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    元スレ茄子「もう何もいりませんね。私が居ますから」

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    51 :

    急に脱ぎ出すとは、初代様と憑依合体したな茄子さん…

    52 :

    ごめんなさい。
    一日一レスとか言っといて申し訳ないんだけど、ちょっと止まります。

    53 :

    見捨てへんかったら、自由にしてええんやで

    54 :

    茄子フェスやってその後は茄子さんの実家にご挨拶だからね、止まるのも仕方ないね

    55 :

    ちょっと茄子さんと実家に挨拶逝ってくる

    56 :

    化物には化物をぶつけるんだよ(名推理)

    57 :

    ワスレテナイヨ。来月に続き書きます。

    それか、もし書きたい人が居たらどうぞ。

    58 :

    完全に忘れかけてた

    59 :

    まだかな?

    60 :

    もう来月やぞ

    61 :

    すまんやで。
    実は小説を一作書いてて、そっちに集中してた。
    明日こそ更新いたします。

    62 :

    引き延ばしなら何とでも言えるさ

    63 :

    明日って何時さ

    64 = 1 :

    ガッ‼


    茄子「あっ」


    「ほら、コンセント抜いたから! じきに涼しくなるから大丈夫」


    茄子「……チッ」


    「いま舌打ちしたか?」


    茄子「――えっ? 私がそんなことするわけないじゃないですかー」


    「だよな、よかった」


    茄子「それじゃ、ご飯作りますから。『大人しく』待っててくださいねっ?」


    (なんか強調された……)


    茄子「ふんふ~ん……♪」


    (……ドアも窓も開かない……。なんだこれ、密室じゃないか……)


    (どうする、俺……。しかたがない、しばらく様子をみるか……)


    茄子「――はいっ、出来ましたよー?」


    「あ、ありがとう……」


    茄子「コーヒーは砂糖なしのミルクですよね?」


    「あぁ……って、あれ? うちにそんなマグカップあったか?」


    茄子「え? なに言ってるんですかプロデューサー。前からあったじゃないですか、これは私のですよ」


    「おかしいなぁ。なんで俺の家に茄子のマグカップがあるんだろうなぁ」


    茄子「きっとこのマグカップは、自分の居るべき場所がわかってるのかもしれませんね」ニコッ


    「だとしたらここに居るのは迷子だな。持って帰れよ」


    茄子「まぁまぁ。はい、どうぞ」


    「あ、あぁ……」


    茄子「………………」ジー…


    「………………」


    「……なに見てるんだ、茄子?」


    茄子「そうですねー、しいていうなら私たちの未来……ですかね」


    「そうか。なら、トップアイドルになる未来かな?」


    茄子「子供はやっぱり、一姫二太郎ですね」


    「俺にはちょっとわからないなー」

    65 :


    「はぁ……。とりあえず、いただこう――」スッ


    茄子「………………」ジー…


    (…………ん? 茄子、何見て……)


    「……なぁ、茄子」


    茄子「はい、プロデューサーの茄子ですよ」


    「……まぁいい。……このコーヒー交換しないか?」


    茄子「……な、なんでです?」


    「いや、なんかそっちのが飲みたくなってな」


    茄子「………………」


    「………………」


    茄子「………………」


    「……なに入れた?」


    茄子「さぁ……? 何を言っているのかさっぱり……」


    「じゃあ交換なっ」ヒョイッ


    茄子「あっ……!」


    「んっ……」ズズッ…


    茄子「あぁ~……――」


    「………………あれ?」グラッ




    茄子「――それには、私がよく眠れるようにお薬を入れておいたんですけど……」




    「えっ」


    茄子「もうっ、プロデューサーが飲んじゃうなんて……」


    「えっ」


    茄子「眠いですか? プロデューサー」


    「あぁ……えっと…………」ドサッ


    茄子「しょうがないですね。……おやすみなさい」


    「――――っ」


    67 :

    サーッ

    68 :

    もう完全にホラーじゃねえか

    69 :


    「――――……はっ!!」


    茄子「あっ、起きましたかプロデューサー」カチャカチャ…


    「あ、あぁ……あれ……? 俺、寝てたのか……?」


    茄子「はい、ぐっすりと」


    「…………な、なんで寝てたんだっけ?」


    茄子「プロデューサーが私のお薬入りコーヒーを飲んじゃったんですよ」


    「そう、だったよな……」


    「………………」


    「………………な、なぁ、茄子?」


    茄子「はい? どうしたんですか?」


    「……いや、なんかこういうのも変かもしれないんだけどさ」


    茄子「もう、なんですか。私とプロデューサーの仲なんですから、遠慮しないでください」


    「そうだな、アイドルとそのプロデューサーだからな」


    「――……まぁでさ、…………俺になにかした?」


    茄子「えー、私がですかー? 何もしてませんよー」


    「……本当に?」


    茄子「もうっ、私を何だと思ってるんですかっ。寝てる殿方になんて……、そんな非常識な事しませんよ」


    「お、おう……。茄子が『非常識』って言葉を知っていたことに驚いたよ」


    カァ…カァ…


    茄子「あら、カラスが鳴いてますね……」


    「あぁ……そうだな――」


    「――って!! もう夕方ッ!?」


    茄子「ぐっすり寝てましたからねぇ」


    「俺の休日が……」ガーン…


    茄子「……さて、プロデューサーはお昼も食べてないことですし、早めに夕飯の準備に入りましょうか」


    「いや、もう茄子は帰りなさい」


    茄子「えっ」

    70 :


    「いや「えっ」じゃなくてだな……」


    茄子「――……わかりました」


    「まぁ、そうだよな。茄子が素直にそう言わないのはわかって……」


    「……えっ?」


    茄子「やっぱり明日のお仕事の準備もありますし、今日のところはいったん実家に帰るとします」


    「実家っていうか、自宅な。……しかし、えらい素直だな」」


    茄子「あっ、じゃあ準備が終わったら帰ってきますね」


    「ノーサンキューだ。……まぁ、もう夕方だし送るよ」


    茄子「わぁ、あの缶がいっぱいついてる……。ブライダルカーですか?」


    「違うよ。普通の軽だよ」


    茄子「うふふっ、ハネムーンですね」


    「帰宅だろ。ほら、早く用意しな」


    茄子「はーい……――」



    ――――――


    ――――


    ――




    茄子「――それじゃ、また明日……事務所で」


    「あぁ、また明日」バタンッ



    ブーン…



    茄子「……うふふっ…………」フリフリ…



    茄子「……嘘はついてませんよ――」




    茄子「『プロデューサーには』何もしてませんから」




    茄子「ふふふふ……――」

    71 :

    久しぶりに家が燃えるかな?

    72 :


    ―――翌日


    茄子「――あっ、おはようございます」


    「あぁ、おはよう。今日も頑張ろうな」


    茄子「はいっ。……今日もいい天気ですね」


    「ん、そうだな」


    茄子「ふふっ、まるで私たちの仲を祝福してるような天気ですね」


    「午後から雨らしいぞ」


    茄子「まぁ! お天道様も泣くほど祝福してくれるってことですね」


    「どっちでもいいのか」


    「――それはともかく、今日の現場は近場なんだけど……。車出すか?」


    茄子「いえ、せっかくだから歩きで行きましょ~。なんていったって、こんないい天気なんですから!」


    「そうか……。まぁ茄子がそう言うなら……。準備はできてるか?」


    茄子「はい! いつでも大丈夫ですよー」


    「わかった。じゃ、行こうか――」


    茄子「………………」








    チュンチュン…

    スタスタ…


    「――ん、こっちの道のほうが近道かな……」


    茄子「……あっ、そっちですか……?」


    「あぁ……。どうしたんだ?」


    茄子「いえ……。なんでもないです」


    「…………?」



    73 = 1 :


    「――さて、今日の仕事で気になることとかないか?」


    茄子「いえ、特には~」


    「そうか。まぁ、まだ寒いから、無理はしたらダメだぞ?」


    茄子「はい。……その後プロデューサーが暖めてくれるんですよね?」


    「あぁ、カイロぐらいなら買ってあるから安心しろ」


    茄子「もうっ、違いますよー」ギュッ‼


    グイッ


    「――ちょ、茄子っ?」


    茄子「こうやってですよ~! ……もちろん、もっと触れ合ってもいいですけど?」


    「寝言は寝て言うんだな。……ほら、早く――」





    パァアァアアアッ‼





    「――えっ?」





    ガッシャーーンッ‼


    「キャーッ! く、車が……!」






    「…………ぁっ……」



    (急に車が突っ込んできた……っ? あ、危なかった……、茄子に止められずにあのまま歩いてたら、俺は……――)



    茄子「――わぁ……びっくりしちゃいましたね……。……なんか、嫌な予感はしたんですけど」


    「えっ?」


    茄子「それよりっ! 早く救急車とか呼ばないと……!」


    「あ、あぁ、そうだな……!」


    ――――――

    ――――

    ――

    74 :

    ふむ

    75 :




    茄子「――運転手さん、大きな怪我もなくてよかったですね」


    「あぁ、そうだな……。今更だけど、茄子は大丈夫だったか?」


    茄子「はいっ。……お嫁に行く前に傷がついてはいけないですからね」


    「あーはいはい。さぁ、行こうか」


    茄子「あっ、プロデューサーになら……私は……」ポッ


    「置いてくぞ」


    茄子「もうっ、プロデューサーは焦らし上手です~」キャッキャッ


    「はぁ……――」









    ――――後日、事務所


    「――うーん……」


    ちひろ「……あれ、どうかしたんですか?」


    「あぁ、いや……」


    ちひろ「あぁ、この前の事故に遭ったことです? 確かに、目の前でそんなことがあったら驚きますよねぇ」


    「まぁそれもそうなんですけど……。なんだろうな、なんだか最近、運が悪いような気がして……」


    ちひろ「運……?」


    「はい。――そりゃまぁ、車に轢かれそうになる事はあれ以来ないですけど、些細な事が……」


    ちひろ「あはは……、きっと気のせいですよ。もっと元気出してください。プロデューサーさんが元気なかったら、アイドルの皆も心配しちゃいます」


    「……それもそうですねっ。すいません、なんか……」


    ちひろ「いいんですよっ。――……スタドリも安くしときますよ」ボソッ


    「…………ちひろさん……」グッ‼



    ガチャ



    「――おはようございまーす」


    「ん、おぉ……おはよう、朋」


    「………………っ! な、なんかプロデューサーから負のオーラを感じる……っ?」


    「えっ」

    76 :


    「い、いきなり何を言い出すんだ……」


    「なんかこう……ビビッときたのよ。……一回占おうか」


    「え、いいよ」


    「まぁ、勝手に占うんだけど……。星座はスタドリ座だっけ?」


    「あぁ、そうだよ」


    「血液型は?」


    「P型」


    「ふむふむ……。それと、名前の字画数とあとは――」ガサゴソ…


    「おいおい……そんなマジにやらなくても……」


    「………………やばいわね」


    「えっ」


    「占いによると、プロデューサーはもう死んでるわ」


    「えっ」


    「……なんで生きてるの?」


    「いやいやいやいや……。まさか担当してるアイドルから、そんなナチュラルに罵倒されるとは思わなかったよ」


    「うーん……、なにか間違えたかなー? 車とかに轢かれててもおかしくないんだけど……」


    「へ、へぇー……そうなの……」


    「――……まぁ、きっと気のせいね。……さて、今日のお仕事は~……」


    「ち、ちひろさん……」


    ちひろ「う、占いは占いですよっ。悪い時もありますって」


    「そ、そうですよね!」


    ちひろ「――あっ、そう言えばスタドリには開運の効果も……」


    「マジっすか!」グッ‼


    ちひろ「ちょろいな……(えぇ、本当ですよっ♪)」


    「えっ?」


    ちひろ「――あ、いえいえっ! それではスタドリを用意してきますねっ!」


    「ありがとうございますっ!」

    77 :

    ――

    ――――

    ――――――

    「――さて、と……。次はあの局に挨拶に行かないと……」フンフーン…


    茄子「……あれ、プロデューサー?」


    「ん? おぉ、茄子か」


    茄子「わぁっ! こんなところで出会えるなんて……。……これが、運命……」


    「いやいやいや……。別に茄子以外にもよく会うけどな」


    茄子「プロデューサーはこれからどちらに?」


    「ん、ちょっと今度の番組の事でな……。茄子は帰るところか?」


    茄子「はい。……あっ、送ってくれるんですか?」


    「いや、そんな時間はない」


    茄子「私、待てますよ?」


    「いやいや、素直に帰りなさい」


    茄子「はぁ、わかりました……。……それじゃ、おいしいご飯を作って待ってますからねっ」


    「ははっ、鍵は変えたぞ」


    茄子「あぁ、心配しないでください。もう合鍵持ってますから」ニコッ


    「そんな心配はしてないんだよなぁ……。ってか、マジか」


    茄子「………………」


    「………………」


    茄子「………………それじゃ」スッ


    「いやいやいやいやっ!」ガシッ


    茄子「きゃっ……! ……もう、大胆ですね」ポッ


    「いいか、よく聞くんだぞ? ……俺の部屋には立ち入り禁止だ。わかったな?」


    茄子「えっ……。……それじゃ、座りながら入ればいいんですか?」


    「入り方の問題じゃないんだっ!」


    茄子「あー、プロデューサーが送ってくれれば、大人しく帰るかもしれないなー」 


    「………………」


    茄子「………………それじゃ」スッ


    「まぁ、待て」

    78 :


    「……わかった、送るよ」


    茄子「わぁっ。とってもうれしいですー」ニッコリ


    「ただ、条件がある。まず、鍵を渡しなさい」


    茄子「まぁ、考えましょう」


    「それと、今日は直帰のつもりだったから、送ってほしいなら付いてきてくれ」


    茄子「はい、喜んで~」


    「はぁ……、準備は大丈夫か?」


    茄子「大丈夫です。それじゃ、行きましょうか」


    「お、おう…………――」








    ガチャ


    茄子「――あっ、おかえりなさいプロデューサー」


    「ただいま、それじゃ帰ろうか」ブルルン…


    茄子「このまま愛の逃避行……っていうのも憧れますね」


    「憧れないでくれ」


    茄子「そうですよね。プロデューサーのご両親にも挨拶に行かないと」


    「行かなくていいからな。だって行く意味がないもの」


    茄子「えーっ。さっき今度ご挨拶に行きますって言っちゃいましたよ?」


    「………………ん? 『言っちゃいましたよ』??」


    茄子「はい! なんとですね、携帯のダイヤルを適当に押してたら、幸運にもそれがプロデューサーの御実家の電話番号だったみたいで」ニッコリ


    「…………へぇー、茄子はすごいなぁー……」


    茄子「今度のお休みでいいですかね? 御実家の住所教えてくださいよ」


    「行くなよ?」


    茄子「……あっ、そうだ! 私が日本の地図にダーツを投げて、プロデューサーの御実家に見事刺さったら結婚する……って企画をテレビでやったらどうですか?」


    「やってたまるか」


    79 :

    面白い

    80 :


    「馬鹿な事言ってないで、少しはアイドルとしての自覚を持ってくれ」


    茄子「ちゃんと持ってますよー? だから、プロデューサーと一緒になろうとしてるんじゃないですか」


    「自覚を持ってるアイドルはそんなこと言わないんだよ」


    茄子「……その言葉には二つの意味があるんですけど」ボソッ


    「えっ?」


    茄子「――あっ、すいません。ちょっとコンビニに寄ってもらってもいいですか?」


    「ん、おぉいいぞ……」


    イラッシャイマセー


    茄子「ふんふ~ん♪」


    「茄子は何か飲むか?」


    茄子「わぁ、私のために奢ってくれるんですか?」


    「いやまぁ、そんな大げさな物言いをしなくても……」


    茄子「それじゃあ……、これでっ」


    「へぇ、茄子もコーヒー飲むのか。意外だな」


    茄子「それじゃ、先に車で待ってますねっ」


    「おう」


    アリガトウゴザイマシター

    ガチャ


    「……って、茄子。茄子は何のためにコンビニ寄ったんだ?」


    茄子「私もちょうど飲み物を買おうって思ったんですよー」


    「あぁ、そうなのか……」


    ウゥーー‼


    「――ん、なんだ……? 事故か?」


    茄子「そうみたいです……。怖いですねー……」


    「むぅ、しょうがない。道を変えるか……」

    81 = 1 :


    茄子「それじゃ、コーヒーいただきますっ」カシュッ


    「あぁ、どうぞ」カシュッ


    「ん……っ」ゴクッ


    茄子「………………」ジーッ


    「……あれ、どうした?」


    茄子「……やっぱり、そっちのコーヒーがいいなぁ」


    「えっ、もう口付けちゃったぞ……」


    茄子「いいですよっ! むしろそれでいいです!」


    「お、おう……」


    「――あっ、そうだ。鍵を渡してくれたらいいぞ」


    茄子「むっ……。はぁ……、しょうがないですね~」


    「いやいや、それが人んちの合鍵を勝手に作ったやつの言葉か。……ほら」スッ


    茄子「えへへっ、ありがとうございます」


    「…………で、鍵は?」


    茄子「あ~……、嘘です」


    「へっ?」


    茄子「実はまだ作ってませんでした。ふふっ、嘘も方便ですねっ」


    「はぁ……。『まだ』っていうか、その予定を立てないでくれると助かる」


    茄子「えへへ、いただきまーす……」ニコニコ



    ――――――

    ――――

    ――

    82 :

    因果律ねじ曲がってますね…

    83 :

    素でとんでもなく運が悪くて茄子は守ろうとしてるだけという可能性

    84 :


    ―――プロデューサー、ある日の休日


    ガララッ

    ガシッ


    茄子「――あ、プロデューサー」


    「おぉ茄子。こんなところで奇遇じゃないか」


    茄子「えへへっ、本当に奇遇ですね」


    「………………」


    茄子「………………」


    「なぁ、茄子」


    茄子「はい?」


    「ここはどーこだ?」


    茄子「なんとっ、温泉ですね!」


    「そうなんだ、よくわかってるじゃないか」


    茄子「………………」ググッ


    「………………」グググッ


    茄子「プロデューサー?」


    「おう、どうした?」


    茄子「温泉、入れないんですけど」


    「そうだなぁ。だって俺がいま入っているんだもの」


    茄子「…………? なら、入ってもいいじゃないですか」


    「ダメだろ。…………ってか、ここは男湯だぞ。茄子、間違えちゃってるぞ?」


    茄子「えっ、知らないんですか? ここは時間で男湯と女湯が入れ替わるんですよ?」


    「知ってるけど、まだだよね?」


    茄子「あれー、おかしいなー」グググッ


    「あははっ、茄子は力が強いなぁ」ググッ


    茄子「…………もうちょっとで見えるんですけど」


    「まぁなんだ、とりあえず出て行ってくれないか」


    茄子「何言ってるんですかっ。お背中お流ししますよ」


    「余計な事しなくていいから出ていってくれるとうれしいな」

    87 :


    茄子「――はぁー、良いお湯でしたねプロデューサー」


    「まったく、なんとか出れたはいいが……。しかし、なんで茄子がこんなところに居るんだ?」


    茄子「実はですね、この前お仕事の帰りにくじを引いてみたら、見事当たってしまいまして!」


    「まぁ、今さら驚かんよ」


    茄子「で、来てみたらなんと偶然、プロデューサーが温泉に入っていくではありませんか」


    「うんうん、で?」


    茄子「しかし、そこで不運にも旅館の人が、プロデューサーに気付かずに暖簾を入れ替えてしまいました」ナントッ‼


    「ほうほう」


    茄子「まぁ、せっかくなのでプロデューサーのお背中をお流ししようと……」


    「そっかー、普通に伝えてくれればよかったんだけどな」


    茄子「それじゃ旅情がないじゃないですか」


    「誰もそんな旅情を求めちゃいないんだよ」


    「――……はぁ、せっかくの旅行だったっていうのに」


    茄子「まぁまぁ、旅は道連れっていうじゃないですか」


    「そうだな。……まぁ、それは置いといて、だ」


    茄子「はい、どうしました?」


    「ここは茄子の部屋じゃないぞ?」グググッ…


    茄子「嫌だなぁ。プロデューサーとアイドル、たまには腹を割って話しましょうよ」ググッ…


    「知ってるか? 俺、今日休みなんだよ」


    茄子「私もですよ。ふふっ、一緒ですね」


    「今日はプロデューサーとしてここに居るわけじゃないんだ、わかるな?」


    茄子「はっ……!」


    茄子「――……なるほど。今日この場に居るのは、ただの一組の男女。……つまりはそういうことですね?」


    「いや、違うなぁ。何を考えてるのか知らないけど、おそらく違うなぁ」


    茄子「そこにはアイドルもプロデューサーも関係ない……」


    「聞いてるか?」


    茄子「……不束者ですが、よろしくお願いします」グググッ…


    「そう言いながらドアを開けようとするのは止めてくれ」ググッ…

    88 :


    ――

    ――――

    ――――――

    ザーー…

    ゴロゴロ…

    「――ん、なんだか雨が降ってきたみたいだなぁ」


    茄子「あーそうみたいですねぇ」


    「……なぁ茄子。いい加減諦めたりしないか?」ググ…


    茄子「えー、プロデューサー。まだ夜はこれからですよ」グググ…


    「このドアの攻防を夜通しやる予定なのか」


    茄子「プロデューサーが素直になれば解決ですよ」


    「もう十分に素直なつもりなんだけどなぁ」


    茄子「えっ? ……おかしいなぁ、ドアが開かないんですけど」ググ…


    「そりゃ、入ってほしくないからだよ」グググ…


    茄子「……あっ、なるほど! プロデューサーが私の部屋に来たいってことですか?」


    「なんだろうなぁ。茄子と話してると、俺が変なんじゃないかって気がしてくるよ」


    茄子「もうっ、そうならそうって言ってくださいよー。えっと……、じゃあお部屋で待ってればいいですか?」


    「あー、うん。そうだなー」


    茄子「わかりましたっ! じゃあ、えっと……おめかしして待ってますね?」


    「そうだなー」


    茄子「………………」


    「………………」


    茄子「嘘はダメですよ、プロデューサー?」


    「…………あ、あぁ当然じゃないか」シラー


    茄子「――わぁ、ならよかった。……それじゃプロデューサー、また後で」

    バタン

    「………………」


    「ま、まぁ大丈夫だよな……。茄子も一晩経てば頭も冷えるだろ……」


    「……一応、鍵はかけとくか」ガチャリ


    ガチャガチャッ‼


    「――――ッ!」ビクッ‼

    89 :

    がちゃられるのってかなり怖いよね

    90 :


    茄子「――ごめんなさいプロデューサー。そういえば、私のお部屋の番号を伝えてませんでしたー」ガチャガチャ


    「お、おう、そうだったか……」ドキドキ


    茄子「…………あれ、おかしいですねー?」ガチャガチャ


    「ん、どうした?」


    茄子「プロデューサーはこれから私の部屋に来る予定のはずなんですよね?」


    「いや?」


    茄子「それなのに、なんで鍵がかかってるんでしょう……プロデューサー?」ガチャガチャガチャ


    「それはな、部屋の住人以外を入れないのがドアの仕事だからだよ」


    茄子「ふぅーん……」チャリ…


    「………………っ!」グッ


    ガチャリ ガンッ‼


    茄子「…………あれ、プロデューサー? ドアを抑えてませんか?」


    「ふはは、いい加減茄子の行動パターンは読めてるさ。……一応聞いとくけど、どうやって鍵開けた?」


    茄子「いやいや、なんとなく私の部屋の鍵を入れてみたら『偶然』開いちゃったんですよー」


    「ふーん……」


    茄子「歴史が長そうな旅館ですからねー。そういうところが少し古いのかもしれないですねー」


    「そればっかりはどうしようもないなー」


    茄子「………………」


    「………………」


    「――……ん? 茄子はいつまでこの旅館に泊まる予定なんだ?」


    茄子「あー、私は明後日の朝に帰る予定ですねー」


    「あぁそうなのかー、残念だなー。俺は明日の朝に帰らなきゃいけないんだよー。いや、残念だなー」ボウヨミ


    茄子「…………うれしいです」


    「へっ?」


    茄子「プロデューサーがそう思ってくれているだなんて……。――こうしてはいられませんね」


    「…………お、おう?」


    茄子「すいません、今日のところは失礼しますね。――……また明日ですね、プロデューサー?」


    「あ、あぁ……――」

    91 :

    もう落としたら?

    92 :

    1月に1レスは流石に…

    93 :

    見てるぞ

    94 :

    もう終わりなのか?終わってしまうのか・・・?こんなところで・・・

    95 :

    まさかこの不幸は>>1の実体験だった...?
    とはいえボルトクリッパーに梯子にガムテに金づち置いてあるって襲撃準備が整ってるな

    96 :

    ディーフェンスッ!

    97 :

    まだ見てくれてる人が居たのか。


    ―――翌朝


    ザーッ‼


    「――うぅん……?」


    「……うわ、すごい雨だな。ニュースでは大丈夫そうだって言ってたのに……、これ帰れるのか?」


    「まぁ、そんなこと言っててもしょうがない。とりあえず準備をして……――」






    「――…………えっ? い、いま、なんと……?」


    「それが……、この大雨で土砂崩れがありまして……。今日いっぱいは通れないようなんですよ」


    「そ、そんな……。他の道とかはっ?」


    「それが大変不運な事に、この旅館に続くすべての道で土砂崩れが……」


    「」


    「いままでこんなことなかったんですけど……。――お代のほうは大丈夫なので、お部屋の方で明日までお過ごし下さい」


    「あ、あはは……。……まさか……な」




    茄子「あっ、おはようございますプロデューサー。今日はすごい雨ですねー」ニコニコ




    「あ、あぁおはよう茄子……」


    茄子「あれ、どうかしたんですか?」


    「い、いや、実は土砂崩れがあったみたいでな。今日は帰れないみたいなんだ……」


    茄子「わぁー、それは大変ですねー。お仕事は大丈夫なんですか?」


    「こればっかりはな……。ちょっと色々電話かけてくるよ……」


    茄子「はいー、わかりましたー。……でも――」


    「ん……?」



    茄子「これで、今日は一緒に居られますね?」ニッコリ



    「あ、あぁ……そう、だな……」アハハ…


    ――――――

    ――――

    ――

    98 :

    毎月の密かな楽しみとなりつつある

    99 :


    ―――事務所


    ガチャ


    「ただいま帰りましたー……」


    ちひろ「あ、プロデューサーさん。おかえりなさい、大変でしたね」


    「えぇ、こんなことってあるんですね……。何か問題とかはありましせんでしたか?」


    ちひろ「いえ、幸いにも特に大きなことは」


    「そうですか。よかったー……」


    ちひろ「あー……。ただ、ちょっと気になることがあるんですけど」


    「え、気になること?」


    ちひろ「はい。……えっと、最近ほたるちゃんって見ました?」


    「…………い、いや、確かに会ってはないかもですけど……。でもスケジュールは――」ペラペラ


    ちひろ「まぁ、そうなんですけど。なんか、最近不自然に会っていないような気がして……」


    「なるほど……。ありがとうございます、ちひろさん。ちょっと、連絡を取ってみますね」


    ちひろ「はい、気のせいかもしれないですけど……」


    「えぇっと、ほたるの番号は……」


    ピッ プルルルル…


    ほたる『はっ、はいぃっ! プ、プロデューサーさんっ』ワタワタ


    「お、おぉほたるか? 何をそんなに慌てて……」


    ほたる『い、いえっ! 何でもないんです、本当に……』


    「そうか? ならいいんだけど……。――ところで、ほたるは今どこにいるんだ?」


    ほたる『わ、私ですか? ……もしかして、お仕事の時間を間違えて――』


    「あー違う、そうじゃないんだ。ちょっと気になってな」


    ほたる『私はいま……えっと……。そ、外に、外にいます……』


    「……? そうか。次の現場には俺も行こうと思うんだけど、よかったら迎えに行こうか?」


    ほたる『大丈夫です。私なら、一人で……。今の私なら…………』


    「そ、そうか? わかった、それじゃまた後でな」


    プツッ


    「……まぁ、大丈夫そうか」

    100 = 1 :



    ほたる「――今の私なら…………」


    『そ、そうか? わかった、それじゃまた後でな』


    プツッ


    ほたる「はぁ……」ホッ


    茄子「プロデューサーはどうでしたか?」


    ほたる「い、いえ、いつも通りだと……」


    茄子「そう、それならよかったです」


    ほたる「そ、それで、あの茄子さん……。――いえ、茄子様。あ、アレをいただけませんか?」


    茄子「もちろんですよ。……はい、どうぞ。幸運のお守りです」スッ


    ほたる「あ、ありがとうございます! わ、私、これのお陰で……」


    茄子「ふふ、気にしなくていいんですよ。ほたるさんはそれでいいんです」


    ほたる「…………で、でも本当にいいんでしょうか、私が……」


    茄子「……イヤなんですか?」


    ほたる「い、いえっ! そんなことはないのですけど……。でも、やっぱりプロデューサーに申し訳ないような……――」







    ほたる「――私が、プロデューサーの部屋でいつも過ごしてるって知ったら……」






    茄子「ほたるさん? これは条件なんです、わかってますよね?」


    ほたる「も、もちろんですっ! で、でも、プロデューサーに私の不幸がうつったりしたら……――」


    茄子「そのために私が居るんです。ほたるさんは何も心配しなくていいんですよ」


    茄子「このために、プロデューサーのお部屋に細工までしたんですから」


    ほたる「わ、私は……」


    茄子「ほたるさんはいつも通りに……ね?」


    ほたる「は、はい……、茄子様」


    茄子「では、そろそろ移動しないとではないですか? ……ほたるさんのファンが大勢待ってますよ」


    ほたる「わたしの……ファンが……大勢……。ふふ、ふふふ……」フラフラ…


    茄子「えぇ……」ニコニコ


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