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    元スレ長門「彼のためにクッキーを焼いてみた…」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - 長門有希 + - エヴァ + - キョン子 + - ハルヒ死ね + - マクドナルド + - 嗚呼ハルヒ死ね + - 氏ねじゃなくて死ね + - 涼宮ハルヒの憂鬱 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    401 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:13:06.45 ID:+MAUjTXxO (+35,+30,-90)

    泣きじゃくる朝比奈さん

    震えるハルヒと、それを支える古泉

    俺はただ、立ち尽くしていた


    「とにかく、連絡を…」

    「待て、古泉」

    「ですがっ…!!」

    「…頼むから、時間を、時間をくれないか」


    「本当は、気付いてたんだ」


    「心の奥で、あいつがあいつでない事に」

    「もしかしたら、あの長門なのかもしれないって」
    402 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:13:42.61 ID:og/TytTrO (-25,-10,+0)
    支援
    403 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:14:10.31 ID:+MAUjTXxO (+35,+30,-80)

    「でも、言わなかった」

    「俺は…気付いてたのに、言わなかった、言えなかった」


    突然クッキーを作った長門

    デパートに行きたいと言った長門

    楽しそうな笑顔

    笑顔

    笑顔


    「…このままでも、大丈夫なんじゃないかって、勝手に思ってた」

    「蓋をして、認めないフリをしてた。」



    「悪いのは……俺なんだよ」





    「何、言ってんのよ…」
    404 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:15:40.82 ID:Z2fYPIyEO (-22,-10,+0)
    支援
    405 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:16:36.40 ID:X6Iz0dGsO (+4,+16,+0)
    ほう
    406 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:17:52.17 ID:dCqTpMm/0 (+16,+28,+0)
    そらみろ
    407 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:18:50.91 ID:37erhWtdO (+7,+14,+0)
    しえぇぇえん!!!!!!
    408 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:21:45.79 ID:+MAUjTXxO (+35,+30,-114)

    「なに、何、言ってんの?
    有希が、あの有希とかこの有希とか、気付いてたとか気付いてないとか、何なの…?

    ねえ、何の話なの…?」

    困惑した瞳が、立ち尽くす俺を刺す。
    俺は今更ながら自分の無能さを思い知った。

    「その、それはだな、ハルヒ…今のは、」

    「答えてよ、キョン……答えなさいよ!!!!」

    迂闊だった。
    動転しすぎて、ついにやってしまった。
    俺たちが今まで、必死になって隠していたその片鱗を、ハルヒは今まさに掴もうとしていた。
    409 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:24:13.47 ID:iogDtXvYO (-22,-10,+0)
    支援
    410 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:24:31.65 ID:lMObgJwz0 (+18,+18,+0)
    >>883でいいんでねーの
    411 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:25:15.34 ID:lMObgJwz0 (+3,+15,+0)




               誤            爆
    412 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:25:58.35 ID:A1bAKT9Z0 (+7,+16,+1)
    >>883に期待
    413 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:27:31.05 ID:3z3Whhjp0 (+21,+29,-1)
    2番煎じはつまらない
    414 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:28:48.65 ID:96IoNWRk0 (+33,+29,-18)
    >>389がやったのを見て自分も笑いを取れると思ったんだろうな
    416 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:31:23.94 ID:UJpknG/J0 (+28,+29,-1)
    >>413>>414
    誤爆じゃねえ、たぶん>>410は俺と同じ妹スレ見てる
    417 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:32:12.36 ID:37erhWtdO (+24,+29,-24)
    >>410
    可哀相な奴だなw
    418 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:35:58.54 ID:+MAUjTXxO (+35,+30,-137)

    ハルヒが俺の方へ歩き出そうとする。
    しかし、その肩を支えていた古泉が、それを許さなかった。

    「いっ…古泉君、離してよ!」

    「…落ち着いて下さい、涼宮さん」

    「良いから離して!!」

    「落ち着いて下さい!!!!」

    古泉が、普段は出さないような大声を張り上げた。
    ハルヒの動きがびくりと止まる。

    「…とにかく、落ち着いて下さい」

    唖然とするハルヒを置き去りに、古泉は俺を見た。
    419 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:39:33.21 ID:+MAUjTXxO (+35,+30,-133)

    「貴方は、自分が何をしたのか、もうお分かりでしょう」

    十分すぎる程、それは分かっていた。
    何もかもがぐちゃぐちゃだった。
    滅裂だ。

    「行って下さい」

    「だが……」

    「恐らくは、これが最後のチャンスです。それが尽きてしまえば、時間も、為す術も、我々には残っていません」

    使う単語を最小限に、古泉が語る。
    ハルヒの肩を掴むその指には、力が籠っていた。

    「僕は彼らに連絡をしません。…最も、彼らならばすぐに気がつくでしょうが」

    彼ら、が何を指すのかは分かっていた。

    「ふふ、貴方はいつぞやの約束を、覚えているでしょうか」
    420 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:43:30.03 ID:iogDtXvYO (-22,-10,+0)
    支援
    421 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:45:15.47 ID:+MAUjTXxO (+35,+30,-68)

    「古泉、お前…」

    「さ、早くして下さい。涼宮さんには、僕と朝比奈さんがついていますから」

    俺はこいつを、初めてこんなにも頼もしいと思った。

    「キョンくん」

    涙目の朝比奈さんは、ハルヒに聞こえないよう、最大限に俺を勇気づける言葉を囁いた。



    「…この事は、未来からは何も伝えられてなかったの。この意味、分かるでしょう?」
    422 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:45:43.33 ID:GuFap55N0 (+22,+29,-3)
    これを読み終わるまでは寝れん支援
    423 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:46:03.75 ID:37erhWtdO (-22,-10,+0)
    支援
    424 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:51:54.26 ID:og/TytTrO (-25,-10,+0)
    支援
    425 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:53:36.25 ID:+MAUjTXxO (+35,+30,-90)



    降りしきる雨の中、俺はひたすら走った。

    長門はいない。

    人もまばらだった。
    何処にいるのだろうと考える余裕もなく、ただ闇雲に走り回る。


    近所の公園

    商店街

    駅前

    デパート

    長門の家


    思い当たる所には行ってみた。
    だのに長門は何処にもいなかった。
    もう、手遅れなのだろうか。
    426 : 以下、名無しにか - 2009/05/07(木) 23:55:55.90 ID:+MAUjTXxO (+30,+30,-30)

    …いや、違う。

    きっと何か、俺は何か忘れているのだ。
    思い出せ、思い出せ。

    デパート

    公園

    喫茶店

    学校

    校庭

    閉鎖空間

    部室の、


    パソコン




    YUKI.N> また図書館に…

    427 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:00:21.68 ID:WhYGez900 (-20,-10,+0)
    支援
    428 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:04:25.62 ID:CMm3pd5vO (+35,+30,-111)

    「図書館…?」


    何度となく車に轢かれそうになりながら、俺は図書館を目指した。







    図書館前の広場には、誰もいなかった。
    やはり間違えたか、と、今度こそ泣きそうになる。

    しかし、ふと見上げた図書館に、俺は違和感を感じた。

    違和感を感じる余裕があったことに驚きながら、その正体を探るべく全体を見回す。

    何だ、別に普段と変わらないか。
    いや、少し暗いが、雨のせいだろうか。


    「あ…」


    そうか。
    やはり長門はここにいる。
    429 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:05:22.61 ID:eOhQnQXA0 (+13,+20,-1)
    レポート書きながら支援
    430 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:06:36.87 ID:5Ah3M1aBO (-22,-10,+0)
    支援
    431 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:08:27.15 ID:plvjbIJTO (-20,-10,+0)
    支援
    432 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:10:14.75 ID:CMm3pd5vO (+35,+30,-101)

    図書館に近付くに連れ、疑惑は確信へ変わる。

    扉付近の傘用ビニール。
    あたかもさっきまで使われていたかのように、ゴミ箱から溢れていた。

    だが、人っ子一人いない上に、休館でもないのに図書館は明かり一つ点いていなかった。

    「長門…」

    正面の大扉を開ける。
    鍵は掛かっていなかった。


    薄暗い館内。

    長門は、何処にいるのだろう。
    433 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:11:50.44 ID:WhYGez900 (+19,+24,-1)
    ドキドキする支援
    435 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:14:46.88 ID:CMm3pd5vO (+35,+30,-77)

    俺は、必死に思い出していた。

    長門の好きなジャンル。
    ハードカバー。
    外国人作家。
    借りた回数が多いのは、確か…


    「SF、か」


    SF・時代小説の棚は二階だ。
    誰もいない館内を、暗闇に紛れて、走った。走った。
    436 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:16:27.24 ID:5DKV7khVO (+13,+28,+1)
    いいよー
    437 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:22:20.12 ID:WhYGez900 (-21,-11,-2)
    保守
    438 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:23:54.42 ID:CMm3pd5vO (+35,+30,-56)

    真直ぐ行って、角を曲がって…

    ここだ。


    「長門!!!」


    …いない。


    自分の荒い息と耳鳴りで、周りの音が聞こえない。
    クソッ、絶対に、ここにいるはずなのに。

    俺は祈るような気持ちで深呼吸をし、静かに歩き出した。
    439 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:25:16.39 ID:W8TS8vps0 (-22,-10,+0)
    支援
    440 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:25:31.33 ID:CMm3pd5vO (+35,+30,-56)


    「……、………」


    何だ…?

    今、何か…


    「……、は、……否、」


    ズラリと並んだ本の壁。
    挟まれながら進むと、徐々にそれは大きくなっていった。


    「…否する、……能、私は…」


    「同期を拒否する、それは、不可能…嫌、私は」


    壁が途切れる。

    右は、いない。

    左は、
    441 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:29:53.33 ID:WhYGez900 (-20,-10,+0)
    支援
    442 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:33:39.74 ID:plvjbIJTO (-21,-11,-1)
    支援する
    443 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:34:43.58 ID:9gU4KdTEO (-22,-10,+0)
    支援
    444 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:35:49.88 ID:0cP7oZ6ZO (-22,-10,+0)
    支援
    445 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:36:23.26 ID:CMm3pd5vO (+35,+30,-142)

    ……いた。

    椅子に座ったまま、滝のように涙を流し、ひたすらに何事かを呟いているのは紛れもなく長門有希だった。


    「……長門」


    「拒否する、拒否する、同期は、不可能、データ長門有希00を削除、削除、削除、削除」

    「……長門」

    「どうして、何故、何故消去が不可能なの」

    「……なが、と」

    「消去、消去、強制コード使用…不可?何故、何故、どうして、どうして」


    「長門…!!」


    考える暇もなく、身体が動いた。
    壊れたテープレコーダーのように、繰り返し繰り返し悲しい声で呟く長門を、抱き締める。

    「長門…すまん、すまん!」
    446 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:36:48.80 ID:5Ah3M1aBO (-22,-10,+0)
    支援
    447 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:39:34.55 ID:WhYGez900 (-20,-10,+0)
    支援
    448 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:44:41.16 ID:plvjbIJTO (+22,+27,+0)
    シリアスだ
    支援
    449 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:48:20.14 ID:CMm3pd5vO (+33,+30,-81)

    「俺が…初めに気付いた時に、お前に言ってやってたら…!!」

    「こんな、こんなに深刻になる事はなかったんだ!」

    畜生、畜生。
    俺の馬鹿野郎。
    長門はこんなに苦しんでるのに、俺は、俺は…!!!


    悔しくて情けなくて、どんなに歯を食いしばっても、涙が溢れて止まらなかった。





    「……エラー発生」

    「データ長門有希01、凍結」
    450 : 以下、名無しにか - 2009/05/08(金) 00:51:41.24 ID:plvjbIJTO (-20,-10,+0)
    支援
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