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    元スレ榛名「榛名だってイチャイチャしたい」

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    401 = 1 :


    榛名「榛名はそれが本当に辛くて、悔しくて」

    榛名「榛名は提督を諦めようとしてたのに、何度もそう言い聞かせていたのに……諦めたくないって思っちゃったんです」

    榛名「でも、やっぱり提督には断られてしまって……」

    榛名「……」

    金剛「……」

    金剛「榛名は本当に提督のことが好き、なんですね」

    榛名「……提督は本当に優しくしてくれたんです」

    榛名「榛名が初めてここに来た時も、その後も」

    榛名「本当に……榛名が提督に薬を盛った時も気にしなくていいって、もし秘書官を続けたいなら構わないってそう優しく言ってくれるんです」

    榛名「FS作戦で榛名が期待に応えられなかった時も大丈夫、無事でよかったって」

    榛名「今回も榛名を家族のように大切だって言ってくれて……」

    金剛「うん」

    榛名「でも、榛名はそれが何より辛かった」

    402 = 1 :


    榛名「だって、榛名は提督のお嫁さんになりたかった」

    榛名「夕張さんように隣にいたかった」

    榛名「でも、榛名がどんなに頑張ってもあそこにはいけない……ほんの少しの望みすら榛名には残されてない」

    榛名「それがわかったら、今まで自分が何のために頑張ってきたのか、どうして戦ってきたのか、何がしたかったのか……わからなくなっちゃったんです」

    金剛「……榛名は提督のために戦うって、そう言ってたじゃない」

    榛名「違う……違うんです」

    榛名「榛名は本当は、提督のために戦っていたわけじゃない」

    金剛「え……?」

    榛名「全部、自分のためです」

    榛名「榛名はただ、提督に褒めて欲しかった」

    榛名「認めて欲しかった」

    榛名「必要だと言って欲しかった」

    榛名「好きに、なって欲しかった……!」

    金剛「榛名……」

    榛名「戦果をあげれば、提督は褒めてくれる。また榛名を呼んでくれる。だから榛名は戦って、戦って……提督に求められたい自分のために頑張っていただけです」

    榛名「榛名は卑怯者です」

    榛名「提督にあんな酷いことをしたのに、結局は自分のことばかり考えて……提督に応えて貰えないってわかってしまったら、途端に戦いたくなくなってるんです」

    榛名「こんなのこの国を守る軍人として、艦娘として失格です。提督にだって軽蔑されてしまう」

    403 = 1 :


    榛名「提督を好きになるまではこんなに辛くなることなんてなかったのに……」

    榛名「……榛名が横恋慕したから、恋をしたからいけなかったのでしょうか」

    榛名「榛名が提督を好きにならなければ……提督にご迷惑をおかけすることもなかったし、夕張さんとギクシャクすることもなかったし、こんな……辛い気持ちになることもなかった」

    榛名「……」

    榛名「榛名は、恋をしてはいけなかったのでしょうか……?」

    金剛「榛名」

    榛名「榛名は――」

    金剛「榛名!」

    榛名「」ビクッ

    金剛「恋をしていはいけないなんて、そんなことありません」

    榛名「お姉様……?」

    金剛「……たしかに今の榛名の考えは軍人としては間違ってるかもしれません」

    金剛「でも、榛名が今戦いたくないって思ってしまうことは何もおかしくない。人としておかしなことは言っていない……私はそう思います」

    金剛「普通のサラリーマンだって辛いことがあったら働くのが嫌になります。子供だって学校を休みたくなります。そんなの、皆一緒です。だから榛名、そんなに自分を卑下しないで」

    榛名「お姉様……」

    金剛「好きな人に褒められたいって、必要だと思われたいって考えることの何がいけないの?」

    金剛「そのために頑張ることだって、素敵なことだと私は思います」

    404 = 1 :


    金剛「確かに、恋は辛いことも苦しいこともたくさんあります。不安で眠れなくなる時だって、悲しくて泣いてしまう時だってあるでしょう」

    金剛「でも、それと同じくらい……ううん、きっとそれ以上にたくさんの幸せを感じたはず」

    金剛「秘書官になれた時も」

    金剛「料理が美味しいって言ってもらえたときも」

    金剛「プレゼントを貰った時も」

    金剛「榛名は本当に嬉しそうでした」

    榛名「……」

    金剛「毎日提督のところに向かうだけで……毎日幸せそうに笑ってましたよ」

    榛名「それは……」

    金剛「榛名……私は恋をしたことが間違いだなんて言って欲しくない」

    金剛「大変だし、辛いこともきっとたくさんある。でも、それでも……恋をしたってことを、それぐらい誰かを好きになったってことを大切にして欲しい。自分が抱いたその気持ちを否定しないで欲しい」

    金剛「だって、恋は自分を幸せにするためにするものなんだから」

    榛名「お姉様……」

    405 = 1 :


    榛名「でも……それなら榛名はどうしたらいいんです?」

    榛名「辛い……辛いんです。幸せになんか、なれてない……!」

    榛名「こんな気持ちをずっと持ち続けろと言うのですか!?」

    金剛「大丈夫。榛名のその気持ちはちゃんと報われると私は思いますよ?」

    榛名「そう思ってくれるのは嬉しいです。でも、そんな根拠のないことを言われたって何の慰めにも、解決にもなりません」

    金剛「……提督は秘書官を続けてもいいって言ってくれたんでしょう?」

    榛名「それが何の関係があるって言うんです?」

    金剛「それは、凄いことだよ」

    榛名「え……?」

    金剛「榛名は正直取り返しのつかないことをしたと思います」

    金剛「でも、それを踏まえてですよ。嫌いにならない。ましてや、そばにいてもいいって言ってもらえるなんて……それだけですごいことなんですよ?」

    榛名「……そう、でしょうか」

    406 = 1 :


    榛名「諦めたくないのでしょう? なら、もう少しだけその気持ちを大切にしてみない?」

    榛名「ですが……この気持ちを抱いていたって、榛名はもう……」

    金剛「でも……諦めたらどんな想いもそこで終わってしまうから」

    榛名「……」

    金剛「建前とかじゃない、榛名の正直な気持ちで良いんだよ。諦めるなら、私もそれをサポート……って言ったら少しおかしいかもしれませんが、榛名を支える努力をします」

    榛名「……本当は諦めるべきなんだと思います」

    金剛「うん」

    榛名「でも……でも、提督への気持ちは消えないんです。消えてくれないんです……!」

    榛名「榛名は、提督に触れたい、撫でられたい、求められたい!」

    榛名「榛名は諦めたくない! この気持ちも消したくないです!」

    金剛「……なら、大丈夫。提督もバリちゃんも……私達が思っているよりずっと、榛名のこと大好きみたいですから」ニコッ

    榛名「え?」

    金剛「ね? バリちゃん」

    ドア<ガチャ

    夕張「……バレてましたか」

    金剛「」ニコ

    金剛「じゃあ、私は行きますね。バリちゃん、榛名のことよろしく頼みましたヨー?」

    ドア<バタン

    榛名「夕張、さん……」

    夕張「……少し、お話しましょうか」

    407 = 1 :

    今回はここまでです
    ありがとうございました

    続きはまた近いうちに

    408 :

    おつ

    409 :

    おつ

    ある種提督が屑過ぎる…

    410 :

    モテる人間が罪とかそういう意味ならまあ分かる

    411 :

    おつー
    提督屑やろ…

    412 :

    これを屑と言うのか…

    413 :

    節操もなく複数の女性に手を出すことこそ屑だと思うんだが

    415 :


    榛名「諦めたくないのでしょう? なら、もう少しだけその気持ちを大切にしてみない?」

    榛名「ですが……この気持ちを抱いていたって、榛名はもう……」
    これおかしい
    榛名が榛名に言ってるぞ

    416 :

    >>415
    指摘ありがとうございます

    榛名「諦めたくないのでしょう? なら、もう少しだけその気持ちを大切にしてみない?」

    金剛「諦めたくないのでしょう? なら、もう少しだけその気持ちを大切にしてみない?」

    に脳内変換お願いします

    417 = 1 :


    ――――
    ――少し前 執務室

    叢雲「それで、結局どうするわけ?」

    夕張「私は」
    提督「俺は」

    夕張「……」

    提督「……」

    夕張「提督はどうしたいんですか?」

    提督「……今まで言ってきたことに嘘偽りはないよ」

    提督「俺は、お前が嫌がることはしたくない」

    提督「けど――」

    夕張「このまま榛名さんを放っておくのも嫌、ですか?」

    提督「う、すまない……」

    夕張「……欲張りですね。提督は」

    夕張「私が嫌だと言ったらどうするんです?」

    夕張「榛名さんを放っておくことができるんですか?」

    提督「……お前が嫌だと言うならそうする」

    夕張「嘘ですね」

    夕張「今の榛名さんをそのまま放っておけるほど、提督は割りきり上手じゃないです」

    418 = 1 :


    提督「そんなことは……」

    叢雲「ない、とは言い切れないんじゃない。今のあんたを見てるとさ」

    提督「……そう、だな」

    提督「……」

    提督「結局俺は、夕張に良い顔をしたくて、でも悲しそうにしている榛名を見るのも辛くて……」

    提督「そうやって、自分の気持ちが楽になるように動いていたのかもしれないな……」

    夕張「提督……」

    提督「……今まで散々綺麗事を言って、お前を悩ませて、榛名を傷付けてきたと思う」

    夕張「それは……仕方ない、です」

    夕張「結局私たちは自分のために生きてると思うんです」

    夕張「私が提督を独り占めしたいのも、榛名さんが薬を使ってまで提督と触れ合おうとしたのも……自分のことを第一に考えていたから」

    夕張「だから提督のその気持ちを咎めるつもりはありません」

    夕張「でも……悲しそうな榛名さんを見たくない、というのが本心であるなら、"これからどうするのか"をちゃんと決めてほしいです」

    夕張「提督が私だけを見てくれようと努力してくれるのは嬉しいですけど……今はどうすべきか、じゃなくてどうしたいかを教えてください」

    提督「……どうしたいか、か」

    提督「……」

    夕張「……」

    提督「俺は夕張を幸せにしたいと思ってる」

    提督「……だが同時に榛名にも幸せであって欲しい」

    夕張「つまり、そういうことだって受け取っていいんですね」

    419 = 1 :


    夕張「……本当に欲張り。私が一番って言ってくれてるのに、結局提督は榛名さんを切ることはできないんですね」

    提督「……すまない。だが――」

    夕張「ここに来て撤回はなしですよ」

    提督「っ」

    夕張「別に怒ってるわけじゃありません。でも、はっきり言葉にして欲しいことはありますよ?」

    提督「……」

    夕張「提督、榛名さんを抱いてください」

    夕張「そして、私達をまとめて幸せにしてください」

    提督「夕張……」

    夕張「夕張も榛名も俺が幸せにする、と言ってください」

    夕張「榛名さんにも幸せになって欲しい、じゃなくて俺が幸せにすると言ってください」

    420 = 1 :


    叢雲「……本当にいいの?」

    提督「え?」

    叢雲「こいつが榛名を抱いても」

    夕張「うん……たとえそうなったとしても、結局私が提督を好きなことはきっと変わらないと思うから」

    叢雲「……わかってると思うけど、それは」

    夕張「うん。公に重婚を認めることになるって」

    夕張「榛名さんだけを特別扱いはできないもんね……」

    夕張「でも、"それ"を認めるのはここの人たちだけですよ? 外に女を作ろうものなら……」

    提督「……そんな予定もアテもないが」

    夕張「ならいいですけど。もし"そう"なる気があるなら、提督が私たちを皆まとめて幸せにするってちゃんと約束してください」

    夕張「複数の女性を囲うって言うんですから、それぐらいの覚悟は決めてもらわないと困ります」

    提督「……お前はそれでいいのか?」

    夕張「それを聞くのは卑怯ですよ」

    提督「っ、すまない……」

    夕張「……結局のところ、このまま榛名さんがすり減っていくのを見るのが私も辛いみたいです。こんなこと言ったら、同情なんてしないでって怒られそうですけど……」

    叢雲「……ホント、どうかしてるわ。あんた榛名のこと好きすぎじゃない?」

    夕張「あはは……でも、きっとこれで良いんです。皆で一緒に幸せになれるなら……きっと、その方が良いと思うから」

    提督「夕張……」

    夕張「でも……私が一番じゃないと嫌ですからね」

    提督「……わかった。俺も腹を括るよ」

    夕張「ええ」

    提督「……」

    夕張「提督?」ジトッ

    提督「……夕張も榛名も俺が幸せにする。約束だ」

    421 = 1 :


    ――――
    ―― 榛名の部屋

    榛名「……」

    夕張「……」

    榛名「……どうして、こんなことになってしまったのでしょうね」

    榛名「榛名が我慢できなかったから、それとも榛名が提督に恋をしてしまったからでしょうか?」

    夕張「そんなことは……」

    榛名「……最初は側にいられるだけで良かったんです。本当ですよ?」

    榛名「そうしている間にいつか、ほんの少しでも榛名の方を見てくれれば……そんな希望があるだけで良かったんです」

    榛名「……でも、どうしてでしょう」

    榛名「側にいるのが当たり前になったら、もっともっとって。榛名、どんどん我慢できなくなってしまって」

    榛名「それで――」

    夕張「榛名さん……」

    422 = 1 :


    榛名「……」ジロリ

    榛名「……どうして」

    榛名「どうして、提督の隣にいるのが榛名じゃなかったのでしょうか……榛名だって、きっと提督を支えられたのに」

    夕張「……」

    榛名「どうして夕張さんなのですか? ずっと提督の笑顔を独り占めして、愛されて……なんで、戦艦の榛名ではなく、軽巡の夕張さんがっ……!」

    夕張「それは……」

    榛名「ごめんなさい。榛名酷いこと言ってますよね。でも……でも、それでも! 榛名はそう思わずにはいられないです!」

    榛名「だって! 榛名は提督に拒絶されたのに、こんなに好きなのに! なのに夕張さんは……どうして夕張さんは愛して貰えるの!? 榛名と夕張さんで何が違うの!?」

    夕張「……」

    榛名「……榛名は夕張さんが妬ましい」

    423 = 1 :


    夕張「榛名さんだって、提督に愛されてますよ」

    榛名「……は?」

    榛名「どうしてそんなこと言うんですか……?」

    榛名「どうして? 夕張さん、榛名が提督に拒絶されたの知ってますよね」

    榛名「なのに、どうして? そうやって、榛名を馬鹿にするのですか。そのためにここに来たのですか!?」

    夕張「違います。私は――」

    榛名「いいです!」

    夕張「っ」

    榛名「慰めなんていらないです! 特に夕張さん、あなたからは……!」

    夕張「榛名、さん……」

    榛名「……ごめんなさい。もう出ていってください。大好きだったはずの夕張さんに……これ以上酷いことを言いたくない」

    夕張「悪態ぐらいいくらついてくれても構いません。でも、少し私の話も聞いてください」

    榛名「嫌です! もう榛名に構わないでください!」

    夕張「大丈夫です。嫌なことではないはずですから!」

    榛名「なんなんですか!? これ以上榛名に惨めな思いをさせないでください!」

    夕張「そんなつもりはありません! ただ、提督と――」

    榛名「嫌です!」

    夕張「話を聞いてください!」

    榛名「提督となんだっていうんです!? 今更提督に会えるわけないじゃないですか! どんな顔をして会えって言うんです!? それともなんですか、夕張さんが榛名と提督の仲を取り持ってくれるとでも言うんですか!?」

    夕張「そうですよ!」

    榛名「だったらもう榛名に――え?」

    夕張「提督との関係を認めるって言ったんです!」

    榛名「な、何を言って……?」

    424 = 1 :


    夕張「はぁ……少しは落ち着きました?」

    榛名「……ほ、本当に認めてくれるんですか?」

    夕張「私が身を引くってことじゃないですよ。2人まとめて愛してもらうってことです」

    榛名「でも、それは……」

    夕張「安心してください。提督も了承してます」

    榛名「……」

    夕張「……本当は私だって不本意ではあるんですからね」

    榛名「なら、どうして……」

    夕張「……」

    夕張「榛名さんは、この鎮守府の主力艦隊の要です」

    夕張「金剛さんでも長門さんでも大和さんでも赤城さんでもなく、あなたが精神的支柱なんです。わかりますか?」

    榛名「そんな、榛名なんて……」

    夕張「いいえ。皆認めているんですよ。それこそ大和さんも赤城さんも長門さんも……海外から派遣されてきたビスマルクさんですら、ここの"エース"が榛名さんだってこと」

    榛名「……」

    夕張「もちろん、提督もです」

    榛名「提督も……」

    夕張「あなたがそんな調子では、艦隊の運営に支障が出ます」

    425 = 1 :


    榛名「だから……」

    夕張「……と、言うのが発表する建前です」

    榛名「え?」

    夕張「本当のところは結局……私も提督も榛名さんのことが大好きってことですよ」

    榛名「夕張さん……」

    夕張「私たちは艦娘です。いつ死ぬかわかりません」

    夕張「もちろん簡単に死ぬつもりはありませんが……私達の仕事は戦争ですから」

    夕張「砲弾、魚雷、爆撃……いつ私達がその餌食になるかわからない。戦場に出たら、私たちはいつだって死と隣り合わせです」

    夕張「だからこそ、得られる幸せは精一杯噛み締めなきゃいけない。それは榛名さんだって同じなんです」

    榛名「でも……本当に良いんですか?」

    夕張「……本当は私、ずっと迷ってたんです。重婚についてどうするべきか」

    夕張「薬の件の後、榛名さんが身を引いてから、提督を独り占めできて……最初はこれでいいかなっても思ったんです」

    榛名「はい……」

    夕張「……でも、時折見せる榛名さんの悲しそうな表情気付いてました。見て見ぬ振りをしてたんです」

    夕張「さっき、榛名さん自分が卑怯だって金剛さんに言ってましたよね。私も同じです」

    夕張「口では榛名さんを家族だ大切だって言いながら……私はやっぱり提督を独り占めしたかった」

    榛名「そんな……それは当然の権利です。だって、夕張さんも提督もお互い愛しあってます。榛名とは立場が違います」

    426 = 1 :


    夕張「……私、思ったんです。やっぱりみんな幸せになるべきだって」

    夕張「私達こんなに頑張って、命がけで戦ってるのに……望みが叶わないなんてあんまりだと思いません?」

    夕張「そりゃ、全部叶えるなんて無理だと思います。でも、叶えられる望みなら叶えないと……私が少し我慢することで、榛名さんの望みが叶うなら、幸せになれるなら……」

    夕張「きっと今まで難しく考えてたんです。私が感じているこの幸せを皆で共有できるなら……きっと、その方が良いんです」

    榛名「夕張さん……」

    夕張「……とは言え、同じ人のそばにいたいと思ったら、お互い迷惑かかっちゃうと思います。気にしないとは言えませんが……今はこれでいいと思うんです」

    夕張「限度とか、色々問題は出てくるかもしれませんけど、とりあえず今は……ね」

    榛名「……ありがとう、ございます」

    夕張「」ニコッ

    夕張「一緒に、幸せにしてもらいましょうね?」

    夕張「でも、正妻の座は譲りませんから!」

    榛名「……はい」

    夕張「それじゃ、行きましょうか」

    榛名「行くって……」

    夕張「もちろん、提督のところへですよ?」

    榛名「ふぇっ、い、今からですか?」

    夕張「ええ。全は急げと言いますし……」

    夕張「……」

    榛名「で、でも……その」

    夕張「……私達はこれから」

    夕張「3Pをします」

    427 = 1 :


    ――提督の部屋

    夕張「――と、言うわけで連れてきました」

    提督「……夕張」

    提督「本当に、いいんだな」

    夕張「……くどいですよ。提督」

    提督(夕張は溜め息をつきながら近づいてくると、俺の首に腕を回した。そのままそっと唇を重ねてくる)

    夕張「ん……」

    提督「……夕張」

    夕張「私が一番じゃないと嫌ですからね。たとえ榛名さんがいても、提督の初めての奥さんは私なんですから」

    提督「ああ。わかってる」

    榛名「……」

    夕張「ほら、榛名さんも来てください」

    榛名「夕張さん……でも」

    夕張「もちろん、嫌ならいいんですよ?」

    榛名「っ、嫌……なんてことはないです。たとえ2番目でも提督に愛して頂けるなら、榛名は……」

    提督「……榛名」

    夕張「なら……私はしばらく席を外しますね」

    榛名「え……?」

    提督「は?」

    夕張「初めてが3Pなんて、嫌でしょうし……いろいろ積もる話もあるでしょうから」

    榛名「夕張さん……」

    夕張「頃合いを見て戻ってきますから、その時は私も混ぜてくださいね」

    ドア<バタン

    428 = 1 :


    提督「……」

    榛名「……」

    榛名「あの」
    提督「その」

    提督「……」

    榛名「……榛名は提督に謝らなければなりません」

    提督「……」

    榛名「さっきのことも、これからのことも」

    榛名「きっと本当に辛い選択をさせてしまったのだと思います。申し訳ありません」

    提督「……俺の方こそ、何も考えず榛名に無神経なことを言ってしまっていたと思う。すまなかった」

    榛名「とんでもないです! 提督の優しい言葉……榛名は嬉しかったんです」

    提督「榛名……」

    榛名「でも……それと同じぐらい辛かったのも事実です。榛名が提督と結ばれることはないと思っていたから」

    提督「……」

    429 = 1 :


    榛名「……提督」

    榛名「無理なら無理と言ってくださっても大丈夫です」

    榛名「こうして榛名を愛そうとしてくれた……お二人の気持ちだけでも、榛名は嬉しいです」

    提督「いや……夕張と決めたんだ」

    提督「榛名、お前が望むなら……俺もお前を愛してみる」

    榛名「提督……」

    提督「卑怯な言い方ですまない。だが、やはり俺にとっての一番は夕張だ」

    提督「榛名のことを一番に愛することはできないと思う……これまでも、そういう対象として見ないよう努力してきたつもりだ」

    榛名「……はい」

    提督「でも、それでも、だ。榛名がその……俺とそうなることを望むって言うなら……俺のことを愛してくれると言うなのなら」

    提督「俺もその気持ちに応えよう。精一杯榛名のことを愛すると約束する。夕張だけじゃない。榛名、お前も……俺がちゃんと幸せにしてみせる」

    榛名「はい……はいっ」ジワ

    榛名「ありがとうございます……十分です。提督に愛して貰えるなら、榛名は一番じゃなくても大丈夫です」ポロポロ

    榛名「榛名は提督を愛しています。好きです。提督じゃなきゃ、嫌なんです」

    提督「……ありがとう、榛名」ギュッ

    榛名「あ……」

    提督「俺も榛名のことを好きになる」

    榛名「う……あ……嬉しい、嬉しいです」ギュッ

    榛名「榛名、榛名は……」ポロポロ

    提督「すまなかった。今まで」

    榛名「う、うぅ……あっ、ああぁぁぁ」ギュー

    提督「……」ナデナデ

    430 = 1 :


    ――――
    ――

    榛名「……申し訳ありません」

    提督「いいよ。俺の胸ぐらい、いくらでも貸すさ」

    榛名「ありがとう、ございます……」

    榛名「……」

    榛名「榛名……もう一つ提督に謝らなければならないことがあります」

    提督「うん?」

    榛名「……提督に頂いた髪留めを無くしてしまったんです」

    提督「あの戦闘でか?」

    榛名「はい……」

    提督「……そんな辛そうな顔をするな」

    提督「さっきも言っただろう。榛名が無事だったことが嬉しい、と。髪留めはまた買えばいい」

    榛名「……ありがとうございます、提督」

    榛名「……」

    榛名「提督……」

    提督(榛名が潤んだ瞳で見つめてくる)

    榛名「その……榛名を、抱いてください」

    431 = 1 :


    提督「榛名……」

    彼女は頬を染め、恥ずかしそうに俯きながら俺にしなだれかかってきた。
    頭半分ほど身長が低い彼女は俺の首筋に顔を埋め、ゆっくりと深呼吸すると意を決したように顔をあげる。

    榛名「……榛名、わかったんです」

    提督「え?」

    さらさらの前髪から覗く大きな瞳はしっとりと潤み、少し上目遣いで覗きこんでくる仕草はまるで機嫌を伺いながら擦り寄ってくる犬のようにも見えた。

    榛名「榛名は提督を榛名のものにしたいんじゃないんです」

    彼女の瞳に吸い込まれたようにそこから視線を外せずにいると、彼女はますます身体を密着させ、柔らかな腰や胸をゆっくりと擦りつけてきた。

    榛名「……榛名が、提督のものになりたいんです」

    提督「」ゴクッ

    薄い桃色の瑞々しい唇。柔らかく甘い匂いのする肌。
    押し付けられた豊満な胸から伝わる蕩けてしまいそうなほど魅惑的な感触。
    情欲を沸き立たせるには十分過ぎるほどの身体が目の前に差し出されていた。

    432 = 1 :


    榛名「提督……どうか榛名の身体に触れてください」

    榛名「唇も胸もお尻も脚も好きなところを提督の手で……」

    榛名「私の身体の全ては提督のものです」

    提督「提督の印をたくさんつけてください」

    榛名「提督の匂いをたくさんつけてください」

    榛名「他の誰でもない。提督が、あなたが好きって……あなただけなんだって、身体にも言わせてください」

    榛名は顔を紅潮させながらそう口にした。
    理性がとろとろと溶けて崩れていくようだった。

    提督「……榛名」

    彼女の肩に手を置くと、彼女は目を閉じ唇を差し出した。
    そっと顔を寄せながら、頭を色々な重いが駆け巡るがそれをぐっと押し込める。

    夕張にあれだけのことを言わせて、榛名にこれだけ思われて、愛の言葉まで囁き、幸せにする約束までしたのに今更後に引くことができようか。
    彼女達を愛すると、幸せにすると決めたのだ。

    榛名「ん……」

    唇に柔らかな感触が伝わる。少し湿った、柔らかい唇の感触。

    榛名「……あ。はぁ……幸せです。提督、もう一度して頂けますか……?」

    提督「ああ」

    榛名「ん……んん、ちゅ……」

    彼女を強く抱きしめてこちらから唇を重ねる。
    彼女の蕩けた瞳が、背中に回された手が興奮をかきたてた。
    今まで押し込んでいた欲望が、堪えていた情欲が溢れだして止まらなかった。
    もう今更止まることは無理だ。

    433 = 1 :


    榛名「んんっ! んっ……あ……」

    唇を割り、舌を侵入させると榛名の身体がビクンと跳ねた。
    が、特に拒む事無く舌を受けれてくれる。

    提督「榛名……」

    榛名「提督、んむっ」

    彼女は歓喜の声を漏らしながら、こちらの舌の動きに合わせて舌を絡ませ、身をよじらせた。

    舌を離そうとすると、彼女から舌を絡めてくる。
    唇を重ねたまま榛名と部屋の一番奥の布団に移動し、そのまま押し倒していた。

    提督「ん……榛名」

    榛名「提督……」

    お互い荒い呼吸を繰り返しながら見つめ合う

    提督「すまない。あれだけ偉そうなことを言っておきながら……」

    榛名「いいえ。嬉しいです。榛名で興奮してくれたんですよね?」

    榛名「この日のことをずっと待ってたんです。提督に求めて頂ける日をずっと、ずっと……」

    提督「榛名……」

    瞳を潤ませながら噛み締めるようにそう言う彼女がどうしようもなく愛おしく感じて俺はもう一度彼女に優しく口付けた。

    ――――
    ――

    434 = 1 :


    ――――
    ―― 翌日

    提督(朝食を食べに食堂に入ると、視線が一気に集まるのを感じた)

    榛名「♪」スリスリ

    夕張「……」ギュッ

    提督(原因は間違いなくこの2人……に抱きつかれている俺だろう)

    提督(食堂内がざわつくのがわかる)

    叢雲「……ちょっと、入り口で立ち止まらないでくれる」

    提督「ん、ああ……すまん」

    叢雲「……」チラッ

    叢雲「」フン

    叢雲「」スタスタ

    提督「……」

    青葉「て、ててて提督!」バタバタ

    435 = 1 :


    青葉「これは……何事ですか? どういうことですか? 説明してください!!」

    提督「これは――」

    榛名「そういうことですよ」フフン

    青葉「そういう……そういうこと!? それはつまり、SEXしたってことですか!?」

    提督「声が大きいよ!」

    榛名「ええ。昨夜はたくさん……しるしつけてもらいました」テレッ

    夕張「ふぅぅぅん」

    提督「いや、あの……途中からお前も混ざったよね?」

    青葉「だ、だだだ大事件じゃないですか!」

    青葉「夕張さん公認ってことですか!? 重婚を認めるということですか!? 今後他の人が提督と関係を持つ可能性もあるということですか!?」

    夕張「ちょっと、あまりいっぺんに質問しないでください」

    436 = 1 :


    青葉「く、詳しくお願いします!」

    夕張「……わかりました。提督、席取っといてください。少し説明してきますから」

    提督「ああ。わかった」

    パタパタ

    提督「……慌ただしいな」

    榛名「仕方ありません。それだけ皆びっくりしているんです」

    提督「そうか……」

    提督「……」チラリ

    榛名「?」ニコッ

    提督「う……その、榛名。少し離れて」

    榛名「こうして寄り添うのはダメ、ですか……?」

    提督「駄目、ではないが……今は周りの目もあるし」

    榛名「いえ、榛名は大丈夫です!」

    提督「や、俺が恥ずかしいと言うか……」

    榛名「ですが、榛名ももう提督のお嫁さんなんですから、もっともっとこうやってイチャイチャしたいです」

    提督「……」ムゥ

    437 = 1 :


    提督「その、正直に言うとまだ少し戸惑ってる」

    提督「昨日も言ったかもしれないが……今までは、そう見ないようにしてたんだ」

    提督「美人だと思っていたし、意識したことがないわけじゃない。でも、俺には夕張がいるし……あくまでも提督として接しようと努めてきた」

    提督「だから、急にこう距離が縮まると、頭が追いつかないというか」

    提督「どうしたらいいかわからない。情けない話だけど」
    提督(そう言う俺に榛名は優しく微笑むと、さらに身を寄せてきた)

    榛名「だったら、尚更たくさんイチャイチャしましょう」

    提督(ふわりと彼女の甘い香りが舞う)

    榛名「戸惑いがなくなるぐらい慣れれば良いんです」

    榛名「ですから、こうして……」

    ギュッ

    榛名「たくさん、練習しましょうね」

    438 = 1 :


    おわり

    439 = 1 :

    本当に長い間、ありがとうございました

    恋愛経験の乏しい自分にはこういう話は少し難しかったようです
    次はもう少し緩い話を書けたらなって思います

    440 :

    榛名編終わったか 次はよ(鬼)

    441 = 1 :


    祥鳳「夜伽にきました」

    或いは

    叢雲「秘書艦と初期艦」

    的な話をぼんやり妄想してるので、その時はどうかよろしくお願いします

    442 = 440 :

    ここの鎮守府なのかな また別かな まぁおつ

    443 :


    間に合えば誘導ほしい

    444 :

    誘導を是非お願いし隊!
    ちょっとだけ夕張さんがかわいそうな

    445 :

    正直、前スレで夕張と結ばれた後にこの結果はガッカリだった
    提督には夕張一筋でいて欲しかっただけに

    446 :

    >>445
    スレタイ見た時点でブラウザを閉じるべきだった

    447 :

    榛名との夜戦描写が絶望的に足りない。800字詰め原稿用紙100枚で再提出すること。

    448 :

    おつ
    面白かったよ

    449 :

    たしかに描写がなかったのは生殺し感があるけど 次回作は続編の予定そうだしそっちで期待する
    あまりss読まないけれども主の作品は面白かった。気長に待ってる


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