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元スレキョン「ハルヒ。好きだ付き合ってくれ」ハルヒ「嫌よ」
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キョン「なんでだ、いいじゃないか減るもんでもないだろ」
ハルヒ「減らなくても嫌なものは嫌なの。ていうか……」
ハルヒ「毎日毎日告白してくるな!」
キョン「いや、でも好きだからさ」
ハルヒ「あたしはきらい」
キョン「やれやれ」
ハルヒ「何呆れてんのよ!言っとくけど、あたしは本当にあんたのことなんかきらいなんだからね!」
キョン「はいはい、わかったわかった」
ハルヒ「何だその全然わかってない反応は!」
ハルヒ「減らなくても嫌なものは嫌なの。ていうか……」
ハルヒ「毎日毎日告白してくるな!」
キョン「いや、でも好きだからさ」
ハルヒ「あたしはきらい」
キョン「やれやれ」
ハルヒ「何呆れてんのよ!言っとくけど、あたしは本当にあんたのことなんかきらいなんだからね!」
キョン「はいはい、わかったわかった」
ハルヒ「何だその全然わかってない反応は!」
キョン「おい、ハルヒ、次、移動教室だぞ。はやく準備しろ」
ハルヒ「……いつも言ってるけど、あたしはあんたと一緒に移動するつもりないから」
キョン「ああ、そうだな。ほら、準備もういいか?いくぞ」
ハルヒ「……行こ、涼子」
朝倉「……うん」
キョン「あ、おいまてよ。ったく、本当に唯我独尊な女だ」
ハルヒ「じゃあ付いてくんな!」
キョン「団長様に従うのが俺みたいなヒラ団員の役目なんだから仕方ないだろ?」
ハルヒ「だから、なんなのその団員とか? あたし何も知らないんだけど」
朝倉「涼宮さん、相手にしないほうがいいわ」
キョン「やれやれ」
ハルヒ「……いつも言ってるけど、あたしはあんたと一緒に移動するつもりないから」
キョン「ああ、そうだな。ほら、準備もういいか?いくぞ」
ハルヒ「……行こ、涼子」
朝倉「……うん」
キョン「あ、おいまてよ。ったく、本当に唯我独尊な女だ」
ハルヒ「じゃあ付いてくんな!」
キョン「団長様に従うのが俺みたいなヒラ団員の役目なんだから仕方ないだろ?」
ハルヒ「だから、なんなのその団員とか? あたし何も知らないんだけど」
朝倉「涼宮さん、相手にしないほうがいいわ」
キョン「やれやれ」
昼休み
キョン「ハルヒは朝倉と学食か……。仕方ない、部室で食べるか」
キョン「おっと、長門か。俺も一緒にいいか?」
長門「無理」
キョン「よっこらせっと」
長門「来ないで」
キョン「ん?ああ、おまえ今日は何読んでるんだ……って、また小難しいもん読んでるな。タイトルの時点で俺にはサッパリだ」
長門「シンデレラ」
キョン「なんだ? そりゃ何かの隠語か? 悪いけど俺はおまえみたいに全能じゃないんでな。見当もつかん」
長門「邪魔」
キョン「ハルヒは朝倉と学食か……。仕方ない、部室で食べるか」
キョン「おっと、長門か。俺も一緒にいいか?」
長門「無理」
キョン「よっこらせっと」
長門「来ないで」
キョン「ん?ああ、おまえ今日は何読んでるんだ……って、また小難しいもん読んでるな。タイトルの時点で俺にはサッパリだ」
長門「シンデレラ」
キョン「なんだ? そりゃ何かの隠語か? 悪いけど俺はおまえみたいに全能じゃないんでな。見当もつかん」
長門「邪魔」
放課後
キョン「おっ、古泉じゃないか。これから部室か?」
古泉「……ああ、あなたは……。いえ、僕は特に部活動には参加していませんので、これから帰宅しますよ」
キョン「まあたしかにSOS団は部活動としては認められていないからなあ」
古泉「SOS団……」
キョン「でもちゃんとハルヒに休むって言ってあるか? あいつが不機嫌になると、全部俺にトバッチリがくるんだからな」
古泉「……急いでいますので、それでは」
キョン「あ、おい……ったく、あの様子じゃ言ってないな。仕方あるまい、俺から言っておいてやるか。感謝しろよ、古泉」
キョン「おっ、古泉じゃないか。これから部室か?」
古泉「……ああ、あなたは……。いえ、僕は特に部活動には参加していませんので、これから帰宅しますよ」
キョン「まあたしかにSOS団は部活動としては認められていないからなあ」
古泉「SOS団……」
キョン「でもちゃんとハルヒに休むって言ってあるか? あいつが不機嫌になると、全部俺にトバッチリがくるんだからな」
古泉「……急いでいますので、それでは」
キョン「あ、おい……ったく、あの様子じゃ言ってないな。仕方あるまい、俺から言っておいてやるか。感謝しろよ、古泉」
階段
キョン「おお、これはこれは朝比奈さん。こんにちは」
みくる「ひ、ひぃぃぃい! で、出たぁ~」
鶴屋さん「まーた君かあ。懲りない子だねっ」
キョン「ああ、鶴屋さんもご一緒でしたか。こんにちは」
鶴屋さん「ハハッ、こりゃどうもご丁寧に。でもね、見ての通り、みくるは君にすごく怯えているのさっ。本当に、金輪際、声をかけないでくれっさ!」
キョン「まったく、あなたにはかなわないですよ」
鶴屋さん「そう思うんなら、毎日帰り際に待ち伏せるのをやめるっさ!」
キョン「おお、これはこれは朝比奈さん。こんにちは」
みくる「ひ、ひぃぃぃい! で、出たぁ~」
鶴屋さん「まーた君かあ。懲りない子だねっ」
キョン「ああ、鶴屋さんもご一緒でしたか。こんにちは」
鶴屋さん「ハハッ、こりゃどうもご丁寧に。でもね、見ての通り、みくるは君にすごく怯えているのさっ。本当に、金輪際、声をかけないでくれっさ!」
キョン「まったく、あなたにはかなわないですよ」
鶴屋さん「そう思うんなら、毎日帰り際に待ち伏せるのをやめるっさ!」
キョン家
キョン「ふぅ、まったくどいつもこいつもSOS団員としての自覚が無さすぎだぜ」
キョン「……」
キョン「! よし、明日もあいつらにSOS団のなんとやらを教えてやるか!」
翌朝
キョン「よう」
ハルヒ「はいはい」
キョン「今日はちょっとおまえに話があるんだが」
ハルヒ「何? 私のことが好きなんですーとかいうんだったらやめてよね」
キョン「エスパーかおまえ」
ハルヒ「リアクションが古い」
キョン「まあ、その、なんだ、俺、おまえのことが好きなんだ。俺たち、付き合おう」
ハルヒ「だから嫌だってば」
キョン「そうなのか」
ハルヒ「そうなのよ!」
キョン「ふぅ、まったくどいつもこいつもSOS団員としての自覚が無さすぎだぜ」
キョン「……」
キョン「! よし、明日もあいつらにSOS団のなんとやらを教えてやるか!」
翌朝
キョン「よう」
ハルヒ「はいはい」
キョン「今日はちょっとおまえに話があるんだが」
ハルヒ「何? 私のことが好きなんですーとかいうんだったらやめてよね」
キョン「エスパーかおまえ」
ハルヒ「リアクションが古い」
キョン「まあ、その、なんだ、俺、おまえのことが好きなんだ。俺たち、付き合おう」
ハルヒ「だから嫌だってば」
キョン「そうなのか」
ハルヒ「そうなのよ!」
教室
朝倉「あ、ちょっといい? キョンくん」
キョン「ん、ああ朝倉、か。何か用か」
朝倉「もう、涼宮さんにはベタ惚れのくせに、私には興味ゼロって感じね」
キョン「そりゃそうだ、ハルヒが好きで、その上朝倉にも興味津々なんて、ハルヒに失礼だろうが」
朝倉「純粋というか一途というか」
キョン「ストーカー気質とも言えるな」
朝倉「わざわざ遠回しに言ってあげたのに自分で言わないでよ……」
朝倉「まあいいわ。自覚があるならもう、そういうのやめてあげてよね。去年からずっとじゃない。そろそろ涼宮さんを解放してあげて」
キョン「解放もなにもまだ捕獲すらできていないんだが」
朝倉「あなたが付きまとっているだけで、他の男の子も涼宮さんに近付き難いのよ。察し悪いなあ」
キョン「そんな根性無しは知らん。ハルヒが好きなら、俺なんか気にせず当たって砕ければいいだろう」
朝倉「砕け続けてきた気分はどう?」
キョン「すべて俺の糧となっている」
朝倉「あ、そう……」
朝倉「あ、ちょっといい? キョンくん」
キョン「ん、ああ朝倉、か。何か用か」
朝倉「もう、涼宮さんにはベタ惚れのくせに、私には興味ゼロって感じね」
キョン「そりゃそうだ、ハルヒが好きで、その上朝倉にも興味津々なんて、ハルヒに失礼だろうが」
朝倉「純粋というか一途というか」
キョン「ストーカー気質とも言えるな」
朝倉「わざわざ遠回しに言ってあげたのに自分で言わないでよ……」
朝倉「まあいいわ。自覚があるならもう、そういうのやめてあげてよね。去年からずっとじゃない。そろそろ涼宮さんを解放してあげて」
キョン「解放もなにもまだ捕獲すらできていないんだが」
朝倉「あなたが付きまとっているだけで、他の男の子も涼宮さんに近付き難いのよ。察し悪いなあ」
キョン「そんな根性無しは知らん。ハルヒが好きなら、俺なんか気にせず当たって砕ければいいだろう」
朝倉「砕け続けてきた気分はどう?」
キョン「すべて俺の糧となっている」
朝倉「あ、そう……」
昼休み
キョン「よう」
長門「出て行って」
キョン「ん? そうか? まあどうしても出て行って欲しくなったら言ってくれ。気分が乗らない日っていうのはあるもんだ。俺もさすがに本気で言われたら出て行く」
長門「出て行って」
キョン「おいおい、長門、おまえ本より重いものは持てないと思ってたぞ。意外に力持ちなんだな。凄いぞ。凄いからその椅子を降ろすんだゆっくり! ゆっくりだぞ!」
長門「あなたの頭へ?」
キョン「違う!」
長門「高速であなたの頭へ?」
キョン「もっと違う!」
長門「光速で」
キョン「放課後に会おう!」
キョン「よう」
長門「出て行って」
キョン「ん? そうか? まあどうしても出て行って欲しくなったら言ってくれ。気分が乗らない日っていうのはあるもんだ。俺もさすがに本気で言われたら出て行く」
長門「出て行って」
キョン「おいおい、長門、おまえ本より重いものは持てないと思ってたぞ。意外に力持ちなんだな。凄いぞ。凄いからその椅子を降ろすんだゆっくり! ゆっくりだぞ!」
長門「あなたの頭へ?」
キョン「違う!」
長門「高速であなたの頭へ?」
キョン「もっと違う!」
長門「光速で」
キョン「放課後に会おう!」
放課後
キョン「あ、古泉……、ったくあいつ俺の顔見て走って逃げ出しやがった。またSOS団無断欠席か。仕方のない副団長だ。皆勤の俺がヒラってのはどういう了見だよ」
みくる「あ……」
キョン「ん? おお、これは朝比奈さん。今日は本当に奇遇ですね。これから部室ですか?」
みくる「いつもは偶然じゃないんですね……。そうです、私これから書道部に行くので、あの、では!」
キョン「あっ、ちょっと朝比奈さん、だからあなたは書道部員じゃなくてSOS団専属マスコット……って、もう聞こえないか」
鶴屋さん「やあやあ」
キョン「あ、鶴屋さん。どーも」
鶴屋さん「ははっ、どーもどーも毎度ありぃ! 今日もみくるにちょっかい出してたねえ」
キョン「はい、なにせ最近全然朝比奈さんのメイド姿を拝んでいないもんですから」
鶴屋さん「アハハ、みくるのメイド服姿かい? そんなもん、あたしも見てみたいっさ! でも、あの子はそんな格好しないし、しても君には見せないと思うよっ」
キョン「あ、古泉……、ったくあいつ俺の顔見て走って逃げ出しやがった。またSOS団無断欠席か。仕方のない副団長だ。皆勤の俺がヒラってのはどういう了見だよ」
みくる「あ……」
キョン「ん? おお、これは朝比奈さん。今日は本当に奇遇ですね。これから部室ですか?」
みくる「いつもは偶然じゃないんですね……。そうです、私これから書道部に行くので、あの、では!」
キョン「あっ、ちょっと朝比奈さん、だからあなたは書道部員じゃなくてSOS団専属マスコット……って、もう聞こえないか」
鶴屋さん「やあやあ」
キョン「あ、鶴屋さん。どーも」
鶴屋さん「ははっ、どーもどーも毎度ありぃ! 今日もみくるにちょっかい出してたねえ」
キョン「はい、なにせ最近全然朝比奈さんのメイド姿を拝んでいないもんですから」
鶴屋さん「アハハ、みくるのメイド服姿かい? そんなもん、あたしも見てみたいっさ! でも、あの子はそんな格好しないし、しても君には見せないと思うよっ」
キョン「何言ってるんですか鶴屋さん。SOS団ではいつもメイド服でお茶汲みを」
鶴屋さん「そうそれっさ! SOS団、だっけ? 君、そんな架空の団体妄想して、楽しいかいっ? 一人でやるならどうぞお好きに、でもねっ、みくるまで巻き込まないでくれないかな!」
キョン「いや、だからSOS団は本当に」
鶴屋さん「これがっ」
鶴屋さん「最後の忠告っさ」
鶴屋さん「そうそれっさ! SOS団、だっけ? 君、そんな架空の団体妄想して、楽しいかいっ? 一人でやるならどうぞお好きに、でもねっ、みくるまで巻き込まないでくれないかな!」
キョン「いや、だからSOS団は本当に」
鶴屋さん「これがっ」
鶴屋さん「最後の忠告っさ」
部室
キョン「…………」
キョン「おっと、さて、今日も堂々と暇つぶしの団活に精を出すとするか」
キョン「ええっと、今日は……ちょっと遅いな。鶴屋さんと話してたら……。よし、これはハルヒに遅刻を叱られるパターンだな」
キョン「ふぅ、やれやれ」ガチャッ
キョン「おっす」
キョン「おっそーい!」
キョン「ああ、はいはい、わかってるからそんな大声出すな」
キョン「全然わかってない!あんたみたいなヒラ団員が、団長であるこの あ た し より遅くやって来るなんてありえないの!」
キョン「あんた、会社で上司より後に出社してヘラヘラしてる会社員がいるとでも思ってんの? そーゆーことよ」
キョン「別に始業時間前ならとくに問題ないだろう」
キョン「はぁー! もう! これだから最近のゆとりは! なんて言われんのよ!」
キョン「あ、あのぉ~お茶が入りましたぁ~」
キョン「ああ、すみません朝比奈さん。今日も美味しくいただきます」
キョン「うふ、今日は新しいお茶にチャレンジしてみたんですよ? 感想聞かせてくださいね、キョンくん」
キョン「…………」
キョン「おっと、さて、今日も堂々と暇つぶしの団活に精を出すとするか」
キョン「ええっと、今日は……ちょっと遅いな。鶴屋さんと話してたら……。よし、これはハルヒに遅刻を叱られるパターンだな」
キョン「ふぅ、やれやれ」ガチャッ
キョン「おっす」
キョン「おっそーい!」
キョン「ああ、はいはい、わかってるからそんな大声出すな」
キョン「全然わかってない!あんたみたいなヒラ団員が、団長であるこの あ た し より遅くやって来るなんてありえないの!」
キョン「あんた、会社で上司より後に出社してヘラヘラしてる会社員がいるとでも思ってんの? そーゆーことよ」
キョン「別に始業時間前ならとくに問題ないだろう」
キョン「はぁー! もう! これだから最近のゆとりは! なんて言われんのよ!」
キョン「あ、あのぉ~お茶が入りましたぁ~」
キョン「ああ、すみません朝比奈さん。今日も美味しくいただきます」
キョン「うふ、今日は新しいお茶にチャレンジしてみたんですよ? 感想聞かせてくださいね、キョンくん」
キョン「朝比奈さんの淹れたお茶ならなんでも美味しいですよ。なあ、長門」
長門「帰って」
キョン「ああ、そう言えば今日は古泉は用事があるとかで来ないらしいぞ、ハルヒ」
キョン「なんですって!古泉くんったら、あたしに一言もなしに……みくるちゃん!おかわり!」
キョン「あ、はい、ただいま」
キョン「そう言えばどんな理由かは聞き忘れてたな。長門、おまえ何か知らないか?」
長門「……」
キョン「ま、そうだよな。おまえはいつも答えない時には答えないし、答えられる時は答えてくれるんだ」
長門「それは普通のこと」
キョン「いいんだ。わかってるから」
キョン「おまえの事は、俺が1番、よくわかってるんだ」
長門「やめて」
キョン「そうだな、わざわざ改まって言うことでもないよな」
長門「違う」
長門「帰って」
キョン「ああ、そう言えば今日は古泉は用事があるとかで来ないらしいぞ、ハルヒ」
キョン「なんですって!古泉くんったら、あたしに一言もなしに……みくるちゃん!おかわり!」
キョン「あ、はい、ただいま」
キョン「そう言えばどんな理由かは聞き忘れてたな。長門、おまえ何か知らないか?」
長門「……」
キョン「ま、そうだよな。おまえはいつも答えない時には答えないし、答えられる時は答えてくれるんだ」
長門「それは普通のこと」
キョン「いいんだ。わかってるから」
キョン「おまえの事は、俺が1番、よくわかってるんだ」
長門「やめて」
キョン「そうだな、わざわざ改まって言うことでもないよな」
長門「違う」
キョンの家
キョン妹「おかえりキョンくん!」
キョン「おお、ただいま」
キョン妹「今日も学校楽しかったー?」
キョン「…………ああ」
キョン部屋
キョン「楽しかったか、か」
キョン「ハルヒがいて。長門がいて。朝比奈さんがいて。古泉がいて。鶴屋さんも朝倉だっている」
キョン「これだけ叶っていたら、楽しいと思わなきゃ、嘘だよな」
キョン「俺が望んだ事なんだから。俺が願った事なんだから」
キョン「仕方ないんだ」
キョン「これが、俺の世界」
キョン妹「おかえりキョンくん!」
キョン「おお、ただいま」
キョン妹「今日も学校楽しかったー?」
キョン「…………ああ」
キョン部屋
キョン「楽しかったか、か」
キョン「ハルヒがいて。長門がいて。朝比奈さんがいて。古泉がいて。鶴屋さんも朝倉だっている」
キョン「これだけ叶っていたら、楽しいと思わなきゃ、嘘だよな」
キョン「俺が望んだ事なんだから。俺が願った事なんだから」
キョン「仕方ないんだ」
キョン「これが、俺の世界」
キョン「九曜……てめえ……!」
突然の襲撃だった。俺はもちろん、ハルヒでも、あの長門でさえ全くの不意を衝かれる格好になったのだろう。
この時点で、機関はどうか知らないが、少なくとも情報統合思念体とは一切連絡がつかなかったらしいからな。
場所はいつものSOS団の溜まり場、つまり北高文芸部部室である。ちょうど、放課後を告げるチャイムが鳴った直後だった。
突然の襲撃だった。俺はもちろん、ハルヒでも、あの長門でさえ全くの不意を衝かれる格好になったのだろう。
この時点で、機関はどうか知らないが、少なくとも情報統合思念体とは一切連絡がつかなかったらしいからな。
場所はいつものSOS団の溜まり場、つまり北高文芸部部室である。ちょうど、放課後を告げるチャイムが鳴った直後だった。
あまりにも日常的なその場所で、胸を九曜の腕に一突きにされて血を流して倒れている古泉。
それはどうにも場違いな、もしこれが映画なら演出家のセンスを疑いたくなるような散々な装飾品だったろう。
しかし、これは現実だった。
文句を言うべき演出家なんてどこにもおらず、代わりに文句をつける相手がいるとするならば、それはそう、この、得体のしれない地球外生命体しかいない。
天蓋領域、周防九曜。
それはどうにも場違いな、もしこれが映画なら演出家のセンスを疑いたくなるような散々な装飾品だったろう。
しかし、これは現実だった。
文句を言うべき演出家なんてどこにもおらず、代わりに文句をつける相手がいるとするならば、それはそう、この、得体のしれない地球外生命体しかいない。
天蓋領域、周防九曜。
腰よりも長く、不自然に量の多い髪の毛をたたえたこいつは、しかしそんな髪の量なんかよりもさらに不可解なことを言っていた。
九曜「ーーー私は。涼宮ハルヒと。を。還す」
ハルヒをどうするって?
その前に古泉は生きてるのか?
生きてるんだよな?
普段、微苦笑浮かべて、ハルヒを側で見守ってるおまえを、俺はひそかに尊敬してたんだぜ?
なあ、今度俺に愚痴とか言ってくれよ。いろいろ疲れるんだろ?
俺のこと、友達だと思ってくれていいんだぜ?
九曜「ーーー私は。涼宮ハルヒと。を。還す」
ハルヒをどうするって?
その前に古泉は生きてるのか?
生きてるんだよな?
普段、微苦笑浮かべて、ハルヒを側で見守ってるおまえを、俺はひそかに尊敬してたんだぜ?
なあ、今度俺に愚痴とか言ってくれよ。いろいろ疲れるんだろ?
俺のこと、友達だと思ってくれていいんだぜ?
しかし、そんな俺の心の叫びも虚しく、周防九曜は、この人外の宇宙生命体は、言いやがった。
九曜「まず。死んだ。1人」
九曜「秀ですぎた、現代人」
死んだ、と。
殊更なんの感慨もなく。
まるで自分はただ観察していただけで、何もしていないかの如く。
たしかに、この女の腕が、古泉を、古泉の体を貫いたというのに。
九曜「2人」
人生において不覚を取ったことなど、何度となく、数え切れないほどにある俺だったが、それでも今回だけは。
この時だけは。
自分を殺しても、許せる気のしない、まったくもって完全無欠の、不覚だった。
九曜「まず。死んだ。1人」
九曜「秀ですぎた、現代人」
死んだ、と。
殊更なんの感慨もなく。
まるで自分はただ観察していただけで、何もしていないかの如く。
たしかに、この女の腕が、古泉を、古泉の体を貫いたというのに。
九曜「2人」
人生において不覚を取ったことなど、何度となく、数え切れないほどにある俺だったが、それでも今回だけは。
この時だけは。
自分を殺しても、許せる気のしない、まったくもって完全無欠の、不覚だった。
破砕音とも破裂音とも取れる音が部室に響いた。
最初の扉の破壊で腰が抜けていた、朝比奈さん。
すぐに椅子から立ち上がり九曜に向かって行った古泉の次に、この宇宙人に近い位置にいた彼女は。
古泉が貫かれるのを間近で見て気を失っていた彼女は。
俺の目の前で、頭を砕かれた。
九曜は、そこに何もないかのように。
その空間には始めから何も置かれていなかったかのように、一切の淀みなく朝比奈さんの頭を踏み砕いた。
九曜「傾城の。未来人」
最初の扉の破壊で腰が抜けていた、朝比奈さん。
すぐに椅子から立ち上がり九曜に向かって行った古泉の次に、この宇宙人に近い位置にいた彼女は。
古泉が貫かれるのを間近で見て気を失っていた彼女は。
俺の目の前で、頭を砕かれた。
九曜は、そこに何もないかのように。
その空間には始めから何も置かれていなかったかのように、一切の淀みなく朝比奈さんの頭を踏み砕いた。
九曜「傾城の。未来人」
大変恥ずかしい話ではあるが、ここに来て俺は完全に腰が引けてしまったのだった。
あまりに猟奇的。あまりに非日常的。
とても、現実の事とは思えなかった。
頭が、そう理解する事を拒否した。
その張本人が言うのも恥知らずここに極まれり、といった具合なのだが、それでも言わせてもらえば。
この世界、すべてを余すところなく探しても、俺みたいにならない奴なんてほとんどいないと思う。
そして、ここにはそんな奇跡みたいな奴が、1人、いたのだった。
ハルヒ「おまえ……! 古泉くんを! みくるちゃんをォ!」
あまりに猟奇的。あまりに非日常的。
とても、現実の事とは思えなかった。
頭が、そう理解する事を拒否した。
その張本人が言うのも恥知らずここに極まれり、といった具合なのだが、それでも言わせてもらえば。
この世界、すべてを余すところなく探しても、俺みたいにならない奴なんてほとんどいないと思う。
そして、ここにはそんな奇跡みたいな奴が、1人、いたのだった。
ハルヒ「おまえ……! 古泉くんを! みくるちゃんをォ!」
一体どこに隠し持っていたのか、刃渡り10cmはあるナイフをあいつは逆手に持って、これまた信じられない速度で九曜に向かっていった。
それもただ向かうだけではない。
相手から捉えられ難くなるよう左右に細かく切り返し、その切り返しで初速を殺さぬよう重心をコントロールして、むしろ加速しながら九曜に飛びかかったのだった。
絶技と言っても差し支えないその体捌き。
もはや俺には捉え切れないほどの高速だったが、結果を見れば、周防九曜にとっては、コマ送りで、静止画のように見えていたということなのだろう。
俺が次にハルヒをしっかりと目で捉えた時。
すでにあいつの右手からナイフは消え去り(どこかへ飛んでいったのではなく、文字通り消えてなくなっていた)、代わりに九曜の右手が。
正確にハルヒの心臓を射抜いていた。
キョン「ぁ…………ハル……ヒ」
グッタリと動かなくなったハルヒは、まるで人形か何かのようだった。
九曜「3人」
九曜「宇宙の。核」
この時点で九曜と相対していたのは、俺だけだった。
長門はどうしたかって?
あいつはな、ここには最初からいなかったんだよ。
話が前後するが、この時すでにあいつは、ひどい熱にうなされていたらしい。
そう、天蓋領域によって。
つまり、天蓋領域の侵攻を受け、俺たちより前に、より丹念に、攻略されかけていた。
そんなあいつに、この俺たちを助けろなんて、言うことは出来ない。
それに結果的には、あいつがこの場にいなくて、よかったんだから。
九曜「ーーー」
そこで、九曜の視線が、たしかに俺を捉えた。
その時、俺はこの先どんな幸福が訪れようと、幸せを感じてはいけないという、それほどの自分への嫌悪感を抱く行動を取った。
キョン「た、助け……」
それは、恐怖が。
俺の日常を奪った事への憤りよりも。
友のために真っ先に立ち向かった男の、
誰よりも友人想いだった女性の、
そして、世界で最も大切な女性の死に対する、
怒りよりも。
「自 分 の 命」 なんてゴミ屑みたいなものが消える、という恐怖が、上回った瞬間だった。
俺は、命乞いをした。
九曜「ーーーーーー」
九曜「特別な。一般人」
当初の目的がハルヒだけだったのか。
それとも未来人や超能力者といった、普通でない者すべてを消すことも含まれていたのか。
予測の域を出ないが、おそらくどんな目的があったにせよ。
その時点でもうミッションは遂行されていたのだろう。
九曜は一言だけ俺に対して残し、あとは何も言わずにいつの間にかいなくなっていた。
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