のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,057,094人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報
    VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。

    元スレほむら「あなたの欠片を」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    151 = 83 :



    「ううん、違うよ」


    うつむき呆然とする私に、掛けられるのは明確な否定。
    その声には力が込められているのに、なぜだろう、とても弱弱しい。


    「何が、何が違うって言うの」

    「みんなの運命は、変えられなかったんだ」

    「運命って」

    「マミさんも、杏子ちゃんも、さやかちゃんも。 遠くない未来に必ず死んでしまうこと」

    「そんな、そんなの」

    「だけどきっと、みんな満足してたはず。 ほむらちゃんがそばにいてくれたから」

    152 = 84 :

    ほむほむ

    153 = 96 :

    ほむ?

    154 :

    さるっちゃいました
    あと少しなので携帯から

    155 = 85 :

    お前らほむほむほむほむうるせーぞ!
    ポケモンか!? ほむらはポケモンなのか!?

    156 = 96 :

    ほむぅ……

    157 = 154 :


    私がそばにいたから満足?
    死んでしまったのに?
    この子はそんな事を言う子だったか?

    そして何よりも。
    絶対に信じたくなかった一つの仮説は、この子によってまで肯定されてしまう。

    混乱する頭に追い討ちをかけるように、
    またこの生き物が声を発した。


    「僕の仮説はある程度正しかったという事かな、鹿目まどか」

    158 = 96 :

    さやかちゃんだけ逝っちゃわずに良かったね!

    159 = 154 :


    「久し振り、キュゥべえ」

    「僕からすると初めましてになるんだけど」

    「あなたは変わらないね」

    「まあ、変わる元がないからね」

    一人と一匹の会話は、とても不思議なもの。
    初めて会ったようなぎこちない感覚と、ずっと連れ添ってきたようなくつろいだ感覚。
    まどかは一度言葉を切り、また話を戻す。


    「みんなの最期を看取ったあなたには、何か言わなきゃいけないことがあるんじゃないかな」

    「ああ、そういえば、彼女たちから君宛に遺言を預かっていたんだっけ」

    「ゆい、ごん?」

    「マミ曰く『私はあなたを恨んでいない』
     杏子曰く『こんな終わり方も悪くない』だそうだ」

    「どうして、どうして今まで」

    「タイミングがなかっただけさ」

    160 = 84 :

    ほむほむ

    161 = 154 :


    彼女たちの遺したことばは、優しいものであるはずなのに。
    胸を締め付けるこの感覚は一体何なのか。
    ただ自身を強く抱きしめ、辛うじて叫ぶことを堪えているくらい。

    そんな私を他所にして、状況は移ろって行く。


    「そうそう、君に会えたら聞きたい事があったんだ」

    「……」

    「かつての世界では、魔法少女は絶望し魔女に変わったらしいね」

    「……」

    「その理を変えてソウルジェムごと消滅するようにしたのは君、そういう解釈で合っているのかな?」

    「……うん」

    「なら、君が消えれば、またその世界に戻るんだね」

    162 = 90 :

    ・・・・・

    163 = 84 :

    ほむ

    164 = 154 :


    一気に空気が変わる。
    キュゥべえが台詞を吐き終えるや否や、魔獣がまどかを取り囲むように山と沸いた。
    その円結界の中には、私も。

    肩に背負ったものはあまりに重い。
    今にも押し潰されてしまいそうなほど。
    彼女たちが幸せに逝けたから、それが何だというのか。


    己の罪深さに慄く私。
    心を塗り上げる言葉は一つ。


    「――――――認めない」

    165 = 126 :

    ほう

    166 = 96 :

    ほむらちゃん……

    167 = 84 :

    ほむほむ

    168 = 154 :


    怒り、悲しみ、後悔、懺悔、自責、ありとあらゆる感情が頭の中でごちゃ混ぜになっていく。
    それでも私は立ち上がる。

    背から生える翼のどこにも、いつかの白はもう見えない。
    黒く黒く、染まり、鋭く鋭く、尖って。
    それはまるで私の思いを代弁しているようで。


    「運命なんて言葉、絶対に認めない」


    高く昇る光の柱を見つめていた視線を、降ろす。
    その先には魔獣。
    私の大切なものを奪い、また今、奪おうとしている侵略者。

    瞳孔が開くのを自分でも感じる。
    翼に力が漲り、植物の根が広がるように、虚空へと黒が脈動して伸びていく。

    思いの流れるがままに、ただ憎しみを、解き放った。
    力は渦を成して竜巻となり、私とまどかだけを残して、何もかもを壊し、呑み込んでいく。

    169 :

    ほみゅぅ・・・

    170 = 84 :

    ほむぅ

    171 = 154 :


    「ほむらちゃん、ありがとね」

    「どうして」


    あっさりと結界は解け、私たちはビルの屋上へ戻ってくる。
    そして私はまたここで、彼女とお別れをしなければならない。


    「どうして私は、一人になっちゃうの」

    「それ、は」

    「まどかは世界を見てきたんだよね」


    自分の質問がどれだけ幼稚なワガママか、何となく分かってはいる。
    だけど、それでも、どうしても。



    「お願い、教えて……」

    172 = 84 :

    ほむぅ……

    173 = 126 :

    ほむら「ihbf殺wq」

    174 = 154 :


    たっぷりと沈黙を経て。
    その身を殆ど光と変えてしまうほどの時間を経て。
    ようやく彼女は声を震わせる。


    「……ほむらちゃん、何度も私のために、時を遡ってくれたよね」


    「でもね、ほむらちゃんがいなくなっても、その世界はずっと続いていったんだ」


    「私が壊してしまう世界、誰かが壊してしまう世界、緩やかに朽ち果てていく世界、様々だったけれど」


    「ほむらちゃんが繰り返す度に、失われていく世界と命と想いがあった」


    「その報いを、私は消し去ることが、できなく、て……………」


    どこまでも私は沈んでいく。
    絶望という名前の底なし沼に。

    175 = 84 :

    ほむ

    176 :

    やりきれないなぁ
    まどマギらしいや

    177 = 154 :



    「ごめん、ごめんね」


    「わたし、いつでも傍にいるから」


    「見えなくても、聞こえなくても、感じられなくても、絶対にいるから」


    「だから、生きることを諦めないで」


    くずおれる私に、掛けられる声は謝罪。
    どうしてあなたが謝るの。
    私のしてしまった事が、どれほどの事か、誰よりも分かっているのはあなたなのに。

    そんな気持ちも言葉には出来ない。
    ただ意味を成さぬ吐息がひゅーひゅーと漏れ出るばかり。
    そうやって時間を浪費する私に、残酷にもタイムリミットが告げられる。

    178 = 84 :

    ほむ

    179 = 154 :



    「そろそろ、かな」


    「いや、いやだよ、行かないで」


    「待っててね、いつか必ず会えるから、その時まで」


    「もうみんないないのに、わたしのせいで、わたし」


    「ほむらちゃんがしてきたことは、絶対に無駄なんかじゃないから」


    「一人は、いや、そんな、耐えられない」


    「だからどうか、みんなが、わたしが生きられなかった世界を、生きて、守って」


    「わたし、あ、」


    「約束、忘れないでね」

    180 = 84 :

    ほむぅ……

    181 = 96 :

    まど神様そんな無茶な

    182 = 154 :


    そして空へと還っていく。
    光の柱が消えたとき、いつしか辺りは闇に染まり切っていた。


    「あ、うう、あ、あ」


    ようやく私は実感する。
    ただ一人取り残された事を。


    「ああああああああああああああ」


    「うううぅぅぅぅぅぅ、あああああああああぁぁぁああああああああ………………!」


    流し方も忘れていた涙が、溢れるように眼から零れる。
    拭っても拭っても、止まる気配はない。
    同時に、雨も降り出した。
    それはまるで空が泣いているようで。

    頬を伝う透明な雫は、もうどちらの流した涙か分からない。
    体を濡らす冷たい雨は、次第にその勢いを増し続ける。

    私の口は延々と謝罪を繰り返すけれど。
    その音は、雨が掻き消していた。

    183 = 84 :

    ほむほむ

    184 :

    「でもね、ほむらちゃんがいなくなっても、その世界はずっと続いていったんだ」

    ↑これは公式設定なん?

    185 = 154 :


    *****************************************





    そして私は、独りで生きていくことになった。

    世界が終わるまで。





    *****************************************

    186 = 84 :

    ほむぅ……

    187 :

    >>184
    おりこマギカのラストシーンがそんな感じだった

    188 = 169 :

    これが二期のストーリーのシナリオになっても文句無い

    189 :

    うわああああああああああああああああああああああああああ

    190 = 154 :


    いつか私は滅びるだろう。
    永遠の命など存在しないのだから。

    それまで私は、あの子と交わした約束を、守り続けよう。


    でも。
    その時が来てしまっても。
    私は最後の最後まで、やれる事を探し続けようと思う。

    意味はないかもしれない。
    この手を汚してしまうだけかもしれない。
    それでも、私は諦められないから。

    幸せになるために。
    笑ってあなたたちと、世界を歩んでいくために。

    191 = 84 :

    ほむほむ

    192 = 89 :

    http://www.youtube.com/watch?v=qWsTvP8XBKU&feature=related

    193 = 85 :

    まどマギは設定細かいからSS書くのもプレッシャーすごいよな

    194 = 154 :

    以上です。
    長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。
    本編BパートとCパートの妄想補完でした。

    195 = 84 :

    乙乙乙

    196 = 96 :

    乙乙乙乙
    12話のラストシーンに微妙に繋がるな

    197 = 184 :

    >>187
    なら、ほむほむは世界の創造者なわけだ

    198 :


    おりこは絵が苦手だけど買おうかしら…

    199 = 96 :

    絵で楽しむべきじゃないなあの本は

    200 = 126 :

    乙だ


    ←前へ 1 2 3 4 5 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について