元スレキョン「お前ら俺が見えてないのか?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×7
102 = 5 :
そうか・・・俺がお礼しなければならない人はもう一人(?)いたな
その手紙には
『今日の夜の6時にいつもの公園のベンチで待っています』
とだけ書かれていた
6時か・・・
俺はそれまで特にすることもないので部室へいってみることにした
もう俺の姿を確認できる人は決まっているから大丈夫だろう
コンコン・・・
今日は手がすり抜けるな・・・
ってことは
・・・よし
俺はドアを開けず、そのまま扉をすり抜けた
と、その瞬間長門と目があった
ハルヒは・・・いた
団長の椅子に座って深くうなだれている
古泉も、朝比奈さんもいる
久しぶりにこの部室に全員そろった気がするのは
俺に残された時間が後わずかだからだろう
103 = 5 :
今や古泉は朝比奈さんとオセロをしていた
しかしどうみてもこりゃ古泉の負けだな
俺は苦笑いした
そしてハルヒへとそっと近寄る
その姿を長門が目で追っている
俺は机に突っ伏しているハルヒの頭をなでた
・・・つもりだ
もちろん触ることはできない
俺はハルヒの頭の形に添って、手を動かしていた
長門はその光景からいつの間にか目をそらしていた
見たくない、という感じだった
そして俺は時間がくるまで、ずっとハルヒの頭をなで続けていた
104 = 5 :
辺りは暗い
心地よく虫の鳴き声が響いている
「お久しぶりです」
そこには未来の朝比奈さんの姿があった
「なんか私だけずるいですね、2回もあなたに会えるなんて」
そういうと朝比奈さんはふふっと笑ってみせた
朝比奈「それと、私、あなたに一つ謝りたいことがあるの」
なんですか?
朝比奈さんの顔が急に曇る
朝比奈「昨日・・・になるのかな?・・・その、私が残した留守番電話のことなんだけど」
ああ、それがどうかしましたか?
朝比奈「その・・・前半部分は、なかったことにしてください
私・・・あなたに「がんばれ」だなんて・・・そんな残酷なことを言ってしまいました」
そんな、俺は全然気にしてないですよ
むしろ嬉しかったです
106 = 47 :
ええ娘じゃのう……
107 = 5 :
朝比奈「あなたが気にしていなくても、謝らせてください。」
朝比奈「ごめんなさい」
・・・わかりました。
しっかりと受け止めましたよ
そういうと朝比奈さんはニコッと笑った
朝比奈「あ、私が伝えたかったのはこれだけなの」
朝比奈「わざわざ呼び出してごめんなさいね」
いえいえ、そんな
朝比奈「では私はこれで・・・」
あ、待ってください!朝比奈さん!!
朝比奈「はい?」
その・・・色々と、ありがとうございました
朝比奈「ふふっ、これでキョンくんにお礼を言われるのは2回目ね、うん!」
朝比奈「こちらこそありがとうございました。・・・待っててね」
そういうと朝比奈さんは消えていった
そしていつも通り気がつくと俺はベッドの上にいた
後はハルヒ・・・か
俺の記憶が皆から消えるまで、後3日
109 = 5 :
次の日、俺は長門のマンションにいた
長門から電話で呼び出されたのである
で、どうしたんだ?長門
長門「ついに発生した」
ん?何がだ?
長門「閉鎖空間」
何?
ど、どれくらいの規模だ!?
長門「今までにない」
古泉は!?
長門「既に閉鎖空間内に侵入を試みたが弾き出された」
弾き出された!?
ということは・・・
長門「閉鎖空間の中には涼宮ハルヒが存在する」
そうか・・・
俺はどうすればいい?
長門「今からあなたを閉鎖空間の中へ送る」
そしてどうすればいいんだ?
長門「行けば・・・わかる」
わかった・・・
頼むぞ、長門
長門「任せて」
110 :
寝れない支援
112 = 5 :
・・・う・・・痛ぇ・・・
・・・ん?・・・痛い・・・?・・・
ガバッ!
俺は勢いよく起き上がった
・・・触れる
どうやらここでは俺は実体のある体らしいな
長門の力かどうかはわからんがとにかくありがたいことだ
つまり・・・ハルヒと会うことができる・・・話すことができる
あたりを見渡すと違和感を感じた
まるで元の世界と変わりがないのである
時間という概念も存在しているようだ
太陽がでている
おそらく時間も元の世界と同じだろう
これはまさに世界がひっくり返る寸前ということじゃないのか!?
俺は全力でハルヒを探した
思い当るところ全てを探した
するとハルヒは案外すぐに見つかった
113 :
支援・・・っ
114 = 5 :
昨日と同じ・・・団長の机に突っ伏している
もちろん1人だ
「ハルヒ・・・」
俺は小さくそうつぶやくとハルヒへと近づいて行った
ふぁさ・・・
ハルヒの髪に触れることができる
ハルヒの頭をなでてやった
優しく
もう大丈夫だという気持ちを・・・全て乗せたつもりだ
すると
ハルヒが顔を上げた
ハルヒ「・・・キョン?」
115 :
支援だこのやろおおおお
116 = 5 :
ああ
ハルヒ「キョンなの・・・!?・・・本当に・・・?」
ああ、正真正銘、間違いなく俺だ
ハルヒ「キョン・・・キョン・・・会いたかった!!」
ハルヒ・・・お前に話しておかないといけないことがある
ハルヒ「・・・何?」
ここはな、特別な世界なんだ
お前の夢の世界だ
ハルヒ「あたしの・・・夢?」
ああ、夢だ
そして俺とお前は、ここに閉じ込められてしまった
だから、2人で脱出しよう
ハルヒ「・・・うん、わかったわ」
でもな、ハルヒ
ハルヒ「どうしたの?」
117 = 47 :
しえんしえん
118 :
支援…
119 = 113 :
眠れん・・・
120 = 5 :
ここを脱出したら・・・
俺は・・・
俺は・・・・・・
気がつくと俺は泣いていた
泣くつもりなんてなかった
ここは絶対に我慢しなければならないところだ
情けない
ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン!?どうしたの!?」
すまん・・・すまん、ハルヒ
ハルヒ「何謝ってんのよ!意味がわからないわ・・・」
俺な・・・ここを脱出したら・・・
ハルヒ「うん・・・」
お前と・・・もう、会えない
ハルヒ「・・・え?」
ハルヒ「な、何言ってんの!?ねぇ!冗談でしょ!?」
すまん・・・
ハルヒ「冗談って言ってよ・・・!!」
・・・・・。
ハルヒ「・・たし・・・・出・・・・ない」
え?
ハルヒ「あたし・・・ここを脱出しない」
121 :
しえん…
122 = 5 :
な、何をばかなことを!!
ハルヒ!!
お前はここをでなきゃダメなんだ!!
じゃないと・・・じゃないとお前は・・・皆ともう会えないんだぞ!?
ハルヒ「皆と別れるのよりキョンと別れる方が嫌よ!!」
お前・・・何を・・・
ハルヒ「キョンと会えないなんて・・・そんなの嫌・・・」
ハルヒ・・・!
俺はハルヒを抱きしめていた
ハルヒ「・・・キョン?」
俺お前がそう言ってくれて嬉しい・・・
自分の素直な気持ちに・・嘘はつけない
そうだな、ハルヒ
俺と一緒に、ここで暮らそう
ハルヒ「・・・本当?」
ああ、本当だ
ハルヒ「・・・うんっ!!」
そういうハルヒの顔はとてもかわいく、いつもの何倍にも輝く笑顔だった
俺はこいつとずっと一緒に居る
こいつを守り抜く、そう決心した
123 :
追い付いた支援
124 :
ああ・・・
125 = 47 :
ぬぬ
126 = 5 :
あたりは気がつくと真っ暗になっていた
ハルヒと話しこんでいる内に夜になってしまったようだ
そろそろ寝るか・・・ハルヒ
ええ・・・
そういって俺達は部室の団長専用の机を背もたれにして
手を取り合って眠りについた
俺達はとても幸せだった
この幸せが永遠に続きますように・・・
2人でそうお願いしながら・・・
俺の記憶が皆から消えるまで、後2日
127 = 98 :
うむ……
129 = 88 :
意外な展開
130 = 5 :
次の日の朝・・・
ハルヒが・・・いない・・・?
お、おい!!!
ハルヒ!!!どこにいる!!!
部室の窓から校庭を見渡す
いない・・・!!
俺は扉を勢いよく開け、廊下を全力で駆け抜けた
そして俺達の教室へたどり着いた
ハルヒ!!!
ここか!?
ここにいるn・・・か・・・
そこにはハルヒがいた
とても、とても悲しそうな顔をしていた・・・
窓際一番後ろの席で、1人外を見ていた
何を考えているのだろうか・・・
何を見ているのだろうか・・・
とても切ない少女の姿がそこにはあった
ハルヒ「あ、キョン・・・ごめんね?驚かした?」
い、いや・・・いいんだ、ハルヒ
それより・・・部室に戻ろう?
ハルヒ「ええ・・・そうね」
そして部室に来ていた
どうやら俺は夕方まで寝てしまっていたらしく
窓からは綺麗な・・・見たこともないほどの夕焼けが射しこんでいた
131 = 5 :
=部室=
ハルヒ・・・
ハルヒ「どうしたの?キョン」
俺達は昨日のように、机を背にし、手を取り合っていた
俺を・・・SOS団に誘ってくれてありがとな
ハルヒ「え?」
俺、雑用係だったけど、お前にコキ使われて楽しかったよ
ハルヒ「あんた・・・Mだったのね・・・」
正直に言おう、Mだ
ハルヒ「うぐ・・・ま、まぁいいわ!」
お前・・・入学したてのころに自分でした自己紹介覚えてるか?
ハルヒ「覚えてるわよ、当ったり前じゃない!!」
「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。
この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、
あたしのところに来なさい。以上。」
ハルヒ「あ、あんたも・・・よく覚えてるわね・・・若干引くわ・・・」
134 = 5 :
忘れるわけがないだろう
運命の相手との出会いの瞬間だ
忘れたことなんてない
お前は・・・変な女だ
どうやら俺のまわりには変な奴が集まる習性があるらしくてな
ハルヒ「なによそれ・・・」
俺のまわりにはな、ハルヒ
お前が呼んできてくれた、かけがえのない仲間がいる
皆いいやつばかりでな
ハルヒ「みくるちゃん達のこと?」
ああ、そうだ
俺の大好きな、仲間だ
あの日、お前がSOS団に誘ってくれたあの日、長門と出会った
そしてすぐにお前は朝比奈さんを連れてきた
古泉だってそうだ
謎の転校生、古泉
最初はなんだよこれって思ってたよ
またやっかいなことに巻き込まれたなって、な
ハルヒ「・・・」
135 = 5 :
遅刻した訳でもなく奢らされたり、変な映画撮らされたり、色々大変だったよ
・・・でもな、ハルヒ
俺はそんなバカげたことを毎日毎日繰り返していくうちに気づいたんだ
ハルヒ「・・・何を?」
この毎日がなけりゃ、俺はとうに死んでるってな
死ぬってのは命が途絶えるって意味ではなくて、何の面白味もない平凡な高校生活を送ることだ
俺は日々の大切さに気付いた
それに気づかせてくれたのがお前だ、ハルヒ
本当に感謝してるんだ
古泉達だってそうだ
あの長門でさえ感謝していた
ハルヒ「本当に?」
ああ、本当さ
皆お前に感謝してるんだ
お前のおかげで笑えるんだ
そして、毎日が楽しいんだ
俺達は、お前を楽しませるために集まったんだが
逆にお前に楽しませてもらってた
ありがとな、ハルヒ
136 = 111 :
がんばれ
137 = 47 :
しえんた
138 = 43 :
支鍰
139 = 5 :
そして皆そんなお前のことが大好きだった
皆にとってお前は絶対に居なくちゃならない存在なんだ
お前が欠けることは、皆の生きる意味が欠けることになるんだよ
ハルヒ「ちょ・・・ちょっと、おおげさじゃない?」
いーや、決して大げさなんかじゃない
ハルヒ・・・
ハルヒ「何?」
この世界を脱出したら、俺はもうお前に会えないって言ったよな?
ハルヒ「えぇ・・・でm」
それ、嘘なんだ
ハルヒ「・・・え?」
140 = 35 :
キョン…
141 = 113 :
展開が予想できん・・・っwktk
142 = 5 :
嘘なんだよ
俺お前に会える
そう信じてる
ハルヒ「信じてるって・・・」
今ままでありがとな、ハルヒ
ハルヒ「え?ちょ、何言ってんの!?」
俺な・・・ハルヒ・・・お前のことが・・・
そうして俺はハルヒを強く抱きしめてキスをした
途端に周りの空間がねじ曲がり
俺は気づくと自分の部屋のベッドに寝転んでいた
「ハルヒ・・・今までありがとう・・・好きだ・・・大好き・・・だ・・・」
俺はそういうと、流れる涙もおかまいなしに、眠りについた
俺の記憶が皆から消えるまで、後1日
そして涼宮ハルヒの前から、・・・俺の姿が消えた
144 = 5 :
=最後の日=
その日の朝の目覚めは最高だった
起きるとすぐに行動を開始した俺は簡単に準備をすませ
長門の家へと向かっていた
長門「いいの?」
あぁ・・・
長門「悔いはない?」
あぁ・・・
皆にお礼、言えたしな
長門・・・お前も・・・・・色々ありがとう゛な゛・・・・
長門「・・・」
長門有希は涙を流していた
それが最初なんなのかわからなかった彼女にも、彼の瞳から流れるそれを見て
すぐに理解することができた
145 = 5 :
長門「これが・・・涙」
長門「これが悲しい・・・涙」
長門「あなたのは・・・嬉しい涙?」
キョン「・・・ああ」
キョン「嬉しい涙だ・・・」
キョン「ハルヒ、古泉、朝比奈さん、長門」
キョン「お前らがくれた・・・嬉しい涙だ」
キョン「ありがとう・・・長門」
長門「・・・いい」
そうして彼は彼女の目の前から姿を消した
それと同時に長門有希は深く謝罪した
長門「ごめん・・・私の記憶の中には・・・あなたが残ったまま・・・」
長門「これが・・・あなたが感じていた・・・嬉しい涙・・・」
長門有希の彼へ対する思いは、このまま残り続ける
そして、彼の存在も長門有希の中で、永遠に残り続けるのであった
~完~
147 = 118 :
乙ブワッ…
148 = 88 :
いい話だった。乙!
みんなの評価 : ★★★×7
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