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元スレ上条「ん…? サイレンの音?」
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勿論、あまり大声で呼びかけたりすると、周りの『操られている』人たちに気付かれてしまう。
なるべく他人に見つからないように、それでも出来る限り速く。
上条は走った。
上条(ってか大覇星祭の時も思ったけど、アイツ走るの速くねー?
……って、どこいった!? やべ、見失った!)
いくら自分も疲れているからとは言え、十四歳の女子中学生(もしかしたら怪我人)に走り負けるという事実を、
上条は認められない。
上条(ぐ……ちくしょ、こっちに行ったのは分かってんだ、思いっきり走れば見つかるだろ!)
なるべく他人に見つからないように、それでも出来る限り速く。
上条は走った。
上条(ってか大覇星祭の時も思ったけど、アイツ走るの速くねー?
……って、どこいった!? やべ、見失った!)
いくら自分も疲れているからとは言え、十四歳の女子中学生(もしかしたら怪我人)に走り負けるという事実を、
上条は認められない。
上条(ぐ……ちくしょ、こっちに行ったのは分かってんだ、思いっきり走れば見つかるだろ!)
上条は疲れた体に鞭打って、無理矢理速度を上げる。
とっくに息は切れ、脚もフラフラするが、しかし上条にとってこんなことは日常茶飯事でもある。
それでも、上条は気がつくべきだった。
背後から近付いてくる足音に。
ごがっ
上条「!?」
軽い音がして、上条の身体が前方に強く押し飛ばされる。
前傾姿勢で疾走していた上条は、当然姿勢を保てる訳もなく、地面に叩きつけられて、ごろごろ転がっていく。
上条「っ、なん、だ!?」
辛うじて受け身を取れたお陰で、怪我はほとんど無かったが、背中にまだ衝撃の余韻が残っている。
誰かから攻撃を受けた、と考えるまでもなく、上条は立ち上がり、背後へ向き直った。
とっくに息は切れ、脚もフラフラするが、しかし上条にとってこんなことは日常茶飯事でもある。
それでも、上条は気がつくべきだった。
背後から近付いてくる足音に。
ごがっ
上条「!?」
軽い音がして、上条の身体が前方に強く押し飛ばされる。
前傾姿勢で疾走していた上条は、当然姿勢を保てる訳もなく、地面に叩きつけられて、ごろごろ転がっていく。
上条「っ、なん、だ!?」
辛うじて受け身を取れたお陰で、怪我はほとんど無かったが、背中にまだ衝撃の余韻が残っている。
誰かから攻撃を受けた、と考えるまでもなく、上条は立ち上がり、背後へ向き直った。
上条「―――――お、まえ」
そこに居たのは、これまたよく見知った顔だった。
ただでさえ大した能力も無い人間を集めた上条の高校のクラスの中で、
更に上条と並んで『クラスの三バカ(デルタフォース)』と称される、落ちこぼれの一人。
漫画のような青髪に、不良ぶったピアス。
人のよさそうな笑顔と、線の細い体。
関西人が聞いたら耳に障りそうなエセ関西弁。
その『アイツ』が、そこにいた。
青ピ「かぁーみ、やぁーん♪」
顔から、ドロドロと、血を流して。
上条「――――」
上条は、何も言えなかった。
あの少年を見たときもそうだったが、今度はそれ以上に。
『一般人が』『操られている』。上条は、先ほどそう考えた。
ならば、上条の知り合いもまた、同様に操られている可能性があるのは、自明の事だ。
この、青髪ピアスのように。
上条「――――ぁ、て」
青ピ「へ、へへへへ、かみやぁぁ~~~ん♪
かみ、かみ、かみ、かぁみやんんんんん♪」
青髪ピアスは、楽しそうに笑いながら、上条に歩み寄る。
そういえばコイツは、肉体強化能力の無能力者(レベル0)だったっけ。
だから、後ろから俺に追いついてきたのか。
多分、走ってきて、そのままドロップキックでもしたんだろう。
上条の頭は、そんな無為な思考で埋め尽くされ、十分に機能していない。
青ピ「へ、へへへ、へへへへへへへへへへへ」
青髪ピアスは笑っている。楽しそうに笑っている。
青ピ「かみやぁーん♪」
楽しそうに、幸せそうに、笑いながら、言った。
青ピ「 た の し い な ぁ ♪ 」
上条「――――ッ」
上条は、何も言わず、背中を向けて、逃げ出した。
青髪ピアスは笑っている。楽しそうに笑っている。
青ピ「かみやぁーん♪」
楽しそうに、幸せそうに、笑いながら、言った。
青ピ「 た の し い な ぁ ♪ 」
上条「――――ッ」
上条は、何も言わず、背中を向けて、逃げ出した。
上条(そんな、そんなそんなそんなやめろやめろよやめてくれなんだよそれなんなんだよこれ!)
吐き気を抑えて。疲れも忘れて。走った。
走って走って、逃げて逃げて、そのままどこかへ行ってしまおうと。
でも、もう一度、背中に衝撃。
もう一度、地面に転がる。
青ピ「かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
みぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ん????????????」
さっきと同じ。走っていて、追いつかれて、蹴り飛ばされた。
じゃあ、走って逃げられる筈が無い。
上条「……っ……っ」
上条は立ち上がれない。
今度は、蹴り飛ばされて転がされるだけでなく、そのままマウントポジションにもちこまれていた。
青髪ピアスの腕が、上条の首に伸びる。
吐き気を抑えて。疲れも忘れて。走った。
走って走って、逃げて逃げて、そのままどこかへ行ってしまおうと。
でも、もう一度、背中に衝撃。
もう一度、地面に転がる。
青ピ「かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
みぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ん????????????」
さっきと同じ。走っていて、追いつかれて、蹴り飛ばされた。
じゃあ、走って逃げられる筈が無い。
上条「……っ……っ」
上条は立ち上がれない。
今度は、蹴り飛ばされて転がされるだけでなく、そのままマウントポジションにもちこまれていた。
青髪ピアスの腕が、上条の首に伸びる。
万力のような力で、上条の首が締めつけられる。
あの少年の時と同じく、人間とは思えない力。
操られている人は、どうやら力も多少強くなっているようだ。
いや、青髪ピアスは肉体強化を使っているからだろうか。
上条の思考は脱線する。
何も考えたくなかった。
昨日まで、普通に学校に行って、普通に馬鹿騒ぎをして、普通に遊んでいた、友人。
いつも三バカ三バカと呼ばれて、何かと一緒につるんでいることが多かった。
昨日も、夜遅くまで、担任の教師の自宅で、三人並んで特別補習を受けた。
その友人が今、自分の首を容赦なく締めつけている。
あの少年の時と同じく、人間とは思えない力。
操られている人は、どうやら力も多少強くなっているようだ。
いや、青髪ピアスは肉体強化を使っているからだろうか。
上条の思考は脱線する。
何も考えたくなかった。
昨日まで、普通に学校に行って、普通に馬鹿騒ぎをして、普通に遊んでいた、友人。
いつも三バカ三バカと呼ばれて、何かと一緒につるんでいることが多かった。
昨日も、夜遅くまで、担任の教師の自宅で、三人並んで特別補習を受けた。
その友人が今、自分の首を容赦なく締めつけている。
上条「……が……っ……ぁ」
名前を呼ぼうとするが、声が出ない。
精神的にではなく、肉体的に、直接喉を締められているのだから。
青髪ピアスは、笑っている。
上条の首を締めながら、笑っている。
ふと、目から流れる血の筋が、上条には涙を流しているようにも見えた。
それでも、腕の力は緩まることなく、上条の意識を削っていく。
上条(………ぁ)
そこで、上条はふと思った。
名前を呼ぼうとするが、声が出ない。
精神的にではなく、肉体的に、直接喉を締められているのだから。
青髪ピアスは、笑っている。
上条の首を締めながら、笑っている。
ふと、目から流れる血の筋が、上条には涙を流しているようにも見えた。
それでも、腕の力は緩まることなく、上条の意識を削っていく。
上条(………ぁ)
そこで、上条はふと思った。
御坂美琴。
大の大人が100人まとめてかかっても敵わないであろう、『超電磁砲(レールガン)』の少女。
彼女が、本当に怪我をしていたのだとしたら、その理由は何だったのだろう。
警備員(アンチスキル)の銃器も、磁力の壁は突き破れない。
学園都市第三位を傷付けられる能力者も、そうはいない。
そもそも、銃器や能力を前にすれば、御坂美琴も警戒するし、それなりの防御行動はとるだろう。
でも、もし。彼女が攻撃されたのが、彼女の友人だったなら。
今、この瞬間の上条と同じように、親しい友人が、顔から血を流して襲ってきたのなら。
御坂美琴は、学園都市第三位の超能力者。
電気を操る、最強の電撃使い(エレクトロマスター)。
―――でも、たった十四歳の、女の子。
上条の拳に力が入る。
上条の勘違いなのかもしれない。勘違いであってほしい。
それでも、一度考えてしまうと、上条にはそれが許せないことに思われた。
それは御坂美琴でなくともいい。学園都市に住む、ごく普通の学生、教師、その他の一般人でも構わない。
親しい友人、家族、先生、生徒から、突然攻撃を受ける。
殴られ、蹴られ、首を絞められる。
それが、どれだけ惨いことなのか。どれだけ悲しいことなのか。
そう考えるだけで、上条の拳は、硬く、硬く握り締められていた。
上条「……ぃ」
青ピ「?」
硬く握った右拳を、青髪ピアスの頬にブチ込む。
容赦はしない。できない。
突然の反撃を受けた青髪ピアスの腕から、僅かに力が抜ける。
それを見逃さす、左腕で青髪の右腕を掴んで引き剥がす。
上条「ごほぉっ! が、はっ、げほっ、げほっ!」
呼吸が戻る。急な酸素供給で頭が揺れる。
それに怯んでいる暇はない。
頬を殴った右拳で、そのまま青髪の耳を掴み、目一杯引っ張る。
青ピ「アアァァァ~!?」
耳を引っ張り、体勢を崩し、マウントの体勢から脚を抜く。
そのまま脚に力を込めて、青髪の身体をひっくり返すように立ち上がる。
そしてそのまま、今度は上条が上になって、マウントポジションを取った。
肉体強化とは言えど、所詮無能力者(レベル0)。
完全にマウントを取ってしまえば、そうそう崩せはしない。
上条は、再び右拳に力を込める。
上条「……悪い、必ず、俺が元に戻して見せる。
だから、今はちょっと我慢してくれ」
青髪の顔面を殴っても、耳を引っ張っても、やはり『何か』を破壊出来た感覚は無かった。
人を操っている『何か』は、直接身体を触っても破壊出来ない類のモノなのだろう。
青ピ「 ア ァー」
青髪は、一声呻いてから、
青ピ「 さ すガ は カ ミヤ ン や ネ 」
―――確かに、そう言って、笑っていた。
肉体強化とは言えど、所詮無能力者(レベル0)。
完全にマウントを取ってしまえば、そうそう崩せはしない。
上条は、再び右拳に力を込める。
上条「……悪い、必ず、俺が元に戻して見せる。
だから、今はちょっと我慢してくれ」
青髪の顔面を殴っても、耳を引っ張っても、やはり『何か』を破壊出来た感覚は無かった。
人を操っている『何か』は、直接身体を触っても破壊出来ない類のモノなのだろう。
青ピ「 ア ァー」
青髪は、一声呻いてから、
青ピ「 さ すガ は カ ミヤ ン や ネ 」
―――確かに、そう言って、笑っていた。
上条は迷わない。
全力を込めた右拳で、青髪の顔面を、真上から叩き伏せた。
硬いコンクリートの路面に、青髪の後頭部を叩きつけるようにして。
冗談みたいに、小さく、軽い音がして、青髪ピアスの少年は、動かなくなった。
終了条件2(ミッションコンプリート)
一方通行「木ィィィィィィ原クゥゥゥゥゥゥン!! 一緒に遊びましょう!!」
一方さんはミサカネットワークが使えなくなってそうだから逆噴射状態でしか能力使えないかもな支援
神裂 火織 / 9:31:27 / 第二学区
神裂「…………」
神裂火織は、第二学区内にある送電塔の頂上に立っていた。
学園都市における電力供給は、都市内の風力発電・地熱発電・原子力発電等によって賄われており、
能力研究や開発、230万人の人々の生活に必要な膨大な需要量に応えるだけの、膨大な供給量を誇っている。
インフラ設備は非常に発達しており、電力供給のケーブルは主に地下を通ってはいるが、
その中核を為す送電塔も僅かながら存在し、第二学区の中では、その送電塔が最も高い建造物となっている。
神裂が今、その送電塔の頂上で立ち尽くしているのは、学園都市を見渡す為である。
神裂火織は、イギリス清教でも5本の指に入るほどの凄腕魔術師であり、また、世界に20人程度しかいない『聖人』の1人でもある。
ジーンズの片方を太腿上まで切断し、シャツの袖も片方だけを切り取り、髪をポニーテールにまとめ、腰には身の丈以上の長さがある大刀を差すという、
極めて奇抜な恰好をしているが、全て魔術術式の構成に必要な要素を服装に取り入れた結果である。
『聖人』である神裂は、通常の人間とは一線を画す身体能力を発揮出来る。
何事もないように、地上高100m以上ある送電塔に上っているのも、そこから学園都市の端を見渡すことが出来るのも、この能力の恩恵を受けている部分が大きい。
神裂「やはり、外界とは断絶されているのですね」
神裂は、一人、呟いた。
神裂「…………」
神裂火織は、第二学区内にある送電塔の頂上に立っていた。
学園都市における電力供給は、都市内の風力発電・地熱発電・原子力発電等によって賄われており、
能力研究や開発、230万人の人々の生活に必要な膨大な需要量に応えるだけの、膨大な供給量を誇っている。
インフラ設備は非常に発達しており、電力供給のケーブルは主に地下を通ってはいるが、
その中核を為す送電塔も僅かながら存在し、第二学区の中では、その送電塔が最も高い建造物となっている。
神裂が今、その送電塔の頂上で立ち尽くしているのは、学園都市を見渡す為である。
神裂火織は、イギリス清教でも5本の指に入るほどの凄腕魔術師であり、また、世界に20人程度しかいない『聖人』の1人でもある。
ジーンズの片方を太腿上まで切断し、シャツの袖も片方だけを切り取り、髪をポニーテールにまとめ、腰には身の丈以上の長さがある大刀を差すという、
極めて奇抜な恰好をしているが、全て魔術術式の構成に必要な要素を服装に取り入れた結果である。
『聖人』である神裂は、通常の人間とは一線を画す身体能力を発揮出来る。
何事もないように、地上高100m以上ある送電塔に上っているのも、そこから学園都市の端を見渡すことが出来るのも、この能力の恩恵を受けている部分が大きい。
神裂「やはり、外界とは断絶されているのですね」
神裂は、一人、呟いた。
今朝、神裂は、えも言えぬ不穏な空気に目を覚ました。
何か得体の知れないモノが、学園都市を包み込んでいるような錯覚さえ感じる、不穏な空気。
実際、街に出てみると、明らかな異常が見て取れた。
人間が、人間以外のモノに、変わっている。
顔から赤い液体を垂れ流し、人を襲う化け物に。
しかし今にしてみれば、街に異常が起きたというよりは、『街が異界に変わった』、という言い方の方が正しいのかもしれない。
ここはもう、昨日までの学園都市ではない。学園都市に似た全く別の世界なのか、学園都市が丸ごと別の世界へ飛ばされたのかは分からないが、
とにかく、今、ここは『異界』である。
通信魔術を用いて本国(イギリス)や学園都市内の同僚と連絡を取ろうとしてみたが、それも通じなかた。
魔術的な通信ラインが、この異界の空気に妨害されているのかもしれない。
神裂「こんなことになるなら、意地でも携帯電話を持ってくるべきだったでしょうか……」
神裂は、携帯電話を所持していた。が、今回日本にやってくる折に、たまたま英国に忘れてきてしまっていた。
もしかすると、今頃同僚のステイル・マグヌスなどは、英国のイギリス清教女子寮に置き去られているであろう携帯電話に、必死にコールを掛けているかもしれない。
神裂「……とにかく、現状をしっかりと確認しておかなければ。
そして何より……」
一人の少女。一人の少年。
神裂の頭に、二人の人物が浮かんだ。
一人は、神裂の同僚。そして、元親友。
10万3000冊の魔道書をその頭脳に収めた、禁書目録(インデックス)と呼ばれる少女。
もう一人は、神裂の恩人。そして、元宿敵。
あらゆる幻想を殺し尽くす右手を宿す、上条当麻という少年。
神裂「……」
彼らの身に、危機が降りかかっているかもしれない。
そう考えるだけで、神裂は背筋が寒くなる。
―――あの二人には、絶対に手を出させない。
神裂「この事態を引き起こしたのが一体誰なのか、分かりませんが―――」
神裂は、腰に差した刀の柄を握り、感触を確かめる。
聖人の力を以てこの刀を振るえば、比喩でなく、神でさえも斬り裂ける。
神裂「―――私の友達を傷付けるというのなら、この幻想は、私のこの手でぶち殺す――――!」
そう呟いた神裂の胸中には、一つの黒い疑念が渦巻いていた。
しかし、神裂はそれを押し殺す。
そして、送電塔から勢いよく飛び降り、街の中へと消えていった。
神裂が見つめていた学園都市の景色。
僅かに霧のかかった街。しとしとと降り続く雨。
あちこちからあがる火の手。聞こえてくる銃声。
そして、大きな外壁の外側には―――――赤い、赤い、深紅に染まった海が広がっていた。
彼らの身に、危機が降りかかっているかもしれない。
そう考えるだけで、神裂は背筋が寒くなる。
―――あの二人には、絶対に手を出させない。
神裂「この事態を引き起こしたのが一体誰なのか、分かりませんが―――」
神裂は、腰に差した刀の柄を握り、感触を確かめる。
聖人の力を以てこの刀を振るえば、比喩でなく、神でさえも斬り裂ける。
神裂「―――私の友達を傷付けるというのなら、この幻想は、私のこの手でぶち殺す――――!」
そう呟いた神裂の胸中には、一つの黒い疑念が渦巻いていた。
しかし、神裂はそれを押し殺す。
そして、送電塔から勢いよく飛び降り、街の中へと消えていった。
神裂が見つめていた学園都市の景色。
僅かに霧のかかった街。しとしとと降り続く雨。
あちこちからあがる火の手。聞こえてくる銃声。
そして、大きな外壁の外側には―――――赤い、赤い、深紅に染まった海が広がっていた。
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