元スレ京太郎「その片思いは八方塞がり」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
101 = 1 :
「ねえまこ、あなたは無いかしら?須賀くんの麻雀に違和感を覚えたこと」
「違和感も何も初心者の麻雀じゃろう、ああいう初心者はよう見てきたけえ特に新鮮なことも無いわ」
「違うわ、打ち方なんかじゃない。彼の麻雀は初心者故に平凡に見える。だけど……もっと恐ろしいモノが潜んでるわ」
「もっと恐ろしいモノ?」
「これ、彼の対局の牌譜よ。ある規則に従ってまとめてあるから須賀くんの配牌に注目してみて」
「これは……」
「そう、時期を重ねる毎に彼の東一局の時の配牌が異様に良くなっていっている」
「優希の影響を受け取るとでも言うんか?」
「そして須賀くんが槓した時、必ず有効牌を引いているわ」
「咲の……」
「槓については回数自体が少ないからまだ断言は出来ないけど、東一局の配牌の良さははっきり言って異常だわ」
「確かに……」
「須賀くんの麻雀に優希と咲の特徴的なスタイルが影響しつつある」
「和が聞いたら何て言うかの」
「『そんなオカルトありえません』かしらね、確かにあの子のスタイルならその考え方は正しい……でも、私達はこの夏見せつけられてきたわ。疑いようのない『オカルト』をね」
「そうじゃな」
「だから須賀くんも持っているのよ、きっと……ううん、彼は確実に持っている。そして私の推測が正しければ彼の『オカルト』は咲や優希、そして全国で競い合った猛者達すらも凌駕する強力な『力』よ」
「それがおんしが京太郎がインハイチャンプになれると思う理由か」
「ええ」
102 = 1 :
(もし……もし、本当にそんな『力』が京太郎にあるのなら……)
まこがそんなことを考えながら立っているとタコスを抱えて勢い良く部室に入ってきた優希とぶつかった。
「ご、ごめんだじぇ部長」
「いや、呆けとったわしが悪かった」
「あ、タコス!」
そう言って優希がタコスを手放した方向を振り向くとタイミング良く部室に入ってきたのかギリギリでタコスをキャッチした久の姿があった。
「もう、気をつけなさい優希」
「ごめんなさい……」
小言を言われてしおらしくタコスを受け取った優希は雀卓に着くとすぐに元気を取り戻した。
「それじゃあ始めるじぇ!」
「切り替え早すぎませんか?」
「全くじゃ、今日はわしと和が入る番じゃったか?」
「そうね、それじゃあ私は後ろで須賀くんを見ていようかしら」
「京太郎?」
部活が始まろうとする中、一言も喋らない京太郎を不審に思った優希が声をかける。
「ああ、悪い。少しぼうっとしてた」
そんな京太郎の顔を一瞥した優希は抱えた袋からタコスを一つ取り出すと京太郎に差し出した。
「優希ちゃんのタコスをくれてやるじぇ、これを食べて元気を出すんだな」
そんな優希なりの気遣いに京太郎は笑いながらタコスを受け取り一気に頬張った。
103 = 1 :
「むぐ……ごちそーさんっと、それじゃあやろうぜ!」
すぐにタコスを食べ終え座り直す京太郎。そしてその時、その場に居た京太郎と和以外の四人は確かに感じていた。
(なんじゃ……?)
(今、確かに風が吹いてきたじぇ)
(京ちゃん……?)
(……ついに、かしら)
そんな中、親決めが始まる。
「それじゃ私が起家だ……じぇ?」
優希が裏返した牌は南、起家の東では無い。普通なら驚くことでは無いがこれまで部活で優希が起家で無かったことは無い。その場に異様な空気が流れる。
そして、その空気を断ち切ったのは和だった。
「運なんだからそういうこともあります、というか今までがおかしかったんですよ」
「で、でも……」
「でもじゃありません、さあ早くめくりましょう」
「そうじゃな」
和が裏返したのは西、まこが北。つまり最後に残った京太郎の牌は、東――。
104 = 1 :
そして始まった東一局、京太郎は初心者ながらも配牌と自摸に助けられたおかげで早く高い手を和了ることに成功。だが次の局には優希が和了って親は流れ、そこから優希と京太郎の一騎討ちが始まった。
和とまこは元々積極的に和了は狙わず優希と京太郎に打たせるようにしていたが今日のこの一局だけは違った。何かに憑かれたかのように加速する二人に付いて行くことは出来ず、手が出来る前にどちらかが和了している。
そんな異様な状況で迎えたオーラス。得点は優希が一歩リードしているものの満貫直撃で埋められる点差、まだ京太郎に勝機はある。
「チ、チーッ!」
九索を鳴いて聴牌した京太郎の手配は自風の北にチャンタ、ドラ一で満貫には届かない。初心者故に目先の聴牌に飛びついてしまったせいで逆転は絶望的。だが、京太郎は感じていた。
(これじゃ逆転には届かない……でも……!)
初めて味わう牌が自分に道を示すような感覚。そして親の優希が切った牌は――北。
(来た……!)
「カン!」
「じぇっ!?」
優希の切った北を明槓して嶺上牌に手を伸ばす。
「嶺上開花、全帯幺九、北、ドラ1……8000点です」
大明槓の責任払いで満貫直撃。点差は覆され、須賀京太郎は初めて麻雀で一位になった。
105 = 1 :
今回はここまで
麻雀に関してはルールかじってアプリで遊んでる程度なのでおかしなところとか有れば指摘して貰えると助かります
>>98
終わってますが何かおかしな点ありました?
109 :
起家の決め方ってそういう感じだっけ?
111 :
まってるよのわ!
112 :
>>109
咲では牌捲って決めてるな
114 :
期待してたのにこの様か
クソだな
115 :
宮守すっごい好きなのに宮守メインのスレで完結したのとかあんの?
書いてるうちにみんなマヨヒガにいっちゃってんの?
みんなの評価 : ★
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