元スレほむら「絵を描いているのよ」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×9
1 :
ほむら「ええ。私の大切な人の絵よ」
3 :
さやかちゃんか!
4 :
5 :
まどっちに絵教えてもらって画風を受け継いでるほむら
6 = 1 :
ほむら「よし。この絵はこんなところね」
ほむら「初めの内よりはだいぶマシになってきたかしら……」
ほむら「次はどんな構図にしましょう」
杏子「おっ、ほむらじゃん!」
ほむら「あら杏子」
杏子「何してんの?」
ほむら「絵を描いているのよ。ほら」
杏子「ふーん……。案外上手いじゃん」
7 = 5 :
ほむほむ
8 = 1 :
杏子「で、モデルは誰なのこれ?」
ほむら「私の大切な人よ」
杏子「へーっ。ほむらがそんな言い方する相手なんて、どんな奴なんだろうな」
ほむら「貴女から見ればきっと普通の子よ」
杏子「ふーん……。まあさ、また今度機会があったらあたしにも会わせてくれよ」
ほむら「たぶん一度は会う機会があると思うわ」
杏子「んじゃ、その時を楽しみにしておくよ」
9 = 5 :
ほむほむ
10 :
改変後の話か
11 = 1 :
マミ「また絵を描いているの?」
ほむら「ええ」
マミ「そんなに楽しいものなのかしら?」
ほむら「そう楽しくもないわ。でも他にやりたいこともないから」
マミ「そっか……」
マミ「あっ、さっき買ったんだけど、よかったらこれあげるわね」
ほむら「缶の紅茶?」
マミ「外で絵なんて描いていたら冷えるでしょう?」
ほむら「ありがとう……」
12 = 5 :
ほむほむ
13 = 1 :
マミ「いつも同じ女の子を描いているのね」
ほむら「そうね」
マミ「どう? たまには私も絵のモデルにしてみたり?」
ほむら「遠慮しておくわ」
マミ「つれないんだから……」
ほむら「だって彼女を描かなければ意味が無いんだもの」
マミ「そう頑なに拒否されると……、逆に意地でも自分を描いて欲しくなっちゃうな」
ほむら「はいはい」
マミ「本当に、つれないわねー」
14 = 1 :
杏子「よっこいしょ、と」
ほむら「その画用紙と色鉛筆は……」
杏子「アンタを見てたらあたしもやってみたくなってさ」
杏子「隣、いいだろう?」
ほむら「構わないわよ」
15 = 1 :
杏子「ああああっ! 上手くいかねえー!!」
ほむら「確かにこれは酷いわね」
杏子「うっせえ!」
ほむら「さやかを、描いていたの?」
杏子「なんで疑問形なんだよ!? どっからどう見てもさやか……、でもないか、この画力だと」
ほむら「……心配ないわ」
杏子「へっ?」
ほむら「貴女がさやかのことを描きたいと思い続ける限り、きっとみるみる絵は上手くなる」
杏子「どうして分かるんだ?」
ほむら「強い気持ちは飲み込みの早さを変えるのよ」
杏子「まるで体験してきたみたいなレベルの言いきり方だなー」
16 = 1 :
それ以来、佐倉杏子は、よく私の隣に座っては、さやかの絵を描くようになった
17 :
俺も上手くなりたいよ
18 :
マミさんは誰を書くのかな、うん?
19 = 1 :
マミ「今日はケーキを差し入れに持ってきたわよ!」
ほむら「ケーキって野外で食べるものかしら……」
マミ「いいのよそんなのは。美味しいものはどこで食べても美味しいの!」
ほむら「もぐもぐ」
マミ「って、私が喋ってる間にもう食べてるじゃない! あんなこと言ってた癖に!」
ほむら「美味しいケーキね」
マミ「そう……。ありがとう」
ほむら「ねえ。マミはやりたいことってある?」
マミ「やりたいこと?」
20 = 1 :
マミ「私は魔獣を退治することで、なるべく多くの人を助けたいな」
ほむら「魔法少女としてやりたいことではなく、巴マミとしてやりたいことはないの?」
マミ「へっ? ……そう言われてみると、うーん」
ほむら「……」
マミ「やりたいことは沢山ある気がするのだけれど、咄嗟には思いつかないわね」
ほむら「そう」
マミ「ああ、でも1つだけ、楽しみなことはあるわ」
ほむら「どんなこと?」
マミ「秘密よ」
ほむら「なら、それが何かは分からないけれど――――」
ほむら「やりたいことはやれる内にやっておいた方がいいわよ」
ほむら「私は気付くのが遅すぎて、本当にやりたいことをできなくなってしまったから」
マミ「……」
ほむら「絵なんて、所詮は代替手段の出来損ないに過ぎないのよ……」
21 = 1 :
それ以来、巴マミは、よく自作のお菓子を持ってきては、私に味の感想を尋ねるようになった
22 = 1 :
杏子「どうだほむら!」
ほむら「最初を思えば上達したわね」
杏子「だろ!」
ほむら「でも私と比べるとまだまだだわ」
杏子「ぐっ……」
ほむら「ねえ、杏子」
杏子「ん?」
ほむら「私達こんなことしてて、意味、あるのかな……」
杏子「いきなり随分な質問だね、おい」
23 :
ほむ
25 = 1 :
ほむら「私達がこんなことをしても、描かれた少女は何も得ない」
杏子「そりゃそうだ」
ほむら「こんな自己満足を続ける意味あるのかなって、最近ちょっと考えることがあるんだ」
杏子「……意味、あるじゃん」
ほむら「えっ?」
杏子「自己満足だって1つの立派な理由だよ」
ほむら「……」
杏子「あたし、さやかのこと忘れたくないんだ。忘れたくないから、絵を描いてる」
杏子「こんなことして誰が喜ぶでもないし、描いても描かなくても世界はちっとも変わらないけどさ」
杏子「忘れたくないって気持ちは少しだけ満たされる」
杏子「それでいいじゃん」
ほむら「……そうね。貴女の言う通りかもしれないわ」
ほむら「それにしても、自己満足を正当化するだなんて、まったく貴女らしい論理展開ね」
杏子「どういう意味だよ!」
26 = 1 :
それから3日後、杏子は、魔獣との戦いで命を落とした
私の隣は永遠の空席になった
27 = 24 :
あんあん……
28 = 1 :
ほむら「絵を描いているのよ。ほら」
ほむら「ええそう、モデルは私の大切な人よ」
ほむら「……それから」
ほむら「仕方が無いから、貴女と、貴女の大切な人ものことも描いてあげているわ」
ほむら「忘れたくなかったんだよね、美樹さやかのこと」
ほむら「私がちゃんと覚えていてあげるから……」
ほむら「もちろん主役はまどかだけど、貴女とさやかも、絵のどこかに必ず入れてあげるから」
ほむら「だからゆっくり休んでね、杏子」
29 = 1 :
マミ「最近、美樹さんや佐倉さんのことも描くようになったのね」
ほむら「ええ。心境の変化があったのよ」
マミ「そうなんだ……」
マミ「あっ、今日の差し入れはチョコタルトよ!」
ほむら「もういただいているわ。もぐもぐ」
マミ「遠慮が無いわね……」
ほむら「ほろ苦くて甘すぎない、思い切り私好みの味ね」
マミ「本当!?」
ほむら「ええ。とても美味しいわ」
マミ「よかった!」
ほむら「……ねえ、マミ」
マミ「うん?」
ほむら「次の絵のモデルになってみない?」
30 = 24 :
ほむほむ
31 = 1 :
ほむら「あまり動かないでね。かきかき……」
マミ「絵を描いて欲しいとは確かに以前言ったけれど、どうしてまた突然?」
ほむら「したいことはできる内にしておきたいのよ」
マミ「……そうね。いつまでこうしていられるかは、分からないものね」
ほむら「……」
マミ「……」
ほむら「マミ」
マミ「ええ」
ほむら「今度はショートケーキが食べたいわ」
マミ「あら。リクエストだなんて珍しい」
ほむら「その次はシュークリーム、そのまた次はモンブラン、更に次は―――」
マミ「ちょっとちょっと! 本当にどうしたの!?」
ほむら「……」
マミ「暁美さん……?」
ほむら「マミは、いなくならないで……」
32 :
ほむマミ・・・
33 = 23 :
ほむ
34 = 1 :
マミ「じゃあ、こうしましょう」
ほむら「……?」
マミ「スケジュール帳を買ってきて、1年先まで差し入れの予定を立てちゃうの」
ほむら「1年分の予定……」
マミ「5年先まででも、10年先まででもいい」
マミ「こうやって予定を立てれば、お互い約束を破るわけにはいかないものね」
マミ「これで意地でも死ねなくなるわ」
ほむら「……そうね」
マミ「さ、そうと決まればさっそくスケジュール帳を買いにいきましょう!」
35 = 17 :
なんて悲しい展開
このままいくとほむほむが独りボッチになってしまう・・・
救いはあるのですか
36 = 24 :
まみまみ
37 = 1 :
それから1週間後、マミは、魔獣との戦いで命を落とした
以来、美味しい差し入れがもらえることは二度となかった
38 :
やだなにこの鬱SS
39 = 17 :
あああああああああ
40 = 24 :
まみぃ……
41 = 23 :
マミさん...
42 = 1 :
ほむら「今日はロールケーキの日よ、マミ」
ほむら「コンビニで買ってきたわ」
ほむら「もぐもぐもぐ」
ほむら「マミのつくったものの方が何倍も美味しかったわね」
ほむら「絵もにぎやかになってきたんだよ」
ほむら「まどかがいて、さやかがいて、杏子がいて、マミがいる」
ほむら「マミは独りぼっちなんかじゃないよ」
ほむら「だから寂しくなんてない、孤独なんかでもない」
ほむら「……貴女の楽しみにしていたことって、けっきょく何だったのかしら」
44 = 38 :
なんでSSで泣きそうになってんだ俺
45 :
くっ……
46 = 1 :
ほむら「かきかきかき」
ほむら「かきかきかき」
ゆま「何してるの?」
ほむら「……」
ゆま「なーにーしーてーるーのー?」
ほむら「……絵を描いているのよ」
ゆま「絵? ああっ、キョーコだ!」
47 = 1 :
ほむら(そういえば彼女は、キョーコの弟子のような存在だったわね)
ほむら「その絵はあげるからどこかへ行ってちょうだい」
ゆま「ねえ、キョーコのこと知ってるの!?」
ほむら「お願い……、どこかへ行って……」
ゆま「うー……、分かった」
ゆま「絵、ありがとう。またくるね!」
ほむら「……」
48 = 24 :
ゆまゆま
49 :
胸に来るものがあるな
50 = 1 :
それ以来、千歳ゆまは、よく私の後ろに座っては、私に話しかけてくるようになった
みんなの評価 : ★★★×9
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