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元スレ和「やっぱり京咲はナンバーファイブですね」京太郎「?」
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それだと咲さんや照が可愛くナイミタイジャナイカ
それだと咲さんや照が可愛くナイミタイジャナイカ
次回に続きますよー、今回はここまで
京ちゃんがなんであんなことになったかって?
ネームというか、構想段階ではもうちょい先の予定だったんですが、はやりん戦が思いのほか辛かったので
リーチ状態なので、ここにアラサー嬢をブチ込むのも一つの手はあります
いや、流石にそれは死にますね
きちんと、復活というか癒しをはさみますよ今度こそ
ま、誰がそうなるかはまだ未定なんですけどね
すばらしいオアシス求めて、ネタ提供お待ちしてナス!
またぽんこつが増えましたね…
ところで>>140の縦読みの「ちんこ」はいずこへ?
ところで>>140の縦読みの「ちんこ」はいずこへ?
もう男でいいんじゃないかと思ったけど
男もマトモじゃない可能性があるのか…
男もマトモじゃない可能性があるのか…
【二十六章 わりとお金持ち ネリーとおひねりー】予告
智葉「ふっふふ~ん♪」サッサッ
ネリー「ゲッ。珍しいね、サトハが上機嫌」
ハオ「化粧までして、鼻歌もですか」ビックリ
メグ「ああ、アレはコレデス、コレ」ピンッ
明華「まぁ、親指に何か?」
メグ「違いマス。男デスヨ、オ・ト・コ!」デデン
ネリー「男ぉ!? サトハに?」パタパタ
メグ「なんでも、一日デートしたとか、しないとか」
ネリー「ふーん? で、いくら?」
メグ「?」
ネリー「相手はサトハにいくら払ったの? 一万? 十万?」
ハオ「いや、流石にデートくらいじゃお金は……」
ネリー「なんで? 日本の男はご飯一緒に食べるだけでお金くれるんじゃないの?」
メグ「それは一部の変態だけデス」ヤレヤレ
ネリー「変態でもいいよ。お金くれるなら」
ハオ「割り切ってるんですね」
ネリー「でも勿体無い。サトハが、お金も貰わずにデートなんて」じぃー
智葉「今度はこっちを……いや、ここをこうか? ふふっ」サッサッ
ネリー「……」イライラ
メグ「気になりマスカ?」
ネリー「べつに」
メグ「そうデスカ。もし、会いたいならセッティングしようかと思ったんデスガ」
ネリー「え? いいよべつに、興味ないから」
メグ「残念デスネ。聞いたところ、わりとお金持ちだそうですが」
ネリー「行く!」キラキラ
ハオ「(現金だなぁ)」ハァ
明華「」スピー
智葉「……ふふっ」ニヤニヤ
メグ「(無事に終わるといいんデスガ)」ハァ
ネリー「絞れるだけ絞って、ポイーっとね」ククク
つ づ く
ここが復活したんだし、わりとお金持ちも復活しないかなとひそかに期待
なんでこう、いとも簡単に道を踏み外すどころかフルスロットルで飛び出すんだろう。
99%の女性キャラクターが生まれたときに母親の胎内にブレーキ置いてきちゃってるから、加速したら止まらないで突き進んでるな
なるほど、娘の分のブレーキも持ってるから子供がアレでも保護者は理性的なんだね、片岡母とかね
いつの間にか更新してた
このユキは「ハァッ↑」とか言ってるヤンデレブラコンを彷彿とさせる
このユキは「ハァッ↑」とか言ってるヤンデレブラコンを彷彿とさせる
俺は踏み台になるんだ
ってあたりの京太郎の壊れ方がやばいな
筋少のサーチライト思い出した
ってあたりの京太郎の壊れ方がやばいな
筋少のサーチライト思い出した
かんがえたんですが、ポンコツが六連続なんですね今
いやいや、そろそろ京太郎の精神危ないでしょう
けど、可愛い女の子に囲まれてるんだから……これぐらい耐えるべきですよね
つまり、この絶望の先に輝く希望があると思うわけです
ぞんぶんに、引き続きお楽しみください
ろくなネタを最近思いつかないので、今回は懐かしい児童書を読み直して作りました
りーち
【二十六章 わりとお金持ち ネリーとおひねりー】
須賀京太郎の普段の姿からは想像しにくいが、彼の家庭は裕福である
飼育するには相当の出費がかさむカピバラを飼っている時点で、相応のものであることは確か
そんな彼が、普段お金を持ち歩かないのはなぜか
それは単純に、彼自身が貧乏性なだけ
服や趣味に少しばかりお金を使っても、それ以上は求めない
最低限の生活さえ出来ればいい
そう考えるのが須賀京太郎だ
しかし、その須賀京太郎が喜んでお金を浪費する時が存在する
いつも以上に豪華な物を選び、湯水の如くお金を使う
そう、それこそ――
ネリー「これと、あれと、これ!」ピョンピョン
京太郎「はいはい」
ネリー「んー……これも欲しい!」
京太郎「たくっ、ちょっとは遠慮しろっての」
東京の街中を歩く小さな少女と、大きな少年
傍からみれば、とてもアンバランスなカップルがそこにいた
京太郎「こんなに買い込んでどうするんだ?」
ネリー「内緒」
あちこちと連れ回されて、沢山のお土産品などを買わされる少年
少女は、財布兼荷物持ちの少年を後ろ目に見ながらほくそ笑む
自分は、本当にいいモノを手にいれたと
俺とネリーが出会う切っ掛けとなったのは、久しぶりに東京へ足を運んだ時のことだ
智葉「その、だな。京太郎君に会いたいというヤツがいる」
京太郎「え? 俺に、ですか?」
咏さんの下で扱かれて、白糸台に顔を出した帰り道
俺は智葉さんに呼び出されて、喫茶店で食事をとっていた
智葉「うちの大将だった子、覚えてないか?」
京太郎「ああ。あの咲を苦しめた」ポン
智葉「ネリーという子なんだが、なんでも京太郎君に興味があるらしい」
京太郎「俺に? これまたどうしてですか?」
ずずーと、ストローでメロンソーダを飲む
智葉さんの方はというと頬に手を当てて、考え込むようにコーヒーをかき混ぜていた
智葉「事情は知らない。可愛い子ではあるが、内面はちょっとクセがある」
京太郎「クセがあるのが臨海の特徴じゃないですか」クスクス
智葉「む、何がおかしい」プクッ
京太郎「あははっ、冗談ですって」
智葉「……こっちに顔を向けろ」
京太郎「?」
智葉「ケチャップ付いてる。拭いてやるから、顔を」
京太郎「あ、すみません」
智葉「全く。子供みたいにオムライスを頬張って……可愛いな」ボソボソ
京太郎「智葉さん?」
智葉「なんでもない。とにかく、この話は断っておく」プイー
京太郎「……なんでですか?」
智葉「え」
京太郎「俺はべつに構いませんけど」モグモグ
智葉「……理由は?」イライラ
京太郎「そりゃ、あの子は可愛かったし」
智葉「ほー」ビキビキ
京太郎「それに」
智葉「それに?」ゴゴゴゴ
京太郎「智葉さんの、友達だから」
智葉「……」ピタッ
京太郎「智葉さんの友達だから、会ってみたいんですよ」ニカッ
智葉「……は、恥ずかしい台詞は禁止しゃれているはずだ」プルプル
京太郎「えー?」
とまぁ、そんなこんなで会うことになったんだけど
待ち合わせ当日、ネリーは中々現れなかった
京太郎「遅いなー」
ジィー
京太郎「もう五分も遅刻だぜ」
ジジィー
京太郎「帰ろうかな。どうせおもち無い子だし」
しびれを切らした俺が、帰ろうと歩き出した瞬間
京太郎「ん?」
ぽふんっと、体が何かに当たる
ゆっくりと視線を下に向けていくと……
ネリー「……」ジィー
京太郎「うわっ!?」
ネリーが、地面にしゃがみながら俺の顔を覗き込んでいた
一体いつからなのか、ネリーは表情一つ変えずにじっとその瞳を動かさない
ネリー「お前がキョウタロウ?」
京太郎「あ、あー。い、いえーす! あいむきょうたろー! ないすとぅみーちゅー」
ネリー「何それ?」
京太郎「えっと、英語だけど」
ネリー「英語か。てっきり、ネリーの知らない星の言語かと思った」ハァ
京太郎「ってお前日本語しゃべれるのかよ!」
ネリー「まぁね」
京太郎「おぉー、上手いじゃん」
ネリー「……」
京太郎「で、なんでさっきから俺の顔を覗き込んでるんだ?」
いくらなんでもジロジロ身過ぎだろ
まさか、俺のこのイケメンフェイスにメロメロなのか?
ネリー「きもい」
京太郎「まだ何も言ってないんですけど」
ネリー「顔を見れば分かる。すんごっくっ! 気持ち悪かった」ンベー
京太郎「……ちくしょう」
俺って、どうしてこうもちびっこに弄られる宿命にあるんだろう
ネリー「顔を見ていたのは、知ってるヤツに似てたから」
京太郎「マジで? 俺に似たハンサムガイ!?」
ネリー「……直接会ったことはないけどね。いや、会えなかったっていうのかな」
京太郎「はい?」
ネリー「……前世では、会う前に世界が終わったから」ウツムキ
京太郎「え? ちょ、おいやめろ! お前まで電波かよ! ふざけんな!」
ネリー「は?」
京太郎「頼む!! 普通になってくれ! なんかお前、真面目そうだから俺喜んでたんだぞ!!」
ネリー「まじめ? ふつう?」
京太郎「なんでもするから普通になってくれ! 俺にできることならなんでも協力すっから!」
ネリー「ん? 今なんでもするって言ったよね?」
京太郎「うん」
ネリー「ふーん? そういうこと軽々しく言っちゃうの?」
京太郎「言っちゃ悪いのか?」
ネリー「悪いね」
京太郎「そうか? 俺はそう思わないけど」
ネリー「……」イラッ
京太郎「?」
ネリー「あーはいはい、別にそれはいいよ(金持ちは、いつもこうだ)」ギリッ
京太郎「で、何して欲しいんだ?」
ネリー「……まずは、お腹空いた」
京太郎「なるほど。飯を奢れと」
ネリー「ん。察しがいいのは好感触だよ」
ネリー「もう、ダメ……」ポンポン
京太郎「おぉー、すげぇ食ったな」
あれから、ネリーは色んな店を食べ歩きたいといい
数件の食事処をはしごした
おかげでこの有様なんだけど、もう流石に限界だろう
ネリー「(高い場所ばかり選んだのに、惜しみなくお金を払ってたこの男)」ジィー
京太郎「で? もう終わりか?」
ネリー「(お金持ちだから、人に恵んで当然ってこと? なら、毟れるだけ毟るだけ)」
京太郎「今日はもう手持ち厳しいんだけど」
ネリー「そう。じゃあもうかえる」
京太郎「いいのか? ご飯食べただけだけど」
ネリー「んー……じゃあ、次は服を買うのを手伝って」
京太郎「服を? いいけど……一ヶ月後とかでいいか?」
ネリー「え?」
京太郎「悪い。色々あってな」
ネリー「……いいよ(ちっ、まだガードが堅い。もう少し、サービスするべきかな)」
京太郎「んじゃ、途中まで送ってくよ」
ネリー「うん」ギュッ
京太郎「お? どうした急に?」
ネリー「別に。はぐれないようにしただけ」
京太郎「おー、可愛いところもあるじゃん」
ネリー「……ふんっ」ギュゥゥウゥ
京太郎「あいだだだっ!? つねるなっ!」
ネリー「(今のうちに鼻の下を伸ばすといいよ。一ヶ月後、また毟ってやる)」フフフ
一ヶ月後 Side-Nery
あの男はまた、待ち合わせの場所でボーッと立っていた
寒くなったからか、前より厚着になっているのが主な変更点
あとは少し、痩せた?
お金持ちのくせに、生意気だ
京太郎「よー、ネリー! もうじきクリスマスだな」
ネリー「クリスマスって何? お金?」
京太郎「いやいや、それは流石に冗談だよな?」
ネリー「まあね」
京太郎「だよな。お前、いつもサンタみたいな格好してるし」アハハ
コイツ、グルジアの衣装を馬鹿にしてる
やっぱりお金持ちは嫌いだ
ネリー「じゃあ、服選んで」
京太郎「服を選ぶって……まぁ、俺のセンスでいいなら」
ネリー「趣味が悪かったら罰金」
京太郎「お金好きだな」
ネリー「人間ならあたりまえ」
ネリーはキョウタロウの袖を引いて、ショッピングモールの中に入る
グルジアでは見たこともないような、煌びやかな服がいっぱいあって……きれいだった
ネリー「……」
京太郎「ん? これが気に入ったのか?」
ネリー「っ」ドキッ
京太郎「俺もこれがいいなって、思ったんだ。着てみるか?」
ネリー「……うん」
最悪の気分
まさか、コイツと……趣味が合うなんて
京太郎「おぉ、やっぱり似合うな」
ネリー「そう?」モジッ
京太郎「買ってやるよ。値段は……おっふぅ……」ガビーン
ネリー「ありがと」
京太郎「はぁ……また一ヶ月……」ブツブツ
キョウタロウはなにかブツブツ言っていた
お金持ちのくせに、意外とケチなのかもしれない
そうして、月日は少しずつ進み始めた
キョウタロウとネリーが会うのは、決まって一ヶ月おき
というのも、なぜかキョウタロウがそう提案するから
京太郎「よ、ネリー!」
ネリー「……ひさしぶり」
これで四回目
今までに
ご飯をおごってもらって、服を買って貰って、故郷への土産を買ってもらって
今日はどうしようか
不思議なことに、ネリーの頬は緩んでいた
京太郎「今日はさ、ゲーセンでも行かないか?」
ネリー「えー?」
京太郎「嫌か?」
ネリー「別に、いいけど」
ゲーセンなら、あまりネリーに旨味は無い
だけど、たまには……
京太郎「おらぁぁあエアホッケーだぁぁぁ!」カコォーン
ネリー「なっ、今のははんそ――」
カコォーン
京太郎「ぶわははは!!」
ネリー「……ぐっ」ギリッ
やっぱりコイツ、むかつく
京太郎「うしっ。じゃあもう遅いし」
ネリー「あ、うん」
ゲーセンで時間を過ごして、もう夜遅くになっちゃった
キョウタロウは送るといい、ネリーは黙ってその暖かい手に引かれて歩く
京太郎「あははっ、いやー。今日は俺の懐も暖かったなー」
ネリー「ふーん?」
やけに上機嫌だと思えば、そんな事情だったんだ
お金持ちのくせに、やっぱり生意気だ
ネリー「じゃあ、次は【アレ】を買ってよ」
京太郎「アレって、アレのことか? だから、先月も言ったように……」
ネリー「まぁ、別にいいけど。でも、ネリーはどうしても【アレ】が欲しいなー」チラッ
京太郎「……うーん」
悩んでる悩んでる
もうひと押しで、コイツは……
京太郎「……そろそろお別れだな」
ネリー「あっ」
パッと手を離され、ネリーはどこか胸が苦しくなるのを感じた
なんで? 別に、コイツのことなんてどうでもいいのに……
京太郎「さてさて、勿体ぶっておいてなんなんだけどさ」ガサガサ
ネリー「?」
京太郎「はいこれ。手袋」スッ
ネリー「え?」
渡された紙袋
中を開けてみると……赤い、ほつれのある毛糸の手袋があった
京太郎「編んでみたんだ。この冬、寒くないようにって」
ネリー「あ、え?」
京太郎「よかったら、使ってくれよ」ニッ
ネリー「……」ギュッ
誰かから、手作りのものをもらうなんて初めての経験だった
お金持ちのくせに、手作りだなんて生意気だ
ネリー「あ、ありが……」
京太郎「ところでさ、来月のことなんだけど」
ネリー「?」
京太郎「……三ヶ月後に、してくれないか?」
ネリー「……え?」
三ヶ月後……あ、やばい…自分が予想している通りのブツだったら、修羅場確定だ…
そしてネリーはあの世逝きが確定だw
そしてネリーはあの世逝きが確定だw
意味が分からなかった
だって、いつも一ヶ月に一回会ってたんだよ?
本当なら、一週間、ううん、一日に一回だって会いたいのに
ネリー「な、なんで?」
京太郎「あ、ああそれは、その……ごめん」
ネリー「ごめんって?」
京太郎「言えないんだ」
ズキリと、胸が痛む
あぁ、まただ……また、この感じ
ネリー「そっか、別にいいよ」
京太郎「そうか? いやー、悪いな」
ネリー「こっちもいつもごめん」
京太郎「え?」
ネリー「ネリーのこと、嫌いになったんだよね? わかるよ」
だって、いつもネリーはキョウタロウにおごってもらってばかり
ネリーは何も、してあげていない
京太郎「いや、そんなことは」
ネリー「じゃあなんで!? なんで三ヶ月なの!?」
今まで、こんなに大声を出したことがあったのかな?
多分、初めての経験……これも
ネリー「こんな、こんなのでごまかそうとして!」
こんなに、胸が痛くて
ネリー「ネリーのことが好きなら!! もっと高いの買ってみせてよ!!!」ポイッ
しりめつれつ、って言うんだよね
子供のようにだだをこねて、ネリーはキョウタロウからのプレゼントを道路に捨てた
すぐに車が通って、紙袋ごと手袋はグシャグシャになる
京太郎「……ネリー」
ネリー「っ」ダダダダ
ネリーはいてもたってもいられなくて、その場から逃げ出した
もう会えないかもしれない
今度こそ本当に嫌われた
ネリーは、ネリーはただ……
ネリー「う、うぁっ……うわぁぁぁぁんっ」ポロポロ
それからの日々は、ほとんど記憶が無い
麻雀も打たず、じっと部屋に閉じこもっていた
あぁ、きっとスポンサーがおこってる
そうなれば、グルジアに帰ることになるのかな……?
それでもいいかも
バチが当たったんだ……あんな、ことをしていたから
ネリー「キョウタロウ……」ジワッ
コンコン
ネリー「……いないよ」
ガチャ
智葉「いるじゃないか」
ネリー「ネリーはいないよ。もう死んだ」
智葉「私に霊感は無い」
ネリー「ゾンビかもよ?」
智葉「会話できるゾンビなら問題無い。話を聞け」
サトハは無理やりネリーの横に座って、顔を近づけてくる
智葉「メグから聞いた。ここ最近のこと」
ネリー「っ!」ビクッ
あぁ、全部バレちゃった
サトハ、怒るだろうなぁ
智葉「こちらも紹介した身、正直言ってお前には失望した」ハァ
ネリー「……だよね」
智葉「なんで、あんな馬鹿なことをしていたんだ?」
ネリー「悪いこと?」
智葉「なに?」ピクッ
ネリー「だって、キョウタロウはわりとお金持ちで……ネリーはお金無い」
智葉「……」
ネリー「お金がある人にたかって、おごって貰うことの何が悪いの?」
生まれの差
そんなもののせいで、ネリーは……ネリーは!
智葉「……別に、そこを責めているわけじゃないよ」
ネリー「え?」
智葉「私が怒っているのは、ネリーが京太郎君について勘違いしていることだ」
ネリー「かんちがい、って……?」
智葉「……着いてこい」グイッ
ネリー「い、いたいっ! サトハ、いたいよ」ズルズル
サトハに腕を引かれて、ネリーは数日ぶりに部屋の外に連れ出される
そしてそのまま、黒服の人が運転する車にのせられた
車内で、サトハはネリーの腕を強く握っていた
何をそんなに怒っているのか分からない
それに、誤解ってどういう意味……?
智葉「京太郎君が高校生だということは知っているな」
ネリー「? 知ってるけど」
智葉「そうか。じゃあ、彼が麻雀部にいることは?」
ネリー「それも」
智葉「彼が今、プロの元で修行をしていることは?」
ネリー「少し、だけ」
全部、ネリーは知ってる
何も、誤解なんて無い
キョウタロウはわりとお金持ち
持ってる、人間なんだ
智葉「じゃあ、最後に……あれを見てもらおうか」
ネリー「え?」
一体、車でどれくらい移動した後なのかな
サトハがウィンドウ越しに指さした先には――
京太郎「よいしょっと!」ドサッ
ネリー「キョウタロウ……!」
二ヶ月ぶりに見る、キョウタロウの顔
それが嬉しくて、ネリーは思わず車を飛び出そうとする……けど
智葉「待て。よく見てみろ」
ネリー「え?」
サトハに止められて、注意深くキョウタロウを見る
そこにいたのは……
おっちゃんA「おい兄ちゃん! ここいらで休憩にしねぇか!?」
京太郎「すいません親方! 俺、もっと稼ぎたいので!」
おっちゃんB「だからってよ、俺らの分の仕事まで取られねぇでくれよな」ハハハ
おっちゃんC「全くだ! 働きすぎだぜ兄ちゃん!」ガハハハ
わし(53)「やったぜ。」
京太郎「おっしゃ! あともうひと踏ん張りだぁぁぁぁ!!」ダダダ
ネリー「な、な……」ワナワナ
汗だくのおじさんたちに囲まれて、工事現場で働くキョウタロウ
なんで? なんで、あんな泥だらけになりながら……?
智葉「誤解は解けたか?」
ネリー「ど、どうし、て……」ブルブル
智葉「確かに、京太郎君の家庭は裕福だ」
ネリー「!」
智葉「飢えたことも無い。ネリーの故郷の人たちに比べれば、甘ったれたものだろう」
ネリー「……っ」
そう、だからこそ分からない
なんでああしてまで、必死にお金を……?
智葉「京太郎君は決して……自分が遊ぶ時のお金は、家から貰わないそうだ」
ネリー「……家から」
智葉「両親が厳格な人、というよりは自分の意思だと聞いている」
ネリー「どうして?」
智葉「彼風の……言葉で言うなら」
~京太郎「誰かに奢ったりプレゼントするなら、自分で稼いだお金じゃなきゃ意味がありませんよ!」~
智葉「……甘ったれた台詞、と笑うか?」
ネリー「……あ、ぁ」ブルブル
智葉「出来はしないだろう。彼が、京太郎君から湯水の如くお金を巻き上げたお前に……」
ネリー「うぁぁぁぁっ……ぁぁぁ」ポロポロ
智葉「そんな資格は無い」
だから、一ヶ月おきにしか会えなかったんだ
智葉「日中は学校。夕方は学校、休日はプロの特訓」
一ヶ月、頑張って、頑張って頑張って
そのお金を、全部――ネリーに使われて
智葉「こんな深夜にしか、彼は働けなかったそうだ。無論、学校には隠して」
なのに、ネリーはずっと、キョウタロウのことを……
心の中で、お金持ちだと、親から貰ったお金だとばかり……
智葉「……」
ネリー「うわぁぁぁんっ! キョウタロウ、キョウタロウ! きょうたろぉぉっ!」バンバン
智葉「会いたいのか?」
ネリー「会いたいよ! 開けて、開けてよぉっ! 謝りたいのぉっ!」ダンダン
智葉「ダメだ」
ネリー「!?」
智葉「……ふぅ、想像以上に。ネリー、お前も抜けているな」
ネリー「ぬけて、いる?」
智葉「京太郎君が本当にネリーのことを嫌いになったなら、今もこうしてバイトをしていると思うか?」
ネリー「……え?」ドクン
智葉「彼は今、ある目的を果たす為に……頑張っている。それを、台無しにするわけにはいかない」
ネリー「ある、目的……」ドクンドクン
智葉「あと一ヶ月。耐えに耐えて、自分なりの贖罪方法を考えるべきだ。おい、出せ」
黒服「へい! お嬢!」
ブロロロロロ
ネリー「自分なりの……」
ネリーに、できること……そんなの、あるのかな
Side-kyoutarou
それは、俺とネリーが三回目に会った日のことだ
ネリー「……」ジィー
京太郎「? なんだ、ショーケースに張り付いて」
ネリー「これ、欲しい」
京太郎「いっ!? いやいや、それはマジで無理だろ」
ネリー「なんで?」
京太郎「なんでもなにも、高すぎる」
ネリー「……そっか」シュン
京太郎「そんなに、欲しいのか?」キョトン
普段と打って変わって、ごねることもなく
ネリーは呆気なく引き下がる
その態度が、俺には引っかかった
ネリー「これ、お母さんのしていたやつに……似ていた、から」
京太郎「お母さんのしていたって……」
ネリー「……行こっ」
京太郎「あ、おい! ネリー! たくっ……」チラッ
キラーン
京太郎「じゅ、十五万かぁ……」ウーン
そして、時が進み
今はネリーと喧嘩別れしてから三ヶ月が経った例の日
本来なら、ここでまたネリーと待ち合わせして
一緒に遊ぶ筈だった
でも――ネリーはもう来てくれないかもしれない
それが、少し怖い
京太郎「……」
冬だった季節も、今はもう春
俺の学年も間も無く上がり、いよいよ新しい日々が始まろうとしている
その、スタートを踏み出す為にも
俺は、ネリーに……
京太郎「……」
じぃー
京太郎「……」
じじぃー
京太郎「……おい、何してんだ?」
ネリー「……うっ」
視線を下に下ろすと、コソコソとしゃがみながら、俺を下から覗くネリーがいた
あぁ、前と変わらない――あのネリーだ
ネリー「あの、その……」
京太郎「おいおい、どうした? そんな顔して」
ネリー「だっ、だって……あの時は、ネリー」
京太郎「ああ、手袋のこと? 別にいいよ、気にしてないし」
そもそも、車に轢かれる前からぐちゃぐちゃだったしな
作り直す切っ掛けをくれて、大助かりだ
ネリー「それに、その前にも……ネリーは」シュン
京太郎「?」
ネリー「キョウタロウに、奢らせて……」
京太郎「あれは約束しただろ。俺がおごるって」
ネリー「限度が、あるよフツー」
京太郎「可愛い女の子に貢ぐのに、限度なんてあるのか?」
ネリー「っ……//」ボッ
京太郎「そりゃ、ちょっとばかし無茶する羽目になったけどさ」
ネリー「うぐ」
京太郎「俺、感謝してんだよ」
ネリー「……え?」
京太郎「なんていうか、ネリーといると……心が癒されるっていうか」
ネリー「!?」ビクッ
京太郎「こう、普通に面倒見れるんだよな。ほかの子は……普通じゃないから」トオイメ
ネリー「むっ、他の子とかいるんだ……」
京太郎「ああ、いや。そういう意味じゃなくてだな」
うまく言葉にできないな
なんて表現すればいいやら
京太郎「とにかく、俺は嫌じゃなかったし。そもそも、男の俺が奢った金なんだから、ネリーが気にすることじゃねぇよ」
ネリー「キョウタロウ……」
京太郎「そういうことで、ほらっ」スッ
ガサッ
ネリー「……やっぱり」
京太郎「ん? 嬉しくないのか?」
ネリー「嬉しくないわけ、無いよっ……だって、これぇ」ジワッ
京太郎「時間はかかっちまったけどさ、ちゃんと渡せてよかった」
ネリー「……サイズはどうやって測ったの?」
京太郎「ん? お前と同じくらいの身長の奴に指のサイズを聞いたんだよ」
回想
京太郎「おい、おまえの指輪のサイズを教えてくれないか?」
同じくらいの身長の奴「うぉっしゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!! だじぇぇええええええ!!!」
和「は?」
久「あ?」
咲「……」ゴゴゴゴゴ
まこ「ふぅ、やれやれじゃな」
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