私的良スレ書庫
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元スレキョン「ここがけいおん部か……」
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榎本「あたし、大事な時に限っていつもそう。運が悪いんだ……。
でも、自分だけならいいけど……みんなが……そのせいで……
やだよ、そんなの……だから、キョンくん、お願い……」
キョン「榎本さん……。……わかりました。俺でよければ」
榎本「ありがとう、キョンくん……。キョンくんなら、きっと大丈夫。
そうだ、キョンくん歌も唄えるかな……?」
キョン「え、唄ですか……」
榎本「あたし以外だと、みんなにはキーが合わない曲だから、
逆に男の子の方がいいかなって思ったけど……厳しいかな」
キョン「歌はあんまり上手じゃあなくて……」
榎本「そうかな?キョンくんならいけそうだけど……
うん、歌を誰が歌うかは、みんなで相談して決めて……」
キョン「……わかりました」
榎本「明日、見にいけないけど、頑張ってね……あたしここで
成功を祈ってるから……」
キョン「はい、榎本さんのためにも……必ず!!」
病院からの帰り道、足取りは重い。
俺が、文化祭で演奏するだって?
ギターを始めて10日程度の俺が……
ええい!榎本さんのためにも、絶対ライブを成功させるんだ!
その日、俺の部屋の明かりが消えることと、
ギターの音が途絶える事は無かった。
―――ガラッ
ハルヒ「そういうことなら私に任せなさいよ!!」
古泉「話は全部聞かせてもらいましたよ、僕たちでよければ喜んで力になりましょう」
朝比奈「わ、私もがんばりますからぁ」
ハルヒ「そうよ、私たちSOS団じゃない!!」
――3年後
気づけば、此処に来て3年がたった
来る日も来る日も汚れたコンクリートの壁を見続け
すごしていた。
裁判での判決は極刑が言い渡された。
そりゃ当然だ、3人も殺したのだから極刑にならないほうがおかしい・・・
ハルヒ「そういうことなら私に任せなさいよ!!」
古泉「話は全部聞かせてもらいましたよ、僕たちでよければ喜んで力になりましょう」
朝比奈「わ、私もがんばりますからぁ」
ハルヒ「そうよ、私たちSOS団じゃない!!」
――3年後
気づけば、此処に来て3年がたった
来る日も来る日も汚れたコンクリートの壁を見続け
すごしていた。
裁判での判決は極刑が言い渡された。
そりゃ当然だ、3人も殺したのだから極刑にならないほうがおかしい・・・
文化祭当日、朝。
校内はお祭りムードに包まれていた。
だが、俺の気分は優れなかった。
寝不足だからじゃない。
やはり、一晩練習した程度でそこまでの上達は望めない。
昨日よりは上手く弾けるようになってはいるが……
でも……くそっ!ウジウジしてどうする!
やるしかないんだ!
部室に入る。
皆、顔色は優れない。
岡島「昨日キョンくんから電話貰って、
色々相談してみたけど、ボーカル、
あたしが歌う事にするね」
キョン「あ、はい。岡島さんならできますよ、きっと!」
岡島「……キーは合わないし、叩きながら歌う事に
慣れてないから、ちょっと厳しいかな……
他のみんなもそうだし……」
中西「歌の練習しておけば、よかったな……
やっぱ……美夕紀じゃないと……」
岡島「…………」
キョン「…………」
財前「もう!くよくよしてたら美夕紀が悲しみますよ!
美夕紀の分まで、私達で頑張るの!絶対!」
中西「舞……うん、そうだね……ごめん」
岡島「さ、練習しよう!」
中西「うん!あ、その前に文化祭のプログラムの確認してくるね」
財前「うん、わかった」
中西「すぐ戻ってくるね」
本番までに、出来るだけ上達する。
俺にはそれしかない……
中西「きゃあっ!」
財前「えっ?」
ドタン、何かが倒れたような音。
まさか中西さん?
岡島「……貴子?」
慌てて外に出る。
文化祭の出し物につまづいた中西さんが、
手首を押さえてうずくまっていた。
岡路「貴子っ!!」
>>212
そういうことだったのか・・・・・・
そういうことだったのか・・・・・・
保険医「……手首を強く捻挫してるわね。今日、演奏するなんてのは不可能よ……。
あなたたちの気持ちはわかるけど、もし無理をしたら二度と……」
岡島「そ、そんな……」
中西「あたし、やれます!ほらっ……だいじょ……ううっ……!」
財前「貴子……」
沈黙。絶望的となったライブ演奏。
どうしようもないって誰もがわかってた。
でも、それを口にするなんて、俺たちにはできなかった……。
なんだってんだよ……今度は中西さんが……!
どうして!どうしてだよ!!どうしてこうなるんだよ!!
文化祭の実行委員会が事情を聞いて、
俺たちにライブの中止を求める。
……泣きながら、押し問答する中西さん。
見ていると辛くて、どうしようもできなくて、
ああ、なんだってこんな……!
リードギターの中西さんが、演奏できなくなった。
俺には、譜面を見たところで弾く事なんてできやしない。
榎本さんに教えて貰ったコードを弾く事すらおぼつかないのに。
中西「ごめんね……ドジで……あたし……うっ……」
中西さんは3年生、もう、チャンスは無い……
あああああ!こんな馬鹿な話があるかよ!!
キョン「…………」
俺は、あの部室の前に立っていた。
お前しか、なんとか出来る奴はいないんだ。
なんでも器用にこなす才能のカタマリみたいなお前。
自分から啖呵切って出ていったのに、お前にお願いごとだなんてな。
お前にそれを頼む事と引き換えに、俺はSOS団に戻るさ。
俺にとって、みんなにとって、何が何でも成功させたいライブだ。
軽音部から去ることになったって……俺は……!
俺は息をのんで、SOS団部室のドアを……
…………
キョン「え……お前……どうしてここに……」
「続きまして、軽音楽部。ENOZの演奏です」
緊張する。体がガチガチになりそうだ。
ええい、なるようになれ!
会場となる講堂には多くの観客。
俺はギターを肩に下げ、ステージへと進む。
マイクの前で立ち止まる。
キョン「え、ええと……」
声が出てこない、うう……気合入れろ!俺!
無意識とはいえ全くはた迷惑な能力だな。
人の努力を嘲笑い復縁とはに
人の努力を嘲笑い復縁とはに
キョン「……どうも、ENOZです」
キョン「バンドメンバーの苗字、榎本、中西、岡島、財全。
その頭文字を取って、ENOZって名づけました」
キョン「事情があって……今日このステージには、
榎本さんと中西さんが、いません……」
キョン「俺は……新入部員で……代理で、ここに
立たせてもらっています」
キョン「ボーカルの、代理をしてくれている、この子は、
俺の友人の……」
キョン「佐々木っていいます!」
佐々木「僭越ながら代理で歌わせていただきます。
若輩者ですが頑張りますので、お聴きください」
キョン「そして、正式なメンバーをご紹介します!
ドラムの、岡……瑞樹!」
キョン「ベースの……舞!」
キョン「こんな形ですが、今、ここに居ない
榎本さんと中西さんのためにも、
俺たちにできること、精一杯やります!」
キョン「ええと、あとは……」
キョン「……God knows! 聴いてください!」
どんな演奏をしたかよく覚えていない。
佐々木が歌って、ギターを弾いて
財前さんがベースを弾いて
岡島さんがドラムを叩いて
榎本さんと中西さんの分まで。
佐々木「凄い拍手の嵐だね。キョン、聴こえるかい」
キョン「ああ……」
ライブは、大成功に終わった。
なによりも、嬉しかった。
榎本「そう、成功してよかった……。有難う、佐々木さん」
佐々木「いえ、私は……榎本さんと中西さんの代わりが出来るほどの事はとても……。
デモテープお聴きしました、凄く良かったです」
岡島「あの短時間であれだけのギターが弾けるんだもん。
ほんと凄いよ、佐々木さん!」
佐々木「そんな、結構ミスしましたよ。お恥ずかしい……」
キョン「佐々木があんなにギターが上手だとはな、驚いたぜ」
佐々木「小さい頃から習わされていたからね。少しでもお役に立てて幸いだよ」
中西「歌も凄く上手いんだよ!ビックリしちゃった」
財前「ですよね、感動しました!」
佐々木「それにしても、どこぞの部室の前で青ざめた顔をしたキョンを見て
驚いたよ。これは尋常じゃないと思ったさ」
キョン「ああ……別の奴に頼もうと思って……でも踏み出せなくて……
お前が文化祭にきててほんとに助かった。感謝するぜ」
佐々木「いやいや、僕も楽しめたからね。と、そろそろ失礼しますね」
榎本「佐々木さん、本当に有難う」
岡島「今度軽音部に遊びにきてね!」
中西「教師に見つからないように!」
財前「お待ちしていますね」
佐々木「ははは、近いうちにお邪魔しますよ」
キョン「あ、病院の玄関まで送ってくぜ、佐々木」
佐々木「ああ、ありがとう」
キョン「ほんと、ありがとよ」
佐々木「そんなに何度も言われると、照れてしまうよ。
それにしても、あんなに気迫のあるキョンを見たのは始めてだよ」
キョン「え、俺そんなだったか?」
佐々木「ああ、とてもね。何か、愛の力のようなものを感じたよ」
キョン「あ、愛?」
佐々木「好きなんだろう?あの、榎本さんのこと」
キョン「え、いやっ、そんなことは!」
佐々木「キョンは隠し事が下手だね。では僕はこれで。
彼女を大切にしてあげるんだよ」
キョン「ち、ちがっ……はぁ……」
>>240
分裂読めば解る
分裂読めば解る
あの文化祭から一ヶ月。
榎本さんと中西さんはすっかり回復して、実に元気そうだ。
そうそう、軽音部に新しい部員が入ったんだ。
文化祭でのライブを見て感動したとかでな。
まあ、いつぞやの4人組なんだが、おかげで随分賑やかになったぜ。
ああそうだ、
SOS団なんだが、解散したらしい。
なんでもハルヒに彼氏が出来たらしく……確か大学生らしいが、まあ詳しくは知らん。
朝比奈さんは未来に帰り、長門は宇宙に帰り、古泉は転校した。
別れの挨拶されたときは、泣きそうになっちまったぜ。
またいつか、あいつらと遊べたらいいんだがな。
でも、きっとまた会えるって言ってくれたから、俺は信じるぜ。
で、俺はと言うとだ。
榎本「キョンくん、一緒に帰ろうよ」
キョン「あ、はい」
榎本「もう、また敬語使う~」
キョン「え、あ、すいま……ごめん榎本さん」
榎本「……美夕紀って読んでくれないの?」
キョン「慣れてなくて……み、美夕紀!」
榎本「なあに?ダーリン」
キョン「ダ、ダーリン!?」
さて、来年の文化祭に向けて頑張らないとな。
おしまい。
乙おつ
なかなか楽しめた。キョンとENOZの組み合わせってのも結構いいな。
なかなか楽しめた。キョンとENOZの組み合わせってのも結構いいな。
数ヶ月後
「またみんなと高校生活を共に出来ると思うと嬉しいです」
谷口の気持ち悪い笑顔もさながらだが、奴のじっとこっちを見るその目に俺は背中から汗が引くのを感じた…
キョン「……朝倉…なんで…」
いつもそうだ
気付いた時にはもう世界は常識の枠から外れてやがる
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