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元スレ佐天「上条さん、か……クリスマスはどうするんだろ?」
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佐天「……」
佐天「……あげちゃった」
マフラー、あげちゃったな…
なんで、あげちゃったんだろ…
あんなに大事な物なのに……
でも、不思議と良かった気がする
なんでだろう…
……ああ、そうか
私が上条さんにマフラーを貰った時と、似てたんだ
上条さんも、私にあのマフラーを渡した時は…
こんな気持ちだったのかな…
…上条さんが私にくれたマフラー
一ヶ月前の事件で、少し先っちょが焦げてしまったマフラー
確かな温もりが、首元にあって
ずっとそれを感じることができた
…でも
もう、形だけの証だけじゃない
一ヶ月前、確かに感じた見えない絆
私と彼を繋ぐ、目に見えない大切な絆
それを、私は持っている
…だから…
…今は、これでいいんだ
佐天「……ふぅ」
…よしっ
…上条さんに、連絡しよう
クリスマスを、一緒に過ごすために
ピッ
私は携帯の番号を押す
プルルル
一回目のコール
プルルル
二回目のコール
ガチャ
…繋がった先に待つ声が聞きたくて
佐天「…もしもし」
私は、話しかける
『…こちら、留守番電話サービスです。ピーッという発信音の後に…』
佐天「…」
佐天「…………」
佐天「……………………」
留守電かいっ!!!!
―夕暮れ―
―○×地区・ペットショップ前
初春「さぁ、ご飯ですよ~」
ニャーン
初春「たーんと食べてくださいね」
ニャーン ガツガツ
初春「ふふっ、良い食べっぷりだなぁ~」
ガツガツ
初春「そんなに慌てて食べなくても…」
ガツガツ
初春「…」
ガツガツ
初春「………」
ガツガツ
初春「………………」ジーッ
ガツガツ
初春「…猫の餌って」
ガツガツ…ピクッ
初春「…どんな味がするんでしょう」
…モグモグ…ジーッ
初春「…ひ、一口だけ…」
シャーッ!!
初春「ひゃあ!!す、すみません!嘘です!冗談ですぅ!」
フンッ…モグモグ
初春「…はぁ…」
初春「…お腹空いたなぁ…」
…ペットショップに来れたのは良いし
仕事をサボる良い口実になりましたけど…
なんというか、特に何もないところですね…
…それに…
初春「…白井さんに任された調査の資料を見る限り…」
どう考えても問題はすぐそこにあるような…
だって、「この付近を通る人が、夜中に猫の鳴き声がたくさん聞こえて気味が悪い」
…って
そんなのペットショップがあるからに決まってるじゃないですか
はぁーあ…まったく
調査する必要は無いのは良いですけど
ファミレス一つも無いなんて…
初春「…暇ですね…」
ニャー!ニャー!
初春「ん?猫さん、食べ終わったんですか…?」
ニャー!…タタタタッ
初春「うぇっ!?ちょ、ちょっと、どこ行くんですかー!」
タタタタッ
………
初春「…はぁ…はぁ…」
初春「お、おーい!猫さーん!どこですかー!」
ニャーン
初春「…あっ、いた!」
初春「もう、こんな暗いところに入って…」
ニャーン
「………」
初春「……?」
ニャーン
初春「…だ、誰…?」
「………」
初春「…あれ…あなたは…」
「………」
初春「……御坂…さん?」
御坂「…?初春さん…?」
初春「…ど、どうしたんですか?こんなところで…」
御坂「私は……」
…………
…
―夜―
・佐天自宅付近・
佐天「…はぁ」
結局、電話繋がんないし…
一応、留守電にメッセージも入れといたけど…
たぶんあれ、今手元に携帯を持ってないって感じだよね…
…あーあぁ…
佐天「……ホント、ついてないなぁ」
…
―夜―
・佐天自宅付近・
佐天「…はぁ」
結局、電話繋がんないし…
一応、留守電にメッセージも入れといたけど…
たぶんあれ、今手元に携帯を持ってないって感じだよね…
…あーあぁ…
佐天「……ホント、ついてないなぁ」
…ついてない
『…不幸だ…』
…彼がよく言う口癖
いつでも何かしら運の悪いことに遭遇してしまうらしい
そんなことを、私に話していたことがある
『―…朝飯食おうと思ったら冷蔵庫の電源抜けて中身腐ってるし…―』
『―…横断歩道で重たい荷物持ったばあちゃん助けようとしたら…―』
『―…空き缶に躓いて、自分がトラックにひかれそうになるし…―』
『―…そんなこんなしてたら授業に遅刻するし…―』
『―…補習は増えるしで、今日も散々だったぜ…―』
彼はうんざりした様子で話すけど
それを聞いてる私は、私が知らない上条さんのことが聞けて
なんだか、とても嬉しかった
『―…はぁ……もう…本当に……―』
そして最後に彼は
いつものようにあの口癖を
『…不幸』
「…不幸だ」
…あれ?
私、今声に出したっけ…?
「いやぁ、わりぃわりぃ」
「家に携帯忘れちまっててな、連絡できなかったわ」
振り向いたらそこに、上条さんがいた
…って、えぇ!?
佐天「か、上条さん??」
上条「おう。あなたの心のパートナー、上条当麻とは俺のことですよ」
佐天「なっ、なんで、ここに…?」
上条「いや、だからさ」
上条「携帯忘れちまってて、外に居る間は連絡出来なかったんだよ」
上条「んで、帰って携帯見てみたらメッセージ入ってて」
上条「なんか夕方あたりから鬼のように佐天さんから着信入ってるし」
上条「うわぁ、やべーって思って、連絡するより先にここに来たってわけ」
佐天「…あっ、そ、そうだったんですか…」
…てか、私
無意識に何回も電話かけてたんだ…
やば、恥ずかしい…
上条「…まぁ、そういうわけで」
上条「…わるかった」
深々と頭を下げる上条さん
佐天「…あ、いえ、そんな…」
わざわざこんなところまで来てもらっておいて
なんだか悪い気がした
…でも
少しだけ、意地悪したくなった
だって、こんな上条さん見るの、初めてだったから
佐天「…ま、まぁ、許してあげないことも…な、ないですけど…」
…うわ、ドキドキしてちゃんと言えてない…
上条「はははっ、それは参ったなこりゃ」
佐天「も、もぅ…ちゃんと、反省してるんですか…?」
上条「へいへい、してますしておりますって」
佐天「…な、何か誠意が感じられないなぁ~」
何言っちゃってるんだ私ー!
上条「誠意ねぇ…。それじゃあさ、佐天さん」
佐天「…?」
上条「クリスマスに、お詫びさせてくれよ」
佐天「…!!!」ドキィ
上条「まぁ、ホントは最初からそれが言いたくて来たんだけどな」
佐天「…ほ、ホント…ですか…?」
上条「ああ、ホントだぜ。嘘だったらわざわざこんな時間に来ないだろ?」
佐天「そ、そうですね…えへへ…」
上条「…そんじゃま、クリスマスは予定空けといてくれよな」
佐天「あ、ははははい!!ぜ、絶対空けときますっ!」
上条「ははっ。んな気合い入れて返事しなくても」
佐天「…あっ、は、はい…」カァァァ
上条「もっと気楽に行こうぜ。なんせまぁ……付き合ってるんだし?」
佐天「!!…は、はい!…ふふっ」
上条「…まぁ改めて口に出すと恥ずかしいけどな。ははっ」
佐天「…えへへ。そうですね…」
上条「…っと、それじゃあ俺はこの辺で帰るわ」
佐天「あ、はい。あの、お気を付けて…」
上条「ああ、ありがとな……って、あれ?」
佐天「…?」
上条「…佐天さん、マフラーはどうしたんだ?」
佐天「…えっ…あっ!…え、えーっと、実は…」
上条「もしかして捨てちまったか?確かにちょいと汚れちまってたしな。あーあーでもショックだなぁー」
佐天「あっ、あっ、ち、違います!違うんです!そ、その、これにはちゃんとした…その…何ていうか…あああ…」
上条「…ふっ、ははははっ。いやいや、冗談だって」
佐天「え?」
上条「わーってるよ。佐天さんがあのマフラー、大事にしてくれてたことぐらい」
佐天「…!」
上条「何か事情があんだろ?なら、別にいいさ」
佐天「…あ…それは…」
上条「…俺だって」
上条「俺だって、あの時、あのタイミングで渡そうと思ったわけじゃないんだ」
佐天「…え…?」
上条「ただ、『その時』が来ただけ」
上条「ちゃんとした理由は確かにあったけど、渡した時は…ああ、ここで渡しちまって良かったのかなーなんて思ったりな」
佐天「…上条さん…」
上条「…でも、全く後悔は無かったな。なんでか知らねーけど、あそこで渡して良かった気がしたんだ」
佐天「…(私も…同じだ…)」
上条「…まぁ、そういうこった。だから、あんま深く考えなくていいぜ」
佐天「…はい」
上条「ん。…それじゃ、俺は帰るな」
佐天「あ、はい!それじゃあ、また…」
上条「ああ、また…クリスマス、よろしくな」
佐天「は、はい!楽しみにしてます!」
上条「ははっ、それじゃ」
……
ああ、行っちゃった…
連絡してくれたら…私の方から行くのに…
佐天「…」
…あの時
…私はミサカちゃんにマフラーを渡した
…ただ、彼女が寒そうだったからマフラーを首に巻いてあげた
…理由といえば、ただそれだけ
…でも、『その時』だったという感覚
…その感覚は私も感じた
後悔はしなかった
恐らく、その時一番私が大事にしていたものを、あんなに簡単に手放してしまったというのに…
後悔は、なかった
名残惜しい気持ちはあった
でも、不思議と、良かった気がする
…上条さんも同じだったんだ
上条さんが私にマフラーをくれた時と、私がミサカちゃんにマフラーを渡した時
それは、同じだった
嬉しい。なんだかとても、嬉しい
たったそれだけのことだけど、私にとってはそれで十分だ
…じゃあ
あのマフラーを渡したときの御坂さんは、どういう気持ちだったんだろう…?
そもそも、なんでマフラーなんか…
……。
………まぁ、そんなこと考えなくてもいいか。もう、過ぎたことだし……
佐天「それより…」
クリスマスのこと、初春に連絡しよっ!!
………
・○×地区・
~路地~
ニャー
ニャーン
初春「へぇ~。そうだったんですか。猫の世話を…」
御坂「うん。この子達、みんな捨てられちゃった猫みたいでさ。可哀想だったから、私がここで世話してたのよ」
初春「ふえ~、御坂さんえらいですね!」
御坂「そんな…別に大したことじゃないわよ」
初春「いえいえ、凄いと思います!猫さん達もきっと喜んでますよ!」
御坂「そうかな?まぁ、それならいいけど」
初春「…ふふっ。でも、意外ですね」
御坂「…?」
・○×地区・
~路地~
ニャー
ニャーン
初春「へぇ~。そうだったんですか。猫の世話を…」
御坂「うん。この子達、みんな捨てられちゃった猫みたいでさ。可哀想だったから、私がここで世話してたのよ」
初春「ふえ~、御坂さんえらいですね!」
御坂「そんな…別に大したことじゃないわよ」
初春「いえいえ、凄いと思います!猫さん達もきっと喜んでますよ!」
御坂「そうかな?まぁ、それならいいけど」
初春「…ふふっ。でも、意外ですね」
御坂「…?」
初春「御坂さんが捨て猫の世話をするなんて」
御坂「…そう?」
初春「だって、あんまりそんなイメージありませんでしたから」
御坂「…そう、かな。私、結構動物好きなんだけど」
初春「それは知ってますよ?でも、あんまり、普段も自分から言いませんもんね、御坂さん」
御坂「…ふふっ。そうね」
初春「いやぁ、でも、わかりますよー。可愛いですもんね、猫さん」
ニャーン
御坂「そうね。…こんなに可愛いのにね…」
ニャーン
御坂「…捨てられちゃうんだもんね」
初春「……そう、ですね。可哀想…ですよね」
ニャー
御坂「勝手だよね。自分達の都合で、捨てちゃうなんてさ…」
初春「…はい」
ニャー
御坂「…ねぇ、初春さん」
初春「…はい?」
御坂「…このことさ、誰にも言わないでくれる?」
初春「…え?」
御坂「…いや、やっぱりさ、恥ずかしいんだよね。私が猫の世話…それもこんなにたくさんの猫を世話してるなんてさ、みんなに知られたら…恥ずかしいし」
初春「あ…そうですか。ふふっ、わかりました」
御坂「ありがとう、初春さん」
初春「はい…あ、だからこんな人目の付かないところで世話してるんですか?」
御坂「…ええ、そうなの。それに、ここならペットショップも近くにあるしね」
初春「そうですね!餌とかには困らないですもんね!」
御坂「ええ。…でも、あのペットショップって不思議よね」
初春「え?どうしてですか?」
御坂「たくさん動物を売ってるのに…」
御坂「…猫は一匹もいないんだもんね」
初春「…え?」
御坂「犬もたくさん居るし、他の動物もたくさんいるんだけど、なんでか猫は売ってないのよ、あの店。…どうしてかしらね?」
初春「…そう、だったんですか…(え、じゃあ…)」
御坂「まぁ、餌は売ってるし、問題ないんだけどね」
初春「あはは…そうですね…(…それじゃあ)」
それじゃ…夜中に猫の声が聞こえるのって…
ペットショップのせいじゃなかったんだ…
…本当は……御坂さんが……
御坂「………ねぇ、初春さん」
初春「あっ…はい?なんですか?」
御坂「……この路地の奥にさ―――」
プルルルッ プルルルッ
初春「うわっ、電話…?」
御坂「……」
初春「…はい、もしもし?…あ、佐天さんですか?…」
御坂「……」
初春「…ええ……おおぅ!それは良かったですね!やるじゃないですか佐天さん!」
御坂「……」
初春「…ふふっ、わかりました……それじゃあ、また明日!」
ピッ
初春「あ、すみません。えっと、何でしたっけ?」
御坂「…ううん、何でもないわ」
初春「そうですか。…あ、じゃあ、私はこの辺で帰りますね!」
御坂「…ええ。またね、初春さん」
初春「はい!それじゃあ、また!」
御坂「…あ、初春さん」
初春「…はい?」
御坂「…もし良かったらさ」
御坂「…明日もこの子達に会いに来てくれないかな?」
初春「え?」
御坂「この子達も、初春さんにはなついてるみたいだし……どうかな?」
初春「…ふふっ。ええ、わかりました!」
御坂「…そう、良かった」
初春「私も猫さん達に会いに来たいですし、それに御坂さん一人じゃ、世話するのも大変ですよね!」
御坂「…ええ、そうね。ありがとう」
初春「いえいえ。それじゃ、また明日!」
御坂「ええ……また、明日」
タタタタッ…
………
…
・佐天宅・
…ピッ
パタン
佐天「…ふぅ」
クリスマスの予定も決まったことだし…
万事…おっけー!
あとはクリスマスを待つだけだな…
うわぁ、なんか、決まったら決まったらで待ち遠しくなってきた……
…上条さんとクリスマスかぁ…
前までなら、考えられなかったな…
…や、やばい。すっごいドキドキしてきた
…
・佐天宅・
…ピッ
パタン
佐天「…ふぅ」
クリスマスの予定も決まったことだし…
万事…おっけー!
あとはクリスマスを待つだけだな…
うわぁ、なんか、決まったら決まったらで待ち遠しくなってきた……
…上条さんとクリスマスかぁ…
前までなら、考えられなかったな…
…や、やばい。すっごいドキドキしてきた
思えば、そういうイベントらしいイベントに一緒に行ったことなかったんだった…
…ぉおお!ど、どうしたらいいんだろっ!
私、一人、パニック!!
……。
いや、でも、普段通りでいいのかな
あんまり考えすぎても、ダメな気がする
…まぁ、そういうことはまた明日、初春に相談してみよう
佐天「…それにしても」
…上条さんは気にしてないって言ってたけど…
…マフラーが無いと、なんか私が落ち着かないなぁ…
…首元が、なんか寂しいんだよなぁ…
…でも
あれで良かったんだよね
…きっと、間違ってなかった
佐天「…って、私はすぐにマフラーのことばっか考えてるー!」
軽率だったかなぁ…
いやいやでも…
ああもう、やめよう
今日はもう遅いし、寝よ…
ニャーン
佐天「?」
猫の鳴き声…?
佐天「…ふふっ、猫もクリスマスが待ち遠しのかな?」
…おやすみ、猫さん
あれで良かったんだよね
…きっと、間違ってなかった
佐天「…って、私はすぐにマフラーのことばっか考えてるー!」
軽率だったかなぁ…
いやいやでも…
ああもう、やめよう
今日はもう遅いし、寝よ…
ニャーン
佐天「?」
猫の鳴き声…?
佐天「…ふふっ、猫もクリスマスが待ち遠しのかな?」
…おやすみ、猫さん
………
…
・とあるコンビニ前・
一方「…で?」
打止「…だ、だから…」
一方「だからなンだ?」
打止「この猫……やっぱり飼っちゃダメなの?ってミサカはミサカは言ってるの!」
ニャーン
一方「まだ言ってやがンのかてめェは…」
打止「あなたがいいと言うまで私はお願いするのをやめない。ってミサカはミサカは格好よくいってみたり」キリッ
ニャーン
一方「黙れクソガキ。くだらねェモン連れていく趣味は俺にはねェ」
…
・とあるコンビニ前・
一方「…で?」
打止「…だ、だから…」
一方「だからなンだ?」
打止「この猫……やっぱり飼っちゃダメなの?ってミサカはミサカは言ってるの!」
ニャーン
一方「まだ言ってやがンのかてめェは…」
打止「あなたがいいと言うまで私はお願いするのをやめない。ってミサカはミサカは格好よくいってみたり」キリッ
ニャーン
一方「黙れクソガキ。くだらねェモン連れていく趣味は俺にはねェ」
打止「だからミサカが連れていけば良いんでしょう?」
一方「てめェ一人でも連れててウンザリしてンのに、これ以上余計なモン増やされてたまるかよ」
打止「ぶーっ。心が狭すぎるのは良くないと思うの、ってミサカはミサカは言ってみたり」
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