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    元スレ美也「にぃにー! あっさだよ-?」

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    301 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 04:31:38.56 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,+0)
    「君が……僕の、ヒロイン…?」

    上崎「は、はい…! そうなんです、あたしが…あたしが貴方の妻です!」

    「妻なの……?」

    上崎「あ、いえっ……それはいいすぎました!
       で、でも…いつかそうなると思ってます………」ゴニョゴニョ…

    「───わかった、とりあえず……この世界のことはわかったよ。
       じゃあ僕はなにしたらいいのかな?」

    「こうやって色々と頑張って……君にたどり着いたけど、それがただの
       僕の妄想の世界だった……そりゃそうだよ、だって好き勝手やってたのに…」

    「……誰も、僕を嫌いにならなかった。本当に……僕は、いったい今までなにを…」

    上崎「……。落ち込まないで、橘君……あたしがいるじゃないですか…」ぎゅっ…

    「──上崎、さん………?」

    上崎「貴方は頑張って、そんな橘君の妄想の世界でも……こうやってあたしの所にきてくれた。
       これはもう……運命なの。貴方を分かってあげられる、貴方と記憶を共有できるあたしと…」

    上崎「運命は……貴方とあたしを引きつけた」
    302 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 04:39:35.26 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,+0)
    「上崎、さん………僕は……」

    上崎「ううん、なにもいわなくていいよ。橘君……言わなくても、あたしはわかってる……」

    上崎「これまで、色んな人を分かって来た貴方だけど……今度は自分の番だよ?」

    「上崎さんっ……僕はっ……僕はっ……!」

    上崎「大丈夫…大丈夫だから……ね? なかないで橘君…貴方は人の為に頑張れるって、
       そんな事を言われ続けたよね…?」

    上崎「でもそれって──裏を返せば、貴方に負担をかけているしかない。
       まかせっきりで、貴方しか心の負担を感じ続けるだけ……」

    上崎「でもね? あたしはそんなことはいわないよ…だって貴方の苦しみを知ってるんだもの。
       知ってるのなら、あたしはその苦しみも共有できる……ちゃんと理解もしてあげられる…」

    「僕はもう──なにも、頑張らなくていいの……?」

    上崎「うん、頑張らなくていいよ。あたしと一緒に……いてくれれば、それで…」ぎゅ…
    303 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 04:42:59.98 ID:1/wuY2Ww0 (+19,+29,-4)
    話術が凄いな
    304 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 04:47:01.83 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,-204)
    「──それで、なんなのかしら?貴方」

    「え……?」

    上崎「ッ……この声は──!」

    「あら、知ってくれてるの? ごめんなさい、どうやらあたしには貴方の気配の薄そうな
     顔つきには見覚えがないわ」

    「これって……何処から声が…?」

    上崎「──また、またあたしの邪魔をする気……!!」

    「ふふ……そうなの? 別の世界のあたしも…どうやら貴方のことを嫌いだったみたいね」

    「──あ、そこにいるのは……」

    上崎「くっ……なんで、ここにいるのよ…っ!!」

    上崎「──絢辻、詞……!!」

    絢辻「名前を覚えてくれてるなんて、光栄ね……上崎 裡沙さん?」
    305 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 04:55:59.06 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,-221)
    「あ、絢辻さん…!? どうしてここに…!
       というか体調はもういいの…!?」

    絢辻「──いいもなにもって、テレビの音がうるさいから起きて見れば、
       貴方が全国放送を乗っ取って、独壇場を作り上げてたら誰だって起きるわよ」

    「え、あうん……ごめん絢辻さん……」

    絢辻「まぁ、それもだけど……起きたのはそれだけじゃないのよ」すっ

    「はろー!棚町さんですよー!」

    「か、薫……!」

    「いやー…アンタがその仮面についていったきり、帰ってこなかったからさ~。
      ちょっと人を呼びに、学校までひとっ走り行ってきたのよ」

    絢辻「そうなの、そして事情を聞いて…今はあたしはここに居る。理解できた?」

    「そうなんだ……というか絢辻さん、ずっと学校に居たの…?
       だってあれから一日たってるし……」

    絢辻「──そうよね、おかしなはなしよね。不都合がそこでおきるのに、誰もが疑問に思わない」

    絢辻「そこの所を少し、ご説明していただけないかしら…上崎さん」
    306 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 05:03:26.92 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,-280)
    上崎「っ………!」

    絢辻「──あら、どうかしたの? はやく答えてよ?
       だってそれは、貴方全部知っていることなんでしょう?」

    上崎「ぐっ……絢辻、さん……貴方はどうして、記憶が残ってるのよ………!!」

    絢辻「返答になってないわよ、それ。──でもまぁいいわ、答えてあげる」

    絢辻「──貴方、あたしの手帳を失念し過ぎてたでしょう?」

    絢辻「どうやら、貴方は手帳の中身までは知らないみたいね……どこでどう知るのかは、
       あたしはわからないけれど──それでも、そこに隙が出来た」

    絢辻「この手帳──橘君が不幸になって、世界が終わるときに書き変わるって思ったてたけど…
       それは違う。これは───あたしの記憶がリセットされたら書き変わるみたいね」

    上崎「っ………そん、なこと……!」

    絢辻「ありえるのよ。だからこそ、あたしは何もかも思い出した」

    絢辻「だって、あたしは頭がいいんだもの。手帳に書かれてたことですぐ、以前のあたしが
       どう考え、どう思ってたかは──もうすでに理解済み」

    絢辻「──だから、あたしが最後にどんな事を思ってたかも…もうわかったわ」
    307 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 05:09:59.03 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,-210)
    絢辻「ま、そんな感じね。たいして面白くもない話だったわ」

    上崎「ぐっ……くぅう…!」

    絢辻「──とりあえず、そこの泣き虫な橘君。そんなちんけな話術に引っ掛からないで、
       あたしの話を聞きなさい」

    「え……?」

    絢辻「そもそももっと聞くことがあったでしょうに──例えば、桜井さんの歌!
       あれはこの影薄い彼女が関係してることでしょ?」

    「あ、そういえばそうだった……!」

    絢辻「ちゃんと理解すればわかることでしょ。なんでそんなことを、この彼女がおこなったのか…
       それと、そのやり方も不思議じゃないの?」

    「そう、いえばそうでした……」

    絢辻「ほんっとに橘君って……無能よね。犬になることしかできないの?」

    「す、すみません……」
    308 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 05:18:05.98 ID:mkoyZ23Y0 (+43,+30,+0)
    「まあまあ。コイツの馬鹿さ加減はいまにはじまったことじゃないしさ~」

    (こ、こいつ…ただ絢辻さんを呼びに行っただけのクセに、良い気になって…!)

    上崎「───……ふ、ふん! それで絢辻さん……あたしに何か用でもあるの…!?」

    絢辻「あら、いきなり強気ね。この場合は、下手に出て相手の出方を伺うのがセオリーじゃなくて?」

    上崎「くっ…本当にむかつく人…!この二重人格!」

    絢辻「褒め言葉、どうもありがとうございます。それで?是非とも聞かせていただきたいんだけど…」

    絢辻「──貴方、なにを企んでるの?その橘君を誑かせて、貴方はいったい何をする気なのかしら」

    上崎「あ、あたしはっ……!ただ、橘君の悩みを…解決させてあげようと……!」

    絢辻「嘘ね」

    上崎「なっ、なんでそんな事を言えるの…!?」

    絢辻「貴方──どうにもこうにも、ウソをつくの下手過ぎない?」

    絢辻「それにこのあたし、の前で仮面をかぶろうだなんて……片腹いたいわよ」
    309 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 05:19:09.45 ID:Pa585rBrO (+19,+29,-4)
    今日はイイにいにの日だね
    310 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 05:19:32.52 ID:ey268QIR0 (-22,-10,-2)
    支援
    311 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 05:26:34.64 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,-289)
    絢辻「それに、端の方で聞き耳をたててたから──話している内容も分かったけれど…」

    絢辻「──この世界が、橘君の……妄想?運命の出会い? はっ!…笑わせないでよ」

    絢辻「どうにもこうにも…そんな言葉を信用するなんて、ばかね!」

    (絢辻さん……なんだかノリノリだ…)

    絢辻「この世界が如何に──不都合な流れになっていたとしても、それは……
       けっして、橘君が望んでることじゃないってぐらい、あたしにもわかるわ」

    「──絢辻さん……それは、本当に……?」

    絢辻「当たり前よ。だってそんなの……貴方が望むわけないじゃない」

    「え……?」

    絢辻「平気で他人を不幸にして、好きだって言わせた奴を約束の場所でぶっちぎる」

    「お、おおう……」

    絢辻「……そんなことを平気で行える人間が、幸せを望む?頑張れる?
       やめてよそんなの……殺したくなっちゃうわ」

    (だ、だいじょうぶだ……殺したいとかいったのは、僕じゃない今の僕じゃない…!)
    312 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 05:28:07.42 ID:1/wuY2Ww0 (+24,+29,-8)
    絢辻さん恐いよ、恐いよ……
    313 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 05:34:08.44 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,+0)
    絢辻「過去にどれだけの橘君がいたのかは、よくわからない。
       けれど、どこにいたって好き勝手やっていた橘君が……世界を変えるほどの」

    絢辻「妄想を蓄えるなんて、想像もつかないわ」

    絢辻「手帳でもわかることだし……それに、今の橘くんを見たってわかること」

    絢辻「彼は決して──どのようなエンドを迎えても、絶対に後悔はしない。
       これはあたしの命に誓ってでも、そうだと良いきれる!」

    「あ、絢辻さん…っ!」

    上崎「……………っ」

    絢辻「──だからね、そこの上崎さん。あたしは貴方に言いたいことがるの」

    絢辻「隠しても無駄っ。あたしには通用しないし、どうあがいても無理っ!」

    上崎「絢辻、詞……!!」

    絢辻「あら、あらら。良い目で睨めつけてくるわね、つぶすわよ?」

    上崎「っ…!……」びくん!

    絢辻「ふんっ…とりあえず、あたしが言いたいのは最後に一つ」

    絢辻「──この世界を、作り上げたのは橘君じゃない。
       ぜったいにこれは──貴方、上崎 裡沙さんでしょう?」
    314 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 05:41:14.03 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,+0)
    「……そう、なの…?上崎さん……?」

    上崎「っ………」

    「この世界は、バグってしまった世界は……君が作り上げたの?」

    上崎「それは……それは───っ!!!」ごごごごご!!!

    「な、なにこれ……!? 急に地面がせりあがって…!!」

    絢辻「──ッ……なにをしているの、上崎さん……!」

    「えっ…これって上崎さんがやってるの……!?」

    上崎「……ゆるさない…またこうやって、橘君との幸せを壊して…!
       やっと手に入れたって思ったのに…やっとやっと…!!」ごごごごごお!!!

    「上崎さん……!? いったいこれはどういう……!!」

    上崎「──なにって橘君……またやり直しだよ?」

    「え……?やり直しって……」

    上崎「だって、全てが終わっちゃったんだもん。それだったら、もっかいカセットを抜いて…
       入れ直すの。そうすればまた上手くいけば、最初から……!!」

    上崎「もう──こんな世界なんていらないんだから!!
       ぜんぶぜんぶこわれちゃえ!!あはあははあははっはあはっは!!!」
    315 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 05:46:44.75 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,-193)
    ごががが! ごきん!

    「なっ……これ、空間がおり曲がったとしか言いようがないよこれ…!」

    「きゃあ…!」

    「か、薫……どうした!?大丈夫か!?」

    「ま、まぁね……それよか、アンタは大丈夫なの?」

    「大丈夫だよ……なんだか生きた心地がしないけど──あ、絢辻さんは!?」

    絢辻「ここにいるわよ?」

    「うわぁ!? 後ろに居るなら、急に声を出さないでよ…!びっくりするじゃないか…!」

    絢辻「そうね、ごめんなさい」

    「…な、なんだか絢辻さん……余裕だね…?」

    絢辻「え? そうかしら……でも確かに、余裕ではあるわね」

    絢辻「──だって、これもあれでしょう?」

    「あれ……?」

    「──ああ、やっぱり…絢辻さんもそう思ってた?」

    「え、なんだよ二人して……僕にはまったくわからないよ?」
    316 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 05:52:33.13 ID:mkoyZ23Y0 (+43,+30,-189)
    「にぶいわねー…あんたも。そんなあんたは、どうやっていままで…
      色々なことを解決してきたのよ…」

    絢辻「…まぁ、本当に何も考えずにやってきたって証拠ね。
       なら最後ぐらい、ちょっとは考えて行動してみなさい」

    「僕が考えて行動……?」

    絢辻「──そう、貴方は今まで……なにをしてきた?
       この世界で、なにを経験してきた?」

    「──馬鹿みたいに、周りをひっかきまわして…アンタはなにをしたのよ?
      あたしの前で、なにをしてきたのよ?」

    「…それは……」

    「──いってきなさい、純一。ほら、背中を押してあげるわよ」

    絢辻「──あたしも、押してあげるわ。ほら、いってきなさい」

    「二人とも……僕は、その……」

    「──今まで通りのことを、してくるよ……!!」だっだっだ!
    317 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 05:59:20.43 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,-280)
    「はぁっ…地面がめくれあがって、なんだか歩きにくいよ──お…」

    上崎「…………」

    「……なに体育座りをしているのさ、上崎さん」

    上崎「──橘君……?」

    「そうだよ。僕だよ」

    上崎「もう、そろそろ……世界は書き変わるよ。
       もう、今までの橘君じゃなくなるから……覚悟しててね…」

    「そうなんだ。それは大変だね」

    上崎「……なんでそんなにも、平気そうなの? もう、終わっちゃうんだよ?
       もう、終わりなんだよ…?」

    「──終わらせないよ、僕は」

    上崎「え……?」

    「だって、僕はまだ知っていない──知ってない子がいるんだ。
       それを知る前に、この世界を終わらせるなんて……僕にはできないよ」

    「だから───」すっ
    318 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 06:04:28.12 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,-280)

    上崎「え、あ……それは…っ!」

    「……うん、これはもやもやだね。上崎さんのフラグだ…」

    上崎「これは……!その…っ」

    「…可愛いハートのペンダントだね。上崎さんにぴったりだよ。
       ──これが君が仮面を脱いだ時、少しちらりと見えたんだ」

    上崎「そう、なんだ……」

    「だから、上崎さん……僕はこれを触っても良いかな?」

    上崎「……触っても、もう遅いよ…どっちにしたって…あたしはもう……」

    「いいや、だめだよ。僕はそうさせない」

    上崎「橘君……?」

    「──言っただろう? 僕は知らないんだ、知ってからでも遅くは無いから。
       どうか君のことを……僕に教えてくれないか──ッッ!!」びくん!
    319 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 06:06:34.30 ID:1/wuY2Ww0 (+24,+29,-14)
    橘さんカッコイイなぁ
    320 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 06:09:01.76 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,-185)
    (──ogeowoiweofijwoejfaoio…)

    「ッ……なるほどね、これが君の記憶──」


    ジザザ…! ザザ!

    『たちばなくん…っあのね…!』
    『ど、どうして僕の名前を……?』

    「そう、君は何時も僕を見てた……」

    ジジジ……ザザー…

    『あ、あたしは!貴方のことが好きなの!』
    『え、ええ…!君みたいな可愛い子が…!?』

    「だからこそ、君は何だって知ってる──」

    ザザザ……ザザッ…

    『…ごめんね、橘君』
    『いいよ、僕は全部許すからさ』

    「これで、全部か……」

    上崎「……他の人に比べて、少なかったでしょ?」

    「そうだね、それは確かにそうだった……」
    321 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 06:15:14.85 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,+0)
    「でも、その分──君の気持ちを…誰よりも濃く知れた。
       誰の記憶よりも……裡沙ちゃん、君も記憶が凄く良かった」

    上崎「橘君……お世辞が上手だね…」

    「お世辞じゃないよ! これは本当の気持ち……」

    「……だから、君も気持ちもよくわかった」

    「──僕は君とはハッピーエンドを迎えていないんだね?」

    上崎「っ……そん、なことまで分かるんだ…凄いね、橘くん……」

    「あはは。過去の僕ってば、本当に優秀みたいだよ?
       ……だから、僕はそんな過去の僕たちに縋って、君に伝えたいことがる」

    「──ごめんね、裡沙ちゃん。君をずっと一人でいさせてしまって」

    「君はずっと僕を見てくれたんだろう?
       失敗するときも、成功した時も……そうやって僕を見てくれた」

    上崎「そう、そうだよ橘君……あたしはずっと、貴方のことを見てた…!」
    322 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 06:21:26.39 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,+0)
    「うん、ありがと……でもね、それを悪いことだと思っては欲しくなかったよ」

    上崎「っ………」

    「君がこの世界のルール性をしったのは……たぶん、遊園地。
       あそこのお化け屋敷じゃない?」

    上崎「……うそ、そんな所まで……わかるの…?」

    「裡沙ちゃんの記憶が戻ったことで、僕もどうやらこの世界のルールがわかったみたいなんだ」

    上崎「……よくわからないけど、すごいね橘君……」

    「ありがとう……それで、君はあそこのファラオの人形で……願ったんだ」

    「──この世のありかたを教えてください。どうかあたしを幸せに出来る──」

    「世界の作り方を、教えてくださいって」

    上崎「…あたりだよ、そういったよ…確かにあたしは…」

    「うん、そしたら君は……ここにいた。このバグのループの中に。
       自分ではもう抜け出せれない、頑固な檻の中に入れられてしまった……」
    323 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 06:26:43.16 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,-223)
    「……でも君は、世界の構造を知ってしまった。それをどうにか駆使すれば、また…
       元の現実に戻ることもできるかもしれない──いや、そんなことよりも…」

    「元の現実とは違う、もっと幸せな形をつくることが出来るんじゃないかって思った」

    「──そうして、君は頑張って頑張って…僕を応援しつづけてくれたんだね?」

    上崎「うん…うんっ……そうだんだよ…あたしは、ずっと貴方のことを見てた…!」

    上崎「でも、いつになっても貴方はこない……だから、あたしは世界をいじくって…」

    「今の僕になるわけだ。記憶がない、少し未来の世界になってしまった」

    「この世界──この世界はたぶん、みんなの意識が重要だったんじゃない?」

    「だから君は、梨穂子をアイドルにし歌わせた…それがこの世界の違和感を無くすための
       キーとなるように…みんながみんな、おかしくならないよう…君は、もすごく…」

    「頑張った……とてもとっても優しい子なんだよ、裡沙ちゃん」
    324 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 06:34:10.52 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,-269)
    上崎「あたしは……全然、やさしくなんかないよ……!だって自分だけの今年考えてなくて…!
       こうやってまた、自分のわがままで世界を壊そうとしてる…!」

    「うん、そうだね……でも、人は誰だって弱いものだよ?」

    「どんなに強くって、どんなに嘘をついてて、どんなに隠してて、どんなに頑張っても……
       みんな、それぞれ弱い所があって、感じたくないものがあるんだ」

    「誰だって逃げ出したくなることもある。僕だってそうさ、いっぱいあるよ?」

    上崎「うそ、だよ……橘君は、この世界で一度だってにげたことないじゃない…!」

    「……そうだね。僕は逃げないね」

    「そう、だったら……僕と一緒に、君も頑張らない?」

    上崎「え……あたしも…?」

    「そうだよ! 僕と一緒に、裡沙ちゃんも頑張るんだ!」

    「そしたらもう、君は弱くなんかない。君は頑張れるこになって、そのうち一人でも頑張れるようになる」

    上崎「むりだよ…! あたしには、そんな強いことは無理……」
    325 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 06:40:02.31 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,-296)
    「やってみなくちゃわからないよ? だって君はずっと僕のことを見てられるほどに…
       頑張れたじゃないか。気が遠くなるような時の仲で、僕の為に頑張れた」

    上崎「…………」

    「──さぁ、頑張って裡沙ちゃん! 今、僕の手をとるんだ!」

    上崎「橘君…っ」

    「自分を信じて! 前を向くんだ! 昔の自分はもういない……何かを始めるには、まずは自分からじゃないとだめだ!」

    上崎「──っ……」ぱっ…

    「──よし、君の努力。今受け取ったよ」

    上崎「……橘君、あたし…あたし……」

    「なにもいわなくてもいいよ……次は僕の番なんだ」

    「今度は君を僕が分かってあげる番。なんでもいってね? いつだってかけよっていくからさ!」

    上崎「うん、うん……ありがとう、橘君…」

    上崎「──あたし、とっても幸せだよ……!」
    326 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 06:45:44.96 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,-231)
    うぉおおおおおおおおおおおおん!!!

    「──え、なんだこれ……周りが真っ白に…っ?」

    上崎「ど、どうして……?」

    うぉおおおおおおおおおおおおおん!!!

    「この声、確かどこかで……あ、ファラオの声だ!」

    上崎「……もしかして、あたしが幸せだって言ったから…呪いが解けた…?」

    「……ということは、元の世界にもどるってこと?」

    上崎「……た、たちばなくん…!」

    「え、うん……どうしたの裡沙ちゃん…!」

    上崎「たぶん、もうこの世界は終わりを迎えると思う…!
       それはたぶん、ただしいこと……!」

    上崎「今までがおかしくて…すべては、まぼろしだったのかもしれない…!」

    上崎「でも聞いて!! これは、これは…とってもいいことだと思ってるの……!!」
    327 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 06:52:24.03 ID:mkoyZ23Y0 (+45,+30,+0)
    上崎「あたしは世界が滅びて…やり直すことを望んだ…!
       でも、これから起こる世界の終わりは……また違うこと!」

    上崎「あたしが望んで、世界が望んだ……一番きれいな終わり方…!」

    上崎「そう、だよね…? 橘君……!」

    「──そうかもね…今のままだと、僕らは止まったままだ。
       この思いだけが通る世界に……気持ちはとどまったまま──」

    上崎「でも貴方は──この歪な世界の、全てを救った……あたしはそれを見てたらか、ぜんぶわかってる!」

    「うん、ありがとう裡沙ちゃん…!」

    上崎「感謝してるのはこっちのほう……橘君、どうか、お願いがあるの──」

    「え、なに───」

    上崎「どうか、元の世界になって──あたしのことをまた──」

    「みつけて、あげてね……」

    シュオオオオオ………

    …………………
    ……………
    ………
    ……
    328 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 06:54:24.77 ID:mkoyZ23Y0 (+39,+29,-18)
    もうあと1、2レスなんだが仕事行かなくちゃです…
    どうにか書く手段を得るので、待ってくださればさいわい

    では出かけてきます
    329 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 06:55:36.11 ID:KUB6Zgrl0 (+19,+29,-3)
    読んでるよ
    頑張れ
    330 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 06:56:21.37 ID:1/wuY2Ww0 (+24,+29,-2)
    なんという焦らしプレイ
    331 : 以下、名無しにか - 2011/11/22(火) 07:05:45.31 ID:ecErvbMl0 (+19,+29,-3)
    次はVIPにスレ立てんなよか
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