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元スレ超王道ジャンル「クリスマスの夢が覚める頃に」
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-同日昼 駅前-
ワイワイ…ガヤガヤ…
サンタ「ただいまキャンペーンにつき、無料でお菓子をお配りして―――」
男「ふう、今日の取材は終了っと。駅前クリスマス商戦とか楽勝だな」
男「それより…上司の死が気になるな。『雪』って結局どういうことなんだろうか…?
呪い、暗殺…まさか、な…」
医者「―――すみません」
男「…はい?あ…あなたは昨日の…」
医者「覚えていてくださいましたか。昨日はどうも」
ワイワイ…ガヤガヤ…
サンタ「ただいまキャンペーンにつき、無料でお菓子をお配りして―――」
男「ふう、今日の取材は終了っと。駅前クリスマス商戦とか楽勝だな」
男「それより…上司の死が気になるな。『雪』って結局どういうことなんだろうか…?
呪い、暗殺…まさか、な…」
医者「―――すみません」
男「…はい?あ…あなたは昨日の…」
医者「覚えていてくださいましたか。昨日はどうも」
男「今日は非番ですか?」
医者「いえ、午前中に来客を済まして、少し息抜きでも、と思いましてね」
男「お医者さんも休みが取れなくて大変でしょう」
医者「いえいえ…医療に携わる者の宿命みたいなものですから…ところで」
男「…はい?」
医者「1つお聞きしてもよろしいですか?昨日の件について」
医者「いえ、午前中に来客を済まして、少し息抜きでも、と思いましてね」
男「お医者さんも休みが取れなくて大変でしょう」
医者「いえいえ…医療に携わる者の宿命みたいなものですから…ところで」
男「…はい?」
医者「1つお聞きしてもよろしいですか?昨日の件について」
男「上司のこと、ですか?」
医者「本来はこのような行為は医療モラル違反なのですが…
いささかお聞きしたいことがございまして」
男「…それは?」
医者「昨日の患者さんは…その…日頃から視力に問題はありませんでしたか?」
男「視力…ですか?」
医者「ええ…というのもね、病院に運び込まれた時点ではもうほとんど視力はなかったようなんですよ」
医者「本来はこのような行為は医療モラル違反なのですが…
いささかお聞きしたいことがございまして」
男「…それは?」
医者「昨日の患者さんは…その…日頃から視力に問題はありませんでしたか?」
男「視力…ですか?」
医者「ええ…というのもね、病院に運び込まれた時点ではもうほとんど視力はなかったようなんですよ」
男「どういうことです?」
医者「まあ端的に言えば重度の白内障に近い状況だったのですが…。
その進行具合は末期でしてね。どう考えても日常生活に支障をきたすレベルです」
男「………」
医者「ところがご遺族に伺えばずっと就業なさっていたそうですし、何より白内障は急に起こるものではない…。
それで少し気になりましてね」
男「急な…白内…障…」
『―――雪だ!雪が降ってきたぞ!』
医者「まあ端的に言えば重度の白内障に近い状況だったのですが…。
その進行具合は末期でしてね。どう考えても日常生活に支障をきたすレベルです」
男「………」
医者「ところがご遺族に伺えばずっと就業なさっていたそうですし、何より白内障は急に起こるものではない…。
それで少し気になりましてね」
男「急な…白内…障…」
『―――雪だ!雪が降ってきたぞ!』
男「いえ、日頃から目を患っている様子は…」
医者「そうですか…やはり『例の患者』なんですね…」
男「…例の?」
医者「いえ、何もありません…何も」
男「………」
医者「そうですか…やはり『例の患者』なんですね…」
男「…例の?」
医者「いえ、何もありません…何も」
男「………」
医者「呼び止めてすみません」
男「いえ…私も一仕事終わった後ですから」
医者「そうですか…実に仕事を楽しんでいるご様子ですね」
男「趣味っていうか、まあ生き甲斐です。そういう意味では幸せですかね」
医者「…『幸せ』って、何でしょうかね」
男「いえ…私も一仕事終わった後ですから」
医者「そうですか…実に仕事を楽しんでいるご様子ですね」
男「趣味っていうか、まあ生き甲斐です。そういう意味では幸せですかね」
医者「…『幸せ』って、何でしょうかね」
男「…はい?」
医者「あなたは『辛い現実』と『幸せな嘘』なら、どちらを選びますか?」
男「質問の意味がよく分かりませんが…私は仕事柄、やはり現実を選ぶと思います」
医者「そう…ですか。すみません、変なことを聞いてしまって」
男「いえ、別に…」
医者「それでは…」
医者「あなたは『辛い現実』と『幸せな嘘』なら、どちらを選びますか?」
男「質問の意味がよく分かりませんが…私は仕事柄、やはり現実を選ぶと思います」
医者「そう…ですか。すみません、変なことを聞いてしまって」
男「いえ、別に…」
医者「それでは…」
男「………」
男「原因不明の白内障に近い状況、か…」
男「何かある…絶対に何かある―――」 ドン
男「あ、すみませ――ッ!?」
少女「ご、ごめんなさい!」
男「…ッ!?(目が…白い!?)」
男「原因不明の白内障に近い状況、か…」
男「何かある…絶対に何かある―――」 ドン
男「あ、すみませ――ッ!?」
少女「ご、ごめんなさい!」
男「…ッ!?(目が…白い!?)」
少女「こらーもう!ホロったらそんなに吼えないの!」
男「…ホロ?」
少女「あ、えっと…この犬です!ホロって名前で…あーもう!おとなしくしてよ、ホロったら!」
男「犬…?(いないじゃないか…犬なんてどこにも…)」
少女「すみませんでしたっ」 タタタタタッ…
男「あ、ちょっと!君っ!」
男「…ホロ?」
少女「あ、えっと…この犬です!ホロって名前で…あーもう!おとなしくしてよ、ホロったら!」
男「犬…?(いないじゃないか…犬なんてどこにも…)」
少女「すみませんでしたっ」 タタタタタッ…
男「あ、ちょっと!君っ!」
男「今の少女…俺の見間違いでなければ…目が…」
男「一体どういう…どういうことなんだ?」
男「しかも犬って…あの少女は犬なんてどこにも…」
男「なんだ?なんなんだよ!?あの少女には一体何が見えて…」
ピリリリリリッ ピリリリリリッ
男「ケ、ケータイかよ…同僚からだ…もしもし?」
―――はあ…はあ…なあ、教えてくれ。いま、『雪』は降っているか?
男「一体どういう…どういうことなんだ?」
男「しかも犬って…あの少女は犬なんてどこにも…」
男「なんだ?なんなんだよ!?あの少女には一体何が見えて…」
ピリリリリリッ ピリリリリリッ
男「ケ、ケータイかよ…同僚からだ…もしもし?」
―――はあ…はあ…なあ、教えてくれ。いま、『雪』は降っているか?
男「ゆ、『雪』…?何を言ってるんだ?お前、大丈夫―――」
―――降っていないんだな?じゃあ…これは…ぐっ!
男「おい!しっかりしろ!今はどこにいる!?どこにいるんだ!?」
―――すごい『雪』だ。前が…何も見えない…。
男「違う!それは『雪』じゃない!白内障だ!しっかりしろ!?」
―――白内…?そうか、やはりそうなのか。ちくしょう!
男「やはりだとッ!?どういうことだ!?お前何か掴んだのか!?」
―――聞け。今からお前に伝える。時間がない。
―――降っていないんだな?じゃあ…これは…ぐっ!
男「おい!しっかりしろ!今はどこにいる!?どこにいるんだ!?」
―――すごい『雪』だ。前が…何も見えない…。
男「違う!それは『雪』じゃない!白内障だ!しっかりしろ!?」
―――白内…?そうか、やはりそうなのか。ちくしょう!
男「やはりだとッ!?どういうことだ!?お前何か掴んだのか!?」
―――聞け。今からお前に伝える。時間がない。
男「ちょっと待ってくれ。話が読めない」
―――もう俺は保たない。俺のデスクに連絡先が書いてある!
男「意味が分からん!どういうことだ!?」
―――俺が以前に調査を依頼した医者の連絡先だ。
男「おい!何の話だよ!?」
―――これは史上最悪の『陰謀』だ。『快楽』に騙されてはいけない。
男「だから何のこと―――」
―――今は俺に構うな。どうせどうにもならない。いいからお前は俺の言った通りにしろ。必ずだぞ!とにかく…あぐっ!
ブチッ ツーツーツーツー…
男「き、切れた…」
―――もう俺は保たない。俺のデスクに連絡先が書いてある!
男「意味が分からん!どういうことだ!?」
―――俺が以前に調査を依頼した医者の連絡先だ。
男「おい!何の話だよ!?」
―――これは史上最悪の『陰謀』だ。『快楽』に騙されてはいけない。
男「だから何のこと―――」
―――今は俺に構うな。どうせどうにもならない。いいからお前は俺の言った通りにしろ。必ずだぞ!とにかく…あぐっ!
ブチッ ツーツーツーツー…
男「き、切れた…」
男「何だ?一体何が起こってるんだよ?全然意味が分からん」
男「と、とりあえず同僚の様子がおかしいのは間違いない!どこだ?アイツ今どこにいるんだ?」
男「デスク…連絡先…ちっ、いったん社に戻るしかないか」
男「頼むから間に合ってくれよ!」 ダッ
男「と、とりあえず同僚の様子がおかしいのは間違いない!どこだ?アイツ今どこにいるんだ?」
男「デスク…連絡先…ちっ、いったん社に戻るしかないか」
男「頼むから間に合ってくれよ!」 ダッ
男「ハア…ハア…やっと大通りまで来れた!人が多すぎるだろ!ちくしょう」
男「とりあえず…この大通りを横断すれば社は目前―――」
少女「ねえ、ちょっとホロ待ってよ!」
男「君は…さっきの…」
少女「ホロったら早いよぉ♪ねえ、待って!」
男「お、おい…!君、今は赤信号だろッ!?」
少女「ホロぉぉォ!待ってよ、ねえ!」
男「み、見えてないのかッ!?」
男「とりあえず…この大通りを横断すれば社は目前―――」
少女「ねえ、ちょっとホロ待ってよ!」
男「君は…さっきの…」
少女「ホロったら早いよぉ♪ねえ、待って!」
男「お、おい…!君、今は赤信号だろッ!?」
少女「ホロぉぉォ!待ってよ、ねえ!」
男「み、見えてないのかッ!?」
少女「待ってったら!ねえ!」
男「危ないッ!戻れッ!トラックが―――」
プアアアアアアッ ギャギャギャギャギャギャッッ!!!
男「危ないッ!避けろおおおおおおッ!!」
『危ないッ!!男クンッ!!』
男「…えっ?」
ドガシャアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!
男「危ないッ!戻れッ!トラックが―――」
プアアアアアアッ ギャギャギャギャギャギャッッ!!!
男「危ないッ!避けろおおおおおおッ!!」
『危ないッ!!男クンッ!!』
男「…えっ?」
ドガシャアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!
男「嘘…だろ…?」
ザワザワ…ガヤガヤ…
男「あの様子じゃ、少女は…」
男「何だよ…一体何がどうなってんだよ…」
『何かあるんじゃないか、そう思うだろ?』
男「ちくしょう…ちくしょうッ!!」
男「それにしても…さっきの声…一体…?」
―――――
―――
―
ザワザワ…ガヤガヤ…
男「あの様子じゃ、少女は…」
男「何だよ…一体何がどうなってんだよ…」
『何かあるんじゃないか、そう思うだろ?』
男「ちくしょう…ちくしょうッ!!」
男「それにしても…さっきの声…一体…?」
―――――
―――
―
-同日昼過ぎ 新聞社-
男「同僚のデスクは…ここか!」
男「医者…連絡先…このメモか!?よし、とりあえずここに連絡しないと」
部下「あれえ?男サン戻られてたんスか?」
男「ああ、ついさっき(電話、ここでは出来ないな…)」
部下「そういや、今キャンペーン中とかで社内をサンタが歩き回ってお菓子配ってますよ?
最近のお菓子屋さん、景気いいんスね。わざわざこっちに来てくれるなんて」
男「今はどーでもいい。ちょっとまた出かけてくる」
部下「あ、はい…」
男「同僚のデスクは…ここか!」
男「医者…連絡先…このメモか!?よし、とりあえずここに連絡しないと」
部下「あれえ?男サン戻られてたんスか?」
男「ああ、ついさっき(電話、ここでは出来ないな…)」
部下「そういや、今キャンペーン中とかで社内をサンタが歩き回ってお菓子配ってますよ?
最近のお菓子屋さん、景気いいんスね。わざわざこっちに来てくれるなんて」
男「今はどーでもいい。ちょっとまた出かけてくる」
部下「あ、はい…」
男「仮眠室には…誰もいないな」
男「よしここで電話するか…」
ピ、ピ、ピ… プルルルルルルッ プルルルルルッ…
―――もしもし、こちら駅前病院です。
男「あ、えっと…私、同僚の知り合いでして…その…」
―――『例の件』、ですね。あなたは…男さん?
男「あ、はい!そうです」
―――同僚さんからうかがってます。もし貴方がアポを取ってきたら全てをお話するように、と。
男「よしここで電話するか…」
ピ、ピ、ピ… プルルルルルルッ プルルルルルッ…
―――もしもし、こちら駅前病院です。
男「あ、えっと…私、同僚の知り合いでして…その…」
―――『例の件』、ですね。あなたは…男さん?
男「あ、はい!そうです」
―――同僚さんからうかがってます。もし貴方がアポを取ってきたら全てをお話するように、と。
―――今日にでも来られますか?
男「あ、はいぜひ―――」
ガチャッ
男「ッ!?」
サンタ「メリークリスマースッ♪」
男「…ちっ、何だよ」
男「あ、はいぜひ―――」
ガチャッ
男「ッ!?」
サンタ「メリークリスマースッ♪」
男「…ちっ、何だよ」
サンタ「ただいまキャンペーンにつき、無料でお菓子をお配りしていまーす」
男「今はいらねーよ。電話中だ!とっとと出ていけ」
サンタ「まあそうおっしゃらずに、おひとついかがですか?」 ヒタッ…ヒタッ…
男「だからいらねえって言ってるだ―――」
サンタ「それがそういうわけにもいかないんですよ…ふふ、ふふふふ…」スッ
男「ッ!?(ス、スタンガンッ!?)」
男「今はいらねーよ。電話中だ!とっとと出ていけ」
サンタ「まあそうおっしゃらずに、おひとついかがですか?」 ヒタッ…ヒタッ…
男「だからいらねえって言ってるだ―――」
サンタ「それがそういうわけにもいかないんですよ…ふふ、ふふふふ…」スッ
男「ッ!?(ス、スタンガンッ!?)」
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