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元スレ提督「赤城が飯を食わなくなった!?」
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カプセル飲めるってことは消化器はやられてないんだろうし、いずれ回復するから(震え声)
<提督執務室>
提督「改善の兆し無し、か……」
提督「今は栄養カプセルだっけ?」
明石「えぇ。あれなら吐き出さずに飲める、と。食べ物の形でないからでしょう」
提督「……見たか? 今の赤城を」
明石「えぇ……まるで死人でした」
提督「まさか、あんなに急激に痩せ細るとは……”艦娘”、まだ分からない事だらけだ……」
提督「早く何か考えないとな。どうにかして赤城の体に飯を受け入れさせる方法……」
明石「それなんですが、一つだけ案があります」
提督「何? そんなのが……」
ビーーーーッ!!! ビーーーーッ!!!
二人「「警報!?」」
きっとこれは赤城主演の拒食症キャンペーンの映画か何かだから…(震え声)
<指令室>
提督「状況!」
妖精1「鎮守府前海域に多数の深海棲艦!! 数、10個艦隊以上!!」
妖精2「その中にタ級フラッグ、ル級フラッグ、ヲ級フラッグそれぞれ四ずつを確認!! かなりの精鋭と推測!!」
妖精3「新たに……レ級一を確認! 最速であと30分で射程圏内に入られます!!」
提督「くっそ、何故もっと早く気付かなかった!!」
妖精4「電探には今さっきまで何も映ってなかったんです!」
妖精5「ジャミングか、或は……」
提督「まぁそんな事は今はどうでもいい!!」マイクオン
提督『待機中及び鎮守府周辺航行中の全艦娘へ!! 緊急事態だ!』
提督『鎮守府が攻撃を受けている!! 全速力で帰って来て防衛に当たれ!』
提督『非戦闘員及び低練度の者は陸で避難誘導!』
極度の食事制限は体に大きな悪影響を及ぼします。最低でも1600キロカロリーは摂取しましょう。
提督『これは演習ではない! 繰り返す、これは演習ではない!!』
提督「なぁ妖精さん。今の鎮守府に連中とやり合える戦力、どれだけ残ってたっけ?」マイクオフ
妖精1「ほとんど出払ってますから……扶桑姉妹、千歳、隼鷹、高雄姉妹だけです」
妖精2「軽巡と駆逐艦は付近で哨戒中ですが、帰還には早くても40分はかかります」
妖精1「あ、あと赤城さんが残っていました」
妖精2「でも今は……」
提督「……」
<赤城の自室>
赤城(今の警報……鎮守府が攻撃されている!?)
赤城「行かないと……」ヨロッ
赤城「あぁっ!」ドサッ
赤城(力が入らない……上手く立てない……でも!!)
赤城(今、行かないと! 鎮守府が! みんなの帰る場所が!!)
ガチャ
赤城「提督……?」
提督「何処へ行こうとしている?」
赤城「もちろん、戦場へ!」
提督「そんな骨と皮みたいな体でか?」
赤城「関係ありません! 私は空母赤城です! 皆を、守らないといけないんです!」
提督「…………なら来い」
<食堂>
ドアバンッ!!
提督「ちょっと待ってろ!」
赤城「提督!? どうして食堂に……」
提督「っと。よし、できてるな…………空母盛り大カツ丼お待ち!」
提督「さぁ、食べるんだ」
赤城「で、でも、私は……」
提督「大丈夫。明石の仮説が正しければ、今のお前なら食べられるはずだ。信じろ」
赤城「……はい」
赤城「いただきます……」
赤城「……」パクッ
赤城「……?」モグモグ
赤城「……!」モグモグ
赤城「……っ」ポロポロ
赤城「美味しい……美味しいです……!」ポロポロ
提督「しばらく食べてなかった分、飯はたんまりある」
提督「たんと食え!」
赤城「はい……はい!」
赤城「次はチキンカレーと牛丼、それぞれ空母盛り特大でお願いします!!」
提督「心得た! 妖精さん、聞いたな!」
妖精ズ「サー!!」
提督「良いか赤城。食べながらでいいからよく聞いてくれ」
赤城「……ふぁい」
提督「まず……苦しんでいる事にすぐ気付けなくて、すまん」
赤城「ゴクン……いえ……」
提督「そして僅かでも、燃費を改善しようとした事。醜い姿を晒すまいとした事」
提督「……あー、手放しでは褒められんが、努力は認めよう」
提督「だが、お前は空母だ」
提督「明石曰く、空母艦娘の基礎代謝は、常人を遥かに上回るらしい」
提督「つまりあの食事量は、暴食どころか自然だったんだ」
提督「人間は蟻より遥かに多く食うが、それを”暴飲暴食”と気にするか? そういう事だよ」
赤城「……!」
提督「赤城の燃費は悪い。だが、この鎮守府で屈指の活躍をしてくれている」
提督「幾千の敵を倒し、幾万の人々を救っている」
提督「誇れ、というのも何だが……ただの食い過ぎではないという自負くらい持っててもバチは当たるまい」
提督「……んしょ、チキンカレーに牛丼、お待ち!」ドン!
提督「まぁ、俺も、変に色気づいて食わなすぎる女よりは、食べる娘の方が、アレだ。好きだ」
提督「限度はあるがな」
赤城「……っ!!///」カァァッ
提督「後は妖精さんに任せろ。俺は向こうへ戻る。……頼むぞ」
赤城「……はいっ!」
<港近く・避難所>
ドォン… ドォン…
青年1「まったく、何でこんなところまで攻められてるんだ……」
青年2「なんのための艦娘なんだか……」
青年1「ん? お、おいアレ!」
青年2「…………こっち向いてる!?」
パウパウ…
青年2「発砲煙……マズイこっち来る!!」
青年1「逃げないと!」
青年2「間に合わな……う、うわぁぁぁぁああああ!!!」
ドカァァアアアン!!
パラパラ……
青年1「…………あ、あれ? 生きてる……」
青年2「どうして……ハッ!?」
赤城「……大丈夫ですか?」
青年1「空母級艦娘、赤城……」
青年2「俺達を、庇って……」
赤城「安心してください。すぐに片付けますから」スイーッ!
青年1「すぐにって……あぁっ、一人で六隻同時に相手なんて無茶だ!」
青年2「いや、もしかして……」
赤城「前方にイ級エリート2、ホ級エリート3、チ級フラッグ1……」ギリギリ
赤城「10秒で殲滅しなさい」ヒョッ!
---
青年2「前、赤城にはいくつか噂があるって言ったよな?」
青年1「あ、あぁ」
青年2「それによると、あの鎮守府の赤城は、鎮守府設置当初からの最古参で……」
---
ドガガガガガガァァァン!!!
烈風妖精「何秒でした?」
赤城「8秒です。また腕を上げましたね」
流星妖精「いやぁ、赤城さんの指揮が良いんですよぉ」テレテレ
彩雲妖精「11時の方向にもう一個艦隊!」
赤城「ル級フラッグ1、リ級フラッグ3、ロ級フラッグ2……」ギリギリ
赤城「では今度は30秒です」ヒョッ!
---
青年2「たった一人で空母10隻を撃沈した直後に、そのまま戦艦をもう10隻ミンチにしたとか」
青年2「遠征の行きがけの駄賃で、敵艦隊12個を単独で全滅させたとか」
青年2「一晩で敵泊地を4つ潰したとか、赤城の攻撃した跡には草木一本残らないとか……」
青年1「じゃあ、あの敵艦隊も……」
青年2「あぁ、すぐにやってくれるさ!」
青年1「す、すげぇ……」
赤城「34秒。うーん、ちょっと遅かったですね」
流星妖精「す、すみません!」
赤城「いえいえ。私も病み上がりで本調子ではないですし」
扶桑「赤城!?」ザァァァ
扶桑「もう動けるの!? しばらく実戦は無理だと聞いていたけれど……というか、体形が元に戻ってる!?」
赤城「扶桑さん。しばらくご迷惑おかけしました」
赤城「もう大丈夫です。丁度、準備運動もできました」
赤城「ここからが本番です」
赤城「全機へ。遅れを取り戻します。残り全て、180秒で沈めなさい」
妖精ズ「ラジャー!!」
レ級『何だ、何が起こっているんだ!?』
ル級『どうした! どうして空母一隻如きにここまでやられている!?』
チ級『敵空母、こちらに接近!』
タ級『うぇっ……わ、笑ってる……』
リ級『撃て撃てぇーっ!!』
ドカァン!! ドカァン!!
ル級『何故! 何故当たらない!? ……ぎゃぁっ!!』
レ級『ちっ……仕切り直しだ、撤退すっぞ!』
ホ級『逃げろー!』
リ級『逃げ……ぐあぁぁっ!!』
タ級『撤退中の艦まで……』
ヲ級『あ、危ない!』
タ級『えっ……ぎゃぁぁぁああっ!!』
赤城「……感謝します。あなた方に」
ヲ級『な、こいつ何を……』
赤城「あなた方のお蔭で、立ち直る事ができました」
赤城「……あなた方の役目も終わりです」
赤城「沈みなさい」
レ級『ひっ……ば、化け物……』
ドガァン!! ドガァン!!
ドガァァァァン!!
ギャァァァァァァァァ!!
<指令室>
妖精1「し、侵攻艦隊の、全滅を、確認……」ガクガク
妖精2「八割方、赤城さん一人で沈めてしまいました」ガタガタ
妖精3「赤城さん……恐ろしい人……」ブルブル
提督「よし、警報解除」
提督「哨戒中の艦娘には、半分は念の為鎮守府に帰投命令。遠征中の艦娘に任務に戻る様に連絡を」
妖精4「りょ、了解」
妖精5「み、味方で良かった……」
ちょっと今から赤城さんしっかり育ててくる
燃費?ボーキサイト?いえ、知らない子ですね
燃費?ボーキサイト?いえ、知らない子ですね
<港>
青年1「お、来た!」
青年2「赤城―、いや赤城さーん!!」
赤城「おや、あなた方……」
青年1「ありがとうございましたー!!」
青年2「このご恩は、一生忘れません!!」
赤城「良いのです。あれが私達の任務ですから」
赤城「でも、噂話は程々にお願いしますね」
青年1「はっ、はい!」
青年2「肝に命じます!!」
赤城「あ、そうだ。私に関する噂に訂正をお願いします」
青年2「はい、なんでしょう!」
赤城「私が潰した泊地は3つです。一晩で4つ潰したのは加賀さんです」
青年1・2「」
赤城「あ、後! ご飯絡みは全部ウソですから! そんなには無理ですから!」スィーッ……
青年1「は、はーい……」
青年2「わかり、ましたー……」
青年1「……あんなのがもう一人いるのか……」
青年2「俺、もう二度と艦娘バカにしない」
青年1「俺もだ……」
毎度思うが、こういう化物を手懐けるどころか恋慕される提督ってヤバいよね…
>>144
普通は畏怖される化物に平等に対等に接してるんだから当然よ
普通は畏怖される化物に平等に対等に接してるんだから当然よ
しかし轟音爆音飛び交う戦場で、パンピーの声聞こえるとかどんな地獄耳だ……
鎮守府周辺で誹謗中傷の一つでもつぶやこうものなら砲雷撃の1つ2つ覚悟せねばならんな、やらないけど
鎮守府周辺で誹謗中傷の一つでもつぶやこうものなら砲雷撃の1つ2つ覚悟せねばならんな、やらないけど
<提督執務室>
明石「成功しましたか!」
提督「あぁ。しっかり食べてくれた」
提督「今回の騒ぎでわかった事は、纏めると『艦娘の体はメンタルに左右されやすい』って事か」
明石「ですね。赤城さんの体が急激に痩せて行った事も、あの拒食症も」
明石「『食べてはならぬ』という強い意志に体が引っ張られ過ぎた事によると推測します」
明石「直前まで動けていたのは、文字通り気力で支えていたのでしょう」
提督「そこへ『食べても良いよ』なんて言ったから折れちまったって訳か」
提督「で、より強い『食べねばならぬ』という意志で上書きする事で解決、と」
提督「……『人の形をした船の魂故に』、ねぇ……」
提督「これからはメンタルケアにも気を遣わんとな……」
明石「因みに……いっぱい食べる娘が好きって、その……本心ですか?」
提督「え? まぁ、見てて気持ち良くはある。食べる為に食べてるタレントみたいなのはアレだがな」
提督「その点赤城は、本気で味わっている。美味しそうにものを食べる様は良い物だ」
提督「それだけだ。深い意味はない」
明石「はぁ……そうですか……」
明石(メンタルに気を遣う、なんて……そう思うんなら、そんな思わせ振りな事言わないであげて……)
<夜・食堂>
鳳翔「次の方~、あっ、赤城、さん……な、何に、しまっ、しますか……?」ビクビク
赤城「空母盛り大の海鮮丼でお願いします」
鳳翔「……はっ、はい!」
鳳翔「良かった……いつもの赤城さんに……」グス
鳳翔「お待ちどおさま! 空母盛り大海鮮丼です!」
赤城「ありがとうございます!」
・
・
・
赤城「……♪」モキュモキュ!←三杯目
赤城「あ、加賀さんすみません。お醤油を」
加賀「……どうぞ」
赤城「ありがとうございます」
赤城「……♪」モキュモキュ!
加賀(元に……)ホロッ
蒼龍・飛龍(戻ってる!!)ホロホロッ
トテトテ
電「あ、赤城さん。元気になって良かったのです」
雷「四人とも、相変わらず凄い量ねー」
赤城(……っ)
響「私達も、なれるかな。赤城さん達みたいな、強くて綺麗な女性に」
暁「なれるわよきっと! その為にはまず、あの四人みたいにたくさん食べて大きくならなきゃ!」
電「なのです!」
赤城(…………)ウルッ
加賀「む、どうかしましたか」
赤城「いえ、何でもありません」モグモグ
赤城「……美味しい♪」ニッコリ
HAPPY END
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