元スレ魔王「ああ勇者、なぜあなたは勇者なの!?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
251 :
しえん
252 = 201 :
勇者「……行っちゃった」
魔王「今のは、勇者が悪いわ。もう、鈍ちんなんだから」
勇者「いや、悪かったよ」
魔王「私に謝られても困るわ」
勇者「……後で近衛兵にも謝っておくよ」
魔王「よろしい」
勇者「……まあ、どんな事情か知らないけどさ。俺たちと一緒に食べればいいのに」
魔王「私や側近も誘っているのよ。なのに頑なに断るのよ」
勇者「……ふぅん」
253 = 201 :
魔王「もう行っちゃったものはしょうがないし、私たちは戻りましょうか」
勇者「……いや、俺は近衛兵の後を追いかける。謝るにしてもなるべく早い方がいいだろ」
魔王「そう……。私も一緒に行く?」
勇者「いいよ。ガキじゃないんだから、これくらい一人で出来る」
魔王「そっか。じゃあ、頑張ってね」
勇者「あいよ。行ってくる」
254 = 201 :
勇者「……えっと、近衛兵はどこ行ったんだろ」
勇者「…………」
勇者「お、いたいた」
勇者「ん?」
近衛「……」
勇者「……あいつ、何やってるんだ」
近衛「……」
勇者「剣を……洗ってる?」
256 = 201 :
勇者「お、おーい。近衛兵」
近衛「……」
勇者(無視かよ……)
勇者「……剣を洗ってるのか? そうか、剣は兵士の命だもんな。大事にしないとな――って、え?」
勇者「ちょっと、お前! なんでこの剣、こんなに汚れてるんだよ! というか、すげぇ臭い……」
勇者「普通に使ってたらこんなに汚れないだろ。だってこれ、血じゃないだろ?」
近衛「……」
勇者「……だんまりかよ」
257 = 209 :
くそぅ!こんな時に仕事が終わっちまうなんて・・・・紫煙
258 :
近衛萌えスレに変わろうとしてる
259 = 201 :
勇者「……ここに来たのは、さっきちょっと無神経なこと言ったから謝りに来たんだが」
勇者「まあ、それについては済まなかったと思う」
勇者「でもさ、事情をよく知らない俺が口挟むのはお門違いかもしれないけど」
勇者「魔王も側近もお前のこと、心配してるみたいだし」
勇者「なんというか、その――」
近衛「……うるさい」
勇者「え?」
近衛「……さっきからゴチャゴチャうるさいんだよ!」
260 :
ショタン
261 = 201 :
近衛「お前に僕のことなんて、全然関係ないだろ!」
近衛「知ったような口をきくな!」
勇者「あ……でも」
近衛「でもも糞もあるか!」
近衛「……そんなに僕のことが知りたいなら教えてやるよ」
近衛「僕は……」
近衛「――半魔だ」
勇者「半魔……」
近衛「魔物と人間の間に生まれた、半分魔物半分人間の存在」
近衛「この世界で、半魔がどれだけ嫌われてるか、お前だって知らないわけないだろ」
262 :
なんかつまんなくなってきた
263 = 189 :
ならば帰れ
264 = 251 :
続きがすごく楽しみ
265 :
近衛めんどくさすぎワロタ
266 = 201 :
近衛「魔物からも、人間からも忌み嫌われ、疎まれている」
近衛「僕と姉さんがスラム育ちなのは知ってるな?」
近衛「人間と魔物の両種が住むスラムではな、半魔は周り敵しかいないんだよ」
近衛「半魔であるだけで、それは殺される理由になりうる」
近衛「姉さんが守ってくれなければ、僕はとっくに死んでるんだよ」
近衛「自分の身は自分で守りたい、その一心で僕は強くなった」
近衛「剣の腕だけでなく、誰からも見下されないように近衛兵という地位にも就いた」
近衛「実力さえあれば広く受け入れてくれる寛大な先代魔王様と、僕を支えてくれた姉さんのお陰だ」
近衛「とにかく、僕は死ぬ気でここまでやってきたんだ」
近衛「……といっても、現状はこれだ」
勇者「……」
267 = 201 :
近衛「……さっき、お前はこの剣がどうして汚れているかと訊いたな?」
近衛「これがさっきまでどこに捨てられていたと思う?」
勇者「どこって……」
近衛「……肥溜だよ」
近衛「見ろよ。家畜の糞尿まみれだ」
近衛「……誰がやったかは知らない。だけど、恐らくは僕の部下だ」
近衛「この地位に就いた所で、忌み嫌われるのは変わらない」
近衛「正面から向かっていっても僕に勝てないから、こういう回りくどい嫌がらせに変わっただけだ」
268 = 201 :
近衛「……これで分かっただろ」
近衛「僕が魔王様や姉さんに頼ったら、二人にも迷惑がかかる」
近衛「これは僕の問題だから、僕が一人で抱える」
近衛「……ほら、説明したぞ。理解したら早く消えてくれ。目障りだ」
近衛「……お前だって、半魔なんて気持ち悪いだろ」
勇者「お前が――」
近衛「は?」
勇者「お前が半魔であるだけで嫌われているなら、俺なんてここでは親の敵みたいなもんだろ?」
269 = 201 :
近衛「……お前には、そばに魔王様が付いてるから誰も手出しできないよ」
近衛「みんな、お前のこと、心の中ではボコボコにしたがってるよ」
近衛「僕だって、本当に忌々しい……」
近衛「なんだってお前ばっかり、姉さんや魔王様と……」
近衛「魔王様だって魔王様だ。魔物と人間との愛だなんて、まるで僕への当て付けじゃないか……」
勇者「……分かった」
近衛「……は? なにが?」
勇者「俺がなんとかしてやる」
270 = 201 :
近衛「……お前、何言って――」
勇者「確か、兵士の詰め所はこっちだよな」
近衛「ちょっと、お前何する気だ!」
勇者「……」
近衛「おい、ちょっと待てよ!」
勇者「お前は黙ってみてろ」
近衛「は……?」
271 :
近衛が好きになってきた・・・なんでだ
273 :
追いつき支援
274 = 201 :
魔物A「――それでよぉ、その女の腰のくびれったらたまんねえわけよ」
魔物B「俺はくびれた腰よりは、全体的にぽっちゃりした感じの女の方が好きだぜ」
魔物C「貧乳は神が生み出した、女体の極みだお」
勇者「そのとーり!」
魔物A「うっわぁ! なんだお前、いきなり!」
魔物B「こ、こいつ……魔王様が最近ご執心の人間じゃねえか!」
勇者「そうそう。シクヨロ」
魔物C「ま、魔王様を独り占めしてるなんて、ゆ、ゆ、許せないお!」
勇者「いやぁ、悪いね。アイツったら、もう俺にぞっこんなわけよ」
275 = 201 :
魔物C「ぞ、ぞぞぞ、ぞっこん!?」
勇者「そうそう。この前も、魔王が急に胸が苦しいなんて言い出すから、さすってやったわけよ」
勇者「そしたら、あいつ、顔を赤らめて恥ずかしそうに俯くんだよ。それがすごくかわいくてさぁ!」
魔物C「ま、魔王様の、ち、ちち、乳を、ナデナデッ!?」
勇者「そう、ナデナデ」
魔物C「……許せないおッ!!」
勇者「許せなくても、あいつは俺のものだ!」
勇者は襲いかかる魔物Cに正拳突きを繰り出した!
魔物C「あぼーーーーん!!」
277 = 232 :
泣いた赤鬼
278 = 200 :
こういうノリ、嫌いじゃない
……ハッ、近衛が勇者に惚れてしまう!
279 = 201 :
魔物A「てめぇ、やりやがったな!」
勇者「おう、やってやったぞ」
魔物B「……この野郎。魔王様のお気にだってんで、こっちが下手に出てりゃあ調子に乗りやがって」
勇者「ん、やる? 俺、言っておくけど、強いよ?」
魔物A「魔王様に手も足も出ず、ボコボコにされたくせに偉そうな口叩くな!!」
魔物Aは勇者めがけて突進した! しかし勇者らひらりとかわした!
勇者「ぷぎゃーーーーー! ねえ、なに今の? もしかして攻撃? あ、ちょっと待って。ツボ入った。ぷぷぷ……」
魔物A「こ、の、やろー……」
勇者「そういえばお前さっき、腰のくびれがどうとか言ってたな」
勇者「側近なんかはけっこうスレンダーな体型してるよな。ま、あれはあれでいいよな」
魔物A「……て、てめぇ。皆の憧れ、側近様にまで手を出したのかよ……」
勇者「ん? 別にいいだろ。アレも俺の女だ」
281 = 201 :
魔物A「テメェェェェェェ、百万回殺してやるぁぁぁぁ!」
勇者「少し黙れ」
魔物A「ぐあぁぁぁっ!」
魔物B「おーい、皆ぁぁぁ。であえであえ!」
魔物Bは仲間を呼んだ! 大勢の魔物が現れた! 勇者は取り囲まれた!
勇者「ちょ、敵来すぎだろ……」
勇者「……まあいい」
勇者「てめぇら、まとめてかかってこいやぁぁぁぁ!!」
282 = 201 :
勇者「……いってぇ」
近衛「……お前、何がしたかったんだ?」
勇者「なにって……、お前への嫌がらせの矛先を俺に向けさせようと――」
近衛「……馬鹿か、お前」
勇者「馬鹿って何だよ……。一応、俺なりに考えての行動だったんだぞ」
勇者「これで魔王と今までより距離を取って、あいつらに嫌がらせの余地さえ与えてしまえば、上手くいくだろ」
近衛「……下手な考え、休むに似たり」
勇者「容赦ねぇ……」
勇者「それでも……まあ今までよりは多少はマシになるんじゃねえか?」
近衛「……その代わり、お前への風当りが強くなるんだぞ」
勇者「俺はそもそもここの人間じゃないから、どうでもいいよ」
283 = 201 :
勇者「……といっても、すっげぇ痛い」
勇者「っくそ。さすがにあの数を相手に喧嘩するのは無謀だったかな……」
勇者「顔があざだらけでパンパンに腫れあがってやがる」
近衛「……とんだ間抜け面だ」
勇者「お前、誰のためだと思ってるんだ!」
近衛「誰も頼んでない」
勇者「……そういうこと言うかぁ」
近衛「……でも、まあ……すまなかったな」
勇者「ははは……、素直でよろしい」
近衛「ただ……」
勇者「ん? ――いって! なにいきなり殴ってんだよ!!」
近衛「魔王様と姉さんを自分のものだと言ったのは、……訂正しろ」
勇者「……ははは。はいはい、訂正するよ、ったく。このシスコン」
近衛「……ふん」
284 = 201 :
魔王「……ああ、勇者。どうしたの、その顔!」
勇者「ああ、ちょっとな――」
魔王「いいえ、語らずとも分かるわ。きっとあれね」
魔王「夕日をバックに河原で拳を交え合い『なかなかやるな』『お前こそ』とお互いを認め友情を深め合う二人」
魔王「……素敵」
勇者「この城のどこに河原なんてある」
側近「……御苦労さまです、勇者さん」
勇者「あ、ああ」
側近「……」
勇者「な、なんだよ……」
285 :
早く続きアッー!
286 = 211 :
魔王様と側近さんにはボコボコにされても雑魚モンスターには上から目線の勇者さんに憧れるっス!!
雑魚には無敵!ボスにはフルボッコ!!
ギャップ萌えってやつですかね
287 = 157 :
魔女
288 = 265 :
お夕飯タイムか
289 = 201 :
側近「……今の勇者さん、とてもかっこいいです」
勇者「え?」
側近「ふふふ」
勇者「な、なんだよ」
近衛「……調子に乗るな。ただのお世辞だ。本当はパンプキンパイのような顔をしている」
側近「こら、近衛!」
近衛「……ふん」
側近「もう、素直じゃないんだから」
勇者「ははは……」
290 = 201 :
魔王「――そう。じゃあ、私はこれからは少し、勇者と距離を置いた方が良いのね」
勇者「うん、まあ、そういうこと」
魔王「……とてもつらいわ」
魔王「身が引き裂かれそうなほど。あまりの逆境に私の心も砕けちゃいそう!」
魔王「でも、これも、近衛兵のためなのよね。仕方ないことなのよね」
魔王「私、耐えるわ。またいつか、勇者と二人寄り添える日を夢見て!」
魔王「ああ、それにしても勇者! 親友のために身を呈して火の粉をかぶるなんて!」
魔王「それでこそ、私の勇者よ!」
勇者「……どうも」
側近「あらあら、親友だなんて」
近衛「……付き合いきれん」
291 = 211 :
魔王様かわいいよ魔王様
292 = 201 :
ここまでで中盤終了
ぶっちゃけ疲れた……
途中で時間が開いたのはさるくらってたから
というわけで休憩させてください
294 :
まおうちゃん
295 :
今なら言える!
ぬるぽ
296 = 258 :
>>295
ガッポイ
299 :
>>292
乙です
面白いよー
300 = 211 :
しょうがねえなあ。ほしゅしてやんよ
みんなの評価 : ★★★
類似してるかもしれないスレッド
- 魔王「私が勇者を育てる」勇者「え!?」 (173) - [63%] - 2012/11/2 4:15 ☆
- 魔王「おら!勇者出て来い!!」勇者「ひぃ!!」 (170) - [59%] - 2011/12/17 19:30 ★
- 魔王「ふふふ……待っていたぞ、勇者……よ?」 (929) - [56%] - 2009/11/2 6:31 ★★
- 王女「あの、従者。せっくすって何ですか?」 (1001) - [52%] - 2009/7/20 21:01 ★★★×4
- 魔王「いかに勇者に倒されないようにするべきか」 (289) - [51%] - 2012/8/28 4:30 ★
- 悟空「でぇやあああああっ!…ありっ?」 (614) - [50%] - 2009/3/14 5:31 ★★★×4
- 煌「すばらぁああああああああああ!!!」 (127) - [49%] - 2013/3/17 15:30 ☆
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について