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元スレ巌窟王「旅行先間違えた」 アンジー「神様ですか?」
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星「……おい。十六人の中に、だと? 巌窟王はカウントしなくてもいいのか?」
最原「ええと、彼の場合はこの学園に来たのは例外でしょ? そもそも部屋に配られているんだから、パッドを配るべき場所が……」
最原「あれ」
最原(そうだ。巌窟王さんには私室がない。じゃああのモノパッドをどこで手に入れたんだ?)
最原(……)
最原(そういえば、そもそも巌窟王さんって夜はどこで眠ってたんだ?)
最原(……まさか……)ダラダラダラ
巌窟王「余計なことを言ったら……わかるな?」コソッ
最原「」
星「?」
最原「ええと、彼の場合はこの学園に来たのは例外でしょ? そもそも部屋に配られているんだから、パッドを配るべき場所が……」
最原「あれ」
最原(そうだ。巌窟王さんには私室がない。じゃああのモノパッドをどこで手に入れたんだ?)
最原(……)
最原(そういえば、そもそも巌窟王さんって夜はどこで眠ってたんだ?)
最原(……まさか……)ダラダラダラ
巌窟王「余計なことを言ったら……わかるな?」コソッ
最原「」
星「?」
巌窟王「俺には関係のない話だ。ここは席を外した方がいいかもしれないな」
巌窟王「そうだ。アンジー」
巌窟王「……」ゴニョゴニョゴニョ
アンジー「……」
アンジー「アンジー、ハ、ランタロウ、ノ、動機ビデオ、ヲ、手ニ入レテタ」カタコト
アンジー「スッカリ、ワスレテタ、ヨ」カタコト
最原(言わされてる感しかない!)ガビーンッ!
天海「えっ。俺の……?」
天海「そ、そこには何が映ってたんすか!? 俺の才能に関して何かわかったりは……!」
王馬「おーっと! 天海ちゃんストップストップ!」
王馬「これ以上突っ込んだらダメだよー。モノクマの思うつぼだよー?」
天海「ぐ……!」
東条「……私の動機ビデオも、私のものだったわ」
赤松「えっ」
東条「……だから、あらかじめ言っておくわね」
東条「アレは絶対に見るべきじゃないわ」
赤松「……う、うん。気分が良くなるものじゃないから……」
赤松「それにあのビデオって……ううん、なんでもない」
百田「他に自分の動機ビデオを配られたヤツはいねーのか?」
シーン
百田「……そうか。それならこの話はここで終いだな」
王馬「え? 嘘吐いてる人がいるかもしれないから、誰がどのパッドを持っているかくらいは確認した方がいいんじゃない?」
百田「しめぇだ! これ以上は状況が悪化するだけだぜ!」
王馬「ふぅーん」
巌窟王「そうだ。アンジー」
巌窟王「……」ゴニョゴニョゴニョ
アンジー「……」
アンジー「アンジー、ハ、ランタロウ、ノ、動機ビデオ、ヲ、手ニ入レテタ」カタコト
アンジー「スッカリ、ワスレテタ、ヨ」カタコト
最原(言わされてる感しかない!)ガビーンッ!
天海「えっ。俺の……?」
天海「そ、そこには何が映ってたんすか!? 俺の才能に関して何かわかったりは……!」
王馬「おーっと! 天海ちゃんストップストップ!」
王馬「これ以上突っ込んだらダメだよー。モノクマの思うつぼだよー?」
天海「ぐ……!」
東条「……私の動機ビデオも、私のものだったわ」
赤松「えっ」
東条「……だから、あらかじめ言っておくわね」
東条「アレは絶対に見るべきじゃないわ」
赤松「……う、うん。気分が良くなるものじゃないから……」
赤松「それにあのビデオって……ううん、なんでもない」
百田「他に自分の動機ビデオを配られたヤツはいねーのか?」
シーン
百田「……そうか。それならこの話はここで終いだな」
王馬「え? 嘘吐いてる人がいるかもしれないから、誰がどのパッドを持っているかくらいは確認した方がいいんじゃない?」
百田「しめぇだ! これ以上は状況が悪化するだけだぜ!」
王馬「ふぅーん」
最原「……?」
最原「赤松さん。言いたくなかったら別にいいんだけどさ。さっき何を言いかけたの?」
赤松「……」
赤松「あのビデオって多分……思い出しライトの効果もあるから、見ない方がいいと思う」
ギュンッ!
巌窟王「アンジーの動機ビデオを持っている者は今すぐ挙手しろ! そして動機ビデオをよこせ!」
巌窟王「さもなくば頭から湖沼をかけてやる! 残酷になァ!」ギンッ
最原「アンジーさんが絡んだ途端にコレだよ!」ガビーンッ
真宮寺「しかもおしおきが小学生のイタズラレベルだヨ」
巌窟王「最原! お前ならわかるだろう! アンジーの記憶は脱出に必須だ! ヤツもそう言っていただろう!」
巌窟王「手段を選んでいる場合か!?」
最原「いやまあ確かにそうだけど……!」
巌窟王「よもやお前か!? お前ではないだろうな!? いや、お前だ! お前が持っているのだな!?」ガクガク
最原「酔う! 酔うからやめて! そんなに激しく揺すらないで!」
入間「ああん、朝っぱらから激しいのなんて、最高ォ……!」
夢野「沈まれぇーーーいッ!」
最原&巌窟王「!」ピタリッ
最原「赤松さん。言いたくなかったら別にいいんだけどさ。さっき何を言いかけたの?」
赤松「……」
赤松「あのビデオって多分……思い出しライトの効果もあるから、見ない方がいいと思う」
ギュンッ!
巌窟王「アンジーの動機ビデオを持っている者は今すぐ挙手しろ! そして動機ビデオをよこせ!」
巌窟王「さもなくば頭から湖沼をかけてやる! 残酷になァ!」ギンッ
最原「アンジーさんが絡んだ途端にコレだよ!」ガビーンッ
真宮寺「しかもおしおきが小学生のイタズラレベルだヨ」
巌窟王「最原! お前ならわかるだろう! アンジーの記憶は脱出に必須だ! ヤツもそう言っていただろう!」
巌窟王「手段を選んでいる場合か!?」
最原「いやまあ確かにそうだけど……!」
巌窟王「よもやお前か!? お前ではないだろうな!? いや、お前だ! お前が持っているのだな!?」ガクガク
最原「酔う! 酔うからやめて! そんなに激しく揺すらないで!」
入間「ああん、朝っぱらから激しいのなんて、最高ォ……!」
夢野「沈まれぇーーーいッ!」
最原&巌窟王「!」ピタリッ
夢野「この緊張状態じゃ! 巌窟王! 出せと言われて素直に出すわけがないじゃろう!」
夢野「それとも何か? 巌窟王はアンジーを人殺しに仕立て上げたいのか?」
巌窟王「……」
星「ふん。意外なヤツが声を上げたもんだな」
星「だがよ。別に動機ビデオを見たからって、すぐに冷静さを失うわけじゃねーだろう」
星「赤松と東条は確かにショックは受けただろうが、な」
夢野「じゃが危険すぎる賭けになることだけは確かじゃ。なので……!」
夢野「この空間には、今すぐに笑顔が必要だとウチは考えるぞ!」
夢野「笑顔は心を癒す。癒しがあれば、まだ立ち上がれる!」
夢野「そうじゃろ!?」
最原「あれ? なんか話が変な方向に……」
夢野「巌窟王! アンジーを借りるぞ! その他、希望者はウチについて来い!」
夢野「ウチのマジカルショーで、モノクマの作ったこのギスギス空気を粉砕する!」
夢野「これがッ! ウチの恩讐の牙じゃ!」ギンッ!
最原(なんか明らかに巌窟王さんの影響を受けて、テンションが変になってるーーーッ!)ガビーンッ!
最原(笑顔が悪人のものだ!)
巌窟王「……」
巌窟王「く、クハ……」
巌窟王「クハハハハハハハハ! いいだろう! やってみるがいい!」
巌窟王「お前の恩讐の牙とやらがどこまで通用するのか、この俺が見届けてやろうではないか……!」ギンッ
最原(すんごい乗り気になってるしッ!)ガビーンッ!
夢野「それとも何か? 巌窟王はアンジーを人殺しに仕立て上げたいのか?」
巌窟王「……」
星「ふん。意外なヤツが声を上げたもんだな」
星「だがよ。別に動機ビデオを見たからって、すぐに冷静さを失うわけじゃねーだろう」
星「赤松と東条は確かにショックは受けただろうが、な」
夢野「じゃが危険すぎる賭けになることだけは確かじゃ。なので……!」
夢野「この空間には、今すぐに笑顔が必要だとウチは考えるぞ!」
夢野「笑顔は心を癒す。癒しがあれば、まだ立ち上がれる!」
夢野「そうじゃろ!?」
最原「あれ? なんか話が変な方向に……」
夢野「巌窟王! アンジーを借りるぞ! その他、希望者はウチについて来い!」
夢野「ウチのマジカルショーで、モノクマの作ったこのギスギス空気を粉砕する!」
夢野「これがッ! ウチの恩讐の牙じゃ!」ギンッ!
最原(なんか明らかに巌窟王さんの影響を受けて、テンションが変になってるーーーッ!)ガビーンッ!
最原(笑顔が悪人のものだ!)
巌窟王「……」
巌窟王「く、クハ……」
巌窟王「クハハハハハハハハ! いいだろう! やってみるがいい!」
巌窟王「お前の恩讐の牙とやらがどこまで通用するのか、この俺が見届けてやろうではないか……!」ギンッ
最原(すんごい乗り気になってるしッ!)ガビーンッ!
数十分後
最原「……結構な人数が夢野さんに付いてっちゃったね」
巌窟王「アンジーがいなければ訓練ができん。今日のところは訓練はなしだな」
巌窟王「アマデウス斎藤にその旨、伝える方法があるといいのだが……」
最原「……多分どこかから見てるから伝える必要はないんじゃないかな」
最原(というか天海くんも夢野さんの手伝いに行っちゃったし……)
巌窟王「さて。俺は……」カサリッ
最原(ん? 巌窟王さんのポケットから、紙が折れたみたいな音が……)
巌窟王「……適当に羽を伸ばすとしよう。子供のお守りなど、俺の得手ではない」
巌窟王「久しぶりにあの娘から解放されて清々としたしな」スタスタ
最原「……?」
最原「……結構な人数が夢野さんに付いてっちゃったね」
巌窟王「アンジーがいなければ訓練ができん。今日のところは訓練はなしだな」
巌窟王「アマデウス斎藤にその旨、伝える方法があるといいのだが……」
最原「……多分どこかから見てるから伝える必要はないんじゃないかな」
最原(というか天海くんも夢野さんの手伝いに行っちゃったし……)
巌窟王「さて。俺は……」カサリッ
最原(ん? 巌窟王さんのポケットから、紙が折れたみたいな音が……)
巌窟王「……適当に羽を伸ばすとしよう。子供のお守りなど、俺の得手ではない」
巌窟王「久しぶりにあの娘から解放されて清々としたしな」スタスタ
最原「……?」
BB?『え? 女性にプレゼントするならどんなものがいいか、ですか?』
BB?『うーん、そうですねー。巌窟王さんからなら大体の女性は喜ぶと思いますけど』
BB?『お顔立ちは結構端正ですしね。綺麗な花でも、美味しいお菓子でも、ちょっとしたアクセサリーでも嬉しいと思いますよ?』
BB?『何よりも、あなたは私にそれを問いました。少しでも喜んでもらいたいという、その心が一番重要です』
BB?『……え? なに? お前本当にBBか? ですって?』
BB?『声色が白い? 不必要に清純すぎる。邪悪さはどこ行った……?』
BB?『……もう。そこまで言ったらBBさんに失礼ですよ。あの子だってそこまで悪い子じゃ……』
BB?『あっ』
ブツンッ ツーツー
巌窟王「……」
巌窟王「絶対にパールヴァティー……だったな……」
BB?『うーん、そうですねー。巌窟王さんからなら大体の女性は喜ぶと思いますけど』
BB?『お顔立ちは結構端正ですしね。綺麗な花でも、美味しいお菓子でも、ちょっとしたアクセサリーでも嬉しいと思いますよ?』
BB?『何よりも、あなたは私にそれを問いました。少しでも喜んでもらいたいという、その心が一番重要です』
BB?『……え? なに? お前本当にBBか? ですって?』
BB?『声色が白い? 不必要に清純すぎる。邪悪さはどこ行った……?』
BB?『……もう。そこまで言ったらBBさんに失礼ですよ。あの子だってそこまで悪い子じゃ……』
BB?『あっ』
ブツンッ ツーツー
巌窟王「……」
巌窟王「絶対にパールヴァティー……だったな……」
巌窟王「……倉庫に行ってプレゼントを何かしら見繕うか」
巌窟王「そろそろ俺の食事を改善してもらわねば……朝から麻婆豆腐はいくらなんでもないだろう」
巌窟王「何らかの理由で嫌われているとしか思えん」
巌窟王「……いや、この世のすべての悪を体現せんとするアヴェンジャー故に、人々に嫌われるのはなんともないが」
巌窟王「あの女だけは敵に回すのは得策ではないからな。食事的な意味で」
巌窟王「なにかないものか……」スタスタ
体育館
夢野「かーっかっかっか! これじゃ! これこそが! 我が魔法の最終進化形態!」
夢野「やはりアンジーに協力を頼んだのは間違いではなかったぞ!」
アンジー「にゃははー! お褒めに預かり光栄だよー!」
天海「確かに美術的な観点から見ても、このステージは中々のモンっすね」
天海「あとは適当なBGMでもあればいいんすけど」
赤松「あ、私の研究教室から持ってくる?」
天海(……)
天海(やっぱみんないいヤツっすね。こんな素性のわからない俺を輪に入れてくれるんすから)
天海(いつかアマデウス斎藤ではない自分自身、天海蘭太郎のことも誇れたらいいんすけど……)
巌窟王「そろそろ俺の食事を改善してもらわねば……朝から麻婆豆腐はいくらなんでもないだろう」
巌窟王「何らかの理由で嫌われているとしか思えん」
巌窟王「……いや、この世のすべての悪を体現せんとするアヴェンジャー故に、人々に嫌われるのはなんともないが」
巌窟王「あの女だけは敵に回すのは得策ではないからな。食事的な意味で」
巌窟王「なにかないものか……」スタスタ
体育館
夢野「かーっかっかっか! これじゃ! これこそが! 我が魔法の最終進化形態!」
夢野「やはりアンジーに協力を頼んだのは間違いではなかったぞ!」
アンジー「にゃははー! お褒めに預かり光栄だよー!」
天海「確かに美術的な観点から見ても、このステージは中々のモンっすね」
天海「あとは適当なBGMでもあればいいんすけど」
赤松「あ、私の研究教室から持ってくる?」
天海(……)
天海(やっぱみんないいヤツっすね。こんな素性のわからない俺を輪に入れてくれるんすから)
天海(いつかアマデウス斎藤ではない自分自身、天海蘭太郎のことも誇れたらいいんすけど……)
ザクッザクッ
最原(うーん……やっぱり燃やすのは、なんとなく良くない気がするんだよな)
最原(見る見ないに関しては、まだ決めることはできないけど)
最原(一応掘り返して、入間さんに修理を頼もうかな……重要な部分が残ってたら見れるかもしれないし……)
最原(……)
最原「動機ビデオ、か……もうあんなこと起こらない、よな?」
裏庭周辺
獄原「え……王馬くん。今、なんて言ったの?」
王馬「うん! バカなゴン太のためにもう一度言うね!」
王馬「みんながゴン太の研究教室の虫さんたちを殺したがってるんだよ!」キラキラキラ
獄原「ええっ!? そ、そんな! 酷いよ!」
王馬「そうだよね! 酷いよね! だから俺に、いい考えがあるんだ……」ニヤァ
最原(うーん……やっぱり燃やすのは、なんとなく良くない気がするんだよな)
最原(見る見ないに関しては、まだ決めることはできないけど)
最原(一応掘り返して、入間さんに修理を頼もうかな……重要な部分が残ってたら見れるかもしれないし……)
最原(……)
最原「動機ビデオ、か……もうあんなこと起こらない、よな?」
裏庭周辺
獄原「え……王馬くん。今、なんて言ったの?」
王馬「うん! バカなゴン太のためにもう一度言うね!」
王馬「みんながゴン太の研究教室の虫さんたちを殺したがってるんだよ!」キラキラキラ
獄原「ええっ!? そ、そんな! 酷いよ!」
王馬「そうだよね! 酷いよね! だから俺に、いい考えがあるんだ……」ニヤァ
この動機ビデオあたりからイイ感じに混沌化してくるんだよなぁ、そして巌窟王の対岸の火事からの手のひらくるりに吹いたww
超高校級の発明家の研究教室
入間「あー……? ダメだな。大雑把な理屈はわかるが、何がどうなってそうなるのかサッパリわっかんねー」
入間「英霊召喚……ただのテレポーテーションってわけじゃねーしな」
入間「おそらく魔法陣やアンジーの詠唱がどこか別の空間……大雑把に言えば集合的無意識にアクセスして」
入間「んでもって、そこに蓄えられた情報を基に英霊を呼び出したんだと思うんだが……」
入間「情報がどうやって血や肉、ついでに服になるんだっつの。情報熱力学が数百年進んでも絶対に再現不可能だぞオイ……」
コンコンッ
最原「入間さん? いる? ちょっと頼みたいことがあるんだけど」
入間「確かに根本的に考えれば、この世の万物を構成する一番の下敷きは『概念』と言う名の情報だが……」
入間「その概念を自由自在に操ることなんて人間にできっこねー。ていうかこの世のどんな存在にもできてたまるか……」ブツブツ
入間「それに情報がそれ単体でエネルギーを持つっつってもエネルギー=質量×光速度の二乗……」
入間「言い換えるとエネルギーを物質に変えるためには信じられない莫大な量の……」
最原「入間さん! いーるーまーさーん!」
入間「……」
入間「ぷぎゃあ!? だ、ダダダダサイ原! いつからそこにいやがった!?」ガビーンッ!
最原「結構前からいたけど……」
入間「あー……? ダメだな。大雑把な理屈はわかるが、何がどうなってそうなるのかサッパリわっかんねー」
入間「英霊召喚……ただのテレポーテーションってわけじゃねーしな」
入間「おそらく魔法陣やアンジーの詠唱がどこか別の空間……大雑把に言えば集合的無意識にアクセスして」
入間「んでもって、そこに蓄えられた情報を基に英霊を呼び出したんだと思うんだが……」
入間「情報がどうやって血や肉、ついでに服になるんだっつの。情報熱力学が数百年進んでも絶対に再現不可能だぞオイ……」
コンコンッ
最原「入間さん? いる? ちょっと頼みたいことがあるんだけど」
入間「確かに根本的に考えれば、この世の万物を構成する一番の下敷きは『概念』と言う名の情報だが……」
入間「その概念を自由自在に操ることなんて人間にできっこねー。ていうかこの世のどんな存在にもできてたまるか……」ブツブツ
入間「それに情報がそれ単体でエネルギーを持つっつってもエネルギー=質量×光速度の二乗……」
入間「言い換えるとエネルギーを物質に変えるためには信じられない莫大な量の……」
最原「入間さん! いーるーまーさーん!」
入間「……」
入間「ぷぎゃあ!? だ、ダダダダサイ原! いつからそこにいやがった!?」ガビーンッ!
最原「結構前からいたけど……」
入間「な、何の用だ? ハッ! 二人きりの密室……何も起こらないはずもなく……!?」
入間「まさか俺様をブチ犯しに来たのか!?」ガビーンッ!
最原「そんなわけないだろッ!」
入間「ひいいいい。じゃあなんだよう……ハッ! 二人きりの密室。そして後に残ったのは俺様の死体……」
入間「お、俺様を殺しに来やがったのか!?」ガビーンッ!
最原「そうでもないよ! ほら、これ!」
入間「……なんだ、そのガラクタ」
最原「多分、燃やされたけど動機ビデオの入ってるモノクマーズパッドだと思うんだ」
最原「これを僕が『偶然に』見つけてさ。入間さんなら修復できないかなって」
入間「ざっけんな。なんで俺様がそんなことしなきゃなんねーんだよ」
入間「……と、普段なら言うところだが、さっきの赤松の発言を聞いてみた限り、俺様にメリットがないわけじゃねーな」
最原「え?」
入間「……貸せ。やったらァ。ただし交換条件がある」スタスタスタ
最原(入間さんは僕の方にズカズカと歩み寄り……)
ガンッ
最原(僕の傍の壁に乱暴に足を叩きつけて言った)
入間「……この仕事が終わるまで外に出るな。それが条件だ」
最原「え」
入間「何故? とかどうして? なんざ訊くなよ。テメェに許された返答はYESかNOかの二択のみだ」
最原「……い、イエス」
入間「いいぜ。取引成立だ。やってやらァ」ヒョイッ
最原(あ、残骸を持ってかれた……)
入間「まさか俺様をブチ犯しに来たのか!?」ガビーンッ!
最原「そんなわけないだろッ!」
入間「ひいいいい。じゃあなんだよう……ハッ! 二人きりの密室。そして後に残ったのは俺様の死体……」
入間「お、俺様を殺しに来やがったのか!?」ガビーンッ!
最原「そうでもないよ! ほら、これ!」
入間「……なんだ、そのガラクタ」
最原「多分、燃やされたけど動機ビデオの入ってるモノクマーズパッドだと思うんだ」
最原「これを僕が『偶然に』見つけてさ。入間さんなら修復できないかなって」
入間「ざっけんな。なんで俺様がそんなことしなきゃなんねーんだよ」
入間「……と、普段なら言うところだが、さっきの赤松の発言を聞いてみた限り、俺様にメリットがないわけじゃねーな」
最原「え?」
入間「……貸せ。やったらァ。ただし交換条件がある」スタスタスタ
最原(入間さんは僕の方にズカズカと歩み寄り……)
ガンッ
最原(僕の傍の壁に乱暴に足を叩きつけて言った)
入間「……この仕事が終わるまで外に出るな。それが条件だ」
最原「え」
入間「何故? とかどうして? なんざ訊くなよ。テメェに許された返答はYESかNOかの二択のみだ」
最原「……い、イエス」
入間「いいぜ。取引成立だ。やってやらァ」ヒョイッ
最原(あ、残骸を持ってかれた……)
入間「そうだ。条件を追加だ。『外から誰も入ってこないこと』」
最原「……え?」
入間「研究教室のドアの近くに、俺様が自作したストッパーがある。内側から起動させれば誰も入ってこねぇ」
入間「赤いボタンがあるだろ? 閉めるのマークがあるはずだ」
最原「ああ、これ……」
最原(……この閉めるのマーク、何をモチーフにしてるのかは聞かないでおこう)ポチリッ
ガシャァァアンッ!
入間「じゃ、始めっかー。ダサイ原。そこら辺でおったってるなり、座って俺様を視姦するなり好きにしてていいぜ」
入間「もちろん、俺様の邪魔をした場合も取引はナシだけどな」
最原「……?」
最原(なんだ? 入間さんは何を考えてる?)
最原「……え?」
入間「研究教室のドアの近くに、俺様が自作したストッパーがある。内側から起動させれば誰も入ってこねぇ」
入間「赤いボタンがあるだろ? 閉めるのマークがあるはずだ」
最原「ああ、これ……」
最原(……この閉めるのマーク、何をモチーフにしてるのかは聞かないでおこう)ポチリッ
ガシャァァアンッ!
入間「じゃ、始めっかー。ダサイ原。そこら辺でおったってるなり、座って俺様を視姦するなり好きにしてていいぜ」
入間「もちろん、俺様の邪魔をした場合も取引はナシだけどな」
最原「……?」
最原(なんだ? 入間さんは何を考えてる?)
一方そのころ 外
獄原「みんなに虫さんの良さをわかってもらうッ!」ドォォォォンッ!
夢野「ぐぎゃああああああああ!」
アンジー「秘密子ーーーッ!」
獄原「ついでにアンジーさんも確保ッ!」バァァァンッ!
アンジー「がっはーーーッ!?」
獄原「すぐに研究教室に連行!」シュババババッ
百田(やべぇ……やべぇよ……)ガタガタ
天海(逃げ切ってやるっす……絶対に!)
獄原「みんなに虫さんの良さをわかってもらうッ!」ドォォォォンッ!
夢野「ぐぎゃああああああああ!」
アンジー「秘密子ーーーッ!」
獄原「ついでにアンジーさんも確保ッ!」バァァァンッ!
アンジー「がっはーーーッ!?」
獄原「すぐに研究教室に連行!」シュババババッ
百田(やべぇ……やべぇよ……)ガタガタ
天海(逃げ切ってやるっす……絶対に!)
獄原「赤松さん確保!」シュババババッ
赤松「いやあああああああ!」
五分後
獄原「真宮寺くんとキーボくんを確保! キーボくん重ッ! いけどまあイケる!」シュババババッ
真宮寺「あー」
キーボ「重くないです! 重くないですよ!」
真宮寺「女子みたいな抗議だネ」
十分後
獄原「茶柱さん確保……星くんは……逃げられちゃったか」
茶柱「ああああああああ! 我魂魄百万回生まれ変わってもおおお!」
茶柱「星さんッ! 恨み晴らしますからねーーーッ!」
星(……やれやれだぜ)
赤松「いやあああああああ!」
五分後
獄原「真宮寺くんとキーボくんを確保! キーボくん重ッ! いけどまあイケる!」シュババババッ
真宮寺「あー」
キーボ「重くないです! 重くないですよ!」
真宮寺「女子みたいな抗議だネ」
十分後
獄原「茶柱さん確保……星くんは……逃げられちゃったか」
茶柱「ああああああああ! 我魂魄百万回生まれ変わってもおおお!」
茶柱「星さんッ! 恨み晴らしますからねーーーッ!」
星(……やれやれだぜ)
十五分後
獄原「よーーーっし! 白銀さんも捕まえた!」
白銀「きゃあああああああああああ!?」
獄原「ついでにそこにいる天海くんも!」
アマデウス斎藤「え? 俺のことっすか?」
獄原「……え? 誰?」
アマデウス斎藤「初めまして。アマデウス斎藤っす」
獄原「あ、どうもこちらこそ」
白銀「へぇー。天海くんに似てるなー」
獄原「人違いしてごめんなさい! じゃあ白銀さん! 行こうか」シュババババッ!
白銀「ああああああああああ……!」
アマデウス斎藤「危なかったっす」フー
獄原「よーーーっし! 白銀さんも捕まえた!」
白銀「きゃあああああああああああ!?」
獄原「ついでにそこにいる天海くんも!」
アマデウス斎藤「え? 俺のことっすか?」
獄原「……え? 誰?」
アマデウス斎藤「初めまして。アマデウス斎藤っす」
獄原「あ、どうもこちらこそ」
白銀「へぇー。天海くんに似てるなー」
獄原「人違いしてごめんなさい! じゃあ白銀さん! 行こうか」シュババババッ!
白銀「ああああああああああ……!」
アマデウス斎藤「危なかったっす」フー
王馬「こうしてゴン太の研究教室には、ぞくぞくと生徒たちが集まってくるのでした」
王馬「にしし……さあて。お楽しみ会、そろそろ始めちゃおっかなー」
入間の研究教室
最原「……」
最原(気のせいかな。なんか外が騒がしかったような……?)
最原(まあ、いいか)
倉庫内
巌窟王「……」
巌窟王「……あまり悩むのも考え物だな。これにするか」
王馬「にしし……さあて。お楽しみ会、そろそろ始めちゃおっかなー」
入間の研究教室
最原「……」
最原(気のせいかな。なんか外が騒がしかったような……?)
最原(まあ、いいか)
倉庫内
巌窟王「……」
巌窟王「……あまり悩むのも考え物だな。これにするか」
午後九時
最原「……」
最原「まだ外に出ちゃダメ?」
入間「ダメに決まってんだろ。メシならそこに倉庫から持ってきた保存食あるから適当に持ってけ」
最原「……」
最原「いい加減教えてくれないかな? 僕と一緒に閉じこもって何のつもり?」
入間「……タイミングを計ってただけだっつの」
入間「テメェ、最近あの褐色ド貧乳とよくつるんでたろ?」
最原「なんか、いつの間にかだけどね」
入間「だからよ。ちょこーっとアイツから血液抜き取れないかって思ってよ」
最原「え?」
入間「あのな。テメェ、なんとも思わなかったのか?」
入間「魔術回路……サーヴァントへの魔力供給……んなもん普通の人間が日常的にやるもんだと思うか?」
入間「それをやっている内に、アイツの身体に何らかの変化が起こっているかも、とか考えなかったのかよ」
最原(……)
最原(まったく考えてなかった。全然平気そうだったから)
最原(でもそうか。普段使わない……それもまともな理から離れた業を使っていれば、何か不具合が起こってもおかしくない、か?)
最原「……」
最原「まだ外に出ちゃダメ?」
入間「ダメに決まってんだろ。メシならそこに倉庫から持ってきた保存食あるから適当に持ってけ」
最原「……」
最原「いい加減教えてくれないかな? 僕と一緒に閉じこもって何のつもり?」
入間「……タイミングを計ってただけだっつの」
入間「テメェ、最近あの褐色ド貧乳とよくつるんでたろ?」
最原「なんか、いつの間にかだけどね」
入間「だからよ。ちょこーっとアイツから血液抜き取れないかって思ってよ」
最原「え?」
入間「あのな。テメェ、なんとも思わなかったのか?」
入間「魔術回路……サーヴァントへの魔力供給……んなもん普通の人間が日常的にやるもんだと思うか?」
入間「それをやっている内に、アイツの身体に何らかの変化が起こっているかも、とか考えなかったのかよ」
最原(……)
最原(まったく考えてなかった。全然平気そうだったから)
最原(でもそうか。普段使わない……それもまともな理から離れた業を使っていれば、何か不具合が起こってもおかしくない、か?)
入間「今の俺様の興味の対象は主に巌窟王だが、次に興味があるのはアンジーだ」
入間「健康診断をするついでになんとかヤツの身体機能について解析してぇ」
入間「っつーわけで、なんとかヤツから血液を採ってこれねぇかと思ってよ」
入間「……つまりこれが取引だ。俺様はヤツを解析したい。ヤツは自分の体の変化を知ることができる」
入間「ギブ&テイクはこれ以上ないくらい成立してんだろ? 既婚者同士のセフレのような完璧な関係性だ」
最原「それちょっとしたきっかけで泥沼になる関係ナンバーワンだと思うけど……」
最原「でもなるほど。彼女の血液が欲しいけど、きっかけが今までなかったから僕に協力を、ってことか」
入間「その通りだ。悪くねー話だろ?」
最原「うーん」
入間「健康診断をするついでになんとかヤツの身体機能について解析してぇ」
入間「っつーわけで、なんとかヤツから血液を採ってこれねぇかと思ってよ」
入間「……つまりこれが取引だ。俺様はヤツを解析したい。ヤツは自分の体の変化を知ることができる」
入間「ギブ&テイクはこれ以上ないくらい成立してんだろ? 既婚者同士のセフレのような完璧な関係性だ」
最原「それちょっとしたきっかけで泥沼になる関係ナンバーワンだと思うけど……」
最原「でもなるほど。彼女の血液が欲しいけど、きっかけが今までなかったから僕に協力を、ってことか」
入間「その通りだ。悪くねー話だろ?」
最原「うーん」
入間「まあベストなのはヤツが丸ごとこの研究教室に転がり込んでくるか、あるいは……」
入間「……いや。これはナシだな。後で巌窟王にぶっ殺されちまう」ブルリ
最原「?」
入間「あと四十分くらいで修理は終了だ。それまでは適当にマスかいてろ」
最原「……いや。この取引が主題ならもういよいよ帰っていいような気が……」
入間「ハッ! ダメだね。何故なら……!」
最原「何故なら?」
入間「俺様、見られてる方が興奮するから……! さっきからもう二回くらいイッちゃってパンツの中も……」
最原「出してーーー! お願い! ここから出してーーー!」ガビーンッ!
入間「……いや。これはナシだな。後で巌窟王にぶっ殺されちまう」ブルリ
最原「?」
入間「あと四十分くらいで修理は終了だ。それまでは適当にマスかいてろ」
最原「……いや。この取引が主題ならもういよいよ帰っていいような気が……」
入間「ハッ! ダメだね。何故なら……!」
最原「何故なら?」
入間「俺様、見られてる方が興奮するから……! さっきからもう二回くらいイッちゃってパンツの中も……」
最原「出してーーー! お願い! ここから出してーーー!」ガビーンッ!
大体同時刻
超高校級の昆虫博士の研究教室
アンジー「うわーーー! 秘密子が虫に埋まっちゃってるよー!」
真宮寺「がっ……ぎっ……!」ビクンビクン
茶柱「え。どうしたんですか真宮寺さん! ただでさえ気持ち悪いのに、更に気持ち悪い動きしてますよ!」
赤松「耳の中に虫が入っちゃったんだって! どうしよう! 誰か助けて!」
白銀「うふふふふふふ。花畑の向こうでカナタが手を振って……」
キーボ「白銀さんが変な幻覚見てまーーーすッ!」
獄原「とっても和むよ。みんなもそう思うでしょ?」
一同「思うかァッ!」
超高校級の昆虫博士の研究教室
アンジー「うわーーー! 秘密子が虫に埋まっちゃってるよー!」
真宮寺「がっ……ぎっ……!」ビクンビクン
茶柱「え。どうしたんですか真宮寺さん! ただでさえ気持ち悪いのに、更に気持ち悪い動きしてますよ!」
赤松「耳の中に虫が入っちゃったんだって! どうしよう! 誰か助けて!」
白銀「うふふふふふふ。花畑の向こうでカナタが手を振って……」
キーボ「白銀さんが変な幻覚見てまーーーすッ!」
獄原「とっても和むよ。みんなもそう思うでしょ?」
一同「思うかァッ!」
真宮寺「ぐ、は……! 王馬くんは確か、みんなの動機ビデオを取りに行ってるんだよネ……!?」ヒーッヒーッ
赤松「うん! でもなんか全然戻ってくる気配がないよね! なんか!」
真宮寺「し、仕方ない! もうこうなったら最後の手段だヨ……!」
真宮寺「夜長さん! 令呪でサーヴァントをマスターの手元に呼び寄せられるはずだヨ! だからそれ使って」
アンジー「え? やだ」
真宮寺「」
茶柱「な、なんでですかッ!? 巌窟王さんがいればこの状況をなんとかしてくれるはずですよ!?」
アンジー「だって令呪って三画しかなくって、前回の楓の件で一画使っちゃったから……」
アンジー「もう二画しかないんだよ。これ使ったら、もし次に神様が死んだら蘇ることができなくなっちゃう」
アンジー「だからやだ。アンジーが死んでも、コレだけは使わない」
赤松「……アンジーさん……」
真宮寺「その決意は美しいけどネ……! ひい! 服の中にむ、むむむむ……」
茶柱「いやーーー! お願い! 想像しちゃうから絶対に言わないでくださーーーい!」
赤松「うん! でもなんか全然戻ってくる気配がないよね! なんか!」
真宮寺「し、仕方ない! もうこうなったら最後の手段だヨ……!」
真宮寺「夜長さん! 令呪でサーヴァントをマスターの手元に呼び寄せられるはずだヨ! だからそれ使って」
アンジー「え? やだ」
真宮寺「」
茶柱「な、なんでですかッ!? 巌窟王さんがいればこの状況をなんとかしてくれるはずですよ!?」
アンジー「だって令呪って三画しかなくって、前回の楓の件で一画使っちゃったから……」
アンジー「もう二画しかないんだよ。これ使ったら、もし次に神様が死んだら蘇ることができなくなっちゃう」
アンジー「だからやだ。アンジーが死んでも、コレだけは使わない」
赤松「……アンジーさん……」
真宮寺「その決意は美しいけどネ……! ひい! 服の中にむ、むむむむ……」
茶柱「いやーーー! お願い! 想像しちゃうから絶対に言わないでくださーーーい!」
大体同時刻
超高校級のテニス選手の研究教室周辺
ギャーギャー
巌窟王「……あちらの方が騒がしいな。約束の時間までに全員散ってくれるといいのだが」
百田「お? 巌窟王。何やってんだよ、もう夜の九時だぜ?」
巌窟王「百田か。フン、何。向こうの方が騒がしいな、と思ってな」
巌窟王「俺が倉庫にいる間に何かあったのか?」
百田「……」
百田「まあ……致命的なことは何も……」
巌窟王「……?」
巌窟王(まあいい。アイツは二人きりで話がしたいと言っていたのだ。この周辺をウロつくのはやめておこう)
巌窟王「そういえば、春川が自分の研究教室から離れていないと聞いたが……」
巌窟王「……ちゃんと食事は摂っているのだろうな?」ニヤァ
百田「……テメェ、焚き付け方がド下手だな。消えろっつーんならもうちょっと素直に言ってもいいんだぜ?」
巌窟王「ふん」
百田「まあいい。確かにそこは俺も気になってたところだしよ」
百田「あばよ」スタスタ
巌窟王(このプレゼントを喜んでくれるといいのだが)
超高校級のテニス選手の研究教室周辺
ギャーギャー
巌窟王「……あちらの方が騒がしいな。約束の時間までに全員散ってくれるといいのだが」
百田「お? 巌窟王。何やってんだよ、もう夜の九時だぜ?」
巌窟王「百田か。フン、何。向こうの方が騒がしいな、と思ってな」
巌窟王「俺が倉庫にいる間に何かあったのか?」
百田「……」
百田「まあ……致命的なことは何も……」
巌窟王「……?」
巌窟王(まあいい。アイツは二人きりで話がしたいと言っていたのだ。この周辺をウロつくのはやめておこう)
巌窟王「そういえば、春川が自分の研究教室から離れていないと聞いたが……」
巌窟王「……ちゃんと食事は摂っているのだろうな?」ニヤァ
百田「……テメェ、焚き付け方がド下手だな。消えろっつーんならもうちょっと素直に言ってもいいんだぜ?」
巌窟王「ふん」
百田「まあいい。確かにそこは俺も気になってたところだしよ」
百田「あばよ」スタスタ
巌窟王(このプレゼントを喜んでくれるといいのだが)
真宮寺は一番露出が少ないからマシなはずなんだけどな
スカートの女性陣は地獄
スカートの女性陣は地獄
大体同時刻 中庭のあたり
星「……ふっ。今日はいい星空だな……ん?」
アマデウス斎藤「……フッ……ハッ……とりゃっ……!」
アマデウス斎藤「……違うっすねー。もっとこうー、決めポーズにミステリアスさが足りないんすよねー……」
星「……」
星「なんだアイツは……見ない顔だが……あんなところで何やってやがる……?」
天海(……ハッ! 星くんがこちらを見ている……?)
天海(これは迂闊なことができない。身が引き締まるっすね……!)
星はしばらく見ていたが、特に害はなさそうなので、夜時間を過ぎたあたりで監視をやめた
星「……ふっ。今日はいい星空だな……ん?」
アマデウス斎藤「……フッ……ハッ……とりゃっ……!」
アマデウス斎藤「……違うっすねー。もっとこうー、決めポーズにミステリアスさが足りないんすよねー……」
星「……」
星「なんだアイツは……見ない顔だが……あんなところで何やってやがる……?」
天海(……ハッ! 星くんがこちらを見ている……?)
天海(これは迂闊なことができない。身が引き締まるっすね……!)
星はしばらく見ていたが、特に害はなさそうなので、夜時間を過ぎたあたりで監視をやめた
午後十時ニ十分
最原「はあ……はあ……はあ……なんか凄い匂いしてきた辺りでどうにか逃げ出すことができたな……」
最原「四十分くらい時間を無駄にした。とっくに修理終わってたのに」
アマデウス斎藤「……さて。この辺で決めポーズの練習は終了っすかね」
スチャ
天海「明日のためにそろそろ寝ないと……」
最原「……」
天海「……見ました?」
最原「いやそれ以前にもう正体バレバレだったから……」
天海「ふっ……流石は超高校級の探偵っすね……」
最原(いやもうそんなの関係ないと思う……)ズーン
最原「はあ……はあ……はあ……なんか凄い匂いしてきた辺りでどうにか逃げ出すことができたな……」
最原「四十分くらい時間を無駄にした。とっくに修理終わってたのに」
アマデウス斎藤「……さて。この辺で決めポーズの練習は終了っすかね」
スチャ
天海「明日のためにそろそろ寝ないと……」
最原「……」
天海「……見ました?」
最原「いやそれ以前にもう正体バレバレだったから……」
天海「ふっ……流石は超高校級の探偵っすね……」
最原(いやもうそんなの関係ないと思う……)ズーン
天海「……前の学級裁判で大活躍だった最原くんにはわからないかもしれないんすけど」
天海「『誇れる自分』になりたかったんすよ。みんなの隣にいても霞まない自分に」
最原「……」
天海「だから仮面被って、自分自身の思い描く恰好いいヒーロー演じてみたりして……」
天海「……みんなの役に立ちたかったんすよ。それが俺の願いだったんす」
最原「別に。僕が活躍したのは、たまたま才能がその場に合致してたからでさ……」
最原「本当なら僕の力の出番がない方がいいんだ。羨ましがられてもさ……」
天海「……」
最原「……いや。ダメだな。ごめん。そんなことが言いたいわけじゃない」
最原「その気持ちが嘘でないのなら、凄く嬉しいし、心強いよ」
最原「心の底からそう思う」
天海「……!」
最原「次の訓練からは素顔でもいいんじゃないかな。協力者が増えたら、きっと喜んでくれるよ。二人とも」
天海「最原くん……!」
天海「『誇れる自分』になりたかったんすよ。みんなの隣にいても霞まない自分に」
最原「……」
天海「だから仮面被って、自分自身の思い描く恰好いいヒーロー演じてみたりして……」
天海「……みんなの役に立ちたかったんすよ。それが俺の願いだったんす」
最原「別に。僕が活躍したのは、たまたま才能がその場に合致してたからでさ……」
最原「本当なら僕の力の出番がない方がいいんだ。羨ましがられてもさ……」
天海「……」
最原「……いや。ダメだな。ごめん。そんなことが言いたいわけじゃない」
最原「その気持ちが嘘でないのなら、凄く嬉しいし、心強いよ」
最原「心の底からそう思う」
天海「……!」
最原「次の訓練からは素顔でもいいんじゃないかな。協力者が増えたら、きっと喜んでくれるよ。二人とも」
天海「最原くん……!」
最原「……そうだ。天海くん。実はさ、アンジーさんの持っていた天海くんの動機ビデオをたまたま入手したんだ」
天海「ッ!」
最原「もう知ってると思うけど、動機ビデオは最初に、その動機ビデオを向けた対象の才能をモノクマが言うんだよ」
最原「百田くんなら『超高校級の宇宙飛行士である百田解斗くんにはウンタラカンタラ』って感じで」
最原「……見るときに僕が隣にいていいのなら、ここでコレを再生するよ。どう?」
天海「ああ、それで構わないっす! 全然!」
天海「俺は俺の才能を今すぐにでも知りたいんすよ!」
最原(早まったかな。でもこのままでも天海くん思い詰めちゃいそうだし……)
最原(ごめん、巌窟王さん)
天海「ッ!」
最原「もう知ってると思うけど、動機ビデオは最初に、その動機ビデオを向けた対象の才能をモノクマが言うんだよ」
最原「百田くんなら『超高校級の宇宙飛行士である百田解斗くんにはウンタラカンタラ』って感じで」
最原「……見るときに僕が隣にいていいのなら、ここでコレを再生するよ。どう?」
天海「ああ、それで構わないっす! 全然!」
天海「俺は俺の才能を今すぐにでも知りたいんすよ!」
最原(早まったかな。でもこのままでも天海くん思い詰めちゃいそうだし……)
最原(ごめん、巌窟王さん)
最原「それじゃあ、再生するよ……!」
天海「お願いするっす……!」
ポチリッ
ザザーッ
最原「……あれ? 何も映らない?」
天海「えっ」
ザザッ
最原「あ、よかった映った映った」
天海「……ん? いや、あれ? これ本当に動機ビデオっすか?」
最原「……!?」
入間『お気の毒だが、この中の映像データは俺様が丸っと頂いたぜ! ヒャッハー!』
入間『中身を返してほしけりゃ、童貞ヶ原! さっきの俺様の取引内容を完遂してこい!』
入間『それまでデータは俺様にしかわからない秘密の場所に隠して誰にも手が届かないように保管しといてやっからよ!』
入間『じゃ、後は俺様のセクシーなピンク映像を入れといたから、それ見て奮い立て!』
入間『がーんばっ』キャルーンッ
最原「がーんばっ! じゃないよッ!」ガビーンッ!
天海「」
天海「お願いするっす……!」
ポチリッ
ザザーッ
最原「……あれ? 何も映らない?」
天海「えっ」
ザザッ
最原「あ、よかった映った映った」
天海「……ん? いや、あれ? これ本当に動機ビデオっすか?」
最原「……!?」
入間『お気の毒だが、この中の映像データは俺様が丸っと頂いたぜ! ヒャッハー!』
入間『中身を返してほしけりゃ、童貞ヶ原! さっきの俺様の取引内容を完遂してこい!』
入間『それまでデータは俺様にしかわからない秘密の場所に隠して誰にも手が届かないように保管しといてやっからよ!』
入間『じゃ、後は俺様のセクシーなピンク映像を入れといたから、それ見て奮い立て!』
入間『がーんばっ』キャルーンッ
最原「がーんばっ! じゃないよッ!」ガビーンッ!
天海「」
天海「こ、こんな……こんなのって……」ガタガタ
最原「あ、天海くん! ごめん! こんなつもりじゃ……!」
入間『……いいよ……もっと、こっちに来てぇ……!』
二人「!」ピクッ
入間『……見たいの……? じゃあ、恥ずかしいけど……んっ……!』ヌギヌギ
天海「……」
天海「どんな取引があったのかわかんないっすけど、お願いします。入間さんからデータを取り返してください」
最原「あ、う、うん」
天海「それまでこのモノクマーズパッドは俺が預かっておくっす」ハァハァ
最原(目が血走ってない?)
最原(……まあ、口を開かなければ確かに入間さんって美少女だからなぁ……)
最原「あ、天海くん! ごめん! こんなつもりじゃ……!」
入間『……いいよ……もっと、こっちに来てぇ……!』
二人「!」ピクッ
入間『……見たいの……? じゃあ、恥ずかしいけど……んっ……!』ヌギヌギ
天海「……」
天海「どんな取引があったのかわかんないっすけど、お願いします。入間さんからデータを取り返してください」
最原「あ、う、うん」
天海「それまでこのモノクマーズパッドは俺が預かっておくっす」ハァハァ
最原(目が血走ってない?)
最原(……まあ、口を開かなければ確かに入間さんって美少女だからなぁ……)
寄宿舎
天海「……このピンクビデオ、なんかところどころ入間さんが『最原ァ』って甘い声で言ってるんすけど……」
天海「いや。なんとかしてみせるっす。『天海ィ』って言ってるように脳内再生させてみるっす」
天海「もしくは今すぐNTR属性を覚醒させてみせるっす」
最原「なんか僕取り返しの付かないことしちゃったかなぁ……?」
最原「あれ?」
アンジー「あ。終一ー。蘭太郎ー。やっはー」
最原「……アンジーさん。こんな時間に何してるの?」
天海「巌窟王さんに怒られちゃうっすよ?」
アンジー「あー。うん。それなんだけどさー」
アンジー「……」
アンジー「ううん、なんでもない。じゃ、おやすみ二人ともー!」
最原「……ん? うん。おやすみ、アンジーさん」
天海「おやすみなさいっす」
最原(そのときのアンジーさんに、何か違和感を覚えながらも、僕たちは自室へと帰って行った)
最原(……)
最原(もしも、ここでアンジーさんに疑問をぶつけていれば、少しは未来が変わったかもしれないのに)
天海「……このピンクビデオ、なんかところどころ入間さんが『最原ァ』って甘い声で言ってるんすけど……」
天海「いや。なんとかしてみせるっす。『天海ィ』って言ってるように脳内再生させてみるっす」
天海「もしくは今すぐNTR属性を覚醒させてみせるっす」
最原「なんか僕取り返しの付かないことしちゃったかなぁ……?」
最原「あれ?」
アンジー「あ。終一ー。蘭太郎ー。やっはー」
最原「……アンジーさん。こんな時間に何してるの?」
天海「巌窟王さんに怒られちゃうっすよ?」
アンジー「あー。うん。それなんだけどさー」
アンジー「……」
アンジー「ううん、なんでもない。じゃ、おやすみ二人ともー!」
最原「……ん? うん。おやすみ、アンジーさん」
天海「おやすみなさいっす」
最原(そのときのアンジーさんに、何か違和感を覚えながらも、僕たちは自室へと帰って行った)
最原(……)
最原(もしも、ここでアンジーさんに疑問をぶつけていれば、少しは未来が変わったかもしれないのに)
夜時間 某所
ピチャッ
東条「……これは……さっきまでこんなものなかったのに」
東条「巌窟王さんのポケットから落ちたのね。迂闊だったわ」
東条「……大丈夫ね。靴の端しか汚れてない」
東条「……」
東条「おやすみなさい、巌窟王さん。夜長さんのモーニングコールがかかるまで、ピラニアでも眺めて楽しんでいて?」スタスタ
ピチャッ
東条「……これは……さっきまでこんなものなかったのに」
東条「巌窟王さんのポケットから落ちたのね。迂闊だったわ」
東条「……大丈夫ね。靴の端しか汚れてない」
東条「……」
東条「おやすみなさい、巌窟王さん。夜長さんのモーニングコールがかかるまで、ピラニアでも眺めて楽しんでいて?」スタスタ
キーンコーンカーンコーン
最原「ん……八時か」
最原「ふあーあ……ひとまず体育館に行かないとなー」ガチャリンコッ
最原「ん?」
アンジー「……」ドヨーンッ
最原「!?」ガビーンッ
アンジー「あ、終一ー……やっはー……」
最原「どうしたのアンジーさん! なんか凄い衰弱しているっていうか……目のクマ凄いよ!? 大丈夫!?」
アンジー「あー、大丈夫大丈夫。ずっとここに突っ立ってただけだから」
最原「は!? まさか、昨日からずっと!?」
アンジー「うん、ちょっと……事情があって……」
最原「……」
最原「ねえ。巌窟王さんはどうしたの?」
アンジー「……」
アンジー「……秘密子のマジカルショーを見ながら話すよー。アレ、神様も楽しみにしてたから」
アンジー「見逃すわけにはいかないから」スタスタ
最原「……」
最原(あの分だと、昨日はアンジーさんのところに帰ってこなかったのか?)
最原(なんで?)
最原「ん……八時か」
最原「ふあーあ……ひとまず体育館に行かないとなー」ガチャリンコッ
最原「ん?」
アンジー「……」ドヨーンッ
最原「!?」ガビーンッ
アンジー「あ、終一ー……やっはー……」
最原「どうしたのアンジーさん! なんか凄い衰弱しているっていうか……目のクマ凄いよ!? 大丈夫!?」
アンジー「あー、大丈夫大丈夫。ずっとここに突っ立ってただけだから」
最原「は!? まさか、昨日からずっと!?」
アンジー「うん、ちょっと……事情があって……」
最原「……」
最原「ねえ。巌窟王さんはどうしたの?」
アンジー「……」
アンジー「……秘密子のマジカルショーを見ながら話すよー。アレ、神様も楽しみにしてたから」
アンジー「見逃すわけにはいかないから」スタスタ
最原「……」
最原(あの分だと、昨日はアンジーさんのところに帰ってこなかったのか?)
最原(なんで?)
体育館
夢野「かーっかっかっか! よく来たな生徒一同! 夢野秘密子のマジカルショー! いよいよ開演じゃあ!」
夢野「開演……」
夢野「……だというのに……」
夢野「……何故巌窟王がいないんじゃあ!?」ガビーンッ!
最原(先に来ている可能性を信じたかったけど、やっぱりこの場にも巌窟王さんはいなかった)
最原(どころか、何人か来ていない生徒もいる)
最原(春川さん、入間さん、百田くん、王馬くん、どういうわけだか東条さんもいない)
最原(ただその代わり、意外な人が来てたりするんだけど……)
星「……」
真宮寺「意外だね。キミも来るなんて」
星「フン。何、こんなこともあるさ。昨日の夜遅くに招待状まで用意して誘われりゃあ無下に出来んしな」
最原「え? 招待状?」
夢野「星は消極的じゃからのう。ここまでせんと絶対に来ないと思ったんじゃ」
夢野「なんかもう暗~いオーラがこっちにまで伝染しそうなくらいじゃしの」
星「酔狂な女だ。本物がいるっつーのに、まだやる気になれるんだな」
最原(……星くんにしては大人気ない物言いだな。イラついてるのかな?)
夢野「……」
夢野「かーっかっかっか! よく来たな生徒一同! 夢野秘密子のマジカルショー! いよいよ開演じゃあ!」
夢野「開演……」
夢野「……だというのに……」
夢野「……何故巌窟王がいないんじゃあ!?」ガビーンッ!
最原(先に来ている可能性を信じたかったけど、やっぱりこの場にも巌窟王さんはいなかった)
最原(どころか、何人か来ていない生徒もいる)
最原(春川さん、入間さん、百田くん、王馬くん、どういうわけだか東条さんもいない)
最原(ただその代わり、意外な人が来てたりするんだけど……)
星「……」
真宮寺「意外だね。キミも来るなんて」
星「フン。何、こんなこともあるさ。昨日の夜遅くに招待状まで用意して誘われりゃあ無下に出来んしな」
最原「え? 招待状?」
夢野「星は消極的じゃからのう。ここまでせんと絶対に来ないと思ったんじゃ」
夢野「なんかもう暗~いオーラがこっちにまで伝染しそうなくらいじゃしの」
星「酔狂な女だ。本物がいるっつーのに、まだやる気になれるんだな」
最原(……星くんにしては大人気ない物言いだな。イラついてるのかな?)
夢野「……」
夢野「……これはウチが偽物ではない、という前提で話すぞ?」
星「……?」
夢野「偽物に本物が勝てない道理なぞ、どこにある?」
夢野「仮にそういう条理があったとして、それを振っ飛ばしてこその魔法じゃろ?」
夢野「ウチはな、確かに面倒くさがりじゃあ。本当にどうしようもなくの」
夢野「ついでにアンジーのような魔術回路とかそういうものも、ない。巌窟王に聞いた」
夢野「……じゃがそれがどうした! 本物じゃろうが偽物じゃろうが、人を笑顔にできなければ魔法じゃない!」
夢野「ウチはこの場で証明してやりたかったのじゃ。魔法のカタチは決して一つだけではない」
夢野「ウチだって本物の魔法使いなんじゃとなァ!」ギンッ
星「……」
最原(夢野さんが……初対面からは想像できないほど燃えている!)
最原(具体的に言うと熱い!)
最原(これは劣等感から来るものじゃなくって、純粋な闘争心だ!)
赤松「な、なんか。凄いね夢野さん。ちょっと感動しちゃったよ」
夢野「……ウチの魔法はもっとすごいぞ?」
夢野「上手く行ったら拍手喝采を! 絶対じゃぞ!?」
星「……?」
夢野「偽物に本物が勝てない道理なぞ、どこにある?」
夢野「仮にそういう条理があったとして、それを振っ飛ばしてこその魔法じゃろ?」
夢野「ウチはな、確かに面倒くさがりじゃあ。本当にどうしようもなくの」
夢野「ついでにアンジーのような魔術回路とかそういうものも、ない。巌窟王に聞いた」
夢野「……じゃがそれがどうした! 本物じゃろうが偽物じゃろうが、人を笑顔にできなければ魔法じゃない!」
夢野「ウチはこの場で証明してやりたかったのじゃ。魔法のカタチは決して一つだけではない」
夢野「ウチだって本物の魔法使いなんじゃとなァ!」ギンッ
星「……」
最原(夢野さんが……初対面からは想像できないほど燃えている!)
最原(具体的に言うと熱い!)
最原(これは劣等感から来るものじゃなくって、純粋な闘争心だ!)
赤松「な、なんか。凄いね夢野さん。ちょっと感動しちゃったよ」
夢野「……ウチの魔法はもっとすごいぞ?」
夢野「上手く行ったら拍手喝采を! 絶対じゃぞ!?」
真宮寺「……で。あの天井につり下がってる、魚がいっぱい泳いでる水槽は何かな?」
夢野「ああ、アレか? ピラニアじゃ」
最原「ぴ、ピラニア!?」
夢野「魔法の流れを説明するぞ?」
最原(まず、夢野さんが僕たちの眼前にある巨大水槽の上部にあるカウントダウンスイッチを押す)
最原(そして夢野さんが巨大水槽に入って、水槽の前面、つまり僕たちに見えている面のカーテンを閉める)
最原(カウントダウンは一分で切れるようになっており、切れた瞬間に天井の水槽からピラニアが降ってくる仕掛けになっていた)
最原(もちろん、ピラニアが降ってきたら夢野さんの水槽の中にすべてが入るだろう)
最原(夢野さんはピラニアが自分の入っている水槽にやってくる前に、水槽から脱出しなければならないというわけだ)
最原(典型的な水中大脱出マジックだが……実際に目の前で見るのは初めてだ)
赤松「……」
赤松「え? 危ないよね、それ。大丈夫?」
夢野「ウチを誰だと思っとるんじゃ! ウチを誰だと……思って……」
夢野「……ウチ、誰じゃっけ……?」ガタガタ
真宮寺「恐怖のあまり記憶の混濁が見られるネ」
茶柱「今からでもやめてもいいんですよ?」
夢野「いや! やる!」
夢野「ああ、アレか? ピラニアじゃ」
最原「ぴ、ピラニア!?」
夢野「魔法の流れを説明するぞ?」
最原(まず、夢野さんが僕たちの眼前にある巨大水槽の上部にあるカウントダウンスイッチを押す)
最原(そして夢野さんが巨大水槽に入って、水槽の前面、つまり僕たちに見えている面のカーテンを閉める)
最原(カウントダウンは一分で切れるようになっており、切れた瞬間に天井の水槽からピラニアが降ってくる仕掛けになっていた)
最原(もちろん、ピラニアが降ってきたら夢野さんの水槽の中にすべてが入るだろう)
最原(夢野さんはピラニアが自分の入っている水槽にやってくる前に、水槽から脱出しなければならないというわけだ)
最原(典型的な水中大脱出マジックだが……実際に目の前で見るのは初めてだ)
赤松「……」
赤松「え? 危ないよね、それ。大丈夫?」
夢野「ウチを誰だと思っとるんじゃ! ウチを誰だと……思って……」
夢野「……ウチ、誰じゃっけ……?」ガタガタ
真宮寺「恐怖のあまり記憶の混濁が見られるネ」
茶柱「今からでもやめてもいいんですよ?」
夢野「いや! やる!」
夢野「……」
夢野「アンジー。ウチの勇姿……後でしっかり巌窟王に教えておくんじゃぞ?」
アンジー「うんうんわかったー! わかっ……」
アンジー「……スヤァ」スピー
夢野「そして星」
最原(あれっ!? 寝ているアンジーさんはスルー!?)
星「なんだ?」
夢野「……目を離すな。一瞬たりともな。そして成功したら横着せずに拍手もするんじゃぞ?」
夢野「お主を笑わせることも一つの目的じゃからの」
星「……ふん」
夢野「それじゃあ、スタートじゃ! スイッチオーン!」ポチリッ
夢野「ふふふ……一分後が楽しみじゃなあ!」ガタガタ
獄原「青い顔だけど……アレ本音で言ってるよね?」
真宮寺「半分以上強がりだと思うヨ」
白銀「だよね」
夢野「……一分後が楽しみじゃなあ! 本当にッ!」
ザパーンッ
夢野「アンジー。ウチの勇姿……後でしっかり巌窟王に教えておくんじゃぞ?」
アンジー「うんうんわかったー! わかっ……」
アンジー「……スヤァ」スピー
夢野「そして星」
最原(あれっ!? 寝ているアンジーさんはスルー!?)
星「なんだ?」
夢野「……目を離すな。一瞬たりともな。そして成功したら横着せずに拍手もするんじゃぞ?」
夢野「お主を笑わせることも一つの目的じゃからの」
星「……ふん」
夢野「それじゃあ、スタートじゃ! スイッチオーン!」ポチリッ
夢野「ふふふ……一分後が楽しみじゃなあ!」ガタガタ
獄原「青い顔だけど……アレ本音で言ってるよね?」
真宮寺「半分以上強がりだと思うヨ」
白銀「だよね」
夢野「……一分後が楽しみじゃなあ! 本当にッ!」
ザパーンッ
残り三十秒
最原「……」
最原(まだ出てこない)
茶柱「ね、ねえ。アレ、大丈夫なんでしょうか」
天海「仮にも超高校級のマジシャン。これも演出の一つだと思うんすけど」
ガララッ
百田「わりーわりー! 寝坊しちまってすっかり遅れちまった!」
百田「……ん? なんだよ、もう始まってんのかよ」
東条「ごめんなさい。遅れてしまったようね」スタスタ
獄原「珍しいね。百田くんならともかく東条さんまで」
東条「……言い訳はしないわ」
最原「……」
最原(まだ出てこない)
茶柱「ね、ねえ。アレ、大丈夫なんでしょうか」
天海「仮にも超高校級のマジシャン。これも演出の一つだと思うんすけど」
ガララッ
百田「わりーわりー! 寝坊しちまってすっかり遅れちまった!」
百田「……ん? なんだよ、もう始まってんのかよ」
東条「ごめんなさい。遅れてしまったようね」スタスタ
獄原「珍しいね。百田くんならともかく東条さんまで」
東条「……言い訳はしないわ」
残り十秒
獄原「……もうダメだ! ゴン太は我慢できないよ!」ドンッ
最原(そう言うとゴン太くんは水槽の上部に一気に駆け上がり……ていうか一息で飛び上がり)
獄原「……えっ?」
最原(目を丸くした)
獄原「……えっ、えっ?」
タイムアップ!
ビシャビシャビシャッ ボチャンッ
キーボ「あっ! ピラニアが!」
獄原「……あれっ?」
白銀「あ、あれまずいよ! 早くカーテンを開けないと!」
茶柱「夢野さーーーんっ! 大丈夫ですかーーーッ!」
ジャッ
獄原「……もうダメだ! ゴン太は我慢できないよ!」ドンッ
最原(そう言うとゴン太くんは水槽の上部に一気に駆け上がり……ていうか一息で飛び上がり)
獄原「……えっ?」
最原(目を丸くした)
獄原「……えっ、えっ?」
タイムアップ!
ビシャビシャビシャッ ボチャンッ
キーボ「あっ! ピラニアが!」
獄原「……あれっ?」
白銀「あ、あれまずいよ! 早くカーテンを開けないと!」
茶柱「夢野さーーーんっ! 大丈夫ですかーーーッ!」
ジャッ
最原「……」
最原(僕は……悪夢でも見ているのだろうか?)
最原(今、目の前で起こっていることが何一つとして理解できない)
巌窟王「」プカー
最原「……巌窟王さん……?」
ピラニア「……」ガパァッ
ガブガブガブッ
最原(……気が遠くなりそうだった……)
その限りなく地獄に近い天国に光は差すか 非日常編
最原(僕は……悪夢でも見ているのだろうか?)
最原(今、目の前で起こっていることが何一つとして理解できない)
巌窟王「」プカー
最原「……巌窟王さん……?」
ピラニア「……」ガパァッ
ガブガブガブッ
最原(……気が遠くなりそうだった……)
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