私的良スレ書庫
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元スレ提督「クソったれなこの世界で」
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金剛「大和が謝る必要なんてアリマセーン」
金剛「悪いのは、気づいてしまった私デース」
大和「でも……」
金剛「ハイ。でも、そのきっかけは大和との出会い――再会、デシタ」
金剛「私は自分の胸の奥で『ナニか』が感情を揺らしていることに気づきマシタ」
金剛「変な話デース。自分の心の中なのに、全然理解できなくて」
金剛「私の中に別の誰かが棲んでいる。そう、考えマシタ」
金剛「だからこそ私はその『ナニか』を『貴方』だとか『彼女』だとか表現してマシタ」
金剛「……違ったん、デスね」
大和「…………」
金剛「この胸の奥でざわめいているものこそが、魂」
金剛「かつて日本海軍として戦場に赴いていた戦艦金剛、それ自体」
金剛「マゴウコトなき、『私自身』デシタ」
大和「「……そこまで、気づいていたんですね」
金剛「ハイ。全て根拠があるわけではアリマセーン」
金剛「だけど、わかりマース」
金剛「『金剛』は、今も叫んでる」
金剛「海を疾れと」
金剛「火を噴けと」
金剛「敵を沈めろと」
金剛「キット、人間で言うところの本能ってヤツなんでショウね」
金剛「私たち艦娘は、この衝動には抗えまセーン」
金剛「なぜならそれが、私たちの存在理由だからデース」
金剛「艦娘が艦娘たる理由……それが、軍艦の魂」
金剛「不思議なことにそれに気づくどころか、軍艦だった頃のMemoryを持ってる者もほとんどいませんケドね」
金剛「私たちはなんの疑問も持たず」
金剛「ただ、魂の命令に従って、戦い続ける」
金剛「それが――艦娘としての、定め」
金剛「ハイ。全て根拠があるわけではアリマセーン」
金剛「だけど、わかりマース」
金剛「『金剛』は、今も叫んでる」
金剛「海を疾れと」
金剛「火を噴けと」
金剛「敵を沈めろと」
金剛「キット、人間で言うところの本能ってヤツなんでショウね」
金剛「私たち艦娘は、この衝動には抗えまセーン」
金剛「なぜならそれが、私たちの存在理由だからデース」
金剛「艦娘が艦娘たる理由……それが、軍艦の魂」
金剛「不思議なことにそれに気づくどころか、軍艦だった頃のMemoryを持ってる者もほとんどいませんケドね」
金剛「私たちはなんの疑問も持たず」
金剛「ただ、魂の命令に従って、戦い続ける」
金剛「それが――艦娘としての、定め」
大和「金剛さん……でも、」
金剛「だからね、大和。おかしな話なんデース」
大和「え?」
金剛「私たち艦娘がかつての軍艦の魂を宿して」
金剛「戦闘衝動にのみ従い敵艦を沈めるというのナラ」
金剛「――感情なんて、いらないんデース」
大和「なっ!」
金剛「だって、そうでショウ?」
金剛「情なんて持ってしまったら、相手を攻撃するのをためらってしまうかも知れまセーン」
金剛「私たちは、ただ砲撃できればいいんデース」
金剛「雷撃できればいいんデース」
金剛「艦載機を発艦できればいいんデース」
金剛「全ては敵を沈めるため。ダッテ軍艦なんデスから。だから、だから――」
金剛「――誰かを想う必要なんて、ないんデース」
大和「違っ、違います、金剛さん!」
金剛「違いまセーン! 恋愛感情なんて私たちにはいらないんデース!」
金剛「こんなの、こんなの邪魔になるだけデース!」
金剛「私たちは、敵を攻撃するために存在しているんデース!」
金剛「私の中の『金剛』はそう言ってマース!」
金剛「あなたの中の『大和』も――そうなんじゃありマセンか!?」
大和「……っ!」
金剛「……そうデス、あの人だって言ってマシタ。私たちは『撃つ機械』だと」
金剛「その通り、デシタね。否定の言葉も出てきまセーン」
大和「それ、は……」
赤城「――っ! 偵察機が敵影確認! 距離3000!」
金剛「!」
大和「!」
金剛「……やることは、変わりありまセーン。敵を沈めるそれだけネー」
大和「…………」
金剛「赤城! 敵艦隊の詳細は!?」
赤城「――駆逐イ級二隻、雷巡チ級、戦艦ル級、および空母ヲ級一隻を確認!」
金剛「Main dishの前の前哨戦といったところデスか……」
金剛「FlagShip金剛より全艦へ通達! これより我が艦隊は敵艦との戦闘海域に入りマース!」
金剛「艦隊は単縦陣を継続、そのまま敵艦隊と衝突しマース! 赤城は艦載機の発艦Please!」
赤城「了解!」
金剛(怖くナイ――怖くないヨー、『私』)
金剛「さあ――全砲門、Fire!」
思ったより進まなかった、とりあえずここまで
魂のくだりとか艦娘は軍艦の頃の記憶をうんぬんとかは多分原作と食い違うだろうから
そういう設定ってことで勘弁
魂のくだりとか艦娘は軍艦の頃の記憶をうんぬんとかは多分原作と食い違うだろうから
そういう設定ってことで勘弁
――――――――――
金剛「――ハァ、ハァ。これでようやく敵さん殲滅、デース?」
赤城「いえ、敵増援部隊確認! 数20! うち空母ヲ級3隻!」
金剛「くっ……!」
金剛(そろそろ、燃料と残弾数が心配になってきマシタね……)
金剛(最悪撤退も考慮しないと――)
金剛(…………)
金剛(No)
金剛(逃げの一手なんてアリエマセーン)
金剛(おめおめと尻尾を巻いて帰ったところで――どうせ私はお役御免、なんデスから)
金剛(仲間たちを逃がすのは、私が沈んでからでも遅くありまセーン)
金剛(最後マデ、『艦娘』として戦い抜く――!)グッ
金剛「さあ、次の相手は――」
比叡「待ってくださいお姉さま!」
金剛「――ハァ、ハァ。これでようやく敵さん殲滅、デース?」
赤城「いえ、敵増援部隊確認! 数20! うち空母ヲ級3隻!」
金剛「くっ……!」
金剛(そろそろ、燃料と残弾数が心配になってきマシタね……)
金剛(最悪撤退も考慮しないと――)
金剛(…………)
金剛(No)
金剛(逃げの一手なんてアリエマセーン)
金剛(おめおめと尻尾を巻いて帰ったところで――どうせ私はお役御免、なんデスから)
金剛(仲間たちを逃がすのは、私が沈んでからでも遅くありまセーン)
金剛(最後マデ、『艦娘』として戦い抜く――!)グッ
金剛「さあ、次の相手は――」
比叡「待ってくださいお姉さま!」
金剛「なんデスか? 比叡」
比叡「さっきから無茶が過ぎますお姉さま! わざわざ隊列を崩してまで単艦で敵陣に突っ込む必要ないでしょう!?」
比叡「そもそもなんで旗艦であるお姉さまが他の艦を庇うんですか!? お姉さまおかしいです!」
金剛「……なにも、おかしくなんてありまセーン」
比叡「いえ、おかしいです! まるで、お姉さままるで――」
比叡「――自分から沈もうとしてるみたい!」
金剛「――――」
比叡「ねえ、お姉さま? 一旦退きましょう。もう他の娘たちもぼろぼろです。
――お姉さまが必死に庇うおかげでお姉さまほどではないですけど」
比叡「だからお姉さま、ここはひとまず体勢を整えて――」
金剛「比叡。配置に戻りなサーイ」
比叡「……え?」
金剛「配置に戻りなさいと言ったんデース。戦闘中は無駄口を叩くものではありまセーン」
金剛「私たちは軍艦デスよ? 戦闘中におしゃべりをする軍艦がどこにいるデース?」
比叡「そ、そんな……」
金剛「戦闘に集中しなさい、比叡。撤退命令はまだ出せまセーン。みんなまだ戦えるデショウ?」
比叡「それはお姉さまが庇うから!」
金剛「私のことはいいんデース」
比叡「よくない! よくないです!」
金剛「比叡」
比叡「う、うぅ……!」
金剛「行くデース」
比叡「…………」
比叡「絶対……沈んじゃヤですからね」ザザッ
金剛「…………」
金剛「ゴメンナサイ、比叡」ボソッ
金剛(私に帰るべき場所なんて、もうないんデース)
金剛(あの人にとって役立たずになった私に、帰る場所なんて)
金剛(あるのは――還る場所、ダケ)
金剛(この海のどこかに、あの日沈んだ『私』は眠っている)
金剛(だから、ね? 怖くないんデスよ? 『私』)
金剛(ただ、あるべき場所へと戻るだけなのだから)
金剛(軍艦として、戦って沈むならそれは本望デース)
金剛(それが『私』の、軍艦『金剛』の魂の、望みでショウ?)
金剛(――――ナノに)
金剛(――――どうして)
金剛(こんなにも、苦しいんでショウ――)
――――――――――
暁「くっ、避けきれない! ――うぅ!」
金剛「暁!」バッ
ゴウゥーーーン
金剛「っつぅ……!」
暁「こ、金剛さん!」
金剛「だ、大丈夫デスか? 暁」
暁「私が大丈夫でも金剛さんが!」
金剛「私のことは気にしないでくだサーイ」
暁「で、でも……」
金剛「なるべく攻撃よりも回避に集中してくだサーイ。間違っても轟沈だけはないように」
金剛「もしもの時は撤退もやむを得まセーン。それと……」
金剛「私のわがままにつき合せて、ゴメンナサイ」ボソッ
暁「えっ?」
暁「くっ、避けきれない! ――うぅ!」
金剛「暁!」バッ
ゴウゥーーーン
金剛「っつぅ……!」
暁「こ、金剛さん!」
金剛「だ、大丈夫デスか? 暁」
暁「私が大丈夫でも金剛さんが!」
金剛「私のことは気にしないでくだサーイ」
暁「で、でも……」
金剛「なるべく攻撃よりも回避に集中してくだサーイ。間違っても轟沈だけはないように」
金剛「もしもの時は撤退もやむを得まセーン。それと……」
金剛「私のわがままにつき合せて、ゴメンナサイ」ボソッ
暁「えっ?」
島風「連装砲ちゃん! まだいける!?」
島風「…………」
島風「…………ねえ」
島風「…………ねえってば」
島風「……返事してよぉ! 連装砲ちゃん!」
島風「……やだ、よぉ……ひとりぼっちになっちゃうよぉ……」
駆逐イ級「■■■■■■」ジャキ
島風「――あ、」
駆逐イ級「■■■■■■」ゴゥン!
島風「っ!」
金剛「ああああああああああぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!」
ガイィーーーーン
ズゴゥゥゥウン
島風「――へ?」
金剛「……ア、ハハ……綺麗に殴り飛ばせるかと思いましたケド、そううまくはいかないみたいデース……」
島風「あ、ああ……」
金剛「ハァ、ハァ……平気、デスか?」
島風「金、剛さん……手が……右手が……!」
金剛「ハハハ……真っ黒こげデース……」
島風「笑ってる場合じゃ!」
金剛「――もしもの時は、迷わず逃げてくだサーイ」ザザッ
島風「金剛さん!」
赤城(艦載機のみなさんも、大分墜とされてしまいました……ごめんなさい)
赤城(他の娘たちは大丈夫かしら……)
金剛「赤城!」
赤城「――金剛さん! 貴女なんでそんなけがを!」
金剛「そんなことより、赤城の方はまだDangerな状態ではないみたいデスね」
赤城「え、ええ……」
金剛「もう少しだけ、もう少しだけ耐えてくだサーイ」
金剛「戦艦組が敵旗艦を叩ければ戦況は大分楽になるはずデース。あるいは――」
金剛「こちらの旗艦が大破以上の損傷を受ければ、さすがに撤退せざるを得なくなるはずデスから」
赤城「え……?」
赤城「……! 貴女、まさか!」
金剛「もしもの時は、他の娘たちを連れて行ってあげてくださいネ」ザザッ
赤城「待ちなさい、金剛さん!」
比叡「だあぁぁぁぁらあああああぁぁぁぁぁぁあぁあああ!」ズダダダダダダダ
比叡「私が、私が頑張らないと!」ゴウゥン
比叡「お姉さまが無茶しちゃうんです!」ズガァン
比叡「私が頑張らないと!」ズウゥン
比叡「お姉さまが沈んじゃうんです!」ガァン
比叡「私が……私がああぁぁぁぁぁぁあああ!」ダァァァァァン
金剛「比叡……」
金剛(ゴメンナサイ、比叡)
金剛(残されるつらさ、私の方が痛いほどわかってるハズなのに)
金剛(……もしもの時は、妹たちのこと、お願いしマース)
金剛(後は――大和のところデスか)グッ
金剛(…………)
金剛(…………)スッ
金剛(彼女のところに行って――私になにができるデース?)
金剛(あの戦艦『大和』のところへ)
金剛(私が行って、なにをするデース?)
金剛(私よりもあの人に頼りにされている、大和のもとに――)
金剛(っ!)フルフル
金剛(こんな考え――いりまセーン)
金剛(今はただ、敵を沈めることに集中しないト――)
金剛「――――」
金剛「――ハハ」
金剛「――アハハ」
金剛「この展開は――ちょっと聞いてないデース」
金剛(サイアクの『もしも』が――起こってしまったみたいデスね)
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