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元スレ上条「まきますか?まきませんか?」
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真紅、と名乗った彼女が語った内容は、上条にして意外ではあったが、驚きにまで値するものではなかった。
ローゼンという人物に作られた人形であること。ローゼンは、上条が言うところの魔術師のような人物であるということ。
自分はローザミスティカと言うモノで動いており、それが人間で言うところの魂であるということ。
ローザミスティカは元々ひとつのものを分割したもので、自分以外に六人(六体?)の姉妹がいるということ。
そのローザミスティカを集めてアリスになることが目的であり使命であり、姉妹同士で戦っている、ということ。
真紅の要請によって淹れた紅茶が、上条のカップで冷めたしまったころに、何度か脱線を繰り返した彼女の話は終わった。
真紅「と、いうわけよ。わかってもらえたかしら」
カチャリ、と音をたてて、真紅はカップをソーサーの上に置いた。
カップは真紅の手でも扱える、小さなものだ。以前、インデックスと買い物に出かけた際に、彼女が面白がって購入したものである。
上条「いや、わかったけど・・・」
もう湯気を立てなくなった自分の紅茶に目を向けながら、上条は頬を掻いた。先ほど真紅にひっぱたかれた場所だが、もう痛みはない。
ローゼンという人物に作られた人形であること。ローゼンは、上条が言うところの魔術師のような人物であるということ。
自分はローザミスティカと言うモノで動いており、それが人間で言うところの魂であるということ。
ローザミスティカは元々ひとつのものを分割したもので、自分以外に六人(六体?)の姉妹がいるということ。
そのローザミスティカを集めてアリスになることが目的であり使命であり、姉妹同士で戦っている、ということ。
真紅の要請によって淹れた紅茶が、上条のカップで冷めたしまったころに、何度か脱線を繰り返した彼女の話は終わった。
真紅「と、いうわけよ。わかってもらえたかしら」
カチャリ、と音をたてて、真紅はカップをソーサーの上に置いた。
カップは真紅の手でも扱える、小さなものだ。以前、インデックスと買い物に出かけた際に、彼女が面白がって購入したものである。
上条「いや、わかったけど・・・」
もう湯気を立てなくなった自分の紅茶に目を向けながら、上条は頬を掻いた。先ほど真紅にひっぱたかれた場所だが、もう痛みはない。
真紅「?」
言いよどむ彼の様子に、真紅が視線を向ける。
上条「なんつーか、結構にヘビーなお話で、上条さんとしてもなんとコメントしていいのかわからないのですよ、はい」
色々と覚えることがあったようだが、とりあえず上条の心に堪えたのは『姉妹で戦っている』という点だった。
ローザミスティカは真紅を含む姉妹たちの命である。集めるということは、結局、奪いあうということだ。
それは殺し合いに等しい。
なるべくなら争いごとをしたくない、話し合いですむならそれに越したことはない。
そんな思考が基本である上条にしてみれば、いくらそれが真紅たちの使命とはいえ、あまりにもあまりにもだと思う。
だが、そんな彼の思考を読んだかのように、真紅はふわりと、微笑みを浮かべた。
真紅「大丈夫よ、当麻」
上条「え?」
真紅「貴方の考えていることよ。きっと、姉妹で殺し合いをするなんて、とか、考えているのでしょう?」
上条「な、なんでわかったんだ?」
真紅「顔に書いてあったのだわ。話し合いや他の方法はないのだろうか、って」
上条「う」
完璧ピタリと言い当てられ、上条は若干狼狽した声を上げた。
それを見て、真紅がくすくすと笑う。そして、続けた。
真紅「安心しなさい。私は、戦って奪おうとか、そういうことはもう思っていないわ」
上条「そうなのか?」
真紅「ええ。私は私のやり方でアリスを目指しているの」
真紅「私たち姉妹の争い・・・アリスゲームと言うのだけれど、その結果で得られるのは、あくまでもローザミスティカよ」
上条「・・・・・・」
真紅「でもよく考えて当麻。もし私が他の姉妹を倒し、ローザミスティカをひとつに纏めたとして・・・それで本当にアリスになれるのかしら?」
上条「え? でもだって、真紅を作ったそのローゼンってのが、そう言ったんだろ? じゃあそうなんじゃないのか?」
真紅「そうかしら? 私が初めて目を覚ましたときには、もうお父様は傍におられなかったわ。直接聞いたわけじゃないの」
真紅「それに何より、もしローザミスティカをすべて集めてアリスになれるなら」
真紅はちらり、と上条を見る。
上条は真剣な瞳をこちらに向けてきていた。争いごとをしない、という真紅の言葉に、それだけの真剣さを持ってくれているのだろう。
真紅「・・・お父様は、私たちを創らずにアリスを作れば良かったのだもの」
上条「あ、なるほど」
得心したように、上条はうなずいた。
実際、そうだ。完璧なローザミスティカが手元にあるのに、わざわざそれを砕く必要はない。完全にすればアリスになれるのであれば、初めから完全なものでアリスという存在を作ればいいのだから。
真紅「そう。だから私はアリスゲームに依らない方法でアリスを目指す。それが正しいのかはわからないけれど、ね」
上条「・・・・・・」
真紅「・・・当麻? どうしたの?」
軽く目を見開き、驚いてますよー、という感じの表情を浮かべる上条に、真紅が眉をひそめた。
だが彼はそんな真紅の視線にかまうことなく、はー、と安堵のこもったため息をついた。
真紅「当麻?」
上条「あ、すまん。ちょっと力が抜けちまった」
真紅「・・・・・・」
そしていまだ眉をひそめたままの真紅を見て、パタパタと左手を振る。
上条「いや馬鹿にしたとかそういうんじゃなくて、よかったな、と思ったんだよ」
真紅「よかった?」
上条「ああ。だって真紅はわざわざ戦うつもりはないんだろう?」
真紅「ええ」
上条「俺もはっきりいって、誰かが誰かと揉めてるのなんか見たくないし、それが多少なりとも知ってるやつならなおさらだ」
真紅「・・・・・・」
上条「もし真紅がアリスゲーム? にノリノリで他の姉妹を探してデストローイってことを平気で言うやつだったら・・・インデックスには悪いけど、真紅とは笑って話をするのが難しそうだったからな」
そう言って、ああよかった、などと呟きながらカップに手を伸ばし、冷めた紅茶を飲む上条。
その様子にはまるっきりこちらの言葉を疑う風はなく、完璧に安心を楽しんでいるように見えた。
上条「あ、すまん。ちょっと力が抜けちまった」
真紅「・・・・・・」
そしていまだ眉をひそめたままの真紅を見て、パタパタと左手を振る。
上条「いや馬鹿にしたとかそういうんじゃなくて、よかったな、と思ったんだよ」
真紅「よかった?」
上条「ああ。だって真紅はわざわざ戦うつもりはないんだろう?」
真紅「ええ」
上条「俺もはっきりいって、誰かが誰かと揉めてるのなんか見たくないし、それが多少なりとも知ってるやつならなおさらだ」
真紅「・・・・・・」
上条「もし真紅がアリスゲーム? にノリノリで他の姉妹を探してデストローイってことを平気で言うやつだったら・・・インデックスには悪いけど、真紅とは笑って話をするのが難しそうだったからな」
そう言って、ああよかった、などと呟きながらカップに手を伸ばし、冷めた紅茶を飲む上条。
その様子にはまるっきりこちらの言葉を疑う風はなく、完璧に安心を楽しんでいるように見えた。
真紅「・・・ねえ、当麻」
上条「ん? なんだよ」
真紅「貴方、周囲の人からお人よし、とか、にぶちん、とか、単純、とか、馬鹿、って言われること、多いと思うのだけれど・・・どう?」
上条「ぐっ! な、なんでほとんど初対面の真紅がこの上条さんの被対人評価を的確に把握しているのでしょうか・・・!」
真紅「ふふっ、それはわからないほうがおかしいのだわ」
上条「だ、だからなんでだよっ?」
真紅「それは自分で考えなさいな。もっとも、私にこの言葉を言わせている時点で望み薄だと思うのだけれど」
上条「・・・・・・」
やけっぱち気味に紅茶を飲み干す彼を見ながら、真紅も自分のカップに手を伸ばした。
口元に持ってきた紅茶はもう冷めている。だがこれは、上条が他でもない自分に入れてくれたものだ。すべて飲んでから、温かいものを所望するのが礼儀というもの。
真紅(・・・私が紅茶で妥協を許すなんて、ジュンに会う前なら考えられないことなのだわ)
くすり、と笑う真紅。
その目の前で、上条が綺麗に空いたカップを下ろした。
上条「ところで」
真紅「? なに?」
上条「真紅はなんで今頃、こっちに寄越されたんだ? やっぱりインデックスがそっち側に頼んだからか?」
真紅「え?」
上条「ん?」
お互いに、変な顔。
やや沈黙があってから、真紅が首を傾げる。
真紅「ごめんなさい当麻。私には貴方が言っている意味がよくわからないのだわ」
上条「いやいやいや、だって真紅、いきなりここに着たじゃん。昨日、つーか今朝まで、こんなでかい鞄はうちになかったし」
真紅「それはそうだけれど・・・でも、インデックスというのは何かしら? 何かの目録?」
上条「は?」
真紅「え?」
上条「ちょ、ちょーっと待ってください。この上条さん、ちょっと混乱してきましたよ」
真紅「え、ええ」
真紅(・・・なんで敬語になるのかしら)
上条「えーと、真紅さん。貴女はインデックスさんの持ち物であり、そのインデックスさんが向こう側に送ってくれ、とか言って、こっちに寄越されたんではないのでせうか?」
真紅「違うわ。私を呼んだのは当麻、貴方の方だもの」
上条「俺ぇ!?」
真紅「そう。貴方はホーリエの問いに応えたでしょう。だから私がここに来たのよ」
上条「ほーりえ?」
真紅「ええ。巻くか巻かないか。貴方がそこで巻くことを選択したから、私はここにいるのだわ」
上条「・・・・・・」
上条の脳裏に、さきほどまでの自分の行動がリピートする。
朝起きて、顔を洗って、そんなことをしていたらインデックスが「ご飯食べに行って来る!」と泊まりにいくとは思えない言葉でスフィンクスを連れて出て行って、これ幸いと家事を片付けようと布団を干そうとして―――
上条「あ」
思い出した。あのときだ。
確かに自分は、あのうさんくさい手紙に書いてあったとおり『巻きます』に丸をして紙飛行機をした記憶がある。
真紅「心当たりがあるようね」
その表情を見て取って、真紅が言う。
上条「え、じゃあ真紅さん。もしかして真紅さんは・・・インデックスさんの関係者じゃない・・・?」
真紅「それはこちらが聞きたいことなのだわ。インデックス、というのは、貴方の口ぶりから察するに人名のようだけれど・・・」
問いかけの視線を向けてくる真紅を無視して、上条は頭を抱えた。
上条(またかーっ! またこんな感じで何かに巻き込まれたのか俺っ! いやでも巻きますに○したの俺だし、紙飛行機したのも俺・・・うあああ、お、俺が原因じゃんっ!)
上条(いやまてまて早まるな上条当麻! ここはしっかりと事実関係の確認をとらねば! またいつものように怒涛の面倒ごとコースにいくのはごめんですよっ!)
真紅「当麻? 大丈夫?」
心配そうな表情の真紅。
だが上条はその声色をとりあえず置いておいて、顔をぐっ、と振り上げた。
上条「真紅、ちょっと確認したいんだけど・・・」
と、上条が口を開く。
同時。
真紅「―――っ!」
真紅がいきなり、己の背後の窓に振り返った。
上条「!?」
突然の動きに上条が言葉を飲み込んだ。
真紅「危ないっ! 下がりなさい!」
真紅がソファーを蹴って上条に跳びついた。
上条「っ!?」
反射と、そしていままで幾多の修羅場をくぐってきた上条の経験が、彼の体を突き動かす。
上条の左腕が真紅の体に回り、その身を強く抱えた。同時に足で床を蹴り、背後に跳躍。
そしてその右手―――それが異能であるならば、あらゆるものを打ち消す力を宿した右手を握りこみ、己の目の前にかざす。
上条がさきほどまで座った位置から距離にして5歩分後ろに下がった、ちょうどそのとき。
破砕音!
上条家のベランダ。そこに面した窓が外からの衝撃に一気に砕け散った。
今回の書き溜めは以上、というところです。
しかし予想通りお話が進みません。
このままこの遅い投下で、しかもここで続けてもいいのか迷っています。
また、ちょっと上条さんや真紅さんのキャラが違っているような・・・。
とりあえず、今日はここまでとさせてください。
お目汚し、失礼しました。
しかし予想通りお話が進みません。
このままこの遅い投下で、しかもここで続けてもいいのか迷っています。
また、ちょっと上条さんや真紅さんのキャラが違っているような・・・。
とりあえず、今日はここまでとさせてください。
お目汚し、失礼しました。
違和感はそれほど
前回のアリスゲームで変わったとか言ってるし脳内補完余裕
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