世界中の誰よりも知っている私が誇らしかった。

    それから、それから、…………。

    記憶の中の君が笑うから、
    なぜだろう、それ以上を言葉にできなくて。


    サァァーー


    春風に、私の長い髪がなびく。

    京子「桜も、もう満開か」

    ひらひらと桜の花びらが、私の両肩に舞い落ちる。
    美しく咲いて潔く散る桜は、とても綺麗だった。

    76 = 1 :

    京子「………」

    京子「もう行かないと……ね」

    思い出は全て背負っていくには重すぎるから、今は記憶の隅に仕舞っていこう。

    京子「さよなら、結衣」

    別れの言葉は風にさらわれて、誰の耳に届くこともなく掻き消えた。
    涙がほろりと、一粒だけこぼれ落ちた。


    おわり

    77 :

    えっ

    78 = 53 :

    なぬ?

    79 :

    うわぁ切ない

    80 = 9 :

    乙乙
    良かった

    81 = 11 :

    82 = 1 :

    たまには悲恋もの短編をと思ったけどちょっと失敗したみたい
    シリアスendは苦手なので一応後日談あり、支援あり

    83 = 67 :

    乙乙
    後日談期待

    84 :

    うお、これは切ねえ
    京子主人公のギャルゲだったらBAD END扱いだな
    無理矢理ハッピーエンドにしない辺り俺は好きだけど

    85 = 60 :

    結衣とちなつがボロボロになる展開が欲しかったよ、乙

    86 :

    切ないねぇ……
    乙っす

    87 = 42 :

    乙乙
    失敗どころか、個人的には最近の一押しだった!

    追伸
    後日談も書いといてくれれば
    あとでログ速で読むぽ。
    これから用事で出かけるんだぽ。
    ごめんぽ。

    88 = 1 :

    おまけ、京子ちゃんハーレム

    ~進級・入学式~

    ガヤガヤ

    京子「賑やかになってきたね」

    綾乃「今日は入学と進級を兼ねている日だもの」

    今日は高校二年生になって、初めてのクラス顔合わせが行われる日だ。
    もっとも、英数科は毎年の成績上位者のみが集められるため、
    私と綾乃と千歳は引き続き一緒のクラスだろう。

    今、私はお世話になった綾乃の手伝いがしたくて、生徒会で千歳と綾乃の補佐をしている。
    綾乃は少しだけ複雑そうにしていたけれど、最終的にその形で落ち着いた。

    京子「お茶、どうぞ」

    綾乃「ありがとう」

    私がお茶を淹れる度に、嬉しそうに頬を染めるのだから、まぁ綾乃もまんざらでもないのだろう。
    相変わらず綾乃の恋心に変化はないようで、それでも私たちは仲良しだ。
    緩やかな時の流れの中で、私と綾乃の間にも信頼関係が芽生えた。

    90 = 1 :

    京子「今年はあかりも入学して、もっと楽しくなりそうだね」

    綾乃「確か新入生代表だったかしら」

    京子「そうそう」

    あかりちゃんは、私たちの卒業後も生徒会の手伝いを続けて、皆の人望を集めていたらしい。
    成長期を迎えて、私よりも魅力的な体になったのだから、ここの制服もさぞ映えるだろう。

    京子「入学式が始まる前に、あかりちゃんに挨拶しに行こうか」

    綾乃「そうね、祝ってあげないと」

    一目顔を見るくらいなら、時間も十分余裕があるだろう。

    京子「会場設営の指揮を執ってる千歳には、少し申し訳ないけどね」エヘヘ

    綾乃「放課後に話す時間はあるんだから、千歳もきっと許してくれるわよ」クスッ

    お茶を飲み終えた綾乃が、自然と私の手を握って引っ張っていく。
    随分と積極的になって、私が近づいただけで真っ赤になっていた昔とは別人みたいだ。

    94 = 1 :

    京子「入学おめでとう、あかりちゃん」

    綾乃「入学おめでとう、待っていたわ」

    あかり「ありがとう、京子ちゃん、綾乃ちゃん」

    あかりちゃんは、少し髪を伸ばして、最近では大人の色香のようなものが出てきている。
    手足の伸びにより、立ち居振る舞いにも優雅さが見え始めていて、少しドキドキする。

    綾乃「何だかもう生徒会長の器を備えているわね」ハァ

    あかり「気が早いよ、綾乃ちゃん」ニコニコ

    あかり「第一、私は生徒会長になるために、生徒会に入るわけじゃないから」チラッ

    京子「ふ、ふーん、そっかぁ」

    あかりちゃんに秋波を送られて、軽く動揺する。

    96 = 1 :

    綾乃「誰かさんを追いかけて来たってところかしら」クスッ

    京子「…その人が羨ましい限りだね」

    あかり「もぅ京子ちゃんったら、とぼけちゃって」ムッ

    京子「いやぁ、あはは…」

    最近になって、綾乃に続いてあかりちゃんも、こうしてアプローチをかけてくるようになった。
    私は二人をからかう側だったはずなのに、いつの間にかヒエラルキーは逆転していた。
    ちょっとした身の危険を感じることもしばしばあって、自分の貞操が心配になる。

    京子「あ、あかりちゃんの顔も見たし、そろそろ式の準備にいってくるねっ」バタバタ

    なんだか居た堪れなくて、走ってその場を離れた。

    97 = 11 :

    しえん

    98 :

    結衣と離れた寂しさをたくさんの友人が埋めてくれたってとこかな
    結京好きだが、たまにはこういうのもいい

    99 = 1 :

    京子「もぅ、綾乃もあかりちゃんも、あれさえなければいいんだけれど……」ハァ

    京子「無駄に走って疲れちゃったな」フゥ

    京子「気を取り直して心機一転、高校二年も頑張りますか」

    時間も迫っているので、足を止めずに会場の体育館に向かう。



    京子「あっ……」

    体育館の入口に、懐かしい後ろ姿が見えて、足が止まる。

    その人が、ゆっくりとこちらを向く。
    切れ長な漆黒の瞳に、端正な顔立ちに、目が吸い寄せられる。

    結衣「京子……」

    櫻咲く春に、私は結衣と再会した。


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