元スレ既出ジャンル「目の見えない青年」
新ジャンル覧 / PC版 /みんなの評価 : △
1 :
青年A「ねぇねぇ」
青年B「うん?」
青年A「とある人に聞いたんだけど」
青年A「君は目が見えないの?」
青年B「うん」
青年A「・・・そっか」
青年A「大変だね」
3 = 1 :
青年A「こう言うのは凄く失礼だと思うんだけれど」
青年A「具体的に」
青年A「どういうところが一番大変?」
青年B「う~ん」
青年B「色々あって分からないや」
青年A「・・・だよね」
4 :
完
5 :
いい話だった
6 = 1 :
青年A「でも一番大変なのはやっぱ」
青年A「外に出る事かなぁ」
青年B「ふむふむ」
青年A「だからもう最近は」
青年A「怖くて外に出てないんだ」
青年A「それに、外に出てもすることも限られてるし」
青年B「やっぱりそうなんだ・・・」
7 :
和む
8 :
くちさけ女は出てこないのか
9 = 1 :
青年A「じゃあさ」
青年A「少しだけ散歩しない?」
青年B「え?」
青年A「大丈夫」
青年A「俺がちゃんと誘導するからさ」
青年B「ホントに?」
青年A「うん」
青年A「しっかりお供させていただきますよ」
10 = 1 :
外
青年A「まさか」
青年A「外に出るだけでこんなに大変とは」
青年B「ごめん、ごめんね」
青年B「どうしても階段の段差とか靴を履くのとか慣れなくて」
青年A「違う違う」
青年A「俺の先導の仕方が悪かった」
青年B「・・・本当にごめんね」
11 :
>>6
なんという逆転現象
12 = 1 :
>>11間違えた・・・・・orz
青年A「ところでさ」
青年B「どうしたの?」
青年A「目が見えない状態で外に出るのって」
青年A「どういう感じ?」
青年B「そうだなぁ・・・・」
青年B「例えるなら、真っ暗闇を手すり無しで歩いてる感じとか」
青年A「なるほど分かりやすい」
14 = 1 :
青年A「止まってー」
青年A「信号が赤だよ」
青年B「わざわざありがとう」
青年B「でも大丈夫、赤だって分かってる」
青年A「え?どうして?」
青年B「車が走っている音とかで大体分かるんだ」
青年A「おお凄い」
青年B「これは正直そうでも・・・・」
15 :
ヒスだすな
16 = 1 :
青年A「じゃあまずどこに行こうか」
青年B「どこでも大丈夫だよ」
青年A「うむむ・・・・」
青年A(ゲームセンターだと画面が見えないだろうし)
青年A(本も読めないから本屋とか喫茶店とか無理だし)
青年A(ご飯にはまだ早いし・・・)
青年「むむむむむ」
17 = 1 :
青年A(そうだ!)
青年A「ねぇ、カラオケ行かない?」
青年B「カラオケ・・・・」
青年A「あれ・・・?」
青年A「音楽とか興味無い・・・・?」
青年B「ううん」
青年B「むしろ逆で」
青年B「凄く行きたい」
18 = 1 :
カラオケ
青年B「イエーイ!」
青年A「ヒューヒュー」
青年A「とても楽しそうでなにより」
青年A「てか歌上手いなぁ」
青年B「いえいえそんな、どうもどうも」
青年A(・・・謙遜してるのか認めているのか謎だ)
19 = 1 :
青年B「ああ楽しかった」
青年A「それは良かった」
青年A「てかその笑顔見てればすぐ分かるけど」
青年B「え?僕そんなに笑ってる?」
青年A「うん」
青年A「もうニヤニヤ状態」
青年B「恥ずかしい・・・・・」
20 = 1 :
青年A「でも随分歌に詳しいね」
青年A「しかも歌詞も見ないで歌えるなんて」
青年B「ふふふ」
青年B「・・・・・・」
青年B「音楽は」
青年B「僕の楽しめる数少ない娯楽だから」
青年A「・・・それじゃあ」
青年A「俺の采配は間違ってなかったんだね」
青年B「うん、本当にありがとう」
21 = 1 :
青年A「じゃあそろそろご飯にしようか」
青年A「とりあえず食べやすいのって何?」
青年B「パン類とかは食べやすいよ」
青年B「箸使う奴は大体苦手かも・・・」
青年A「なるほどなぁ・・・・・」
青年A「・・・・・・・」
22 = 1 :
コンビニ
青年A「ごめん、結局こんなとこしか思いつかなかった」
青年B「いやいや、どう考えても僕のせい・・・」
青年A「いやいや、俺の発想力不足が・・・・」
青年B「いやいや僕が」
青年A「いやいや俺が」
青年B「いやいや俺が・・・じゃなくて僕が」
23 = 1 :
食後
青年A「じゃあ次はどこに行く?」
青年B「次もお供様の采配に期待いたします」
青年A「なんと」
青年A「よし、それじゃあ次は」
青年A「服でも買いに行こうか」
青年B「え?服?」
24 = 1 :
青年B「でも僕洋服はこれのままでも・・・」
青年A「なーに言ってるの」
青年A「カッコよくなるに越した事はなかろうぞよ」
青年B「それはそうだけど・・・」
青年A「安心してよ」
青年A「通りすがった全員が思わず振り返るくらいにはするから」
青年B「振り返られても多分気づかない・・・・」
25 = 1 :
服屋
青年A「おーい着られたー?」
青年B「待ってもうちょい」
青年B「よし、でけた」
彼が試着室から出てきた
青年B「ど、どう?ちゃんと着れてる?」
青年A「おお」
青年A「素晴らしい出来」
青年B「そ、そうなんだ・・・」
26 = 1 :
青年B「じゃあ」
青年B「この服買ってこうかな・・・・・」
青年B「せっかく選んでくれたんだし・・・・」
青年A「待て待てい」
青年A「これも一緒に買ってけい」
青年B「?」
青年A「ほら」
パシュッ
28 = 1 :
青年B「今頭の上に何か・・・・・」
青年A「帽子だよ帽子」
青年A「一番イケてる奴選んできた」
青年A「本当は見せてあげたいくらいなんだけど」
青年B「・・・・・・」
青年B「・・・デザインこそ分からないけど」
青年B「凄く頭に合ってる気がするよ」
29 = 1 :
帰り道
青年A「そろそろ夕暮れ時になるね」
青年A「もう帰ろうか」
青年B「うん」
青年B「今日は本当にありがとう」
青年A「気にしないでいいって」
青年B「で、でも・・・」
ドカッ
青年B「うわっ」
30 = 1 :
DQN1「いってえなおい」
DQN2「どこ見て歩いてんだよこら」
青年B「ご、ごめんなさい・・・」
青年A「どうもすいませんね」
DQN1「ごめんなさい、じゃねえだろうがよ」
DQN3「ふざけんなよおい」
DQN2「・・・・なあ」
DQN2「こいつよく見てみろよ!」
31 = 1 :
DQN2「頭ハゲてるぜこいつww」
DQN1「うわ、ホントだww」
DQN3「若ハゲかよきっめえ」
青年A「!」
青年B「・・・・・・」
DQN1「てか帽子で隠してたのかよww」
DQN1「だっせえなw」
32 = 1 :
青年A「おい」
青年A「言っていい事と悪い事が・・・・」
DQN1「その頭に免じて特別に許してやるよww」
DQN2「あー腹いてえw」
青年B「・・・やめて」
青年B「喧嘩しようとしないで」
青年A「いやいや」
青年A「何言ってんだよ」
青年A「良い訳がねーだろ・・・・」
33 = 1 :
青年B「いいんだ」
青年B「別に、いいんだ」
34 = 1 :
DQN達は去っていった
青年A「・・・・・・・」
青年B「・・・・・ありがとうね」
青年A「ん?」
青年B「服屋で買ったあの帽子」
青年B「僕の外見を気にしてくれたんでしょ?」
青年A「・・・・・・・」
青年A「・・・余計なお世話だったかな」
青年B「そんな事ないよ」
35 = 1 :
Bは
ぶつかった拍子に落ちた帽子を
手探りで拾った
青年B「容姿に気を遣ってくれたことも」
青年B「あの不良さん達につっかかってくれた事も」
青年B「本当に嬉しかった」
青年A「あんな事言われても止められる」
青年A「君の方がよっぽど凄いと思うよきっと」
青年B「そ、そうかなぁ」
青年A「そうだよ」
青年B「・・・・えへへ」
36 = 1 :
青年A「ちくしょうあいつらめ!」
青年A「次会ったら覚えてろよー」
青年A「けちょんけちょんにしてやるー」
青年B「けちょんけちょん・・・・」
青年A「うっし」
青年A「言いたい事も言ったし」
青年A「・・・・・改めて、そろそろ帰ろうか」
青年B「・・・うん」
37 = 1 :
帰り道
青年A(夕日が綺麗だなぁ・・・・)
青年A(口には出せないけど・・・)
青年B「夕日が綺麗だね」
青年A「えっ?」
青年B「頬に当たる光の強さと、時間帯的に考えてそうかなって」
青年A「・・・なんか探偵みたい」
青年B「えっ?」
38 = 1 :
青年A「そういえばさ」
青年B「?」
青年A「『目の見えない人に空の青さを伝える方法』」
青年A「って話を、前に聞いた事があるんだ」
青年B「ふむふむ」
青年A「・・・・どう?」
青年B「どう?って言われても・・・・」
39 = 1 :
青年B「でも僕は」
青年B「正直、空にはあまり興味が」
青年A「その心は」
青年B「小さい頃から空ばっか眺めてたから」
青年B「見慣れちゃったっていうか・・・」
青年A「み、見慣れたとな」
青年B「う、うん」
青年B「だから僕はそれより」
40 = 1 :
青年B「『風』がもう一度見てみたい」
青年A「風邪?」
青年B「風」
青年A「・・・・どうやって?」
青年B「いつもは感触で感じているだけだから」
青年B「視覚と感触二つで味わいたいなぁって」
青年A「むむぅ」
青年A(俺ですら風の本体的な物は見たことがないんだけれども
41 = 1 :
Bの家前
青年B「送ってくれてありがとう」
青年A「また来れたら遊びに来るよ」
青年B「うん」
青年B「今日は本当に楽しかった」
青年A「・・・それは」
青年A「それはお互い様だよ」
青年A「じゃあ、また今度」
青年B「うん、また今度」
42 = 1 :
Aの家
青年A「ただいま」
父「おうおかえり」
青年A「帰っていきなりで悪いんだけどさ」
青年A「後でパソコンかしてくんない?」
父「?別にいいが」
父「その前に風呂とご飯済ましちゃえよ」
青年A「分かってるって」
43 = 1 :
風呂後
Aはパソコンをたちあげた
青年A「やっぱ少しくらい調べとかなきゃなぁ」
青年A「今日もなんだかんだでぐだぐだだったし」
カタカタ
青年A「なるほどなるほど」
青年A「勉強になる・・・・」
44 = 1 :
Aの部屋
青年A「明日こそは」
青年A「彼を満足させてみせるぞ」
青年A「明日のプランもばっちりだ」
青年A「学習の成果見せてやるぜい」
青年A「・・・・疲れた寝よう」
Aは
眠りについた
45 = 1 :
翌日 Bの家
青年B「ごめんね着替えの手伝いまでやってもらっちゃって」
青年A「大丈夫でごぜえますよ」
青年B「てか着せ方上手い・・・」
青年A「よくぞ言ってくれました」
青年A「学習その一!服を着る時は下から利き腕利き足から!」
青年A「しっかり調べてきたぜ」
46 = 1 :
青年B「僕の為に・・・・・?」
青年A「あたぼうよ!」
青年B「・・・・・・・」
シクシク
青年A「えちょちょちょっと」
青年A「ここは笑う場面だってっ」
青年B「・・・そうだよねあははっ」
青年A「・・・・・あはははっ」
47 = 1 :
外
青年A「学習その二!」
青年A「外を歩く時は当人のナナメ前を先導する」
青年A「そうすれば誰かにぶつかることもないし」
青年A「何かあってもすぐに制止できる」
青年B「・・・・なんかマニュアル人間みたいな」
青年A「ごめん」
青年A「実はこれくらいしか調べられなかった」
青年B「・・・・あらら」
49 = 1 :
青年A「でも安心してくれ」
青年A「今回はご要望にお答えします!」
青年B「ご要望・・・・?」
青年A「昨日言ってたじゃないか」
青年A「『風を見てみたい』って」
青年A「まぁ風を見せること自体は俺の頭では無理だったんだけど」
青年B「???」
50 = 1 :
青年A「視覚と感触では無理なんだけど」
青年A「“聴覚”と感触でだったら出来なくもないかなって」
青年B「さっぱり意味が・・・・・」
青年A「まぁまぁ」
青年A「行けば分かるって」
青年B「う~ん・・・・」
青年A「歩きでいけちゃう距離だから、さ」
みんなの評価 : △
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