元スレほむら「あなたの欠片を」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
151 = 83 :
「ううん、違うよ」
うつむき呆然とする私に、掛けられるのは明確な否定。
その声には力が込められているのに、なぜだろう、とても弱弱しい。
「何が、何が違うって言うの」
「みんなの運命は、変えられなかったんだ」
「運命って」
「マミさんも、杏子ちゃんも、さやかちゃんも。 遠くない未来に必ず死んでしまうこと」
「そんな、そんなの」
「だけどきっと、みんな満足してたはず。 ほむらちゃんがそばにいてくれたから」
152 = 84 :
ほむほむ
153 = 96 :
ほむ?
154 :
さるっちゃいました
あと少しなので携帯から
155 = 85 :
お前らほむほむほむほむうるせーぞ!
ポケモンか!? ほむらはポケモンなのか!?
156 = 96 :
ほむぅ……
157 = 154 :
私がそばにいたから満足?
死んでしまったのに?
この子はそんな事を言う子だったか?
そして何よりも。
絶対に信じたくなかった一つの仮説は、この子によってまで肯定されてしまう。
混乱する頭に追い討ちをかけるように、
またこの生き物が声を発した。
「僕の仮説はある程度正しかったという事かな、鹿目まどか」
158 = 96 :
さやかちゃんだけ逝っちゃわずに良かったね!
159 = 154 :
「久し振り、キュゥべえ」
「僕からすると初めましてになるんだけど」
「あなたは変わらないね」
「まあ、変わる元がないからね」
一人と一匹の会話は、とても不思議なもの。
初めて会ったようなぎこちない感覚と、ずっと連れ添ってきたようなくつろいだ感覚。
まどかは一度言葉を切り、また話を戻す。
「みんなの最期を看取ったあなたには、何か言わなきゃいけないことがあるんじゃないかな」
「ああ、そういえば、彼女たちから君宛に遺言を預かっていたんだっけ」
「ゆい、ごん?」
「マミ曰く『私はあなたを恨んでいない』
杏子曰く『こんな終わり方も悪くない』だそうだ」
「どうして、どうして今まで」
「タイミングがなかっただけさ」
160 = 84 :
ほむほむ
161 = 154 :
彼女たちの遺したことばは、優しいものであるはずなのに。
胸を締め付けるこの感覚は一体何なのか。
ただ自身を強く抱きしめ、辛うじて叫ぶことを堪えているくらい。
そんな私を他所にして、状況は移ろって行く。
「そうそう、君に会えたら聞きたい事があったんだ」
「……」
「かつての世界では、魔法少女は絶望し魔女に変わったらしいね」
「……」
「その理を変えてソウルジェムごと消滅するようにしたのは君、そういう解釈で合っているのかな?」
「……うん」
「なら、君が消えれば、またその世界に戻るんだね」
162 = 90 :
・・・・・
163 = 84 :
ほむ
164 = 154 :
一気に空気が変わる。
キュゥべえが台詞を吐き終えるや否や、魔獣がまどかを取り囲むように山と沸いた。
その円結界の中には、私も。
肩に背負ったものはあまりに重い。
今にも押し潰されてしまいそうなほど。
彼女たちが幸せに逝けたから、それが何だというのか。
己の罪深さに慄く私。
心を塗り上げる言葉は一つ。
「――――――認めない」
165 = 126 :
ほう
166 = 96 :
ほむらちゃん……
167 = 84 :
ほむほむ
168 = 154 :
怒り、悲しみ、後悔、懺悔、自責、ありとあらゆる感情が頭の中でごちゃ混ぜになっていく。
それでも私は立ち上がる。
背から生える翼のどこにも、いつかの白はもう見えない。
黒く黒く、染まり、鋭く鋭く、尖って。
それはまるで私の思いを代弁しているようで。
「運命なんて言葉、絶対に認めない」
高く昇る光の柱を見つめていた視線を、降ろす。
その先には魔獣。
私の大切なものを奪い、また今、奪おうとしている侵略者。
瞳孔が開くのを自分でも感じる。
翼に力が漲り、植物の根が広がるように、虚空へと黒が脈動して伸びていく。
思いの流れるがままに、ただ憎しみを、解き放った。
力は渦を成して竜巻となり、私とまどかだけを残して、何もかもを壊し、呑み込んでいく。
169 :
ほみゅぅ・・・
170 = 84 :
ほむぅ
171 = 154 :
「ほむらちゃん、ありがとね」
「どうして」
あっさりと結界は解け、私たちはビルの屋上へ戻ってくる。
そして私はまたここで、彼女とお別れをしなければならない。
「どうして私は、一人になっちゃうの」
「それ、は」
「まどかは世界を見てきたんだよね」
自分の質問がどれだけ幼稚なワガママか、何となく分かってはいる。
だけど、それでも、どうしても。
「お願い、教えて……」
172 = 84 :
ほむぅ……
173 = 126 :
ほむら「ihbf殺wq」
174 = 154 :
たっぷりと沈黙を経て。
その身を殆ど光と変えてしまうほどの時間を経て。
ようやく彼女は声を震わせる。
「……ほむらちゃん、何度も私のために、時を遡ってくれたよね」
「でもね、ほむらちゃんがいなくなっても、その世界はずっと続いていったんだ」
「私が壊してしまう世界、誰かが壊してしまう世界、緩やかに朽ち果てていく世界、様々だったけれど」
「ほむらちゃんが繰り返す度に、失われていく世界と命と想いがあった」
「その報いを、私は消し去ることが、できなく、て……………」
どこまでも私は沈んでいく。
絶望という名前の底なし沼に。
175 = 84 :
ほむ
176 :
やりきれないなぁ
まどマギらしいや
177 = 154 :
「ごめん、ごめんね」
「わたし、いつでも傍にいるから」
「見えなくても、聞こえなくても、感じられなくても、絶対にいるから」
「だから、生きることを諦めないで」
くずおれる私に、掛けられる声は謝罪。
どうしてあなたが謝るの。
私のしてしまった事が、どれほどの事か、誰よりも分かっているのはあなたなのに。
そんな気持ちも言葉には出来ない。
ただ意味を成さぬ吐息がひゅーひゅーと漏れ出るばかり。
そうやって時間を浪費する私に、残酷にもタイムリミットが告げられる。
178 = 84 :
ほむ
179 = 154 :
「そろそろ、かな」
「いや、いやだよ、行かないで」
「待っててね、いつか必ず会えるから、その時まで」
「もうみんないないのに、わたしのせいで、わたし」
「ほむらちゃんがしてきたことは、絶対に無駄なんかじゃないから」
「一人は、いや、そんな、耐えられない」
「だからどうか、みんなが、わたしが生きられなかった世界を、生きて、守って」
「わたし、あ、」
「約束、忘れないでね」
180 = 84 :
ほむぅ……
181 = 96 :
まど神様そんな無茶な
182 = 154 :
そして空へと還っていく。
光の柱が消えたとき、いつしか辺りは闇に染まり切っていた。
「あ、うう、あ、あ」
ようやく私は実感する。
ただ一人取り残された事を。
「ああああああああああああああ」
「うううぅぅぅぅぅぅ、あああああああああぁぁぁああああああああ………………!」
流し方も忘れていた涙が、溢れるように眼から零れる。
拭っても拭っても、止まる気配はない。
同時に、雨も降り出した。
それはまるで空が泣いているようで。
頬を伝う透明な雫は、もうどちらの流した涙か分からない。
体を濡らす冷たい雨は、次第にその勢いを増し続ける。
私の口は延々と謝罪を繰り返すけれど。
その音は、雨が掻き消していた。
183 = 84 :
ほむほむ
184 :
「でもね、ほむらちゃんがいなくなっても、その世界はずっと続いていったんだ」
↑これは公式設定なん?
185 = 154 :
*****************************************
そして私は、独りで生きていくことになった。
世界が終わるまで。
*****************************************
186 = 84 :
ほむぅ……
187 :
>>184
おりこマギカのラストシーンがそんな感じだった
188 = 169 :
これが二期のストーリーのシナリオになっても文句無い
189 :
うわああああああああああああああああああああああああああ
190 = 154 :
いつか私は滅びるだろう。
永遠の命など存在しないのだから。
それまで私は、あの子と交わした約束を、守り続けよう。
でも。
その時が来てしまっても。
私は最後の最後まで、やれる事を探し続けようと思う。
意味はないかもしれない。
この手を汚してしまうだけかもしれない。
それでも、私は諦められないから。
幸せになるために。
笑ってあなたたちと、世界を歩んでいくために。
191 = 84 :
ほむほむ
192 = 89 :
http://www.youtube.com/watch?v=qWsTvP8XBKU&feature=related
193 = 85 :
まどマギは設定細かいからSS書くのもプレッシャーすごいよな
194 = 154 :
以上です。
長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。
本編BパートとCパートの妄想補完でした。
195 = 84 :
乙乙乙
196 = 96 :
乙乙乙乙
12話のラストシーンに微妙に繋がるな
197 = 184 :
>>187
なら、ほむほむは世界の創造者なわけだ
198 :
乙
おりこは絵が苦手だけど買おうかしら…
199 = 96 :
絵で楽しむべきじゃないなあの本は
200 = 126 :
乙だ
みんなの評価 : ☆
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