私的良スレ書庫
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元スレ櫻子「あかりちゃんって、好きな子いる?」
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>>1のSSはいつも地の文で間延びして話が進まないからな
むむ、どういう意味だろう。
まああかりちゃんが言うんだから、褒めてくれてるんだよね。
そういうことにしておこう。
廊下をとことこ歩いて、学校の一番端っこに来ると重い扉。
その向こうに、非常階段がある。
ぎいっと音をさせながら開けると、秋の朝の明るい空が見えた。
あかり「三階だったらもっと空、綺麗に見えたかなあ」
櫻子「明日から三階で食べる?」
あかり「えっ、でも先輩がいっぱいだよぉ」
櫻子「大丈夫大丈夫、私がいるし!」
まああかりちゃんが言うんだから、褒めてくれてるんだよね。
そういうことにしておこう。
廊下をとことこ歩いて、学校の一番端っこに来ると重い扉。
その向こうに、非常階段がある。
ぎいっと音をさせながら開けると、秋の朝の明るい空が見えた。
あかり「三階だったらもっと空、綺麗に見えたかなあ」
櫻子「明日から三階で食べる?」
あかり「えっ、でも先輩がいっぱいだよぉ」
櫻子「大丈夫大丈夫、私がいるし!」
次期生徒会副会長の櫻子様だから、先輩フロアでもなんでも関係ない!
あかりちゃんとゆっくり話もしたいし、あかりちゃんと一緒なら空見てるだけでも
きっと退屈じゃないから。
あかり「そうかなぁ」
櫻子「そうだよ!」
あかり「じゃあ櫻子ちゃんを信じる!」
櫻子「うん、信じて!」
くすくす笑うあかりちゃん。
釣られて私も笑い出す。
あぁ、早起きしたらなんとやらって言うけど、本当にいいことってあるんだなあ。
あかりちゃんとゆっくり話もしたいし、あかりちゃんと一緒なら空見てるだけでも
きっと退屈じゃないから。
あかり「そうかなぁ」
櫻子「そうだよ!」
あかり「じゃあ櫻子ちゃんを信じる!」
櫻子「うん、信じて!」
くすくす笑うあかりちゃん。
釣られて私も笑い出す。
あぁ、早起きしたらなんとやらって言うけど、本当にいいことってあるんだなあ。
―――――
―――――
櫻子「向日葵、今日も帰るの?」
向日葵「えぇ」
それから昼休みもあかりちゃんと一緒で機嫌の良かった私は、
つい向日葵に声をかけてしまっていた。
放課後。
生徒会室に向かおうとしていた足を止めて、帰り支度をしている向日葵を振り向いて。
櫻子「……へえ」
向日葵「……なんですの」
櫻子「……そんなことしてたら生徒会副会長は簡単に私のものだな!」
―――――
櫻子「向日葵、今日も帰るの?」
向日葵「えぇ」
それから昼休みもあかりちゃんと一緒で機嫌の良かった私は、
つい向日葵に声をかけてしまっていた。
放課後。
生徒会室に向かおうとしていた足を止めて、帰り支度をしている向日葵を振り向いて。
櫻子「……へえ」
向日葵「……なんですの」
櫻子「……そんなことしてたら生徒会副会長は簡単に私のものだな!」
>>110
それほどつまんないってことなんだろ
それほどつまんないってことなんだろ
向日葵「ご勝手に」
くるっと背を向けられた。
何も言い返されなかった。
そこはいつも、「何言ってるんですの、櫻子なんかに生徒会副会長なんて務まるわけないでしょ」とか
いろいろ言ってくるくせに。
櫻子「……」
首をかしげ、向日葵を見送る。
あかりちゃんとちなつちゃんはごらく部に行っちゃったし。
櫻子「……変なの」
ぼそりと呟いた。
くるっと背を向けられた。
何も言い返されなかった。
そこはいつも、「何言ってるんですの、櫻子なんかに生徒会副会長なんて務まるわけないでしょ」とか
いろいろ言ってくるくせに。
櫻子「……」
首をかしげ、向日葵を見送る。
あかりちゃんとちなつちゃんはごらく部に行っちゃったし。
櫻子「……変なの」
ぼそりと呟いた。
◆
その日からずっと、向日葵は生徒会に来なかった。
学校に来ても私と目を合わそうとはしない。
櫻子「……」
あかり「……」
先輩たちはそんな向日葵のこともなんにも言わないし、
私に話しかける意味なんてないから話しかけられないし。
あと、話しかけたいわけじゃないし。
櫻子「……」
あかり「……」
櫻子「……」
あかり「……あの、櫻子ちゃん」
その日からずっと、向日葵は生徒会に来なかった。
学校に来ても私と目を合わそうとはしない。
櫻子「……」
あかり「……」
先輩たちはそんな向日葵のこともなんにも言わないし、
私に話しかける意味なんてないから話しかけられないし。
あと、話しかけたいわけじゃないし。
櫻子「……」
あかり「……」
櫻子「……」
あかり「……あの、櫻子ちゃん」
櫻子「へ?」
そういえば今、あかりちゃんと話してる途中なんだった。
最近の私たちはいい感じだし、あかりちゃんには変な顔させたくない。
櫻子「あ、ごめん。えーっと、なんだっけ?」
あかり「えっ?」
櫻子「えっ?」
あかり「今、何の話もしてなかったから……」
櫻子「あ、そうだったかな……」
しまった。
あかりちゃんは持っていた本を脇に置くと、じっと探るような目で私を見てきた。
そういえば今、あかりちゃんと話してる途中なんだった。
最近の私たちはいい感じだし、あかりちゃんには変な顔させたくない。
櫻子「あ、ごめん。えーっと、なんだっけ?」
あかり「えっ?」
櫻子「えっ?」
あかり「今、何の話もしてなかったから……」
櫻子「あ、そうだったかな……」
しまった。
あかりちゃんは持っていた本を脇に置くと、じっと探るような目で私を見てきた。
>>121
しつこいな・・・
しつこいな・・・
あかり「最近櫻子ちゃん、元気ないよね?」
櫻子「え、そうかな」
あかり「うん。あかりが言うんだから間違いないよ」
だって一番近くで櫻子ちゃんを見てるから。
そう言って、あかりちゃんが優しく笑う。
櫻子「うん、そうかも……」
あかり「えへへ、でしょ?」
櫻子「元気ないっていうか調子出ないっていうか」
あかり「そっかぁ」
あかりちゃんが聞いてくれていると思うと、なんでもすらすら言葉が
出てきてしまう。聞き上手っていうのはあかりちゃんみたいな子を言うんじゃ
ないだろうか。
櫻子「え、そうかな」
あかり「うん。あかりが言うんだから間違いないよ」
だって一番近くで櫻子ちゃんを見てるから。
そう言って、あかりちゃんが優しく笑う。
櫻子「うん、そうかも……」
あかり「えへへ、でしょ?」
櫻子「元気ないっていうか調子出ないっていうか」
あかり「そっかぁ」
あかりちゃんが聞いてくれていると思うと、なんでもすらすら言葉が
出てきてしまう。聞き上手っていうのはあかりちゃんみたいな子を言うんじゃ
ないだろうか。
>>123
さーせん
さーせん
櫻子「こう、うわあっ、てなるんだよね……」
あかり「う、うわあ?」
櫻子「うん、そう」
向日葵があんなだとこっちまでむしゃくしゃするし、
生徒会に来なかったら張り合う奴いなくて仕事も進まないしつまんないし、
別にいなくたって全然いいけどやっぱりなんか足りないっていうか。
あかりちゃんといる時間が増えてよけいに、生徒会での一人での仕事が
身に堪える。
あかり「う、うわあ?」
櫻子「うん、そう」
向日葵があんなだとこっちまでむしゃくしゃするし、
生徒会に来なかったら張り合う奴いなくて仕事も進まないしつまんないし、
別にいなくたって全然いいけどやっぱりなんか足りないっていうか。
あかりちゃんといる時間が増えてよけいに、生徒会での一人での仕事が
身に堪える。
櫻子「どうして来ないかなあ……」
前なら呼ばなくてもほいほい生徒会室来て邪魔なのに一緒に仕事して。
いろいろケンカしてはすぐに機嫌直してまたケンカして、その繰り返し。
それでもそれをやりに生徒会やってたみたいなもので。
いや、そんなわけはなくって……。
櫻子「うーっ」
あかり「……」
唸っていると、突然あかりちゃんが小さな笑いを漏らした。
「どうしたの」と机に突っ伏していた顔を上げる。
前なら呼ばなくてもほいほい生徒会室来て邪魔なのに一緒に仕事して。
いろいろケンカしてはすぐに機嫌直してまたケンカして、その繰り返し。
それでもそれをやりに生徒会やってたみたいなもので。
いや、そんなわけはなくって……。
櫻子「うーっ」
あかり「……」
唸っていると、突然あかりちゃんが小さな笑いを漏らした。
「どうしたの」と机に突っ伏していた顔を上げる。
あかり「櫻子ちゃん、本当に向日葵ちゃんのこと好きなんだなあって」
櫻子「……」
あかり「……」
櫻子「な、なにいってんのあかりちゃん!?」
がばっと身体ごと起こす。
私が向日葵のこと好きとかありえないし!
櫻子「そんなわけないって!私が好きなのはあかりちゃん!」
あかり「ほんと?」
いつもの調子で、訊ねられる。
私はどうしてか、答えに詰まった。
櫻子「……」
あかり「……」
櫻子「な、なにいってんのあかりちゃん!?」
がばっと身体ごと起こす。
私が向日葵のこと好きとかありえないし!
櫻子「そんなわけないって!私が好きなのはあかりちゃん!」
あかり「ほんと?」
いつもの調子で、訊ねられる。
私はどうしてか、答えに詰まった。
櫻子「……ほんと、だよ」
それでも、声を絞り出す。
どうして私が向日葵のことなんか。
それに、今付き合ってるのは向日葵じゃなくてあかりちゃんなんだから。
あかり「……だったら嬉しいな」
櫻子「……」
やっぱりあかりちゃんはすっごく可愛い。
どうしてこんなふうに、笑えるんだろう。
ここ最近ずっと感じていた胸のうずうずが、ずきずきに変わったのはたぶん、
あかりちゃんの笑顔があまりにも眩しかったせい。
それでも、声を絞り出す。
どうして私が向日葵のことなんか。
それに、今付き合ってるのは向日葵じゃなくてあかりちゃんなんだから。
あかり「……だったら嬉しいな」
櫻子「……」
やっぱりあかりちゃんはすっごく可愛い。
どうしてこんなふうに、笑えるんだろう。
ここ最近ずっと感じていた胸のうずうずが、ずきずきに変わったのはたぶん、
あかりちゃんの笑顔があまりにも眩しかったせい。
◆
櫻子「……」
雨だ。
気付いたのは深夜の二時過ぎ。
この時間帯ってたしか、お化けが出るって聞いた気がする。誰だったかな。
櫻子「……向日葵だ」
こんなときにこんなこと思い出すなんてどうかしてる。
こんなときに向日葵のこと思い出すなんてバカみたい。
あかりちゃんが変なこと言うせいで眠れないし、雨だしこわいし。
ベッドに寝転んで思い切り溜息。
隣の花子の部屋からどんどんと壁を蹴る音がしてよけい眠れない。
櫻子「……」
雨だ。
気付いたのは深夜の二時過ぎ。
この時間帯ってたしか、お化けが出るって聞いた気がする。誰だったかな。
櫻子「……向日葵だ」
こんなときにこんなこと思い出すなんてどうかしてる。
こんなときに向日葵のこと思い出すなんてバカみたい。
あかりちゃんが変なこと言うせいで眠れないし、雨だしこわいし。
ベッドに寝転んで思い切り溜息。
隣の花子の部屋からどんどんと壁を蹴る音がしてよけい眠れない。
『櫻子ちゃん、本当に向日葵ちゃんのこと好きなんだなあって』
ないないない!
そんなの、ありえるわけなんてない。
だって私たちはただの幼馴染で向日葵が言うには腐れ縁で、たったそれだけだし。
あと、ライバル。ライバルで、一応友達で、それで。
櫻子「それで、なんだっけ」
向日葵は、私にとって。
櫻子「あぁ、もうわからんっ」
ぐしゃぐしゃと頭をかきまわす。
わからなくてこわくてなんかすっごくイライラする。
第一向日葵が付き合いだすからいけないんだ。なんだよ急に
「お付き合いする人ができたので」って。意味わかんないよ。
櫻子「……」
雨の音が、激しくなってきた。
それと同時に、机の上に放ってあった携帯がぴかぴか光る。
ないないない!
そんなの、ありえるわけなんてない。
だって私たちはただの幼馴染で向日葵が言うには腐れ縁で、たったそれだけだし。
あと、ライバル。ライバルで、一応友達で、それで。
櫻子「それで、なんだっけ」
向日葵は、私にとって。
櫻子「あぁ、もうわからんっ」
ぐしゃぐしゃと頭をかきまわす。
わからなくてこわくてなんかすっごくイライラする。
第一向日葵が付き合いだすからいけないんだ。なんだよ急に
「お付き合いする人ができたので」って。意味わかんないよ。
櫻子「……」
雨の音が、激しくなってきた。
それと同時に、机の上に放ってあった携帯がぴかぴか光る。
一瞬何かと思ってびっくりしてしまった。
別に怖くなんて、ないし。
自分に言い訳しながら、そろそろとベッドからおりて机の傍に。
誰かからの着信だった。
こんな時間に誰だろう、そう思って開けてみれば、向日葵からだった。
櫻子「!?」
慌てて通話ボタンを押した。
「もしもし」と声がする。確かに向日葵の声で間違いは無い。
櫻子「な、なに?」
別に怖くなんて、ないし。
自分に言い訳しながら、そろそろとベッドからおりて机の傍に。
誰かからの着信だった。
こんな時間に誰だろう、そう思って開けてみれば、向日葵からだった。
櫻子「!?」
慌てて通話ボタンを押した。
「もしもし」と声がする。確かに向日葵の声で間違いは無い。
櫻子「な、なに?」
こんな時間に電話してくるなんて、向日葵らしくないし。
ちょうど考えてたときに電話かけてくるなんて、向日葵はもしかしてエスパーか
何かなんじゃないだろうか。
向日葵『……起きてましたの』
櫻子「誰かさんのせいで」
向日葵『はあ?』
櫻子「……なんでもない」
向日葵『出なくて良かったのに』
櫻子「はあ?」
向日葵『……なんでもありませんわ』
ちょうど考えてたときに電話かけてくるなんて、向日葵はもしかしてエスパーか
何かなんじゃないだろうか。
向日葵『……起きてましたの』
櫻子「誰かさんのせいで」
向日葵『はあ?』
櫻子「……なんでもない」
向日葵『出なくて良かったのに』
櫻子「はあ?」
向日葵『……なんでもありませんわ』
素晴らしい
なんか胸がモヤモヤするな
あかりに幸せになって欲しいけどこの向日葵と櫻子の距離感もたまらん
なんか胸がモヤモヤするな
あかりに幸せになって欲しいけどこの向日葵と櫻子の距離感もたまらん
地の文って本当に好き嫌い分かれるよな
俺は地の文を上手に書ける奴は好きだけど
俺は地の文を上手に書ける奴は好きだけど
櫻子「なにそれ」
向日葵『そちらこそ』
そういえば、とふと思った。
向日葵も雨って嫌いなんだっけ。
小さい頃こわいときはよく、こんなふうにお互いのところに行ったり電話してたり
した気がする。
向日葵『櫻子のことだから、今頃とうに夢の中かと』
櫻子「私はそんなに子どもじゃないし!」
向日葵『あらどうでしょうね』
櫻子「そういう向日葵こそ、たまたま目が覚めたら暗くてこわくて吃驚して
私にかけてきたんじゃないの?」
向日葵『そちらこそ』
そういえば、とふと思った。
向日葵も雨って嫌いなんだっけ。
小さい頃こわいときはよく、こんなふうにお互いのところに行ったり電話してたり
した気がする。
向日葵『櫻子のことだから、今頃とうに夢の中かと』
櫻子「私はそんなに子どもじゃないし!」
向日葵『あらどうでしょうね』
櫻子「そういう向日葵こそ、たまたま目が覚めたら暗くてこわくて吃驚して
私にかけてきたんじゃないの?」
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