元スレほむら「私が残したもの」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
51 :
ホムラチャン!!
52 = 1 :
――――――Mammy's――――――
杏子 「――大体話は分かった。まったく、何やってんだか」モシャモシャ
ほむら「うるさいわね…それで、その、悪魔祓いみたいなことって、杏子は…」
杏子 「エクソシズムのことか?そりゃあカトリックの話だね。言ったろ?うちはプロテスタントなんだよ」
マミ 「あまり詳しくなくてごめんなさい…キリスト教でも、派が違うってこと?」
杏子 「ほむらさ、あんた見滝原に来る前はミッションスクールにいたんだろ?何で知らないのさ」モグモグ
ほむら「う…」
マミ 「ほら、元々は身体が弱かったって言ってたじゃない。――あまり学校には行けてなかったんでしょ?」
ほむら「そう、ですね…」シュン
杏子 「まあプロテスタントにも似たようなのはあるけどね。でもそんなに体系化されてないし、
それにしたって、悪霊に取り憑かれた人間から悪霊を追い出すような儀式だからな」ガツガツ
54 :
あんこあんあんこあんこ!
55 = 1 :
ほむら「そう…」
まどか「杏子ちゃんの教会と関わりのある人で、そういうのに詳しい人っていないの?」
杏子 「いないな。――そもそも、異端な教義に走ったせいで破門同然だったわけだしね」ゴキュゴキュ
まどか「あ、ご、ごめん」
杏子 「いいって。…それにしてもさやかはどうした?」ゲフッ
まどか「あ!」
ほむら「幾らなんでもおかしいわね…」
マミ 「もう一度電話してみましょう」
マミ 「…出ないわ」
56 = 3 :
さやさや?
57 = 1 :
ほむら「…」
杏子 「…厭な予感がするな」
まどか「さやかちゃんの家に行きましょう!」ガタッ
マミ 「ええ!」
ほむら「杏子の分は私が出しておくから、タクシーを止めておいて!」
杏子 「しゃあ!」タタタ
58 :
さや・・・さや・・・
59 = 1 :
――――――タクシー車内――――――
まどか「やっぱり出ないよ…」プルルルル プルルルルル ピッ
マミ 「何もないといいけど…」
杏子 「落としたか失くしたか、ならいいけどな」 …ポーピーポーピーポー
ほむら「ええ…」 ピーポーピーポーピーポー
まどか「運転手さん、出来るだけ急いで!」 ピーポーピーポ…
運転手「あいよ」
* * *
まどか「運転手さん、次の信号を左に曲がったところで止めてください」
マミ 「…」
まどか「あ、その辺で大丈夫です」
60 = 13 :
救急車…かね…?
61 = 1 :
運転手「1,640円ね」
杏子 「あのマンションだよな?何か…エントランスに人だかりが」
ほむら「何かあったのかしら…」
マミ 「ひとまず私が立て替えておくわ、先に行って!」
まどか「は、はい!」バタン
ザワザワ ザワザワ
まどか「あ、おじさん!」
杏子 「誰だ?」
ほむら「さやかの家の隣の人だったかしら…」
男性 「おや、鹿目さんとこの」
まどか「何か…あったんですか?」
男性 「それがさ…美樹さんとこのさやかちゃんが、突然おかしくなっちゃって」
まどか「!!!」
62 = 3 :
さやさや……
63 = 39 :
さや…さや…
64 = 1 :
杏子 「どういうことだ!」
男性 「っ!と…お友達かな?」
まどか「さやかちゃん…どうしちゃったって言うんですか!?」オロオロ
男性 「いや、何か突然倒れて…意識はあるみたいなんだけど、喋れなくなって、ずっと涙をこぼして…」
ほむら「…!さっきすれ違った救急車はまさか!」
杏子 「追うぞ!」ダッ
まどか「うん!でも――どこの病院に…!」
ほむら「この辺で救急を受け入れてるのは見滝原病院しかないわ!」
マミ 「そうね!急ぎましょう!」
65 = 1 :
――――――病室――――――
さや母「さやか…さやか…どうしたの…しっかりして…」
さやか「」ボタボタ
さや父「先生…さやかはどうしてしまったんでしょうか…」
医師 「…」
まどか「さやかちゃん!」タタタ
杏子 「さやか!」タタタ
さや母「――まどかちゃん…来てくれたの」
ほむら「…これは…!」
さやかの様子は明らかに異常だった。
66 = 3 :
さやさや
67 = 39 :
さやさや
68 = 1 :
上半身を起こしてベッドに入っているので意識はあるようだが、目が左右別々の方向を見ている。
そして、その目からとめどなく滂沱の涙が溢れ続けていた。
既に上着と掛け布団のかなりの部分が濡れて変色している。到底常識では考えられない涙の量だった。
まどか「さやかちゃん!…しっかり、して――!」
さやか「…!」ボタボタ
まどかに気付いたのか、さやかの両の目が大きく見開かれた。だが相変わらず焦点は定まらない。
震える右手がわずかに持ち上がる。
まどか「さやかちゃん!」ガシッ
さやか「…!」ボタボタ ビクン
69 = 3 :
さやさや……
70 = 1 :
まどかがさやかの右手を両手で握り込むと、さやかは何かに怯えるように身体ごと
まどかに握られた手を振りほどこうとした。そして激しく痙攣し始める。
二人の看護師がまどかを引き離し、さやかを取り押さえた。
さやか「」ビクンビクン
さや母「さやか!さやか…!」
医師 「鎮静剤、点滴用意!――すみません、ご家族の方以外は外して頂けませんか」
マミ 「そんな…!」
さや父「来てくれたのは嬉しいけど…今は、先生の言うことを聞いてくれるかな…」
まどか「は、はい…」ウルウル
71 = 3 :
さやさや
72 = 1 :
――――――待合室――――――
まどか「さやかちゃん…」ウルウル
ほむら「どうしよう…私の、せいだ…」
マミ 「自分だけのせいにしないで。あれをやったのは、私たちみんななんだから」
杏子 「ちくしょう…何なんだ…さやかに何しやがった…!」
ほむら「杏子…やっぱりあれは、悪魔憑き――なのかしら」
杏子 「わかんねえよ!…あたしだって、悪魔だの何だのなんて…」
マミ 「ところで…みんな、気付いていたかしら?」
まどか「え?」
73 = 1 :
マミ 「ほんとにわずかにだけど…ソウルジェムが反応していたわ。
魔女でも使い魔でもないけど…この世ならざる何か、なのは間違いない」
杏子 「それって…あたしが今日追い回されてたのも――!」
マミ 「多分ね」
杏子 「くそっ…!あの時、ビビらずに倒しておけば…っ!」ガン
ほむら「何とかしないと…とにかく、さやかの身体から追い出す方法を考えましょう」
74 = 3 :
まみまみ?
75 = 1 :
杏子 「それにしたって…一体何が憑いたのかも判らねーんじゃ、調べようが…」
まどか「"悪魔祓い"はダメだけど…。"悪霊払い"で検索したら、市内に幾つか神社とお寺がヒットしたよ」ピコピコ
マミ 「この際、お寺でも神社でもいいわ!手分けして相談しましょう!」
ほむら「――そうね。悩んでばかりでは、さやかは助けられない」スック
まどか「さやかちゃん…待っててね」
77 = 1 :
――――――神社――――――
まどか「ここだね…」
ほむら「広いわね…社務所はどこかしら」
まどか「あ、マミさんからメール」ティロティロリーン
まどか「住職不在で、もう1つのお寺に回ってみるってさ…」
ほむら「仕方ないわ。この神社が当たりなら、それでいいんだから」
ジャリッ
まどか「あ、あっちに案内板があるよ」
ほむら「見てみましょう」
78 :
ハイレタハイレタハイレタ
79 = 1 :
ジャリッ
まどか「えーと、受付ってのがあっちに――」
ジャリジャリジャリジャリジャリ
ほむら「!?」
まどか「ひゃっ!!」
異様な気配に気付いて振り向くと、灰色の何かが二人に迫ってきていた。
それが地面を這いずると、地面は雨が降った後のように変色していく。
80 :
結構前のマミさんが一人かくれんぼやるSS思い出した
81 = 1 :
ほむら「ソウルジェムが殆ど反応しない…こいつは――!」
まどか「何で!?さやかちゃんに取り憑いてたんじゃないの!?」
ジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリ
ほむら「――くっ!」ピシュン!ピシュン!
サイレンサー付きのオートマチック拳銃で銃撃するが、手が震えて正確にヒットしない。
ほむら「…っ!まどか!走って!」ピシュン!ピシュン!
まどか「う、うん!」タタタ
少し冷静さを取り戻したほむらの銃撃はその「何か」にヒットしたが、
飛沫が飛び散るだけでまったく怯まない。
82 = 3 :
ほむほむ
83 = 80 :
誰かディーンとサムを呼んできてくれ!
ここは俺が時間を稼ぐ!
84 = 1 :
ほむら「ダメだ、ひとまず距離を取らないと――!」シュルルル
まどか「っ!ほむらちゃん!!」
ほむらと「何か」の間にはまだ10メートル近い距離があったが、「何か」から
伸びた髪の毛のような触手がほむらの足に絡まり、ほむらは転倒した。
まどか「ほむらちゃん!」タタタ
ほむら「まどか!来ちゃダメ!!神主さんを呼んできて!!」
まどか「――っ、うわああああああん!」タタタタタ
まどかが本殿の方に走り去るのを確認すると、ほむらは閃光手榴弾を取り出し、ピンを抜いた。
ほむら(1…2…3…!)ポイッ
ドコオオオオオオン!
85 :
>>83
あいつら助けられない事の方が多い気が…
87 = 1 :
強烈な光と爆音が辺りを支配した。
水飛沫と、髪の毛の焦げる不快な臭いがほむらの顔にかかる。
その間に、ほむらは盾の中からアーミーナイフを探り当てた。
右足に絡まった髪の毛に押し当て、引き切る。
ほむら(くっ…!思ってたより硬くて…切れない――!)ブチブチブチ
ほむら「――はっ!」シュルシュル
アーミーナイフを持った右手に、さらに濡れそぼった髪の毛の束が絡みつき、
右半身の自由が完全に奪われた。
ズルズルズル
「何か」が髪の毛を引き込み始め、ほむらの身体が徐々にそれに向かって引きずられていく。
88 = 3 :
ほむむむむ
89 = 1 :
ほむら「しまっ、た――!」
ほむら(こんな…とこで…)
ほむら(やっと、まどかを契約させずに、ワルプルギスの夜を乗り越えたのに…)
ほむら(まど…か…)
ウジュルウジュルウジュルウジュルウジュルウジュル
「何か」はほむらの身体に覆い被さり、侵食していく。
91 = 1 :
ウジュルウジュルウジュルウジュルウジュルウジュル
ほむら(…まどか…)
ほむら「…!」
ほむら「ごめん…ごめん、ね…」ガクッ
ほむらの両目から一筋の涙がこぼれ落ちた。
ウジュルウジュルウジュルウジュルウジュルウジュル
* * *
まどか「急いでください!こっちです!」タタタタ
まどか「…!!」
92 = 58 :
謎の「何か」の正体とは!
93 :
???「破ァ!」
94 = 1 :
まどかが神主と巫女を連れて案内板のところに戻ると、そこにはほむらの姿はなかった。
代わりに、大量の水をぶちまけたような跡と、夥しい髪の毛が残されている。
まどか「…そ、そん、な――!」ガクッ
まどか「ほむらちゃん…ほむらちゃん…!」フラッ
まどかを眩暈が襲った。
急激に走ったことと、眼前の光景により受けたショックで、まどかはその場に倒れ伏した。
神主 「お、おい!」
巫女 「大丈夫!?」
神主 「ひとまず、社務所へ運ぶんだ!」
95 = 3 :
ほむぅ……
96 = 28 :
ほむぅ…
97 = 78 :
fateでセイバーが影に飲まれた時のことを思い出してソウルジェムにごった
98 = 1 :
* * *
まどか「うう…えぐっ…」グスグス
マミ 「鹿目さん、もう泣かないで。…暁美さん、死んだと決まった訳じゃないんだから」
杏子 「そうだな。さやかの様子を見ても、すぐに命がどうこうって手合いじゃないはずだ」
まどか「でも…でも…」グスグス
巫女 「――あの…こちらも参拝終了時間ですので…そろそろ…」
マミ 「あ、ごめんなさい。休憩所を貸していただいて、ありがとうございました」
巫女 「いえ、それはいいんですけど…お友達、心配ですね」
杏子 「…」
99 = 80 :
俺は最初Dクラッカーズ的なのを想像してたわけよ
100 = 1 :
マミ 「では、私たちはこれで。――鹿目さん、立てる?」
まどか「はっ…はい…」グスグス
巫女 「お役に立てなくて申し訳ありません」
杏子 「まどかを介抱してくれただけで十分だよ。ありがとな」
巫女 「お気を付けて」
* * *
マミ 「これからどうしましょうか…」
杏子 「…もうここらにはいなそうだしな。――ほむらの家に行ってみるか」
まどか「正気に戻ってるかも知れない…ってこと?」
杏子 「いや…それならあたしたちの誰かに連絡はあるだろ。じゃなくて、
もうあいつの行きそうな場所を当たるしかないってことさ」
みんなの評価 : ★★
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