元スレヨウ「リーリエ・・・!?」アニポケリーリエ「・・・どなた様でしょうか?」
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101 = 1 :
アニポケリーリエ「…はい?」
ヨウ「…えっと、その…、リーリエ…? …何か、あった?」
アニポケリーリエ「…あ…、や、休み時間の時は …その、ご心配をお掛けしました…///」
ヨウ「あ、ううん。そうじゃなくて…。 …リーリエ、今…、何か困ってるんじゃない?」
アニポケリーリエ「え? ……べ…、別に、何にもありませんけど…っ?」
ロトム図鑑「?? …何言ってるロ?ヨウ?」
ヨウ「……。 ………本当に?」
アニポケリーリエ「………」
アニポケリーリエ「………」
アニポケリーリエ「た、……大したことではないのですが…、先程、家から連絡があって…、
今日の午後から夜勤してもらうはずのお手伝いさんが、昨日の雨で体調を崩されてしまったらしく…、
わたくし、無理をさせてはいけないと思って、
そのお手伝いさんには本日お休みしてもらうことにしたんです。
……いつもなら夜勤の人が居なくとも、大抵ジェイムズがいるからそれで構わなかったのですが…」
ヨウ「…今日は、ジェイムズさんも休みにしてしまったんだった…」
アニポケリーリエ「……はい…。元々、あの屋敷は最小限の人員で管理していて…」
ロトム図鑑「…ということは、リーリエ……、今日あのデカい家に一人ってロと…?」
102 = 1 :
アニポケリーリエ「…ご、ご心配なさらず…! 確かに、一人きりなんてことは初めてですが…。
論理的な結論として、いい勉強です…。 そもそも別に怖くはありません…」
ロトム図鑑「…昨日、夜遅くまで話したとき、リーリエ言ってたロ。
先日、サトシがリーリエの家に遊びに来た時、部屋に野生のヤトウモリが入ってきて凄く怖かったって。
あんなのは懲り懲りだって。 ……多分大丈夫じゃないロ?」
アニポケリーリエ「……うっ…、だ、大丈夫ですってば。 わ、わたくしは負けません…」
ヨウ「……ふ、」
ヨウ「……ふふ…っ」
アニポケリーリエ「? ………ヨ、ヨウ…?」
ヨウ「…こんなことで強がらなくたっていいのに。 無理される方が却って心配するよ…! ふふふっ」
アニポケリーリエ「! …わ…、笑う事ないじゃないですか…! ///」
ヨウ「ふふ…っ! 大したことじゃなくて良かった…。…もう早く言えばいいのに…。 …くくっ…!」
アニポケリーリエ「も、もう…っ!/// 笑いすぎですよ…! …よ、ヨウったら…いじわるです…!///」
ヨウ「…………」
ヨウ「……リーリエ? …もう一回聞くけれど、…本当に大丈夫?」
103 = 1 :
アニポケリーリエ「…………」
アニポケリーリエ「……。 …ほ、本当は怖いです。とっても。 ……一人でなんか居たくありません…。
……。…だから…、………ふふっ! …ヨウ、わたくしを助けてくれますか?」
ヨウ「もちろん! ゼンリョクを尽くすよ!」にこっ
アニポケリーリエ(………ああ……、ずるい、です…。 こんなの…//////)
ロトム図鑑「…それにしてもよく気付いたロトね? ヨウ?」
アニポケリーリエ「…………」
アニポケリーリエ「……それは…確かに…。
…ヨウってまるで、わたくしが困ってるといつでも助けに来てくれるみたい…」ウレシイ
ロトム図鑑「…おそらくヨウはリーリエのこと、いつもよく見てるからロ…。リーリエマニアだロ…!」
アニポケリーリエ「…え、そ、そうなのですか…!?!?////」
ヨウ「…こ、こら。誤解を招くようなこというなよ…///
そんなことより、これからどうするか考えないと…!」
サトシ「んなのカンタンじゃん。リーリエもククイ博士んちに泊まりに来ればよくない?」
ピカチュウ「ぴかちゅ」
サトシ以外「「「サトシ!?」」」
サトシ「…忘れ物して戻ってきちゃった…。へへへ」
104 = 1 :
ヨウ「……ああでも、ククイ博士の家っていうのは良い考えかも。 …どうかな?リーリエ?」
アニポケリーリエ「……ごめんなさい。勝手に家を空けて外泊するのは、できればちょっと…」
ロトム図鑑「なら、逆転の発想ロト! ボク達がリーリエの家にお泊りしに行くロト!」
ヨウ「…厚かましいぞという問題はこの際さて置いたとしても、
男の子だけで女の子の家に泊りに行くのはどうかと思うな…」
アニポケマオ「なら、私も参加する!どうかなぁ?リーリエ?」
アニポケマオ以外「「「「マオ!?」」」」
アニポケマオ「私も忘れ物で戻ってきちゃったりして…! えへへ…!」
105 = 1 :
アニポケリーリエ「……!」
アニポケリーリエ「…わ、わたくしはその、やりたいかもです…! お泊り会…!」どきどき
サトシ「んじゃあ、いっそのことククイ学級のみーんな、誘おうぜ!!超楽しそう!!
俺、みんなに声かけてくるから! …あ、もちろんヨウも来るんだよな?」きらきら
ヨウ「あ、えっと…、僕は…
アニポケリーリエ「ヨ、ヨウは来ないのですかっ!!?」がば
ヨウ「(…そんなこの世の終わりみたいな顔しなくても…)
いや、スクールでちょっと調べものした後で行かせてもらおうかなと言おうとしただけ!
…僕も行っても大丈夫?リーリエ?」にこ
アニポケリーリエ「当たり前じゃないですか…っ! お待ちしてます…!」ぱあっ
アニポケマオ(リーリエに元気が戻ってみたいで、とりあえず良かった…)くすくす!
アニポケマオ「…素敵なアイディアだね!サトシ!
サプライズができなかった分、ヨウの歓迎会も兼ねるということで!!」
―――――
―――
―
106 = 1 :
―――リーリエ宅のお屋敷内
アニポケリーリエ「みんな! 本日はお集まりありがとうございます!
うちの敷地なら近所迷惑なんかなりませんから、
どうぞ存分に大声で騒いでいただいて結構ですっ!」きゃっきゃっ!
アニポケスイレン「て、てんしょんたかっ…!!」
アニポケマーマネ「休み時間のは何だったのさ…。まー、元気になったなら良かったけど!」
アニポケリーリエ「実は前からこういう事、一度はやってみたくて、憧れたんです…!」むふー!
サトシ「…こういう大人のいない雰囲気、俺にとっては久しぶりって感じ!
ほら俺、ちょっと前まで、仲間たちと野宿したりしながら旅する毎日だったから」
ピカチュウ「ぴーか」タシカニ
アニポケカキ「……サトシのこれまでの詳しい経歴がたまに知りたくなるんだが。 俺は…」
アニポケマオ「それしても、カキまで参加できて本当に良かったよ! 配達、大丈夫?」
アニポケカキ「ああ。折角だし明日はいいって、親がな。 …まぁこんな機会、中々無いだろうしな」
ヨウ「お泊り会やるのってやっぱり珍しいんだ?」
アニポケカキ「そういう意味じゃ無いさ。ヨウがいるってことが、凄く貴重だろ?」
ヨウ「あ…! …ありがとう…!」
107 = 1 :
アニポケカキ「…まぁ、一つ懸念があるとすれば、
俺が居ない間に、妹に何かあったらどうすればいいんだということぐらいか…。
…い、いかん!想像したら心配になってきた…! リーリエ、電話を貸してくれ…!!」
ヨウ「え? カキ、妹居たの? ……知らなかったな」
アニポケカキ「…。 …そりゃあそうだろ。ヨウにはまだ教えてなかったんだから。
…ホシっていうんだ。言っとくが! …滅茶! 苦茶! 可愛いからなぁッ!!」
アニポケスイレン「あ、ちなみにわたしにもいもうとがいるんだよ」ハイ
ヨウ「ホウとスイっていう双子の妹でしょう。それは知ってる」
アニポケスイレン「…………いや、ぎゃくになんで、しってるのかな…!?」
108 = 1 :
アニポケリーリエ「あ。 そういえばそうでした!(ぽん)
お風呂を沸かしてありますから、マオかスイレン、よろしければ入ってきてください」
アニポケマオ「ありがとー、リーリエ。 どっち先に入ろっか、スイレン?
……あ! 良いこと考えちゃったよー!
時間勿体ないし、折角だから、リーリエも一緒に、三人でお風呂入っちゃおっか?」にか!
アニポケスイレン「いいね!たのしそう!! どう?リーリエ?」わくわく!
アニポケリーリエ「うー/// それは、ちょっと…恥ずかしいです……、けど…
こんな機会は…そうそう無いですし…、 うん…。わかりました…!/// ………。
…じゃあ、わたくしたちはちょっと行ってきますね。 みんなは適当におくつろぎ下さい…」
アニポケカキ「……ああ」
アニポケマーマネ「……うん」
ヨウ「……いってらっしゃい」
サトシ「おう! あ、リーリエ?この○ンテンドースイッチ、やらせてもらっていい?」
アニポケリーリエ「ええ。もちろん良いですよ、サトシ。 …マオ、スイレン。待ってください。今、行きます。」
アニポケスイレン「リーリエのいえのおふろ、すっごくおっきそう! …およげるかな!」きゃっきゃっ!
アニポケマオ「こらこらもー!スイレンったら! …リーリエ!背中流し合っこしようよっ!」きゃっきゃっ!
アニポケリーリエ「…そういうのは恥ずかしいですってばぁ…!/// …うふふっ!///」きゃっきゃっ!
……………………。
アニポケカキ「…。」
アニポケマーマネ「…。」
ヨウ「…。」
109 = 1 :
アニポケカキ「…なんと、いうのか…」
アニポケマーマネ「……」
ヨウ「……」
アニポケカキ「適切な表現かは…、わからないが、」
アニポケマーマネ「……」
ヨウ「……」
アニポケカキ「…何か、こう…空気が、…いたたまれない…っていうか…」
ヨウ「わかるよ」
アニポケマーマネ「…ま、まーね。 ……。 女子たち…、ちょっと…あれはデリカシーにかけていると思う…」
サトシ「…え? なんで?どういう意味?
んなことよりさぁ!! みんなで○リオカートやろうぜぇっ!」きゃっきゃっ!
ヨウ「…サトシはすごいな」
アニポケマーマネ「…こうなりたいとは…、何でかまったく思わないけど…」
アニポケカキ「…ああ」
110 = 1 :
――――――
アニポケマオ「今晩の料理は、みなさんにもお手伝いしてもらいながら、
私が腕を振るわせていただきましたー! ご協力ありがとぉー!」
アママイコ「あっまーい♪」
アニポケスイレン「おいしそう!」
アニポケリーリエ「そうですね! …この前の試食会のシチューも美味しかったです!」
サトシ「10万ボルトシチューは勘弁だったけどな!」にか
アニポケマオ「たはは…! 今日の料理の味は自信をもって保障するから安心してちょうだい!」
アニポケマーマネ「ねぇ、はやく食べようよぉー!」
アニポケカキ「ああ! 腹が減った!」
ヨウ「…!(…マ、マオの…料理かー…!)」びくびく
111 = 1 :
―――ヨウの回想・アーカラ島 シェードジャングル
マオ『…あれ?ラランテス、料理を残してる? ほら!カキもスイレンも食べて食べて!』にかっ
カキ『それでは……』仏頂面…
スイレン『ペロッ!っと』にこっ!
ヨウ『……。』
ぱくぱくもぐもぐ
スイレン『“きちょうなホネ”のフレーバーが口の中、広がって……』
カキ『ほっぺが蕩けるだけでなく、舌が痺れ、痺れて……?』
カキ『うっ……!』
スイレン『こっ、これは……!?』
ヨウ『……!?』
カキ&スイレン『『みっ、水ッッッーーーー!!!』』
ヨウ『…ひっ!!』
マオ『? ええっ!どうしたの、みんなっ!ちょっと待ってよー!』
―――ヨウの回想終了
ヨウ「……………!」
112 = 1 :
いっただきまーす!!
ヨウ「……はっ!」
ガツガツ!むしゃむしゃ!ガツガツ! ガツガツ!むしゃむしゃ!ガツガツ!
ガツガツ!むしゃむしゃ!ガツガツ! ガツガツ!むしゃむしゃ!ガツガツ!
ヨウ(……!!)
アニポケスイレン「おいしー!」
アニポケマーマネ「おかわりー! マオー!」
アニポケカキ「はやっ! 早いぞっマーマネ!」
サトシ「ウマいなー! またレベルアップしたんじゃないのか、マオ!」
アニポケリーリエ「本当、流石ですね…! …わたくしにもお料理、本格的に教えてもらえないかしら?」
アニポケマオ「…んー、何かイメージしてた風味とちょっと違うような…だけど、まーこれはこれでアリかなー」
ヨウ(!? ……みんな、だ、大丈夫なのか…?)
アニポケマオ「? ヨウも食べて食べて! ……ヨウのお口にも合うと嬉しいなっ。にへへ!」
ヨウ「……! ……。 ……うん…、…いたただきます…!」
ぱく
ヨウ「…! ? ……おい、しい…!」
アニポケマオ「…ほんと?良かったー。
…喜んでもらえたなら何より! 料理人冥利に尽きるよぅ! ふふふ!」
113 = 1 :
ヨウ「うん…!おいしい!…その、何か謝りたいくらい…! …凄い!…マオの料理! おいしい!」
アニポケマオ「…え? …、あ…、ヨ、ヨウは何か凄く…大げさだなぁ…?」
ヨウ「だって本当に凄いよ、マオ…!」ぱあっ
アニポケマオ「そ、そんなに、褒めないでってばぁ…わかったから!
…それ以上、褒めちゃだーめ。オーバーすぎだよ? えへへ!///」
ヨウ「感激だ…こんなにマオが凄いなんて…!」ばくばく!
アニポケマオ「だ、だめ、だってばぁ…/////」どきどき
ヨウ「こんなマオの料理なら毎日食べたい…!」
アニポケマオ「……………ふぇ?……///////」まっか
アニポケリーリエ「……………マオ?」きょとん
アニポケマオ「…はっ!」びくっ
アニポケリーリエ「………………」
アニポケリーリエ「……マ、マオ…? ……ま…、…まままま、ま…さか…!?」あわわわ…
アニポケマオ「…あ、いや! 違うの! 違うよ…!////」あせあせっ!
アニポケカキ「カ キ で す !
揉め事は良くない…。 さぁ、俺のダンスでも見て、気を静めるが良いぞ…!」ピヨピヨ
114 = 1 :
ヨウ「………?」
アニポケマオ「………?」
アニポケカキ「……………………………………!!!(くるくるくる!)」ピヨピヨ
ヨウ「………………。」
アニポケマオ「………………。」
アニポケカキ「……………………………………!!!(ぐるぐるぐる!)」ピヨピヨ
ヨウ「……? カキの様子が…おかしい…? どうしたんだろう…?」
アニポケマオ「…何かファイヤーダンスを踊ってるね…! …黙々と…! 怖い!」
ヨウ「…………これはまるで…正気を失ってしまっているような…?」
アニポケマオ「…はっ!? ま、まさか、ひょっとして…、私がさっきの料理の隠し味に入れた
“フィラのみ”“ウイのみ”“マゴのみ”“バンジのみ”“イアのみ”が中っちゃったー、とか…!」
ヨウ「そ、それって、ぜ、全部“こんらん”作用のあるきのみじゃないか…! …なんでそんなものが…」
アニポケマオ「……あー、いや、でも、隠し味の調味料として目分量入れただけのはずだよ…?
落ち着いて考えてみれば………、混乱作用なんて引きおこすはず、無いと思うんだけどな…!?
………………………えっと、これの投入を担当してもらったのは…、確かサトシだ…。
…ね! サトシ? 目分量に、ちょっこっと…、入れただけだよね?」
サトシ「ああ!メブンリョウだろ! だから、めぇいっぱい入れてやったぜぇ!!」
ヨウ&アニポケマオ「「えええええええぇ…!!?」」
115 = 1 :
サトシ「ん? なんか悪いことしちゃった? …昔の旅の仲間達にもさー、
料理作ってる時はよく、『サトシは何もしなくて良い…』とか『手伝わなくて大丈夫だからね!』とか
『サトシは座っててくださいっ』って言われてた。 懐かしいなー! へへへ…!」てへっ
アニポケマオ「…ば、ばかぁーっ…! じゃあ絶対、それのせいだよー!!」
ヨウ(そんな危険な食材をサトシに任せたマオにも問題があったのでは、と思ったのは黙っておこう…)
くら…
ヨウ「う…! まずい…、ぼ、僕にも効果が回ってきたかも知れない…。
なんかあたまがくらくらする…。 …………マオは大丈夫…?」
アニポケマオ「うん!大丈夫っす!! 私には全然効いてないでっす!」ピヨピヨ
ヨウ「…………」
ヨウ「…………マ、マオ…?」
アニポケマオ「…アレ? おかしいな?やっぱ、ダメかもしれないでっす…! ふふふふふ…!」ピヨピヨ
ヨウ「…………!」
ヨウ「…はっ!! ………ス、スイレン、マーマネは!?」バッ
116 = 1 :
アニポケスイレン「大丈夫です!釣りをなさりたい気持ち…スイレンにはよーく解ります!」ピヨピヨ
アニポケマーマネ「大丈夫。マーマネは強いコだから……」ピヨピヨ
ヨウ「……」
ヨウ(…大丈夫じゃ…、ないな……。 …た、大変なことになってしまった。
………うーん、しかし、…今のみんなの方が何故か、既視感があるな………)
ヨウ「…! そ、そうだ……サトシは?」バッ
サトシ「すっげぇ気分いいぜぇぇっ! もう、俺!歌でも歌っちゃうから!! ~♪ 」ピヨピヨ
ヨウ(……あー、サトシもかー…。 …それしてもサトシ…、歌上手いんだなぁーー…)
ヨウ(……おくちあんぐり…)ピヨピヨ
ヨウ(……………………ッ!)
ヨウ(………ま、まずいッ……! ぼ、僕自身もなんかおかしくなってきたかも……!?)
ヨウ「……ロ…、ロトム…。 悪いけどみんなが大変なんだ…。協力して…!
ロトム図鑑「ぐぉぉ、むにゅむにゅ…」ZZZ
ピカチュウ「ちゅうちゅう」ZZZ
他のみんなの手持ちポケモン達「「「「「ぐーぐー」」」」」ZZZ
ヨウ(ほにゃあ! 寝ておる!)ピヨピヨ
117 = 1 :
ヨウ(……い、いや、待てよ…。 “ねむり”の上書きで“こんらん”状態時の行動自体を封じる…。
こ…、これだ。今はこれしかない…。 しかし…、ぼ、僕も意識が持ちそうもない…。急、がなきゃ…、)
ヨウ(………!!)
アニポケリーリエ「……///」じとー
ヨウ「…リ」
ヨウ「……リーリ、エ…!?」たじっ
アニポケリーリエ「……///」てくてく
ヨウ「…?」
アニポケリーリエ「…///」ぎゅ!
ヨウ「…!!」
アニポケリーリエ「~~//////」ぎゅ~
ヨウ「……!!(…あわわ!予感はしてたけどやっぱりリーリエも混乱してる!///)」
118 = 1 :
ヨウ「…リ、リーリエ…あの、どうしたの…、かな…?」
アニポケリーリエ「……ヨウにお話ししなければならないことがあると思って近づいたら、
なぜか…こうなってしまいました…」ぎゅ
ヨウ「へぇ、な、なるほど…。 …って、あの、リーリエ?
…その、そんなにくっ付かれると、ちょっと、僕、動けない…かな…?」
アニポケリーリエ「しりません。わたくしだって動けませんからおそろいです。論理的な結論としてなかよしです。
それとも、その…、ヨウは…スイレンやマオとお話しするほうが楽しいですか?
もしそうならつらいです。くるしいです。もうどうしていいかわかりません……///」ぎゅう…
ヨウ「(だ、誰か助けてっ…!もうどうしていいかわかんないよ!)
……僕は…リーリエのソファベッドで…眠りたい…、違うそうじゃない、みんなを眠らせなきゃいけない。
だからお願い…。ちょっと離してほしい。 …リーリエ…はきっと今、正気を失ってるんだ…」ピヨピヨ
アニポケリーリエ「……、わたくしは正気です…」ぷくー
ヨウ「わがまま言わないで? 良い子だから…」よしよし
アニポケリーリエ「正気ですもん…!
…そ、それ、より…、あ…///、…あたまをなでないで…ください……!!////////」かあー…っ
ヨウ「…! ご、ごめんごめん……、………う!」ピヨピヨ
119 = 1 :
ヨウ「……うう、ううう……」ピヨピヨピヨピヨ…
ヨウ「…………」
アニポケリーリエ「……?」
ヨウ「……」
ヨウ「……『リーリエ』… ? あいたかった、『リーリエ』… でも、どうして… ここに… ??」
アニポケリーリエ「………? どうして、って? こ、ここは…わたくしのお家だから、ですけど…///////」
ヨウ「………………?」
アニポケリーリエ「……?」
ヨウ「…………」
ヨウ「………………!」
ヨウ「………っ!?(意識飛んでた…) …ご!ごめん…! …と、とにかく、話はまた明日、ね…!
……だめ、だ…、やばい…。…なんか僕も、本格的に…混乱が回ってるみたい……」ふらふら
アニポケリーリエ「……む、むぅ…!」ぷくー!
120 = 1 :
サトシ「少しずつだけどっぉ!♪」
アニポケリーリエ以外のクラスメイト達「「「「たいぷわいっ!!」」」」
ヨウ「……なにしてやがる みんな。 このまま起きてるとか ない!」ぐらぐら
サトシ「ええー?どうして? こっから良いとこなのにー?」
アニポケカキ「なっ、なんということだ!」
アニポケスイレン「あらまあ」
アニポケマオ「勝負の味も色々だね!!」
アニポケマーマネ「ヨウさん、頑張ってる!」
ヨウ「いいからー はやく ねるのー」はうはう
―――――
―――
―
121 = 1 :
「…ウ!…ヨウ!」
ヨウ「……ううん…」
ロトム図鑑「ヨウ!…ヨウ!起きるロト!もう朝ロト!!今日もスクールに行くんだロ?」
ヨウ「……朝…? もう…?」ぱち
ヨウ(……。……また、夢の中でほしぐもちゃんと会っていた…。
今日がUBとの闘いの準備ができる最後の日…。そして、さらにその明日が決戦日…。
いよいよウツロイドとの再接触まで…近づいてきた…。…頑張らなきゃ)
ヨウ(……でも、……あれ?
夢の中の記憶はあるのに…なんか、…昨日の起きていた記憶が途中から無いぞ…。
料理に入れていたきのみの効果でみんな、混乱してしまって…、サトシが歌を歌い始めて…?
……、それからどうなったっけ? …………?
……………………………ところで…?)
アニポケリーリエ「……すぅすぅ…」
ヨウ「(また一緒に寝てる…!)
リーリエっ…!起きて…!他のみんな、起きてきちゃうよっ…!?(小声)」ゆさゆさ
アニポケリーリエ「……ふにゃ…」
ロトム図鑑「みんなぁーっ!!早く起きるローっ!!スクールに遅刻するロトー!!」ワーワー!
ヨウ「ち、ちょっと待って!!ロトム!!///」
122 = 1 :
――――ポケモンスクールまでの通学路
アニポケスイレン「…なんかきづいたら、あさになってた…」
アニポケカキ「…途中から飯を食い終わった後くらいから何があったか全然覚えてない…」
ヨウ「……僕もそんな感じ…」
アニポケマオ「なんか勿体無い…」
アニポケマーマネ「ま、まーね…」
アニポケリーリエ「どうしてこうなったのです…?」
サトシ「……………………」
サトシ「…ま、まぁ、これはこれで良い思い出になったろ!
ある意味、絶対忘れないよ、こんな思い出! 逆に良かったじゃんっ!!」
サトシ以外「「「「「「良くない!!」」」」」」
123 = 1 :
アニポケマオ「……くぅー…! みんな! こうなったら、お泊り会、リベンジするしかないね!」
アニポケスイレン「うん!そのとーり!」
アニポケマーマネ「えええ? 普通あんなことあったら、今後は自重も考えない?
…まぁ楽しかったのは確かだけどさー」
アニポケリーリエ「楽しかったなら、またやりましょう! 是非またやりたいです! お泊り会!」
アニポケカキ「いつもはストッパーのリーリエがこれじゃあ、またやるしかなさそうだな」にやり
アニポケリーリエ「ふふふ! だって、楽しかったんだから仕方ありません!」
ヨウ「ふふ」
サトシ「……」
サトシ「……そんときはさ、もちろんヨウもまた一緒だからな?」にか
ピカチュウ「ぴっかちゅう!」
ヨウ「…………。…うん…! ありがとう…」
124 = 1 :
アニポケスイレン「…あれ?」
アニポケスイレン「…? こうもんのまえにだれかいるね?」
アニポケマーマネ「!? あ、アイツは!?」
ベテラントレーナー「………………」
ヨウ「……」
アニポケカキ「…一昨日のスカル団の用心棒…! まさか仕返しきたのか?」
ヨウ「……」
ヨウ「…みんな、先に行ってて」
アニポケリーリエ「だ、ダメですよ…、…ヨウ。 迂回するか、人を呼ぶか、しましょう?」
ヨウ「大丈夫大丈夫。……ほら? スクール遅れちゃうよ?」にこ
サトシ「……行こうぜ?リーリエ? …ヨウなら心配ないよ」ぐいぐい
アニポケリーリエ「…で、でも…!?」
125 = 1 :
アニポケカキ「……おい、ヨウに何かしてみろ。俺たちがただじゃおかなからな」
ベテラントレーナー「……」ちら
すたすたすた…
ヨウ「……」
ベテラントレーナー「……」
ヨウ「……あの? 一昨日の再戦ですか?」
ベテラントレーナー「……。 …一昨日から思ってるが、アンタは全然俺を怖がらんな?」
ヨウ「怖がってますよ?
でも、もっとおっかない人と何度も闘ったことがあるから…。それで少し慣れてしまったのかも」
ベテラントレーナー「……。…もう、スカル団からの仕事を受ける気はない。
あんたとやる理由はもう無い…。残念ながらな」スッ
ヨウ「……?」
ベテラントレーナー「賞金だ。あんたは俺に勝った。あんたには受け取る権利がある」
ヨウ「……。 …どうして?」
126 = 1 :
ベテラントレーナー「……あの時のバトルは、あんた曰く、ポケモンバトルだったん、だよな…?」
ヨウ「そのとおりです」
ベテラントレーナー「……………」
ヨウ「……わかりました。 賞金、ありがたく頂戴します。対戦ありがとうございました」
ベテラントレーナー「……、…じゃあな。………、 …悪かった…」
ベテラントレーナー「…」スタスタ
ヨウ「………」
ヨウ「あの…」
ベテラントレーナー「…?」
127 = 1 :
ヨウ「良かったら、今度また勝負しましょう。…スカル団とかは抜きに。
ただのトレーナー同士の試合で。 今度は僕もちゃんと自分の手持ちで闘いますから」
ベテラントレーナー「……………」
ベテラントレーナー「………つくづくあんたは、ムカつく…、野郎だ…」
ベテラントレーナー「……………」
ベテラントレーナー「…………」ペコ
ベテラントレーナー「……………」
ベテラントレーナー「………」スタスタ
ロトム図鑑「………」
ロトム図鑑「……良かったロトね…。ヨウ…」
ヨウ「…うん。良かった…」
128 = 1 :
――――ポケモンスクール・校舎入り口前
アニポケマーマネ「…ヨウ…、ああ言ってたけど、本当に大丈夫かな…」
アニポケマオ「…うーん?」
アニポケリーリエ「…ヨウに何かあったら…、嫌です…。 や、やっぱり戻りましょう!」そわそわ
サトシ「俺は心配ないと思うけどなー」
アニポケカキ「はっきり言って俺もサトシに賛成だ。
ヨウは、恐らく俺達が考えている以上に凄いポケモントレーナーだと思うぞ」
アニポケスイレン「でも、ヨウはいまポケモンもってないじゃない」
アニポケナリヤ「やあやあアローラ!ククイ学級の諸君!
そろそろ授業始まるよ? …立ち止まってどうしたネンドール?」
アニポケリーリエ「! アローラ。校長先生。……ちょっと、ヨウが大変で…!」
アニポケナリヤ「? それはUB再出現の件かね?
…まぁ無理もない。明日は厳しい闘いになるのは間違いないだろうカラマネロ…」
アニポケリーリエ「……」 アニポケスイレン「……」
アニポケカキ「……」 アニポケマオ「……」 アニポケマーマネ「……」
サトシ「…い?」
サトシ「…いいいいいぃっっ!!!?」
ピカチュウ「ぴかあああ!?」ガーン
129 = 1 :
アニポケリーリエ「…校、長? …い、今、何て仰いました…? …ど、ういう、ことですか…!??」
サトシ「ち、ちょっと!!オーキド校長っ!それは、みんなには内緒だってっ!!」わたわたっ
アニポケナリヤ「え? だ、だってククイ君曰く、サトシ君はUBの件、知ってるって…。
私はククイ学級のみんな知ってるとばかリグレー!レパルダスゥ!」
アニポケマーマネ「U、B…?」
アニポケマオ「明日、何か…、あるの…?」
アニポケカキ「…とりあえず、なるほどサトシ…。 つまり、お前も何か知ってるんだな…?」
サトシ「……ぎっくーぅ…!!」
アニポケスイレン「……サトシ…、こうちょうせんせえ…?
…しってること…、ぜんぶ……、はなして……?」ゴゴゴ…
サトシ(ひえ~~…!)だきっ
アニポケナリヤ(ひえ~~…!)だきっ
アニポケスイレン以外のクラスメイト「「「「…スイレン頼もしい…」」」」
ピカチュウ「ちゃあ~…」ヤバイゾコレ
130 = 1 :
―――――ポケモンスクール・ククイ学級の教室 午前授業終了 放課後
ヨウ(授業…楽しかったな…。もうこれで終わりだと思うと…名残惜しい…。
……………いけない。 …これから闘いの準備だ…。切り替え切り替え…)
アニポケスイレン「…さて、ヨウ…。 そろそろだね?」にやり
ヨウ「……? そろそろ…って……何が?」
アニポケマオ「…ふふふ、明日のUBとの闘いの準備に決まってるじゃない?」にやり
ヨウ「…! …え!? な、なんでそのことを!?」
サトシ「……えっとー、ヨウ…。 …その、なんていうか…」ごにょごにょ
サトシ「……UBが出ること、みんなにバレたって…いうか…。…その…ごめん…」目線反らし
ヨウ「…えええええ…! …バ、バレちゃったの…!!?」
サトシ「あ…でもさ…、オーキド校長も、ヨウが他の世界から来たってことは知らなかったみたいで…
そのことはやっぱりみんなもまだ知らない。 ……どうする?」ぼそぼそ
131 = 1 :
アニポケマーマネ「ここはボク達のスクールだよ? 何もしないわけにはいかないじゃん。
ヨウのポケモンを取り戻すために、ボク達も協力するよ、ヨウ!」
ヨウ「…!! …あ、みんなの気持ちはすごく…嬉しいんだけど…、UBは…!!!」
アニポケカキ「おっと! 勘違いするなヨウ。
さすがに直接戦いに加わるなんて、ずうずうしいことは考えちゃいない。
…だが、一緒に作戦を考えるなり、何か事前準備するなりなら、人手は多いに越したことないだろ?」
アニポケリーリエ「ちゃんとククイ博士に許可はとりました。 勿論、ヨウが了解するならという条件ですけど…。
…でも、水臭いじゃないですか?ヨウ。 ……わたくし達、みんな心配してるんですから!」くす
ヨウ「……………」
ヨウ「……な…なんで…、 なんでみんな、そんなに優しいの?」
サトシ「…? …ヨウ…、それは決まってんだろ…」
ヨウ「……………」
サトシ「……………だって俺達、友達じゃんか!!」にか
ヨウ「…………!」
ヨウ「……………」
ヨウ「………みんな…、ありがとう……!」
132 = 1 :
アニポケカキ「はは! …じゃあ早速…、俺たちに手伝えそうなこと、何かあるか?」
ロトム図鑑「…。…そーロトねぇ…? ぶっちゃけ、昨日の時点で準備は結構はかどっていて…、
しまキング達と打ち合わせさえ済めば、今からでも闘えるくらいなんだロトが…。
…今回のUBは能力的に未知数なところが多くて、闘ったことのあるボクたちだからこそ、
固定概念に囚われて、見落としていることがあるかもしれないロト。
後で作戦概要を説明するから、気になった点があればキタンない意見を聞かせてほしいロト!
あ! …あと、校庭にバリケードを設置する予定なので、それを作ってもらえると凄く有り難いロ!」
アニポケマーマネ「なるほどね! …バリケード制作なら、ボクに任せてよ~!
ケンタロスの大群に“とっしん”されてもビクともしない頑丈なの作ってやるさ!」
サトシ「よーし!そうと決まったら頑張るぜぇ!」
アニポケマオ「おー!!」
アニポケスイレン「おー!!」
アニポケリーリエ「おー!!」
133 = 1 :
ヨウ「(…あ、そうだ。) ……みんな、お昼ご飯、まだだよね?
これから買い出しに行くつもりだから、お礼にご飯奢らせてよ」
アニポケスイレン「え? いいの?」
サトシ「そりゃあうれしいけど…、お金、大丈夫なの? ヨウ」
ヨウ「うん! さっきのベテラントレーナーさん、賞金を渡しに来てくれたんだ。それでありったけ買ってくる…!」
サトシ「…そっか! 良かったな!」にか
アニポケマーマネ「あ! それならさー、
ショッピングモールのアイス屋の隣にある人気行列店のマラサダドーナツが食べたいなぁー!
今の時間帯がベストな買い時だってデータに出てる!」にひ
アニポケカキ「おいおい、マーマネ…。 わざわざ距離あるところに買い出しに行かせるなよ…。
…………っていうか飯っていうより、おやつだろ、それ……?」
ヨウ「ふふふ、大丈夫! そこのマラサダも一緒に買ってくるよ!」
ヨウ「……………。」
ヨウ「……それ、から…、お昼の時、みんなに聞いてほしい話があるんだ……」
アニポケマオ「? うん。何でも聞くよ?」にこ
ヨウ「…ありがとう」
134 = 1 :
ヨウ(………僕はみんなに…、僕がこの世界の人間ではないことを打ち明けていない……。
事実を信じてもらえるにせよ…もらえないにせよ…、間違いなくみんなを混乱させてしまうはずだし、
そもそも、それはUBにほしぐもちゃんを奪われた事とは、直接関係の無い事だ…。
わざわざ引けらかすような真似をしてまで、明かす理由はないと思っていた……)
ヨウ(………………………違う………)
ヨウ(…………多分…僕は……、
…こんな、良くしてくれるみんなに……奇異の目で見られてしまうのが…怖かったんだ…)
ヨウ(…でも…、もうこれ以上黙ったままは絶対にダメだ。それはあまりにも卑怯だ。
こんなに…僕のことを想ってくれる人たちに…、友達に…隠し事なんてしていいはずがないじゃないか。
………勇気を出して言おう。 大丈夫だ。きっとみんななら信じてくれる………)
アニポケマオ「…えーと、じゃあ、結構荷物になっちゃうねぇ? …ヨウだけに行ってもらうの悪いなぁー。
もう一人くらい一緒について行こうか? それで、ついでにお菓子とか飲み物とかも買ってきてもらおう」
アニポケリーリエ「…あのう? 対策会議とかをするんですよね…? …おやつパーティになっちゃうのでは…?」
アニポケスイレン「ヨウ! かいだし、リーリエがいっしょにてつだうって!」
ヨウ「? …良いの、リーリエ? 何か、リーリエには本当にお世話になりっぱなしだ…。ありがとう…」
アニポケリーリエ「え?//// あ、えっと…、いえ、気にしないでください…!(スイレンったら、もう~///)
………その、一緒にお買い物…、参りましょう……////」にこ
アニポケスイレン「えへへ! いってらっしゃい♪」てへぺろ
135 = 1 :
―――――
―――
―
アニポケカキ「…しまった…。 ヨウが買い出しに行ったら、ヨウが戻ってくるまで、
俺達、手持ち無沙汰じゃないか…。 …ヨウのロトム図鑑くらい、置いて行ってもらえばよかったか?」
アニポケマーマネ「じゃあー、こっちのバリケード作るの手伝ってよー、カキ!サトシ! …力仕事だよ!!」
サトシ「…ははは! 悪い悪い!」
アニポケマーマネ「…………。 …あのさ? …みんなはどう思う? ヨウのこと」
アニポケカキ「……良いやつだと思うよ。 多分…、みんなも同じことを感じてるんじゃないかと思うが、
出会って間もないはずなのに、不思議とそんな気がしない。
……それから…、あいつ、何か俺たちに明かしてない事情みたいなものがあるみたいだな。
……妙に親しみがわくのも、その秘密と何か関係があるのかな?」
アニポケスイレン「…さいしょにあったときへんなこと、いってたよね。
ぼくたちはしょたいめんなのか……とか、なんとか」
アニポケカキ「今だから言うが、あいつ…、
俺たちの名前を出会いがしらに覚えたんじゃなくて、…あらかじめ知っていたみたいだった…」
アニポケマーマネ「…まさか宇宙人とか未来人とか~? そんなフィクションじゃあるまいし…!」
アニポケマオ「多分だけど、お昼の時に聞いてほしい話って、その辺りの秘密についてなんじゃないかな?
………ヨウ、…言いにくい事なら、別に無理に言わなくても良いのに……」
136 = 1 :
アニポケカキ「ああ…、そうだな。 …正直、俺はヨウが何者だっていいんだ。
あんな凄いZワザを使える奴が、 …いや、危険を顧みず命がけでリーリエを助けてくれた、
あんな気の良い奴が…今更、悪い奴とは思えない…。思いたくない…。
何者であれ、俺はヨウの人となりを信じるさ」
アニポケスイレン「……うん…!」
サトシ「……カキは…、良いやつだなー…!」にへへ
アニポケマーマネ「ホントだねぇー!」
アニポケカキ「…何だよ…! ちゃかすな…///」
アニポケマオ「照れてるしー! ふふふ!」
――――ジャリボォォォオオイイイイィィイ!!!!
サトシ達「「「「「………………。」」」」」
サトシ「………。 ……あの声は…」ウンザリ
ムサシ「あの声は、と言われたら!!!」
コジロウ「聞かせてあげよう我らが名を!!!」
137 = 1 :
ムサシ「花顔柳腰!羞月閉花!儚きこの世に咲く一輪の悪の花ぁ…、 ムサシッ!!」
コジロウ「飛龍乗雲!英姿颯爽!切なきこの世に一矢報いる悪の使徒っ…、 コジロウッ!!」
ニャース「一蓮托生、連帯責任、親しき仲にも小判輝く悪の星…、 ニャースでにゃーすぅ!」
ムサシ&コジロウ「「…ロケット団参上ッッ!!」」
ニャース「なのにゃ!」
ソーナンス「そーなんすっ!」
アニポケスイレン「…また、あんたたち…!?」
アニポケカキ「よくもまぁ飽きないなぁ…」
アニポケマオ「でもスクールに乗り込んでくるなんて珍しいねぇ?」
コジロウ「なーはっはぁ!
まどろっこしいこと考えず、スクール中のポケモン全てをいただくことにしたのだぁ!」
アニポケマーマネ「………でも今日、午前授業だけだから他の生徒みんな、もう帰っちゃったよ?」
ロケット団「「「…………。」」」
ロケット団「「「………なぁああああああああああああ!!!!!!」」」
138 = 1 :
ムサシ「ちょっとぉー! 生徒たちー! そのポケモーン! 引き返して来なさいよぉー!」がば
コジロウ「戻ってこぉーーい!」がば
ニャース「にゃああー!」がば
ソーナンス「そーなんすっ!」がば
アニポケカキ「まっ、たく…」
サトシ「今日はもういいだろ? これから俺達、忙しいんだから出てけよぉー」
ムサシ「あー…ん? 忙しいぃ…? なんでぇ?」
コジロウ「………………」
コジロウ「なぁ? …ところで、お前らの学校、随分変わったポケモンを放し飼いにしてるんだな?
…あんなの、初めて観たぞ。 俺のガイドブックにも載ってない…」
コジロウ以外「「「「「……?」」」」」
コジロウ「頭の丸っこいマーイーカみたいで…ちょっと不気味なだけど綺麗な感じがするな…」
サトシ達「「「「「………!!」」」」」
コジロウ「・・・・・・ほら、あんなにたくさん。 ・・・・・・うじゃうじゃ居る・・・。」
UBの大群「「「「「「「「「「「「「「「じぇるるっぷ…!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」
139 = 1 :
―――ハウオリシティ?・商店街
アニポケリーリエ「………以前、この辺りでポケモンパンケーキレース大会があったのです。
ちょうどその時、シロンが孵化する直前だったので、わたくしは出ることが叶いませんでしたが、
ククイ学級のみんなは全員出場したんですよ」
ヨウ「へぇ? メレメレ島にそんな催しが…? すっごく楽しそう…!」
アニポケリーリエ「ええ…! …来年こそは、わたくしもシロンと共に出場したいと思っているのです。
……あ。そうです…。 …その時は是非ヨウも出られてはいかがでしょうか?
ヨウは…、明日取り返すほしぐもちゃんで出場するんです。
そうしたら、わたくしとヨウ。 どっちが良い成績を残すか、勝負ですよ? …ふふっ!」にこ
ヨウ「…うん…。…凄くいいかも…、それ…。 ありがとう…リーリエ」にこ
アニポケリーリエ「ふふっ! じゃあ、約束ですね…! ………あら?」ぴた
ヨウ「?」ぴた
アニポケリーリエ「………」じー
ヨウ(…? …リーリエが立ち止まって、何かの露店を見てる…。
………『くじ屋トレジャーハント』……。 一等賞は限定激レア“ピッピにんぎょう”…か…。
…なんだか、僕がリーリエから譲り受けたあの“ピッピにんぎょう”を思い出す…)
140 = 1 :
アニポケリーリエ「………」ぽー
ヨウ「リーリエ? …あのぬいぐるみが欲しいの?」
アニポケリーリエ「…! あ…、いえ…別に何でもないです…。 ……ピッピ人形自体はすでに持っているのですが、
…あの景品になっているものは…とても珍しいタイプだったので、……その、可愛いなって」
ヨウ「ふふ。そういえばリーリエの本棚の横にも、ぬいぐるみがいっぱい飾ってあったもんね」スタスタ
アニポケリーリエ「あ…! ヨウ…、」
くじ屋さん「いらっしゃい!」
ヨウ「一回いいですか」
アニポケリーリエ「…よ、ヨウ…!」
ヨウ「ダメだったらごめんね。 …でも今日はくじ屋でハッピー…な感じだから。 …なんて」
くじ屋さん「……では発表します。 …おめでとうございます。10等 きのみジュースが当たりました!」
ヨウ「……あ…。 …だ、だめか。ごめん…」
アニポケリーリエ「……。……いえ。 …ふふ、いいんですっ」にこっ
くじ屋さん「ラッキーチャンス! おめでとうございます。 もう一度くじが引けますよ」
ヨウ「…!」
141 = 1 :
くじ屋さん「…では発表します。
…おめでとうございます! 1等 限定激レア“ピッピにんぎょう”が当たりました!」
ヨウ&アニポケリーリエ「「………!!」」
ヨウ「……あ、当たった…っ!! やった!!」
くじ屋さん「おめでとうございます!
良かったですねぇ、カノジョさん! カレシさんに感謝しないと! …こちらが景品になります!」
ヨウ「…い、いや、そういうのではないんですが…。 …ありがとうございます。 ……はい、リーリエ」
アニポケリーリエ「………か……、カノジョ……?/////」
ヨウ「……リーリエ?」
アニポケリーリエ「……あ! …いや…、ありがとう、ございます…! …やった!えへへ!////」
―――――
―――
―
142 = 1 :
アニポケリーリエ「~♪///」ぎゅー!
ヨウ(お礼に何かできればと思って、
少し厚かましいことしたかもしれないけど、結果的に喜んでくれたみたいで…良かった)
ヨウ「…その子、意外と大きいね? 大丈夫? しばらくの間、僕が持ってようか?」
アニポケリーリエ「いいえ、大丈夫です…! ……。このぬいぐるみ、本当はすっごく欲しかったんです…。
この子、宝物にしますね……。 ほんとうにありがとう…、ヨウ…//////」ふわっ
ヨウ「いえいえ、どういたしまして!」
アニポケリーリエ「………///」てくてく
ヨウ「……」てくてく
アニポケリーリエ「……」ぴた…
ヨウ「?」
アニポケリーリエ「…///」
ヨウ「……? どうか、した? …リーリエ?」きょとん
アニポケリーリエ「…………///」
143 = 1 :
アニポケリーリエ「……わたくし…、こんな風に男の子と歩くのって…、生まれて初めてです…。」
アニポケリーリエ「…まるで、その……、デート……、してるみたい、って思って…、しまいます……//////」
ヨウ「……? ………リー、リエ……?」
アニポケリーリエ「………………///」
アニポケリーリエ「……ヨウの、 カノジョさん……。 ですって……///」
アニポケリーリエ「…………、///////」
アニポケリーリエ「…………本当に……、そうだったらいいのに………///////」
ヨウ「…………………………」
ヨウ「…!!!?」
144 = 1 :
アニポケリーリエ「…///」
ヨウ「…」
アニポケリーリエ「…?」
ヨウ「…」
アニポケリーリエ「……ヨウ…? …どうして…、そんなに、辛そうな顔を…しているんですか…?」
ヨウ「…………」
ヨウ「…………」
ヨウ「…り…、リーリエ……、」
ヨウ「僕は…、 …ぼくは…、……!」
アニポケリーリエ「………………」
145 = 1 :
アニポケリーリエ「………………」
アニポケリーリエ「……………ヨウが…言いたいこととは 違う…かも知れませんが…、」
アニポケリーリエ「………………」
アニポケリーリエ「………………わたくしは、知っているつもりです……」
ヨウ「………?」
アニポケリーリエ「……………………」
アニポケリーリエ「……………………ヨウには、他に好きな子がいらっしゃるんですよね?」
ヨウ「…………………」
ヨウ「・・・・・・・・・・・・え?」
アニポケリーリエ「………それで…、その子は多分………」
アニポケリーリエ「………………わたくしと…同じ…、リーリエ、という…お名前なんです…………」
ヨウ「…………ど…、」
ヨウ「………………ど、う…、して……?」
146 = 1 :
アニポケリーリエ「……………」
アニポケリーリエ「……ごめんなさい……。
根拠はありませんでしたが確信はありました。 …そんなの…全然、論理的じゃないですけど…。」
ヨウ「…」
アニポケリーリエ「例えば…。ヨウ…? …わたくしはソファベッドで眠ったりは致しません」
ヨウ「??? ……何の…、話…?」
アニポケリーリエ「やっぱり覚えていませんか?
昨日の夜、ヨウ、仰ってましたよ? …『僕はリーリエのソファベッドで眠りたい』って」
ヨウ「…え/// …ぼ、僕、そんなこと、言ったの…/// …! いや、リーリエは昨日の記憶が、あるの…?」
アニポケリーリエ「“フィラのみ”“ウイのみ”“マゴのみ”“バンジのみ”“イアのみ”は
確かに混乱作用のあるきのみですが、それは味との相性が悪い時のみです。
きのみは一緒くたに入っていたから、誰もが混乱を引き起こしていたようですが、どうやら、
わたくしには効かなかったようですね。 …すみません。みんなに隠すつもりはなかったのですが」
ヨウ「…リーリエは、昨日…混乱して…いなかった…?」
アニポケリーリエ「だから……、ちゃんと言ったじゃないですか? …『わたくしは正気です』って」にこ
ヨウ「……?」きょとん
アニポケリーリエ「………」
アニポケリーリエ「……////// …ご、ごめんなさい…。 ……い、今のは忘れてください…//////」
147 = 1 :
ヨウ「…?? …つまり、…昨日混乱を起こしているときに
僕は、君に変なことをいってしまって、それで君は何かに気づいた…ってこと…?」
アニポケリーリエ「…勿論、そんな冗談みたいなことだけで確信を得たわけではありません。
ヨウやロトムの態度や会話を思い返せば、他にも気付けるヒントはいくつかあったと思います。
……でも…、わたくしはそれらをあえて無視していたんです。 …きっと認めたくなかったんです……」
ヨウ「…………、……」
アニポケリーリエ「………正直に言えば…、ヨウにとっての『リーリエ』が別にいるというのは
最初から分かっていたような気がします…。…同じ『リーリエ』でも込められているものが違うから…」
ヨウ「………込め、られているもの…?」
アニポケリーリエ「…上手く、説明はできませんけど…、
初めて逢った時やUBから助けてくれた時、寝言の時とか混乱している時にヨウが呼ぶ『リーリエ』と、
普段わたくしを呼ぶときの『リーリエ』は、言葉の中に込められているものがまったく違うんです。
……わたくしには…、何故かそれが、わかっちゃうんです。 以前、ヨウが…、
…わたくしが困っているのを黙っていても気付いてくれたみたいに……、わかっちゃうんです…。
…………不思議…、ですよね…?」にこ
148 = 1 :
ヨウ「……、…リーリエ………」
アニポケリーリエ「……ほら…、それがわたくしを呼ぶときの、リーリエ、です。
…………………。 ……ヨウ、教えてくれますか? ヨウにとってのリーリエはどういう方なのか?
……いえ…、ヨウはどこから来たのか? ……一体、何者なのか?」
ヨウ「……リーリエ…。 …僕は、
ぎゅいいーん!!
ロトム図鑑「ヨウ! 緊急通信が入ったロ!!」ぴょん!
ヨウ「…? ……通信? ロトム、悪い…。 後で掛けなおすから、ちょっと今は…
ロトム図鑑「でも、緊急回線で、ククイ博士からロトよ? 余程、至急の連絡ではないロトか…?」
ヨウ「…………ククイ博士から?」
アニポケリーリエ「……どうぞ、ヨウ。大丈夫ですから」
ヨウ「………………」
ヨウ「…………………ごめん……。 …ロトム。回線、開いて…」
149 = 1 :
アニポケククイ「“!! …ヨウか!? …良かった!繋がった!!”」ザザッ
アニポケククイ「“ヨウ!!大変なことになっちまった!!! …UBだ!! UBが出ちまった!!!”」
ヨウ「・・・・・・・え!!?」
アニポケククイ「“しかも一体じゃない…!とんでもない数だ…。ウツロイド以外のタイプもいる…!!”」
ヨウ「なっ…!!!?? 」
アニポケククイ「“時間経過で自然に開くはずの、時空の歪みの穴が、いきなり開いちまったんだ…!!
俺には、原因が…、さっぱり解らない…!! 拡大速度が増したとかそういうレベルの話じゃない…、
それらが完全に無視されたみたいに、突然…、全開状態になって、いた……!! ”」
ヨウ「……そ、そんな…!!?」
アニポケククイ「“……校舎内に人が残っていなかったのは幸いだが……、サトシ達が…、ヤバい…っ!!”」
ヨウ「!? い、今、そっちに向かいます!!」
アニポケククイ「“いや!!来ちゃいけない! 奴らは危険すぎる! 君とリーリエは、その場から助けを…、!!?
………、やばいッ!! …うおおぉっ!!”」…ブツ
ヨウ「!!!? ククイ博士ッ!!!」
ロトム図鑑「つ、通信、切れ、…!!
―――――――――――――――ドドォンッ!!!
150 = 1 :
ヨウ「!!!?」バッ
アニポケリーリエ「!!!?」バッ
ロトム図鑑「!!!?」バッ
「何かでけえ音したな」「何?爆発?」「あれってポケモンスクールのある方角じゃない?」ざわざわ…
ヨウ「………!!」
アニポケリーリエ「………!!」
ロトム図鑑「………!!」
ヨウ「みんな、が……!!……行かなきゃ…!!! ……!?」
―――ぐっ
ヨウ「…!?」
アニポケリーリエ「…!」ぐっ
ロトム図鑑「……リ、リーリエ…!?」
アニポケリーリエ「………」ぐっ…
ヨウ「……ごめん、リーリエ……!! ククイ博士に言われたことならわかってる…!!
でももう、今から助けなんて呼んで待ってる状況じゃない…!! このまま何もしないわけには…、
アニポケリーリエ「そんなことわたくしだってわかってます!!! …………。
…だから……、……とめたいけど、とめるべきなんでしょうけど、……ヨウが行くのを、とめません…。
…………………………。
……たし、か…、ショッピングモール内の施設で、ライドポケモンの貸し出しがおこなえたはずです…。
それに乗っていく方が…、走って戻るよりは…、早いです……」
ヨウ「……!…」
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