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元スレキョン「ここがけいおん部か……」
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榎本「うん。この曲のリフぐらいならちょっと練習すれば
弾けるんじゃないかな?」
キョン「あ、でも榎本さん文化祭の練習もあるし……
悪いですよ」
榎本「あたしはそんなに難しいパートじゃないし、
ずっと歌ってると喉も痛めちゃうから、いいよいいよ
あたしって喉弱いんだよね……ボーカルなのに」
キョン「え、でもいいんですか?」
岡島「教わっておきなよーキョンくーん」
財前「個人レッスン……素敵」
中西「美夕紀のアプローチを断っちゃダメだよ!」
キョン「え、いや、あっ、えっと」
しどろもどろになってしまう。
純情な少年をからかわないでください。
榎本「もう!そんなんじゃないってば!
新人教育は大事なんだから!」
中西「はいはい。あはは!」
その後榎本さんにギターの弾き方を教えてもらうが、
なんだか妙に意識してしまう。くそう、俺は
ひやかされるのに耐性がないんだ。
榎本「ここは……そう、指はそんな感じ。
それで弾いてみて。……うん、いいよいいよ」
キョン「このコード、指がつりそうになりますね……」
榎本「最初のうちはね。でも慣れたら簡単になるよ。
でもキョンくんって飲み込み早いよね、才能あるかも?」
キョン「え、そうですか?」
どちらかと言えば要領は悪いほうだが俺は。
榎本「あたしがギター始めた頃より全然上手だよ!
あ、ここはこんな感じで……」
キョン「え、榎本さんの教え方が上手いだけですよ!」
うわ、近い。榎本さんの顔が……。
あー髪の毛が良い匂いだ……クンカクンカ……って変態か俺は!
岡島「わ、キョンくん赤いよー!ラブラブだねえ」
榎本「え、え、え、えっ」
キョン「え、え、え、えっ」
中西「あははは!」
財前「うふふ」
恥ずかしい……うう……
でも、なんか、青春してるよな、俺……
普通の高校生っぽくさ……。
帰宅後、TVや漫画には目もくれず、
榎本さんに教わったコード進行を
必死に練習している俺。
キョン「あーくそっ。ここが難しいんだよなあ……」
しかしなんでこんなに熱心なんだ、俺。
深夜まで指の皮が剥けるぐらい練習したりさ。
翌日、学校。
朝比奈さんに呼び出された。
ハルヒの事であろうが、まあ朝比奈さんを無視するのは
良心が痛むので行ってみたわけだが……
みくる「あの……キョンくん。軽音部はどうですか?」
キョン「……どうですかってまあ……それなりです」
みくる「ええと、SOS団に戻る気はないんですか……?」
キョン「ええ、無いです」
みくる「キョンくんが戻ってきてくれないと~……涼宮さんがー……ぐすっ」
キョン「あ、朝比奈さん……」
みくる「あたしが、あたしがいけないんです~うう~……」
キョン「泣かないでくださいよ。……本当に、戻る気はないです、すいません」
みくる「うっ……ぐすっ……涼宮さん、映画撮る気もなくして……
部室は会話も無くて……ふぇ、ふぇえええええん!」
まあ、ハルヒが暗くて俺が居ないSOS団は、そうなるだろうな……。
みくる「ぐすっ戻ってきて……お願い……」
朝比奈さんに泣いてお願いされて断るような馬鹿は
男として最低だ。
……だが、今の俺は最低でもいい。
朝比奈さんも、ハルヒも、考えを変えてくれないと
また同じ事の繰り返しだ!
キョン「すいません、朝比奈さん……。
今は、できません。時間を下さい……」
朝比奈「キョンくん……。
……わかりました……あたし、待ってますから」
朝比奈さんは涙目でとぼとぼと帰っていく。
くそっ!胸が痛い。眩暈がする……ごめん、朝比奈さん!
後ろの席で突っ伏すハルヒと一言も会話する事もなく
一日の授業を終え、放課後。
軽音部の部室に向かおうとすると、女子生徒に声を掛けられた。
律「ねえねえ、軽音部の人?」
キョン「ああ、そうだけど」
唯「軽音部室ってどこかな~?」
キョン「この階段上がって、突き当たりを一つ手前の
第二音楽室だけど……」
紬「どうもご丁寧に~ありがとうございます」
澪「あ、ありがとうございます!」
律「ども。サンキュー!またあとでっ!」
唯「またねえ~」
キョン「あ、はい、また……」
なんだったんだ今の?妙に可愛い子たちだったが……。
そういやギターだかベースか持ってたな……。
軽音部員じゃないし、誰だろう。
キョン「ちわーっす」
榎本「あ、いらっしゃーい」
キョン「今、ギターとか持った女の子4人組に
軽音部室の場所を聞かれたんですが、
軽音部と何か関係あるんですか?」
財前「さあ~?うちはキョンくん含め5人しか
いないですしねえ」
岡島「あ、もしかして入部希望じゃない?」
中西「そうかもね!うわー、嬉しいなあ」
榎本「ねえねえ、どんな子だった?」
キョン「どんな子……まあ、可愛い感じの、ですかね……」
岡島「可愛い子だってさ!どうするよ?美夕紀!」
榎本「あ、あたしは別にっ!でも、部員が増えるのは嬉しいなあ」
まだ決まったわけじゃ……と思ったが、あの様子じゃあ確かに
入部希望かもな。
律「ここの軽音部、人数少ないけどレベル高いらしいよ!
こりゃあ入るっきゃないって!」
唯「うんうん!入ろうよ~」
紬「私も賛成です~」
澪「私も興味あるし……。ね、律。部室に行ってみる?」
律「おー、行ってみよう!」
唯「ここかあ、ちょっと緊張するなあ」
澪「り、律、開けてっ!」
律「へいへい」
こりゃあ入るっきゃないって!」
唯「うんうん!入ろうよ~」
紬「私も賛成です~」
澪「私も興味あるし……。ね、律。部室に行ってみる?」
律「おー、行ってみよう!」
唯「ここかあ、ちょっと緊張するなあ」
澪「り、律、開けてっ!」
律「へいへい」
ハルヒ「……ちょっとあんたたち」
紬「あ、はい?」
律「ん、なあに?」
ハルヒ「ここに何の用?」
唯「えーと、軽音部にはいりたいな~って思ってぇ」
ハルヒ「許さない……」
澪「え、あの……?」
ハルヒ「あんたたち!キョンを誑かそうったってそうは
いかないわよ!!この淫売!!」
律「え、えーと……こ、怖い……」
澪「(ちょっと、この人って……あの涼宮ハルヒじゃ?)」
紬「(え、そ、そういえば……ひいい……)」
律「(ちょ、まずいよ、めっちゃ怖いって!)」
唯「(え、なに?やばい人?ねえ?)」
ハルヒ「消えなさい……さもないと……殺すわよ」
律「はっははははははい!!」
澪「し、失礼しました!!」
紬「ほ、ほら、いきましょう!」
唯「なに?なに?逃げたほーがいい?」
ハルヒ「消えろおおおーーーーーっ!!」
律澪紬唯「ひゃああああああ!すいませんでしたーーーー!!」
キョン「なにやら外が騒がしいな」
岡島「あ、もしかして入部希望の子かもよ?」
財前「ちょっと見てきますね」
榎本「どうー?いたら連れてきて!」
中西「可愛い子いたっ?」
財前「うーん、誰もいないみたい」
その日、さっきの子たちは部室に現れなかった。
なんだったんだろうね、結局。
さて、それから一週間が過ぎ、文化祭前日。
校内は文化祭の準備で慌しく、軽音部も例外ではなかった。
岡島「仕上がりは完璧ね!もう一回だけ合わせて終わろうっか」
榎本「そうね、凄く良い感じ」
キョン「いやあ、明日の本番が楽しみですね」
中西「キョンくんには準備とか裏方仕事、任せたよ!」
財前「期待してますね」
キョン「はは、できるだけ頑張りますよ」
キョン「それにしても榎本さん、練習で忙しいのに
いっぱい教えてもらっちゃって……ありがとうございました」
榎本「ううん、気分転換にもなったし、キョンくんすぐ上手になるから教えてて楽しかったよっ」
キョン「榎本さんの教え方が良いからですよ」
榎本「キョンくんなら、あたしのギターパート弾けるかもよ?なんなら
本番で弾いてみる?」
キョン「え、む、無理ですよ!しょっちゅう音外しますし!無茶苦茶になります!」
中西「あはは、そだね。でもギター初めて間もないのにその上達は凄いよ!
来年にはきっと凄く上手くなってるよ」
岡島「愛の力でがんばんだよ!」
榎本「こ、こらっ!なに言う……んっ……ゲホッ……」
財前「美夕紀、大丈夫?」
俺は>>1の美少女って時点で律じゃないってわかった
榎本「だいじょぶだいじょ……ん……」
ふらっ、とへたり込む榎本さん。
どうした!?慌てて駆け寄る。
中西「え……ちょっと、凄い熱じゃない!」
岡島「美夕紀!あんた……もしかして喉が……」
榎本「ん……ゲホッ……ここ2、3日、変だなって思ってたけど……
でも、大丈夫……明日には、これぐらいケロって……」
財前「と、とりあえず病院に!」
キョン「は、はい!」
榎本さんを背負って慎重に運ぶ……
榎本さん……しっかりしてくれ……!
あーあ これでガバマンがしゃしゃり出る→略→認める(笑)
→復帰の流れか……
→復帰の流れか……
医師「扁桃炎ですな。お若いですし、三日も入院すれば良くなりますよ」
岡島「そ、そんな……」
中西「三日……も……」
財前「美夕紀……」
文化祭は明日だ……くそっ!
なんなんだよ、こんな……!
榎本「ごめん……ね……みんな……」
財前「今はしっかり治しましょう、ね?」
岡島「美夕紀……明日はかならず成功させるから!」
中西「そうだよ!あんたの分まで……やりとげるから!
だから今は、心配しなくていいよ」
キョン「榎本さん……」
岡島「(ねえ、キョンくん)」
キョン「(あ、はい……)」
中西「(あたしたち、帰るから、美夕紀と一緒にいてあげて)」
キョン「(え、でも……?)」
財前「(先輩のいう事ですよ、ね?)」
キョン「(は、はい……)」
皆が帰っていった。
病室で二人きりの俺と榎本さん。
でも、なんて声を掛けたらいいか……。
榎本「ね、キョンくん……」
キョン「はい……痛みますか?」
榎本「ううん。あのね、明日、キョンくんが……
演奏してくれないかな……?」
キョン「俺が、ですか……?でも……」
榎本「キョンくんなら、大丈夫。あたしの……教え子だもん」
キョン「でも……俺じゃ……」
榎本「みんな……一生懸命練習したのに、文化祭、目標にしてたのに……
できなくなっちゃうなんて……あんまりだよ……あたしの、
せいなんだけどね……ぐすっ……」
キョン「そんな!榎本さんに責任なんて!」
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