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    元スレまどか「魔法少女なんてものがない、そんな世界だったら」

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    みんなの評価 : ★★
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    101 = 1 :

    ほむらの住んでいる家が近づいてきた

    ほむら「ここら辺まででいいよ」

    まどか「そう? ここまできたら最後まで送っていっても……」

    ほむら「ううん。大丈夫。心配してくれてありがとう」

    まどか「お礼なんていいよ。私は好きでこうしてるんだから」

    それはまどかの偽りない本心だった

    ほむら「それじゃあ、また明日学校で、ね」

    まどか「うん! 学校で!」

    102 :

    最近黒まどばっかりだったから新鮮だわ

    103 = 1 :

    ――――



    その日、鹿目家の夕食は、表面上特に何事もなく済んだ
    一家の大黒柱である母は仕事の都合上席を外していたが、それもよくあること
    しかしまどかは、やはりどこか居心地の悪さを感じずには居られなかった

    まどか「それじゃあ私、部屋に戻るね」

    まどかは食事を終え、自分の分の食器を洗うと、そそくさと自室へ戻っていった


    それから二時間ほど後
    そろそろ風呂に入ろうかと考えた出した頃合いに、扉が数度ノックされた

    まどか「はーい」

    扉を開けて部屋に入ってきたのは、案の定まどかの父、知久だった

    104 = 1 :

    知久「や、やあ、まどか」

    まどか「どうしたのパパ?」

    知久「えーっと……、今日の夕飯、どうだった?」

    まどか「美味しかったよ。特に鳥の料理がよかった!」

    知久「そうかい、それは嬉しいな。今度は味付けをアレンジして、また似たような料理をつくってみようかな」

    まどか「……」

    知久「……」

    ぎこちない会話はすぐに途切れた
    このままでは埒があかないと、まどかは自分から話を振る

    まどか「……それで、本当の用事は?」

    知久は頭をぽりぽり掻くと、言いにくそうな様子でこう切り出した

    知久「今日、お友達とこの部屋で何をしていたんだい?」

    105 = 1 :

    まどか「たぶん、パパが想像してる通りのことだよ」

    知久「そっか……。まあ、まどかも年頃だもんなあ……」

    まどか「……」

    知久「うん……、だから誰かを好きになったり、そういうのはむしろ必要なことだと思うんだ。
         ただ、ね。相手が、その、女の子っていうのは……」

    まどか「悪いことなの?」

    知久「いっ、いや、決して悪いことではないよ!
         だけど世間の風当たりはどうしても強くなってくると思うんだ」

    まどか「……」

    知久「僕はまどかに幸せになって欲しいと考えている。だからこそ言うよ。
         女の子のお友達とそういうことをするのはもう止めておいた方がいい」

    106 = 94 :

    しえん

    107 = 1 :

    まどか「私の幸せはほむらちゃんといることだもん。他の幸せなんていらないよ」

    知久「今はそうかもしれない。でも、成長して視野が広がれば、
         また別の幸せが見えてくることだってあるんだよ」

    まどか「ほむらちゃんといる以上の幸せなんて見つかりっこないよ……」

    知久「うーん。どうかな。若い内はそんな風に思いこんじゃうこともあるけど、いつかは――――」

    まどか(思い、込み……? そんな訳ない。そんな訳ない!)

    以後の知久の言葉は、まどかの耳にはよく入ってこなかった

    知久「さて、それじゃあ僕はタツヤを寝かせてくるよ。また今度ゆっくり話そう」

    知久との話を通じ、まどかの心の中に残ったのは、
    自分の思いを父親から否定されたことへのショックと、
    初めて芽生えた親への反抗心だけだった

    108 = 1 :

    ――――



    一方その頃

    ほむら(ネットで検索、っと)

    ほむら(文字が見えにくい。早く眼鏡買わないとなぁ……)

    ほむら(……)

    ほむら(……? れ、レズセックス?)

    ほむら(これがそうなのかな。見てみよう)

    ほむら(キスして、服を脱がせて、ここまでは私達と同じみたいだけど……)

    109 = 1 :

    ほむら(!!)

    ほむら(あ、あそこを舐めるの!?)

    ほむら(汚く……ないの?)

    ほむら(でっ、でも……、まどかのなら……)

    ほむら(……)

    ほむら(!?)

    ほむら(あそことあそこをくっつけて……)

    ほむら(うわぁ……)

    ほむら(こんなのできるかな)

    ほむら(……)

    「あんあんあん!」

    ほむら「……って、わああああっ!!」

    ほむら(こ、こんな映像を見てる時にヘッドホンの線が抜けるなんて……)

    ほむら(誰かに聞かれなかったかな……、泣きたい)

    110 :

    この前途中で落ちたやつか
    続き気になってた。

    111 = 1 :

    ――――



    まどか「んんーっ……」

    カーテン越しに差し込んでくる朝日に、まどかはじんわりと意識を覚醒させられた
    時計で時間を確認すると、ベッドから抜け出し、眠い目をこすりながら階下へと降りていく

    知久「おはようまどか」

    まどか「うん、おはよう。けっきょく昨夜はママは帰ってこなかったの?」

    知久「ああ、どうも仕事に追われてるみたいでね。泊まりで仕事だって夜遅くに連絡があったよ」

    いつも通りの朝の風景
    しかしまどかは、自分と父の間に、何か昨夜までは存在していなかった
    壁のようなものがある気がしてならなかった

    まどか(誰が否定しても……私はほむらちゃんを大好きでいよう)

    知久の説得は、結果的にまどかを意固地にさせてしまった

    112 = 1 :

    ――――



    再び異なる時間軸
    QBは、契約を結ぼうとしているまどかに対し、あることを語りはじめた

    QB「契約の前にもう1つだけ言っておきたいことがある。
        あまりに不確かだからさっきは言わずにおいたけれど、実は想定しうる可能性は他にもあるんだ」

    まどか「4つ目の可能性が?」

    QB「ああ」

    そう相槌を打つと、まどかの足元へ近寄り、彼女の顔をじっと見つめる

    QB「君の願いと暁美ほむらの願いは、出会いをやり直したいという点が共通している。だから、その2つの奇跡が絡み合い、
        暁美ほむらの願いの効力が及ぶ“1ヶ月”の間だけ、通常より大きな奇跡が起こるかもしれない。これが4つ目の可能性だ」

    まどか「それってつまり……」

    QB「例えばこんなパターンが考えられる」

    QB「まず君は、2つの奇跡が効力を発する初めの1ヶ月は、問題なく新しい世界に存在できる。
        そしてその期間が終わり、奇跡の力が不足し始めると―――」

    113 = 102 :

    障害があるほど燃えるのが恋愛なのです
    本当に辞めさせたいなら飽きるか幻滅するよう仕向けるべき

    114 = 1 :

    ――――



    朝、登校してきたほむらが教室に入ると、
    クラスの女子生徒はひそひそと陰口を叩き始めた

    ほむら「……」

    ああ、やはりか、と気持ちが沈む
    椅子に腰かけると鋭い痛みが走った

    ほむら「いっ、たぁ……!」

    一度席を立ちあがり、何事かと自分の椅子を見てみる
    そこにはがびょうが数個置かれていた

    ほむら「……」

    がびょうを手で拾ってどけて、もう一度腰かけようとする

    ほむら「っ!?」

    椅子に全体重をかけた瞬間、またしても激痛が走った
    腰を持ち上げ、手で触って確かめてみると、数本のがびょうがスカートに刺さっていた
    最初に座った際に、スカート生地に深く食い込んでしまったのだろう
    教室にくすくす笑いが巻き起こった

    115 = 1 :

    ほむら「……」

    じくじくとお尻に走る痛みと、周りの女生徒の冷たさに、ほむらは涙が溢れそうになってきた
    と、その時
    教室の扉ががらがらと開く

    まどか「おっはよー、ほむらちゃん!」

    まどかは人目もはばからずにほむらに抱きついた

    ほむら「うん……。おはよう、まどか」

    腕の中で、恥ずかしそうな顔をしながらも挨拶を返すほむら
    いつの間にか暗い気持ちは全て吹き飛んでいた

    116 :

    しえん

    117 = 1 :

    その日の午前の授業は滞りなく進んだ
    あっという間に昼食の時間をむかえる

    まどか「ほーむらちゃん! 外でご飯食べよ!」

    4限目終了のチャイムが鳴ると、まどかはほむらの机に近付いてそう誘った

    ほむら「うん! 今日は自分でお弁当作ってきたんだ。まどかにもお裾分けするね」

    まどか「ほむらちゃんの手作り!? わー、楽しみだなぁ!」









    クラスメイト1「なーんか張り合いが無いんだよね。2人が揃ってると結局傷をなめ合っちゃうし」

    クラスメイト2「何か2人をバラバラにする方法はないかな」

    クラスメイト3「あー、そうだなあ……。じゃあこういうのはどう?」

    118 :

    >>113
    ・ほむらがぼっちとわかってるのに一人寄り添うだけで味方を作ろうとしない
    ・それどころか友達付き合い放棄して味方に引き込める友人を失う
    ・おまけに人に見える場所で密着してでっかいいじめ要素を作る
    ・さらに親に対して壁を作っていざって時頼るべき相手を遠ざける

    明らかに自分で障害作り出してるじゃねーかwwwww

    119 :

    クラスメイトタヒね

    120 = 1 :

    ――――



    まどか「やっぱり屋上は落ち着くなー」

    ほむら「ここなら意地悪な人もいないもんね」

    二人は段差に腰かけて、それぞれの昼食をとりだした

    ほむら「どうかな?」

    恥ずかしそうな顔をしながら、蓋を開けた弁当箱をまどかに見せる
    唐揚げ、卵焼き、きんぴらごぼうなど、スタンダードな具が納まった手作り弁当だった

    まどか「凄い凄い! 綺麗に出来てる!」

    ほむら「そっ、そんな……大袈裟だよ」

    まどか「そんなことないって! 私もこんな風に料理できたらいいのになぁ」

    ほむら「それなら……、今度一緒に料理する?」

    まどか「それいいかも! すっごく楽しそう!」

    ほむら「約束だよ」

    まどか「うん、約束」

    二人は小指と小指を絡ませて指切りをした

    121 :

    こういういじめっこってどうして必要以上に関わろうとするんだろね

    122 = 1 :

    ほむら「まどかはどのおかずが食べたい?」

    まどか「うーん。……卵焼きで」

    ほむら「分かった。はい、どうぞ」

    まどか「せっかくだからほむらちゃんに食べさせて欲しいな」

    ほむら「たっ、食べさせる!? それってその……」

    まどか「あーん、ってやつ。あはは、実は前から一度やってみたくって。……駄目かな?」

    ほむら「ううん、まどかがしたいなら」

    箸で卵焼きをつまみ、それをまどかの顔の方へと運んでいく

    ほむら「あーん」

    まどか「あーん。……うん、美味しい!」

    ほむら「本当に? 良かった!」

    まどか「ほむらちゃんは良いお嫁さんになれるね!」

    まどかは笑顔でそう言うと、ほむらに抱きついた

    まどか「今すぐ私の嫁になってー!」

    ほむら「まどかったら、もう……」

    123 :

    我保守

    124 = 1 :

    食事を終えた2人は、昼休み終了までの間、屋上で雑談をすることにした
    何といっても教室は居心地が悪い

    まどか「今日の帰りもどこかに寄る?」

    ほむら「もしよかったら……」

    まどか「うんうん」

    ほむら「2人で、その……、プリクラを撮ってみたいなって」

    まどか「あ、いいねプリクラ! 2人の思い出ーって感じで」

    ほむら「まどかはプリクラ撮ったことある?」

    まどか「んー、何度かあるよ。ほむらちゃんは?」

    ほむら「私は初めて」

    まどか「そっかぁ。とはいえ私にとっても、ほむらちゃんとプリクラを撮るのは初めての経験なんだけどね!」

    125 = 1 :

    ほむら「あ、予鈴だ」

    まどか「そろそろ戻ろっか」

    ほむら「憂鬱だなあ……」

    まどか「だね。ずっと2人でいられたらいいのに。
          ……そうそう、教科書出しておかなきゃ」

    まどかは次の授業で使う教科書をロッカーに入れっぱなしにしていたことを思い出した
    自分のロッカーの扉を開ける

    まどか「はぁ……」

    まどかの教科書の表紙は、カッターか何かでボロボロに傷つけられていた

    ほむら「大丈夫、まどか?」

    まどか「まあ、中は無事みたいだからまだマシかな……。ほむらちゃんはどうだった?」

    ほむら「私はカバンに教科書を全部入れていったから、なんとか」

    まどか「あー。私も次からはそうしようかな」

    126 = 1 :

    午後の授業も坦々と過ぎていった
    いじめっ子達は表向き優等生ぶっているので、座学の時間までは行動を起こさない

    まどか「……」

    気がつくとまどかは、後ろからほむらの姿を眺めていた
    黒くてさらさらした長い髪
    編み込みが純朴さを強調するその髪型が、まどかは大好きだった

    ほむら「……」

    ほむらが後ろの方をちらっと見る
    2人の視線があった
    もう少し頑張ろう、まどかはそう思い直した

    127 = 1 :

    ここまでが前スレ分

    128 :

    よしここからだ

    129 = 1 :

    ――――


    その日の帰り道
    まどかとほむらは、昼食時に話していたプリクラを撮るため、
    真っ直ぐゲームセンターへと向かった

    「……ああああっ! ミスったぁ!」

    入り口の自動ドアをくぐると、がやがやとした騒音の中から、一際目立つ甲高い声が耳に入ってきた
    見ると、ダンスゲームのモニター前で、赤毛の少女が溜め息をついている
    その傍らには、似たような顔立ちながらやや幼い少女が立っていた

    「お姉ちゃん下手すぎ」

    「ぐ……。も、もう一回! もう一回だ!」

    「はいはい、いいから早く教会のお掃除に戻る戻る。お父さんに怒られちゃうよ?」

    「あー、もうこんな時間……? 仕方ない、リベンジはまたにするか。付き合わせて悪かったね」

    「別にいいよ。伊達に妹やってませんから、不出来な姉のお世話ぐらい馴れたものです」

    「だーれが不出来だって!?」

    姉妹と思しき二人組は、小突き合いながらゲームセンターを出ていった

    131 = 1 :

    まどか「プリクラプリクラーっと。……あったあった!」

    ほむら「わあっ。プリクラを撮るのってこんな機械なんだ」

    まどか「さ、入って入って」

    まどかはほむらをモニターの前に手招きした

    ほむら「なんだかわくわくするね」

    まどか「ね! さってと、背景やフレームはどれにしよう」

    ほむら「フレーム? ……あっ、周りの枠のこと?」

    まどか「そうそう」

    132 = 1 :

    ほむら「それなら……、これ、とか……」

    まどか「ハートがいっぱいのやつ?」

    ほむら「う、うん」

    まどか「へぇー、ほむらちゃんってこういうのが……」

    まどかはにやにやとした表情でほむらの顔を見る

    ほむら「まどかの意地悪」

    ほむらは照れたように俯いてしまった
    そんなほむらに、まどかはがっしりと腕をからめて笑いかける

    まどか「あはは、ごめんごめん! 私もそのフレームでいいと思う!
         なんかこう、熱々カップルーって感じで!」

    133 = 72 :

    あんこちゃん!

    134 = 1 :

    ほむら「……まどか」

    まどか「ん?」

    ほむら「私達、カップル……なのかな?」

    まどか「そういえば、きちんとそういうこと話してなかったね」

    少しだけ場の空気が変わる

    ほむら「私は……」

    ほむらが何か言おうとした瞬間、フラッシュの光が瞬いた

    まどか「って、あああ! 撮影始まってた!」

    ほむら「えっ?」

    まどか「ほむらちゃんほむらちゃん、ここ覗いて! カメラ!」

    ほむら「あ、う、うん!」

    135 = 1 :

    まどか「うわー、やっぱり1枚目はひどっ。後の方に撮った奴を使おっと。
         分割枚数は……、こんなもんでいっか」

    ほむら「やっぱりなれてるね」

    まどか「んー、そんなことないよ。2、3回撮れば誰でもこんなもんじゃないかな」

    会話をしながらも、設定を手早く決定していく
    そうこうする内に、画面が、写真を加工するモードへと切り替わった

    まどか「そいじゃあ色々落書きしよっか!」

    ほむら「落書き?」

    まどか「うん! 好きなスタンプを貼ったり、このペンみたいな機械で自由に文字を書いたりできるんだよ」

    まどかはそう説明すると、二人で抱きあっている写真の上にささっとペンを走らせた
    そうして出来上がったのは……、

    ほむら「相々傘……」

    まどか「えへへ、いいでしょ」

    ほむら「古っ」

    まどか「あー、そういうこと言う?」

    ほむら「ふふっ、嘘嘘。少し恥ずかしいけど……、嬉しいな、まどかと相々傘」

    136 = 1 :

    ――――



    異なる時間軸で交わされた最後の会話

    QB「契約なんてものは、実はよくよく仕組みを考えてみれば、ただのエネルギー変換に過ぎない」

    QB「希望を生じさせるために要したエネルギーを、後から絶望で賄う。
        ね? 骨組みを限界まで解体してみると、実はこんなにシンプルなシステムなんだ」

    QB「他のエネルギー変換と比べて特殊な点は、今から言うたった2つだけ。
        奇跡を起こすことで消費したエネルギーの帳尻合わせが、エネルギーの消費から遅れておこなわれる点。
        発生するエネルギーの量が、コストを大きく上回る点。この2つだ」

    まどか「それで?」

    QB「言いかえるとね。契約というシステムは、希望と絶望を“必ず両方とも”発生させる。
         そういうことが織り込み済みの仕組みなんだ」

    137 = 1 :


    まどか「……変だよ」

    QB「ん? どこか腑に落ちない点があったかい?
        僕は当たり前の説明をしているつもりなんだけれど」

    まどか「違う。変なのはあなた自身」

    QB「僕が?」

    まどか「だって、私は今まさに契約しようとしていたんだよ? QBは黙ってそれを受け入れればいい。
         なのに……、今更そんな躊躇わせるような説明をするなんて、理にかなってないよ」

    QB「確かに今の僕は、どこかおかしいのかもしれない」

    QB「最後の契約ぐらいは、フェアなものにしても悪くない。
        どうやらいつの間にか、そんな非合理的なことを考えてしまっていたようだ」

    まどか「もしかしたら、魔法少女の必要ない世界ってQB達が……。
           ……ううん、やっぱいいや。何でもない」

    138 = 1 :

    ――――



    まどか「はい、これはほむらちゃんの分」

    まどかはハサミで半分に切ったプリクラのシートをほむらに手渡した

    ほむら「こういうのずっと憧れてた」

    そう言ってほむらは、プリクラのシートを大事そうにぎゅっと抱える

    ほむら「でも……、大事すぎて、一生使えないかも」

    まどか「あはは、私も。ほむらちゃんとの大切な思い出だからね」

    139 = 116 :

    ほむほむ

    140 = 1 :

    まどか「そうだ! 今から手帳を買いに行かない?」

    ほむら「手帳?」

    まどか「うん! プリクラを貼ったり、思い出になることがあったら日記を書いたり、そんな手帳。
         そういうものがあったら素敵だなって思ったんだけど……、どうかな?」

    ほむら「凄く良さそう!」

    まどか「だよねだよねー!」

    2人は手を取って楽しそうに笑いあった

    まどか「よーし、雑貨屋さんにレッツゴー!」

    141 = 1 :

    ――――



    文房具から美容品、パーティーグッズに海外の菓子まで、
    とにかく様々な商品が所狭しと並べられた雑貨屋
    ほむらは、まどかに案内されて訪れたそんな店の中で、
    きょろきょろと落ち着かなさげに視線をさまよわせていた

    まどか「手帳はどこだったかなー」

    ほむら「色んなものが置いてあるお店だね」

    まどか「こういうお店は初めて?」

    ほむら「う、うん……」

    まどか「ふふっ、そんなに緊張すること無いよ! のんびり気楽に気楽にー」

    ぽんぽんと、ほむらの背中を2度叩く
    ほむらは少し安心したような表情を浮かべた

    142 = 88 :

    ほむほむスレが・・・

    143 = 1 :

    まどか「あっ、いいもの発見!」

    ほむら「……それ、カチューシャ?」

    まどかが手に取ったのは、ライオンの耳が付いた髪飾りだった
    他にもネコミミやウサギミミ、果てはゾウミミなどといったマニアックなものまで、
    色々な種類の動物耳付き髪飾りが並べられている

    まどか「がおー!」

    まどかはライオンの耳を頭にのせると、ほむらの脇をこちょこちょとくすぐった

    ほむら「あ、あははっ、くすぐったいよまどか!」

    まどか「まいったかー」

    ほむら「まっ、まいったまいった!」

    144 = 1 :

    まどか「さてさて、負けを認めてしまったほむらちゃんには、罰としてこれをつけてもらおうかな」

    ほむら「う、ウサギ耳!? こっ、こんな可愛いの似合わないよ!」

    まどかの手の中にあるウサギ耳カチューシャを見て、思わず後ずさりするほむら
    しかし抵抗空しく、カチューシャはほむらの頭の上にひょいとのせられてしまった

    ほむら「絶対似合わないのに……」

    まどか「そんなことないって! よく似合ってるよ!」

    ほむら「本当に……?」

    まどか「うん!」

    ほむら「そ、そうかな……」

    ほむらは恥ずかしそうに手をもじもじとさせた

    145 = 1 :

    まどか「手帳コーナー発見!」

    ほむら「お揃いにしようね」

    まどか「それもいいんだけど……、2人で1冊のノートを使うっていうのはどうかな?」

    ほむら「えーっと、交換日記みたいな感じにするの?」

    まどか「うんうん、そんなイメージ!」

    ほむら「なんだかロマンチックだね。良いと思う」

    まどか「よかったぁ。それで肝心の手帳だけど……」

    ほむら「あ、これ可愛い……」

    まどか「このピンクの手帳? ふふっ、やっぱりほむらちゃんこういうファンシーなの好きなんだ」

    ほむら「そっ、そういうわけじゃ……」

    まどか「まあまあまあ。何はともあれ、この手帳で決まりだね」

    147 = 1 :

    まどか「ああ、楽しかったー!」

    ほむら「そうだね。こんなに楽しいのは初めてかも」

    まどか「えぇー、そんなに?」

    ほむら「うん。私、まどかといる時間が好き」

    まどか「そんなこと真顔で言われたら照れちゃうよ……」

    まどかははにかんだような笑顔を作り、頭を数度掻いた

    まどか「でも、私もほむらちゃんと一緒の時間が大好き。一番好き。だから……」

    ほむら「?」

    まどかは何かを言おうとし、しかしそこで口ごもった
    少し間をおいてから、こう提案する

    まどか「……この手帳。今日は私が借りてっていいかな?」

    149 = 1 :

    ――――




    ほむら(今日は本当に楽しかったなぁ)

    ほむら(まどか、手帳にどんなこと書いてきてくれるんだろう)

    ほむら(……)

    ほむら(あれ? あそこにいるのは……)

    ほむらは、玄関の前に誰かがしゃがみ込んでいるのを見つけた
    人影の方もほむらの存在に気がついたのか、こちらの方に歩み寄ってきた

    さやか「こっ、こんばんはー」

    ほむら「こんばんは……?」

    ほむらの家の前に待機していたのはさやかだった

    150 = 123 :

    おい














    さやかしね


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