私的良スレ書庫
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元スレ大和「提督」提督「んあ」
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>>251
そしてsageない真のバカが現れる
そしてsageない真のバカが現れる
>>251
下げろゴミクズ
下げろゴミクズ
>>251
よぉバカsageような^^
よぉバカsageような^^
せっかく続き来たのに何に対しても早漏なハゲのせいでもう無理だろ
一週間くらい空くことは今までもあったろ、大人しく黙って待ってろや
提督「……」
提督「……」
提督「何故撃たない……」
長門「……」
長門「……撃てるわけ……ないだろう……」
長門「貴方が私に撃たせたいのは分かる……どんな思いで言っているのかも……なのに、どうして撃てると思うんだ……?」
提督「ならば尚更撃たないか! ここで私を落とさねば、次に沈むのはお前たちなのかもしれないのだぞ!?」
加賀「て、提督……貴方という人は……どうしてそうやって私たちの気持ちを考えないの!?」
提督「考えているからこそ、こうして最善の方法をとっているのだろう!」
加賀「いいえ、考えてないわ。長門さんを駆り立てて、無理やり撃たせて……それで残される長門さんはどうなるの?
今日の事をこれからずっと苦しんで、引きずって行かないければならないのよ! 貴方にもその辛さは分かるでしょう!」
提督「だが沈むよりは良い! 確かに酷なことを言っているが、心の傷もいつかは癒える。
それよりも私を放置したほうが余程禍根を残すことになる。もっと傷つく者が増えるのだぞ!」
金剛「提督……時間が経っても決して癒えない傷もあるネ。提督だって、大和のことをずっと引きずってたデース」
提督「それは……」
金剛「私が気づいてないとでも思ってるデスカ? 提督は日課だって言ってたけど、いつも波止場に立って大和を待ってたの知ってたネ。何年も……ずっと」
提督「……」
提督「……お前たちは、自分が何を言っているのか分っているのか。私はお前たちとは共に行けない。
だが私を逃せば、より悲しむものが増える。ならばここで私を撃つ以外の選択肢は無いのだ。何故それが分からない……?」
加賀「それは提督の理屈よ。私はそうは思わないわ」
金剛「私も同じデース。こうしてまた会えたのに、ここで提督を撃つだなんて、そんなのあり得ないネ」
提督「お前たちは……深海棲艦というものを理解していないだけだ……。今の私と、次に会うときの私は別物だぞ。
こうして悠長に話などしない。お前たちを轟沈させるためならどんな方法も厭わない。そういう存在になるんだ」
加賀「それは私たちだって同じよ」
提督「……なんだと?」
加賀「提督……貴方には本当に頭に来ました……。いつもそうやって理屈や道理ばかりを求めて、平気で自分を捨てようとする。
それで残される者の気持ちなど考えもせず……」
金剛「そこが提督の魅力だけどー、ちょっとヤり過ぎだヨ」
加賀「貴方は、私たちとは来られないのね?」
提督「ああ、無理だ」
加賀「なら……今日は見逃してあげます」
提督「……何を言っている?」
加賀「だから提督と同じよ。今はこうして感傷に浸ったけど……私たちも、次に会うときは決して貴方に容赦をしないわ。
そうやって身勝手を振りまく貴方を完膚なきまでに叩き潰して、否が応でも皆の前に連れて行きます」
金剛「Yse! それはいいデース。提督は絶対についてくる気がないみたいだし、こうなったら実力行使しかないネ!」
提督「何を馬鹿なことを……。お前たちは何も分っていない。現状でさえ艦隊が何隻も落とされているのだ。
私が深海棲艦側に戻れば、更に酷くなるのは目に見えている……」
加賀「舐めないでください。確かに今まで苦戦は強いられたけど、相手が提督と分かればそうはいかないわ。
私は貴方の秘書官よ。提督の癖もやり口も全部把握している」
提督「お前の進言を今の提督が信じるのか? 与太話だと笑われるぞ。そもそも私と争ってなんの意味がある。ここで私を逃すメリットなど何一つ無いといのに……何故わからない?」
金剛「そんなことないデース。提督が深海棲艦でも生きていたってことが分れば、みんな元気になるネ!
今、鎮守府はどんよりしてるケド、他の艦娘たちも貴方に会うためにまた立ち上がってくれるデース。そうすれば私たちが深海棲艦なんかに負けるはずないネ!」
加賀「それに、提督には一言言ってやりたい娘たちが大勢いるのよ。私は彼女たちの代返なんかできないから、ここで貴方を撃てばみんなに恨まれるわ」
提督「……」
加賀「……なんですか、その目は」
提督「呆れてものが言えん……お前たちが、ここまで馬鹿だったとは……」
金剛「馬鹿じゃないネ。提督……理屈だけじゃ人間は動けないヨ。一番大切なのは此処、そうハート……Loveデース!
私のハートは、提督へのLoveは、どんな形でも生きていて欲しいって……一緒に居たいって言ってるネ。なら私はそれに従うだけデース」
加賀「……口には気を付けてください。今の貴方はイ級にも劣る雑魚深海棲艦。立場は私たちのほうが圧倒的に上なのよ。
それに金剛さんの言う通り、貴方が自分の我を通すというのなら、私たちも自分の我を通すだけの話だわ」
提督「その為に、失われる命があるのかもしれないのだぞ」
加賀「提督と同じです。貴方が自分の命を懸けるのなら、私も同じものを懸けましょう」
提督「お前たちは常に懸けているだろう……だが、それに付き合わされる者の事を考えろ。たまったものじゃない」
加賀「私たち艦娘は国のために戦い、多くの者が散ってきたわ。そして兵器だけど、道具じゃない。命を懸けるからには戦う理由だって欲しいし、我儘だって言うわ」
金剛「身体を張ってるのは前線に出てる私たちネ。後ろでどっしり座ってる人達や期待してる人達には悪いけど、私にもどうしても譲れないものがありマース。
提督を沈めて深海棲艦を倒しても、そんなの私には勝利じゃないネ。提督を連れ戻して、また貴方と過ごすことが私の勝利ネ!」
提督「だから無駄だと言ってるだろうに……いや、最早この問答が無駄か。話にならん……」
加賀「そうよ。だから、貴方は尻尾を巻いて逃げればいい。今日のところはこれまでの貴方への恩と……そして貴方を助けられなかった私たちの贖罪の為に見逃してあげるわ」
提督「……本気らしいな」
加賀「ええ」
提督「……」
加賀「……」
提督「……」
加賀「……」
提督「……はは」
加賀「何がおかしいの」
提督「いや……そうだった。お前は普段は感情を表に出さないが、一度ヘソを曲げると意地でも折れなかったな……
前に夜食の事を注意した時や、間違ってお前の菱餅を食べた時は、三日間ろくに口を聞いてくれなくてな……私はよくそれで苦労をした……」
加賀「それは提督の非です。私は悪くありません。今のこの話だってそうよ」
提督「ふふ……まあ、実を言うと私はむくれるお前が見たくてわざとやっていたところもあったがな……」
加賀「……」
提督「……」
提督「……これ以上は平行線か」
加賀「そうね……」
提督「……仕方がない……」
提督「いいだろう……お前たちの言う通り、私は尻尾を巻いて逃げるとしよう。だが覚悟はしておけ。今日のこの日をお前たちは必ず後悔することになるぞ」
加賀「提督こそ、また私たち全員に袋叩きにされる準備だけはしておいて下さい。今回は前回の比じゃありませんよ」
提督「……あれはきつかったな。だが無用な心配だ。お前たちの実力は私が一番よく知っている。
未知数はお前たちの今の提督だが、それも慢心で艦娘を何隻も沈めるような愚か者だ。それを省みない限り私たち深海棲艦の勝利は揺るぎない」
加賀「それこそ慢心というものよ。確かに今の提督は新任だけど、貴方と違って素直な人だし私たちが導いて見せるわ。
それに貴方の手の内は私だけじゃなくて、皆知ってることよ。貴方の常套手段が通用するとは思わないことね」
金剛「あ、提督ぅー、もしかして焼き餅ですカ? 私たちが他の提督に取られたからって。
もぉーそんな心配しなくても大丈夫デース。提督は浮気者だけど、私は提督と違って浮気なんかするような女じゃないネ! 他の娘たちはどうか知らないケドー」
提督「……耳が痛いな」
提督「長門」
長門「……なんだ」
提督「すまなかったな……無理を言ったようだ。だが、次からは撃てるな?」
長門「もちろんだ。今日は不甲斐ない姿を晒したが……次会うときは貴方を提督とは思わない。深海棲艦として相対しよう。
長門「……だが、提督……教えてほしいのだが、陸奥の散り様は……提督の言ったことは本当の事なのか……?」
提督「それは直接本人に聞くと良い」
長門「……」
長門「……なるほど、陸奥を沈めた深海棲艦に直接聞けと。宣戦布告という訳か……分かった、いいだろう。受けて立とう」
提督「……」
提督「一つ聞きたいことがあるのだが……お前たちは沈んでしまった艦娘たちと、また巡り合うことはできると思うか?」
長門「おかしなことを聞くな。それが出来るならこうも悲しみはしない」
金剛「出会いは一期一会ネ。確かに在りし日の戦艦の魂はまた別の人に宿るけど……それはもう別人デース。だからこそ今の出会いを大切にしてるネ」
提督「……そうか。お前たちはそういう考え方をするのだな。私もそうだった。だからこそ大和が沈んだとき、もう二度と誰一人轟沈させぬと誓ったのだが……」
加賀「でも……死んだはずの貴方とはこうしてまた会えたわ」
長門「私もそれをずっと疑問に思っていた。提督、何故貴方はそんな姿になってしまったのだ……?」
提督「……私にもよく分っていないのだ。だがお前たちに会えて、この争いの仕組みというものが少し分かった気がする……」
加賀「仕組み……?」
提督「……痛っ」
長門「提督、どうしたんだ?」
提督「……」
提督「なるほど、便利なものだ……道理で無線機がいらないわけだ……」
金剛「提督……?」
提督「お前たちはすぐにここから立ち去れ。どうやら私が逃げ出したのが深海棲艦に知れ渡って、今血眼で捜索中らしい。もうすぐここにも来るだろう」
加賀「分かるの……?」
提督「……北東の方角に進め。そこからならば、深海棲艦にも会うこともなくこの海域から抜け出せる。
お前たちの居る鎮守府へは遠回りになるが、その損傷具合から見るに近道するほうがより危険になるだろう」
加賀「……」
提督「なんだ、疑っているのか?」
加賀「いいえ」
加賀「……では提督、さようなら。次に会うときは戦場です。必ず貴方を仕留めてみせるわ」
長門「皮肉なものだ。貴方と共に鍛えた力を、まさか貴方に向けることになるとは……。だが、次はお互い敵同士だ。
私の主砲が伊達ではないことを証明して見せよう」
金剛「提督ぅ、もう私から目を離しちゃNoなんだからネ!。あと暫く私が居ないからって浮気もしちゃNoだヨ!」
提督「……分かった。お前の姉妹や、大井や北上、天龍に龍田、瑞鶴に翔鶴……とにかく皆にもよろしく伝えておいてくれ……私が敵になったと……」
金剛「もちろんデース! 榛名に話したらぜーったい飛びついてくるに決まってマース!」
加賀「……皆に会いたくなったの?」
提督「ああ……お前たちと話していたら、もう一度皆の顔が見たくなった。会って顔を見て……話をしたい。深海棲艦の私が言うのもなんだが、元気ならばいいが……」
金剛「提督は相変わらず素直じゃないネ。最初から素直に会いたいって言えば良かったデース。なんなら今からでも発言を撤回して私たちと一緒に来てもイイヨ?」
提督「それは出来ない」
長門「……悠長に話はしないのではなかったか?」
提督「戦場ではな……だが近いうち、またこうしてお前たちと話せる日が来る」
長門「どういうことだ……?」
提督「いずれ分かる。だから必ず来い。私はお前たちと過ごした鎮守府で、再開できる日を楽しみに待っている……」
乙
いい感じで進展してるけど
連れ戻されたあとどんな扱い受けるかわからんのが怖いよなあ
沈んだ連中は何をするのにも躊躇いが無さそうだし
いい感じで進展してるけど
連れ戻されたあとどんな扱い受けるかわからんのが怖いよなあ
沈んだ連中は何をするのにも躊躇いが無さそうだし
乙
厳しくて残酷なのに温かみがあっていいな
大和かて悪意に満ちた奴には見えんし。
厳しくて残酷なのに温かみがあっていいな
大和かて悪意に満ちた奴には見えんし。
大和「提督……!」
提督「おー大和か」
大和「……やっと見つけました……。探したんですよ、本当に……」
提督「そうか……だが遅かったな、あいつらはもう行ってしまったぞ」
大和「あいつら……?」
提督「なるほど……さしものお前も、彼女たちが相手では分が悪かったか。まあ当然か、あいつらは私の懐刀でもあったからな。
むしろよく退却させたものだ。流石と言うべきか」
大和「……あいつらとは、誰の事です」
提督「さて、誰だろうな」
大和「……会ったのですか……彼女たちと……」
提督「どうだろうな。死者に会うなどと、もしかしたら私は白昼夢を見ていたのかもしれない」
大和「……」
提督「いや、死者は私か? ともあれ、壮健でなによりだった。少しだけ肩の荷が下りた気がする」
大和「……全部、思い出したのですか……?」
提督「大和……全部とは何処までだ……? お前が話してくれたことが全てではなかったのか?」
大和「……」
提督「……」
大和「……」
提督「……ふふ」
大和「……どうして笑うんです」
提督「いや……お前もそういう顔をするのだな。私の知らない表情だ。離別してから、お前にもいろいろとあったようだ……」
大和「……」
提督「朝日を見たのは久しぶりだ。いつもは夕方にしか起きられなかったからな……
悪くないものだ、海上から見る水平線に浮かぶ太陽というのも。波止場から眺めるものとは、また違う趣がある」
大和「……提督、私の質問に答えてください」
提督「それに、今日は待ち人も隣に居る」
大和「提督、質問に……」
提督「そんなに私が憎かったか?」
大和「……え?」
提督「侵攻作戦のとき……お前は他の者には目もくれず、私を海の底に引きずり込みに来ただろう。本拠地を捨てるという暴挙に出てまで……
もしお前たちの主力艦隊が残っていれば壊滅などという事態にはならなかっただろうに」
大和「……」
提督「……」
大和「……」
提督「……」
大和「……遅いか早いかの違いで、同じことでしたよ。貴方に主要拠点を落とされ補給路を断たれたことで、私たちの敗北は既に決定していました。
後は果敢に死ぬか、無様に死ぬかの二択しかありませんでした」
提督「それで一矢報いるために私を討ちに来たか」
大和「……私たちは……」
大和「個々の戦力では決して貴方たちには劣っていません。数でもこちらのほうが有利でした。なのにどうしてこうも敗北を重ねていくのか、
それを考えた時……提督、貴方のような指導者の不在が原因だと思い当りました」
提督「……」
大和「勿論、私は最初から皆に訴えていましたが、多くの人たちは敗北の二文字が見えるまで理解しようとしませんでした。
そしてそんなに言うならばと、私が深海棲艦の指揮を執っていたのですが……」
提督「お前がか……? 宝の持ち腐れだな」
大和「私は貴方の秘書官でしたから、提督から学んだことを自分なりに活かして、なんとかまとめていたんです。
最初は貴方の癖や手口を知っていましたから、善戦していたと思います。
でも、時が経つにつれ貴方はどんどん強くなっていって……終盤ではもはや歯が立ちませんでした……」
提督「……お前を失ったからだ。私が強くなったのは」
大和「喜んではいけないんでしょうね……貴方のせいで私たちの同胞は何隻も沈められ、本当に煮え湯を飲まされましたよ。私も何度貴方を恨めしく思ったことか……」
提督「……」
大和「そして私たちは最後の賭けに出たんです。ほとんどの深海棲艦は反対して拠点に残りましたが、一部の有力な人たちは賛同してくれて私に付いてきてくれました。
あとは……提督の知っての通りです」
提督「だが、よく私が仕掛けるタイミングがわかったものだ。私の手の内を読んでいたのか?」
大和「いいえ、提督の考えはもう私には分かりませんでした……だから、ただの勘です。でも理屈っぽいのは変わらないと思ったから、不意打ちには弱いんじゃないかって……」
提督「……理屈っぽいか。先ほど同じようなことを言われたな。確かにあのタイミングで攻められるなど予想だにしなかったが……よくそれで部下が付いてきたな」
大和「もちろん皆にはそれっぽいことを並べて納得させましたよ? 実際は本当にただの賭けでしたけど」
提督「だが、お前は私を沈め深海棲艦の提督に据えることに成功した……賭けはお前の勝ちだ」
大和「……それはまだ分りません」
提督「そうだな……気が早かったか。まだこの戦いに勝利したわけじゃない」
大和「違います。提督……貴方は御自身が深海棲艦だと自覚しましたね? だからこうして私たちと同じように海の上に立っていられる……」
提督「ああ」
大和「……死にたくなったりしてませんか?」
提督「……なに?」
大和「深海棲艦は生前の未練や執着、欲望、本能といったものに強く影響を受けます。私たち艦娘の場合は……戦うことです。
これは私たちに中にある、在りし日の戦艦の魂がそうさせるんです。でも……貴方は違う」
提督「……」
大和「提督、貴方の欲望は何ですか? 死の直前、何を強く願っていましたか?」
提督「私は皆の幸せを……いつもこの争いが終わることだけを願っていた」
大和「でしょうね……普通の提督ならば自分を犠牲にするなんて馬鹿なことはしません。あの局面では、貴方はどんな犠牲を払ってでも生き残らなければならなかった。
なのに……提督は躊躇なく自分を捨ててあの娘たちを逃がす道を選んだ。私にはそれが一番気がかりだったんです」
提督「……なるほど。私の記憶を消して偽っていたのはそういうことか……」
提督「私は戦争の終結を望んでいた。もし私があの時点で深海棲艦だと自覚したならば、すぐに自害しただろう。
こう言ってはなんだが、今のお前たちは私がいなければただの烏合の衆だ。私が消えれば、この戦争は終わる」
大和「ええ……事実ですよ。だからこそ私たちには貴方が必要だった」
提督「欲望か……そういえば、鈴谷にも同じようなことを聞かれたな……」
大和「はい……皆、貴方を留まらせるために必死だったんです。そしてできれば、自分の意思で残って欲しかった。
でも、あまり上手くいきませんでしたね。貴方は心は、邪な意思さえもが平和を願っていた……」
提督「……」
大和「それでも今、貴方は深海棲艦としてここに居る……何か、戦争の終結以外の強い欲望ができたんですね……?」
提督「ああ」
大和「それはなんです? 教えてください」
提督「そんな大層なものではない。ただ、もう一度皆に会いたくなったのだ……そう思ったらもう気持ちを抑えられなくなった」
大和「それが深海棲艦というものです」
提督「そうらしいな……」
大和「……」
大和「提督……」
提督「おい、大和……?」
大和「よかった……本当によかった……これでまた、私は貴方と共に居られる……」
提督「私がかつての仲間たちを沈める様を見たいか? お前にはさぞ滑稽に見えるだろうな」
大和「はい、勿論です。貴方は私たちの、深海棲艦の提督になりました。そうしてもらわなければ困ります」
提督「……」
大和「でも、提督は勘違いしています……私は貴方を憎んでなどいません」
提督「嘘を吐くな。私の慢心がお前を沈めたのだ……恨まれて当然だ」
大和「波止場で提督はそう言ってましたね……確かにあの時の貴方は未熟でした。でもそれは私も同じです。
もし私の力が及んでいれば、もっと違った結末になったはずです。けど、私も提督にも力が無かった。だからああいう結果になったんです。貴方だけの責任ではありません」
提督「それは違う。戦力を把握して、それに見合った方針を打ち出すのが私の役目だ。お前に非はない、完全に私が見誤っただけだ」
大和「ふふ……私がミスを犯したとは考えないんですか? そういうところは本当に変わりませんね……。むしろ私が秘書官を務めていたころより悪化しちゃいましたか?」
提督「……」
大和「きっと私の所為なんでしょうね……。でも、いいです。そのおかげで貴方の心にはずっと私が居たから……」
提督「……」
提督「私は……」
提督「ずっとお前を待っていた。毎朝、波止場に行ったあと、浜辺を歩いて……少しでもお前の名残がないかと探していた。
結局は見つからなかったが……まさか当人が帰って来るとはな……」
大和「私もですよ。勿論、指導者としての貴方が必要だったことも否定しませんが……でも、本音を言えばもう一度貴方に会いたかったんです。
例え会えなくても、せめて姿を見たかった。それがまた、こうして触れ合えるなんて思いませんでした……」
提督「この再会は喜んではいけないんだろうな」
大和「どうしてですか? 私も貴方も、望んだことが叶ったんです……私は、こうして貴方の元に戻れたことがうれしくて仕方ありません……」
提督「だが多くの人が不幸になる」
大和「……なるほど。提督はまだそういう考えができるんですね……私にはもう理解できませんが……」
提督「私もじきに人間らしい考えはできなくなるだろう。もうすでに本来の思考とは違ったものになっているのがわかる……」
提督「だから大和…………私がまだ人間であるうちに、人間らしい考えができるうちに……お前に伝えておきたいことがある」
大和「はい……聞きましょう」
提督「大和……」
大和「……はい」
提督「すぅ……」
大和「提督?」
提督「……」
大和「……?」
提督「お前という奴は……いったいなんてことをしてくれたんだ!?」
大和「きゃあっ!? い、痛い!? 痛い、痛いです提督! な、何するんですかいきなりっ!?」
提督「何もクソもあるかこの馬鹿たれが! あと少しというところで争いに区切りがつこうとしていたというのに、余計な真似をしおって!」
大和「こ、こめかみをぐりぐりしないでください! 頭、割れちゃいますからぁ!」
提督「うるさい、この程度の痛みは甘んじて受け入れろ。お前はたまに予想のつかないことをやったが、まさかこんな土壇場でしでかすとは思わなかったぞ!」
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