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    元スレ超王道ジャンル「クリスマスの夢が覚める頃に」

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    1 :

    -12月23日昼 駅前-

    ―――…。

    「…ん?」

    「なんだ今の音―――」

    「わ゛ッ!!」

    「ほああああッ!?…なんだ女かよ」

    「きゃはははははっ!びっくりしてるー♪」

    「ったく、さっきのはお前の気配かよ」

    「お待たせ、さあ行きましょ」

    2 = 1 :

    「…ふう、世間も気がついたらクリスマス一色だな」

    「だねー」

    「最近1年が過ぎるのが早いな…新聞記者なんて仕事やってるからそう感じるんだろうか」

    「ホント、忙しそうだよね。てゆーか私のこと、ほったらかしだし!」

    「ごめんごめん!来年はもうちょっと時間作るからさっ」

    「ぶう!まあいいケドさっ」

    3 = 1 :

    「でも…こんな俺とよくずっと一緒にいてくれるよな」

    「まあ、幼馴染ですから?新聞記者やってて忙しいのも、分かるしね」

    「正式に付き合い始めてもう10年、か…」

    「小さい頃から含めると25年の付き合いだよっ」

    「四半世紀か…もはや言葉もないな」

    「まあ…それだけ好きってことで//////」

    「あ、ああ…まあ…うん///////」

    4 = 1 :

    「それはそうと、どこに買いに行く?クリスマスプレゼント」

    「んとねー、駅前のデパート♪」

    「まあ、あそこが1番品揃え良さそうだしな」

    「にひひっ!じゃー出発しんこー!」

    「ったく、現金なやつだな。まあいいケド。じゃあ行くか―――」

    サンタ「―――メリークリスマースッ」

    「えっ?」

    5 :

    支援しようじゃないか!!

    6 = 1 :

    サンタ「ただいまキャンペーンにつき、無料で『サンタチョコ』をお配りしていまーす」

    「あ、ああ…(なんだ、宣伝用のサンプル配布かよ…)」

    サンタ「おひとつ、いかがですか?」

    「わ、お菓子大好き♪」

    「じゃあ…どうもありがとう」

    サンタ「では、メリークリスマース!」

    「テンション高ぇ…バイトも大変だな」

    「まあいーじゃん♪お菓子っお菓子っ」

    8 = 1 :

    ワイワイ…ガヤガヤ…

    「なんかすっごい人だなー。つい2、3年前まで不景気でドン底だったのに、今や空前の好景気」

    「2年くらい前に首相が変わってから急に景気よくなったよね」

    「やっぱ政治は大事だな」

    「だね」

    同僚「おいっす!男じゃねーかっ」

    「ん?ああ、同僚っ」

    9 = 1 :

    同僚「お前も買い物か?クリスマスだもんな!あははははははっ」

    「な、なんかお前テンション高いな…?」

    同僚「最近、給料も上がったし、家族仲良いし、なんか楽しいことばっかなんだよな。
        いやあ、サンタさんサイコー!って感じ」

    「別にサンタのお陰じゃねーだろ」

    同僚「まあ何でもいいじゃねーか。楽しけりゃいいんだよ。じゃな、俺この後、約束があるから」

    「おう!また飲みにでもいこーぜ!」

    11 = 1 :

    「今のは…お友達?」

    「ああ、社内のな。アイツ、2年前にリストラされて奥さん自殺して…しばらく落ち込んでたからな…」

    「そんなっ…かわいそう…」

    「家族仲良い、か…娘さんのことでアイツ相当参ってたからな。
      ようやく不和を解消できたみたいだな」

    「うん…だといいんだケド」

    12 :

    こう言うの書いてるやつ気持ち悪いな

    にひひ(笑)

    13 = 1 :

    「家族、か…俺もいい加減結婚とか考えてみてもいいかもな」

    「…えっ?」

    「ああ、いや…ごほん。うんまあ、俺もそろそろなあ…」

    「え、えっと…//////」

    「ああ、うん…//////」

    「ま、まあとりあえず行きましょっ!ねっ!?」

    「お、おうっ!」

    14 :

    >>12
    そんなこと言うなよ!(だよな、気持ち悪いよな)

    15 = 1 :

    「さて、デパートはそこの角曲がったところだな」

    「うん!さあ、れっつごー!」

    上司「ひゃーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!雪だ!雪が降ってきたぞ!」

    「…ん?」

    上司「そうだ!埋め尽くせ!こんな嘘の世界なんて埋め尽くして消えてしまえばいいんだよ!
        ぎゃははははははははっ!」

    「…?」

    「あれは…ウチの上司じゃないか!?」

    16 :

    お、超王道

    18 = 1 :

    上司「ぎゃはははははは!すごい雪だ!埋め尽くせ!埋め尽くしてしまえ!嘘っぱちごと全部だ!」

    「…雪なんて降ってねーじゃん」

    「ね、ねえ…何だか様子がおかしくない?」

    「お、おう…ちょっと声かけてくる―――」

    上司「ぎゃはははははははははッあぐあッ!?がはっ…ぐッ!?」

    「ッ!?」

    20 = 1 :

    上司「い、痛いッ!あぐあッ…はあ…はあ…ちくしょうッ!」

    「ね、ねえ…ちょっとあの人大丈夫?」

    上司「あ…や、止め…痛い…頭が割れる…あ…ああッ!?
    ぎゃあああああああああああああああッ!!!!!」 ドサッ

    「大丈夫ですか!?どうしたんですか!?」

    21 = 1 :

    「くそっ!何があったんです!?大丈夫ですか!?」

    「救急車呼ぶね!?」 ガチャッ ピピピッ

    上司「あう…あああ…」

    「しっかりしてください!俺です、男です!」

    上司「はあ…はあ…どうして…どうして…」

    「…えっ?」

    上司「ゆ、『雪』が…激し…い…何も見えない…誰か…誰…か…―――」


    ―――イヴを控えた12月23日、静かに『悪夢』は動き出す。


    ―――――
    ―――

    23 = 1 :

    -同日夕方 病院-

    医者「…ふう」 バタン

    「あ…」

    医者「貴方があの患者にここまで付き添った方ですか」

    「え、ええ…ウチの上司ですから…それで…えっと…」

    医者「残念ながら…お亡くなりになられました」

    「え…?」

    24 = 1 :

    「一体どうして…?何かを患っていたんですかね?」

    医者「…現時点では何も分かりません。
        それに…あの患者の恩人とはいえ第三者である貴方にはお話できない部分もありますし…」

    「そうですか…(まあ、そりゃあな…)」

    医者「あの患者も『雪』を見たのかな…(ボソッ)」

    「…えっ?」

    医者「…いえ、すみません。独り言です。ここまでありがとうございました。
        亡くなられた患者さんに代わって私からお礼を申し上げます。
        ご遺族の方にも私の方から連絡しておきましょう」

    「あ、ああ…どうも」

    26 = 16 :

    この雰囲気が好きだ

    27 = 1 :

    ガチャッ

    「待たせてごめんな」

    「ううん…いいの。それで…あの…」

    「………」

    「そ、そっか…」

    「帰ろうか。プレゼント、またでいいかな?」

    「う、うん…仕方ないよね」

    「なあ…今日は『雪』降ったかな?」

    「ううん…」

    「だよな…」

    28 = 1 :

    -同日夜 女宅玄関前-

    「ごめんね、家まで送ってもらっちゃって…」

    「いいんだ。今日はごめんな」

    「ううん、仕方ないじゃない」

    「…そういえば、女の家に来るのすっごく久しぶりだな」

    「今は男クン、社員寮暮らしだもんね。2年ちょっとぶりかな?」

    「だな」

    30 = 1 :

    「寄ってく?」

    「ごめん、今から社に出るわ。さすがに上司がああなっちゃ、な…」

    「そっか…そうだよね…」

    「…なあ」

    「えっ…ふぎゃ!?」 ギュッ

    「…今日のお詫び、抱きしめ攻撃っ」

    「ちょっとッ!?ここ自宅前なんですけど!?」

    「…ダメ?」

    「ううん…いい/////」

    31 = 1 :

    「なんか…すっごく幸せ」

    「あ、ああ…うん///////」

    「ずっと続けばいいのに」

    「続くよ…絶対に」

    「そう…かな?」

    「…女?」

    「ううん、何でもない、何でもないから…」

    33 = 1 :

    「じゃあ…ちょっと出勤してくる」

    「うん…行ってらっしゃい。気をつけて―――バイバイ」

    「―――っ」

    ―――それは、ある意味では『予感』だったのかもしれない。

    「なあ…お前は…急にいなくなったりしないよな…?」

    「…え?う、うん…どうして?」

    「…いや、何でもない。じゃあな」

    「うん…バイバイ」

    ―――いや、本当は『気づいていた』のかもしれない。

    34 = 5 :

    まさか・・・支援

    35 = 1 :

    -24日深夜 新聞社-

    「…ふう」

    同僚「おいっす。今日中にまた会うとはな」

    「…お前も来てたのか」

    同僚「俺の場合は直属の上司だからな。そんな連絡が着たら来ないわけにはいかないだろ」

    「確かに…」

    同僚「で、お前なんか知ってるか?」

    「知ってるも何も俺が救急車に付き添ったんだよ」

    同僚「詳しく聞かせてくれ。どうにも気になることがあるんだ」

    36 :

    またお前か
    支援してやんよ

    37 = 1 :

    同僚「―――なるほど、やはりか」

    「やはり、とはどういうことだ?」

    同僚「少しだけ情報を聞いてまさかとは思っていたんだが…この記事を読んでくれ」

    「…ん?『増える突然死。都会の真ん中で突如息絶える人々』…?」

    同僚「これは俺が書いた記事なんだが…似てないか?今日起きた上司の死と」

    39 :

    超王道の人か…リアルタイムで遭遇するとは…ファンです。保守

    40 = 1 :

    「似てるも何も…状況がほとんど同じだ」

    同僚「これはまだニュースにも何もなってないんだが…俺もふとしたことがきっかけで気づいたんだ…。
        最近何の変哲もない人が突然町の中で死ぬという事案が多いらしい」

    「…殺されてるとか?」

    同僚「いや、あくまで突然死だ。だが、気になることがある」

    「と言うと?」

    同僚「なあ…上司はこう言ってなかったか?『雪が降ってきた』と」

    42 = 1 :

    「………」

    同僚「やっぱりな。不思議だろ?どういう意味だと思う?」

    「いや、分からん…だがそれが共通点としてあるなら…」

    同僚「そう、多発する突然死には何かあるんじゃないか、そう思うだろ?」

    「『雪』か…」

    44 = 36 :

    ふむ…今回は伏線謎解き型か?
    とりあえず支援

    45 = 1 :

    同僚「ま、しかしながらこの記事はたぶん載らないな」

    「えっ?そうなのか?」

    同僚「まず何も確証がないからな。俺の妄言の域を出ない。
        それにそんな危険な記事、新聞には載せられないだろ」

    「まあ、週刊誌の都市伝説ネタ程度ではあるな…」

    同僚「上と掛け合ったけど、明日の記事はまた好景気ネタだとさ。
        もういい加減景気ネタは飽きたんだがなあ」

    「まあ仕方がない。いいニュースには違いないから」

    47 = 1 :

    「さて仕事に取り掛かるか。お前は?」

    同僚「上司の分やらなきゃいかん」

    「だな。ヒラは大変だ」

    同僚「同感…そうだ、なあ」

    「…なんだ?」

    同僚「…メリークリスマス」

    「ふん…メリークリスマス」

    ―――――
    ―――

    48 = 1 :

    -24日早朝 新聞社-

    部下「…サン!男サン!」

    「…zzz…う、ん…?あ、いっけね…寝入ってしまったのか」

    部下「朝っスよ。取材、行かなくていいんスか?」

    「ふあ…いけね。ありがと!」

    部下「眠そうっスね?これ食べてください」

    「んだこれ?…チョコ?」

    部下「昨日、道端でサンタが配ってました。俺、チョコ食うと鼻血出るんであげます」

    「いらねえよ。朝から甘いもんとか食いたくない」

    50 = 1 :

    「…あれ?同僚、机にいないな。取材か?」

    部下「同僚サンっすか?見てないっスね」

    「ふーん、上司の仕事してるんならデスクかと思ったけど…まあいいか」

    部下「外寒いんで気をつけてください」

    「ああ、行ってくる」


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